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第五章 ターニングポイントなう

112話 ハルバードゴーレムなう

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「私があなたの案内役を仰せつかっております、ティルナでございます。よろしくお願いいたします」

「ん、よろしく」

 さて、領主の家を出た辺りで領主の関係者らしき人が一人やってきた。覆面というか忍者みたいなマスクで口もとを隠している。その他の服装は普通の革鎧だから違和感が凄い。
 覆面で隠れているから性別が分かりにくいが……っていうか本当にどっちか分からない。年齢は俺より年下っぽい感じで、目元だけで判断するなら顔立ちは整っているだろう。
 短く切りそろえられた髪も判断材料になりえない。名前からして女性っぽいけど。

「案内、お願いね……ティルナ、ちゃん? 君?」

 性別なんてどうでもいいんだけど、気になったことは聞いておくに限る。

「……一応、私は女です。そして少なくとも貴方よりも年上ですよ」

 少しムッとした表情になるティルナ。これは性別を尋ねられたことよりも――年下扱いされたことに怒っているようだね。

「年下扱いしてごめんね。じゃあ行こうか」

 素直に謝ってから歩き出すと、ティルナは少しだけキョトンとした顔を浮かべてからこちらへ歩いてきた。

「謝られなくても結構です」

 そう言ったティルナはスタスタと俺の前に出る。AGが謝ったことが意外だったのだろうか。
 まあどう思われてもいいか、後ろから刺されなければ。
 俺は懐から活力煙をとりだし、口に咥えて火をつける。煙が空に溶けていくのを見ながらふと妙なことに気づいた。

(……胸元に魔道具?)

 ティルナが胸元に魔道具を付けているんだが……ネックレス型の魔道具かな。
 さてティルナの案内で暫く歩くと……なるほど、祠のようなモノが出てきた。この中に言っていたゴーレムがいるのだろう。
 魔力を『視』る眼を発動させると……ああ確かに、いるね。
 取りあえず祠の中に進むと……右腕がハルバードになっているゴーレムが鎮座していた。動いていないから……近づいたら動くタイプかな。
 岩で出来ていて、容易に刃などが通るようには見えない。

(カカカッ……人工モノッポイケドナァ!)

 ヨハネスが笑いながらそう言うけど――作り物、なるほど。そう言われてみればそう見える気がしなくもない。
 それにしても作り物か――

(魔法師の誰かが作ったってことだよね。ってことはあの祠の中に何かあるのかな)

(ワカラネェガ……アノ向こうカラ魔力は感じネェ。ダガ誰かガ意図を持っテアレを作ったンダトシタラ……)

「あの中に何かあると思うべきだろうね」

 何とも疑問は尽きないけれど、取りあえず戦ってみるか。

「どうやったら動き出すの? あのゴーレムは」

「近づいたら動き出し、周囲にいる生物に攻撃をしかけます。……ご武運を」

「なるほど」

 俺は取りあえずゴーレムに近づくと――ヴン、と音がしたかと思ったらゴーレムが動き出した。ガシャン、と立ち上がったゴーレムの大きさは……二階建ての建物ぐらいある。これは怖い。

「やるかぁ……」

 俺は素早く踏み込み、ゴーレムの脚に『三連突き』で攻撃をしかける。――が、やはり見た目通り硬くてあまり攻撃が通った感じがしない。これは面倒だね。
 前領主と戦った時みたいな感覚だ。硬い、それだけで刃が通らない。

(さて……魔法も魔昇華も使いたくないんだけど)

 チラリと後ろを見ると、ティルナは後方へ避難していた。あの距離からでも魔昇華をすれば見えるだろうし――相手に情報として知られていたとしても、やっぱり見せたくはない。
 さて、どうしたものか。

「水魔法メインで……っていきたいところだけど」

 水魔法もまた人前であまり使いたくない。これもまたあんまり使ったことが無い魔法だから、なるたけ人前で使いたくないんだよね。

「と、なると……」

 火……は、対生物ならまだしも岩を燃やせないからね。いや魔昇華して全力を振り絞れば高温で溶かせるかもしれないけど。
 だからやっぱり風かな。

「風を圧縮して砲弾に……ふむ」

「VvvvvvIiiiiiiii」

「おっと」

 ゴーレムが振り下ろしてきたハルバードを槍で捌き、俺はバックステップして久々に詠唱を開始する。

「『紫色の力よ。はぐれのキョースケが命令する。この世の理に背き、敵を貫く風の弾丸を! ウィンド・ピアーズ』」

 指先に集められ圧縮された風をゴーレムの左足の付け根にめがけて発射する。ガスッ! と鈍い音がしてゴーレムは一瞬だけ動きを止めるが、気にせずハルバードを振り上げた。
 俺は二度バックステップをしてティルナのところまで下がると――ピタリと、ゴーレムは動きを止めた。

「……距離をとったら動きが止まるのか。ならこの距離から魔法で貫けないかな」

「それはやめておいた方がいいかと。遠距離から魔法を撃つと今度は距離でなく術者がロックオンされてしまうことになるので」

「へぇ。……なるほど、こうして休めなくなるってことか」

 それはめんどうだ。
 俺はふむと腕を組んで――チラリとティルナを見る。メモなどを取っている様子は無いが、魔道具の存在がある。それで記録をとられているかもしれない。

(消耗は少な目、且つ普段の戦い方をせずにしかも短期決戦で決める必要があるのか)

 割と面倒だけど、出来なくはない。
 あと、一つ分かったことがある。

「あのゴーレムは――弱い」

 魔魂石は確かにAランククラスなんだろう。魔力量も普通じゃない。
 ただ、一度打ち合っただけだけど――それにしても動きが単調過ぎる。

「弱い……ですか? Aランク魔物です、よ……?」

「魔力量がAランクならAランクの強さってわけでも無いよ。まあ……精々Bランク下位くらいじゃない?」

「……言っておきますが、Bランク魔物だとしても並みのAGでは歯が立たないレベルの強さです。貴方の尺度で考えられては――」

「なんでBランク以上の魔物が隔絶した強さなんだと思う?」

 俺はティルナの言葉を遮って――槍を短槍にチェンジする。俺がアイテムボックスを持っていることを知らないティルナはそれに驚いた顔をするが――それを無視して、煙を吐きだしながら滔々と語る。

「Cランク以上の魔物は魔法効果を持った能力を持ち、Bランク以上の魔物は固有性質を持っている。アックスオークが剣士殺しなんて呼ばれてるのは固有性質のせいだ。さて、あのゴーレムはどうか?」

 俺は短槍を左手で持ち、ヒュンとゴーレムに向ける。

「見るだけで分かるってのも変な話だけど――あのゴーレムには固有性質が無いみたいだ」

「ということは?」

「一撃一撃が必殺の攻撃を振るうただの雑魚ってことだよ。当たらなければ問題ない」

 そう言ってから、俺は詠唱を始める。無詠唱で魔法を撃てると知ってるかもしれないけど、一応ね。

「んー……『紫色の力よ。はぐれのキョースケが命令する。この世の理に背き、敵を貫く風の弾丸、それの装填準備を。ウィンド・ピアーズ・リロード』」

 詠唱が完了すると、俺の右腕に六発の風の弾丸が巻くように現れる。普段なら何十もの風の弾丸を後ろに展開して叩き込むくらいするけど――まあ省エネで倒したいし、何より力押し以外の戦い方も学んでおきたい。
 俺はふぅ~……と活力煙の煙を吐きだしてから、少しだけ微笑む。地面に活力煙を落とし、踏みつけてから前を向いた。

「さて、行こうかな」

 のほほんとした声を出して、俺はハルバードゴーレムに向かって一気に突進していく。
 ハルバードゴーレムも起動したかと思うと、右腕を振り下ろしてくる。それを短槍で軌道を変えて逸らしつつ、俺は軸足になっている左足の付け根に右腕で狙いを定める。

「Bang!」

 ヒュン、と俺の右腕から発射された風の弾丸が狙い通りの位置にちょうど着弾する。ハルバードゴーレムはそれに怒ったか、今度は左腕を振り下ろしてきた。
 それは体を逸らして躱し、バックステップしてからまた左腕に風の弾丸を発射する。

「よっ……Bang!」

「VvvvvvIiiiiiiii……!」

 二発、三発と同じ箇所のみ狙って攻撃する。相手のハルバードは短槍で弾き――確実に攻撃を重ねていく。
 撃った風の弾は五発。残り一発になったところで俺は大きくバックステップをして距離をとる。
 それを追おうとハルバードゴーレムが一歩強く踏み込んだところで――最後の一発を付けねに撃ち込んだ。

「Bang!」

 ガツン! と鈍い音がして足の付け根の部分が砕ける。目論見通り。いくらタイミングを見計らったとはいえ――たった六発で砕けるなんて、だいぶ脆いね。

(カカカッ! オレ様が選んだモットモ脆い場所に全く同じ角度で六発モ叩き込めばソリャア砕ケルに決マッテルジャネエカァ!)

 そういうものかな。
 取りあえず動きは封じた――いや、制限したと言うべきか。こうなれば、あの単純な思考ルーチンならやることは一つだろう。

「VvvvvvIiiiiiiii! VvvvvvvAvaaaaaaaa!!」

 左足を失ったハルバードゴーレムは――そのまま右足だけで飛び上がった。そしてかなり勢いをつけてハルバードを振り下ろしてくる。

(しかも魔力がハルバードに集まっている。固有性質のようには見えないから――魔法効果か)

 あれをまともに喰らえば、俺でも流石にマズいだろう。……まともに喰らえば、ね。
 ハルバードゴーレムが落下してくる位置に俺は移動して、ハルバードをギリギリで躱しながら――『音速突き』をハルバードゴーレムの口内に叩き込む。ゴーレム自身の重さと俺の槍の威力が合わさり――轟! とハルバードゴーレムの頭が吹き飛んだ。

「……って、流石にこの槍じゃ今の衝撃には耐えられないか」

 そして……俺の短槍も同時に吹っ飛んでしまった。結構高かったんだけどな、これ。
 まあ『職スキル』の威力に耐えられないなんてよくある事らしいし……また買い替えよう。

「魔魂石は……OK、OK。残ってるね」

 ならさっさと回収してしまおう。Aランク魔物の魔魂石ならかなりの値段で売れる。胸に魔魂石があることは分かっていたから、頭を粉砕してとどめを刺したんだしね。
 そんなことを思いながら俺は魔魂石の周囲の岩を『パンドラ・ディヴァー』で殴りながらなんとか魔魂石を出せないかと四苦八苦していると……ティルナが近寄ってきた。

「…………お疲れ様です」

「うん、お疲れ様。ああごめん、魔魂石を取り出すの手伝ってくれない? 流石にこの岩を引き剥がすのは骨でね」

 そう言いながら俺がティルナの方を振り返ると――彼女は呆然とした顔をしていた。

「…………? どうしたの?」

「い、いえ……その……ちょ、ちょっと常識と現実のすり合わせを行ってまして……」

 なんか変なことを言い出した。
 常識と現実のすり合わせ? ――目の前で起きたことが現実であって、常識と違おうが受け入れるべき現実だと思うんだけど。
 まあ俺なんかでそんなショートしてちゃ、SランクAGとかと出会った時は失神してしまうんじゃないだろうか。

(どうでもいいか)

(カカカッ! 相変ワラズ身内以外には無関心ダナァ!)

 ヨハネスがからかうように言うけど……いや、今のは無関心とかそういうことなのかね……?
 しばらく無言で作業していると、ティルナが「あの……」と少し遠慮がちに訊いてきた。

「キョースケ様は……その……ま、魔法師と槍術師、どちらが本業なんですか?」

「へ?」

 キョトンとした顔をしていたと思う。

「なんでいきなりそんなことを?」

「いえ……その、手練れの魔法師でもAランク魔物のゴーレムを、風の弾丸で破壊出来るなんて聞いたことが無いので……そもそも、風の魔法は魔物相手には効きづらいですから……」

 そういえば、風の魔法より火の魔法を――ってリューにも言われたっけ。風の魔法は魔物相手には威力が低くて使いづらいって。
 たしかに俺もああして弾丸として扱う時は炎をよく使うからねぇ。

「しょ、正直……控えめに言っても化け物というか……地味だから逆に凄すぎるというか……Aランク魔物とぶつかり合ったのにこんなに被害が少ないなんておかしいです!」

 最後の方は少し声を荒げたティルナ。そんなことを俺に言われても困るというか。
 ……手を抜いた代わりに慎重に戦ったからこれだけ被害が少ないんだけどね。
 活力煙を再び取り出し、口に咥える。
 そして火をつけてから――俺はほほ笑む。

「俺は基本的には槍術師だよ。魔法を扱うのが少し上手いだけで」

「……アレが? アレが少し? 九割以上の魔法師では手の届かないであろうことをやってのけて、少しですか?」

 物凄い形相。それは――認めたくない、というよりも認められるわけが無いという顔。
 俺はそんな顔を見て――何故か、口が動き出した。

「……そうだよ。少し、だ。現に――俺の槍も、魔法も、一切覇王には通用しなかった」

 切り札だった|終扉開放(ロックオープン)も一切。あの化け物には通用しなかった。
 ティルナはそんな俺の答えを聞いて――フッと苦笑めいたものを浮かべた。

「……覇王、ですか。傲慢ですね」

「傲慢?」

 俺が問い返すと、ティルナはつらつらと苦笑いした顔のままつらつらと言葉を紡ぐ。

「はい。……上しか見ていない。足元で踏みつぶされている人間がいるなんて考えてもいない。強者の傲慢です」

「強者の傲慢、ねぇ……」

 そう俺が繰り返すと、ティルナは一気に「ハッ」とした顔になりガバッ! とダイナミックに頭を下げた。

「も、申し訳ございません! とんでもない失礼をいたしました!」

 今にも土下座せんばかりの勢いに少し圧されたものの、俺は活力煙の煙を吐きだしながらヒラヒラと手を振った。

「え? ……別にいいよ。確かに、少し俺も配慮に欠けていたかもしれないから」

 別に何を言われようと割とどうでもいいからね。
 俺が彼女のことをよく知らないように、彼女も俺のことをよく知らない。初対面だし、刃を交えたわけでも無いから。
 刃を交えれば少しは相手のことが分かる――なんておとぎ話かと思っていたけど、割とそうでもない。少なくとも俺は。
 まあ何が言いたいかと言うと――正直、ネットに書き込まれた悪口くらいにしか思えない。
 と、思ってなるべく何ともない風に返事したんだが――何故かティルナはどんどん顔を真っ青にさせていく。

「その、も、申し訳ございません……! どうか、どうかお許しください」

「いや別に怒ってないから――」

 ついに泣き出しそうな顔になったティルナは、まさかの土下座の体勢に移行していた。

「何故に!?」

「お願いします、許してください! なんでもしますから!」

 なんかこの前も聞いた気がするよこのセリフ。そんなに俺に「ん? 今なんでもするって言ったよね?」って言わせたいのだろうか。ここはニ〇ニコじゃないんだよ?
 俺は呆れ、ため息交じりに苦笑いを浮かべてからハルバードゴーレムの方へ向き直る。

「別にいいって。……取りあえず魔魂石を取り出したいから――って、え?」

 そして作業を開始しようとしたところで――不意に足をとられて転んでしまった。
 何故? と俺が思ったのもつかの間、尻餅をついた俺にいきなりティルナが飛び掛かってきた。

「え? ちょ、え……?」

「こうなっては仕方ありません……。私の身体を存分に自由にしてください……」

 だからこの世界の女性は皆発情期なの!? なんでそうなるの!?
 流石に唐突過ぎる展開に目を白黒させていると――しゅるり、とティルナは上の服を脱いでいた。だからどうしてそうなった!?
 顔の下半分は隠れているのに、胸元が露出されている――という妙な背徳感のせいで物凄くいけないことをしているような気分になる。
 ティルナが完全に上半身の服を脱ぎ去ったことで膨らみが露わに――

「――って、あれ?」

 ――なるかと思ったら、そこには絶壁が広がるだけだった。けど、なんか「貧乳だから」というような壁ではない。
 この感じは……もしかして、男?

「……?」

 もう何がなんだかわけがわからなくなっていると――胸元にあるネックレス、魔道具が目に入った。
 ティルナはその魔道具を掲げると、少しだけ得意げな顔をした。

「キョースケ様はあれほどの美女に囲まれているのに誰にも手を出していないと聞きました。それはつまり――」

「つ、つまり?」

「男性にしか性的興奮を覚えないのだろうと判断します」

「違うよ? 君の脳みそは核融合反応でも起こしてるの?」

「なので――この性転換の魔道具で体を男にいたしました」

「OK、話しを聞いていないことは良く分かった。俺は同性愛に興味はない。異性に性的興奮はちゃんと覚える」

 どや顔のティルナはグイッと顔を近づけてくる。

「ご安心ください。男として男性を喜ばせる方法もオクタヴィア様から教えていただいております」

「あんのクソオカマ!」

 領主の顔を思いだし俺はブチ切れる。
 ああ、ああ――なるほどね。さっきまでの流れがえらく唐突だと思ったらそういうことか。
 隙を見て色仕掛けしろってことだったのね彼女は! いや、今は彼かな!? もう混乱して自分でも何を言っているか分からない!

「ご安心ください。途中までは私がリードいたしますが、そこから先はお任せいたしますので――攻めでも受けでもお好きな方を」

「だからやらないと……!」

 しかも地味に力が強い。マウントをとられている状況で、無傷で抑えるのは少し難しいかもしれない。

「さあ、まずはキスから始めましょう……ッ! キスから始まりキスに終わる――それが肌を重ね合わせる時の常識です……ッ!」

 ぐぐぐぐ……と顔を近づけてくるティルナ。
 俺は! 初めては! 大好きな人とって決めてるの!

「だからやんないってば――『魔圧』!」

 俺は尋常ならざる魔力をティルナにぶつけて――彼女(彼?)を気絶させた。この技を習得しておいてよかったよ。

「…………はぁ、俺、三回目だよ……?」

 異世界に来て、レ〇プされかけた回数……。正直、ハルバードゴーレムを倒すのより疲れた。
 休みたいと心の底から思いながら――俺は、ハルバードゴーレムの魔魂石を取り出す作業に戻った。
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