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第二章 デネブの塔なう
24話 再会なう
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……いるんだよね、そういう奴ら。何度か俺も見た。自分を救世主と騙って、悪さする輩。騙される方も騙される方だけどさ。
でもまあ、はぐれとはいえ俺も異世界人。一応、救世主の一人だ。あいつらの評判が落とされているのに見て見ぬ振りをするのは、多少心が痛む。
そうじゃなくとも、そういう奴らは好きじゃない。止めに入るか。
声のした方へ歩いていくと、だんだんと声がはっきりと聞こえてきた。
「なぁ、いいだろ? 俺たちは世界のために戦ってるんだからさぁ。な?」
……ん? なんか聞いたことのある声だね。というか、この声を俺はよく知ってる……。
小走りで声のする方へ進み――
「……嘘でしょ」
俺は、その場の光景を見て呆れてしまう。
「あぁん?」
そいつらは二人組で、おそらくただの町娘――娼婦ではなさそうだ――を囲んでいた。なんか、今にも泣きそうな顔をしている。全力で困ってそうだね。
一人は腰に剣をぶら下げ、もう一人は杖を持っている。剣士と魔法使いか。
そして、一番気になることだが――髪が、黒い。
そう、ここいらには俺以外では滅多にいない髪の色をしている二人組だった。ただ、それも納得だろう。何故なら、その二人は俺と同郷だったからだ。
「何してるの? お前ら」
かなり呆れを滲ませた声で、俺は異世界人二人に言う。
「テメェ、清田……」
魔法使い――いや、阿辺が、呻くように言う。
「久しぶりだね、難波、阿辺。二月ぶりくらいかな? ――で、何してるの」
俺はゆっくりとそいつらに近づく。まさか、アホみたいな事やってるのがクラスメイトとはね。
「ふぅ~……なに、皆こんなことやってるの?」
活力煙を吹かしながら、吐き捨てるようにそいつらに言う。
「こんなこと、だと?」
「肩書きで女脅して自分の欲求を満足させるっていう、人間として限りなくランクが低いゴミの行動を、だよ」
ため息をつきつつ、ギロリと睨み付ける。あー、なんかかなり苛立つ。
全員こんなことやってるのかな? だとしたら、本当に救いようがないんだけど。
「んなっ……」
難波が口を開きかけたが、俺はそれを遮って言う。
「いや、まあいいんだよ? その程度の人間なんだろうし。けどさ、天川達は知ってるの? このこと」
ナンパするくらいなら娼館行けよと思わんでもないが、そういうもんでもないんだろう。
「知ってるならいいけど。アイツらはその程度なんだろうし――もし、知らないんなら、やめといたら?」
くだらないし、と心の中で付け足す。
「んだと、テメェ! 俺達みたいに毎日戦い漬けの日々から逃げた奴が口答えしてんじゃねぇ!」
あ、なんかいきなりキレだした。なんだこいつ。
「そうだぞ! 俺達が毎日どんな日々を過ごしてると思ってるんだ!」
難波が続く。DQNって嫌だね。自分に気に入らないことがあるとすぐに怒鳴りだす。だから煙たがられてるのが分からないのかな。
「知らないよ。そんなに嫌なら辞めればいいじゃん」
肩をすくめて言ってみせる。やだやだ、自分が世界で一番不幸と思ってる奴って。ウザいったらありゃしない。
「そ、そんなこと出来るわけねぇだろ!」
「なんで? 王様は辞めていいって言ってたじゃん。……結局さ、止めてみんなから裏切り者扱いされる度胸も無いし、救世主って肩書きを捨てる度胸も無いだけのバカってことでしょ? つまり」
「……っざけんな! 毎日毎日、生きるか死ぬかの戦いをしてる俺達に口出すんじゃねぇぞ!」
「苦労に優劣は無いよ。俺は俺で割とキツいことあったし」
「嘘つけ! お前みたいな雑魚が俺達の邪魔をすんじゃねぇ!」
「そうだ! ぶっ殺すぞ!」
そう、難波が叫んだ瞬間――
「シッ!」
俺の身体が勝手に動いていた。難波の胸元を掴み、足を払って――後頭部から難波を地面に叩きつける。
「『紫色の力よ、はぐれのキョースケが命令する――』」
詠唱しつつ、アイテムボックスから夜の槍を取り出し、難波の上に馬乗りになって首筋に突き立てる。
「『爆発する火の玉を撃ち出せ!』」
そこで詠唱を止めて阿辺をギラリと睨みつける。殺意を込めた眼差しに射竦められた阿辺は杖を構えることも出来ず後ずさった。
「へぇ……杖を持ってるだけあって分かってるみたいだね。俺と魔法の撃ち合いをしたら、確実に速さで負けるってことを」
「ぐっ……」
……にしても、こいつら対応力なさ過ぎでしょ。本当に戦い漬けの日々だったのか疑わしくなるぞ?
俺は、ニッコリと笑って、二人に諭すように言う。
「『殺すぞ』とか恐いこと言わないでよ……うっかり、殺しちゃいそうになるじゃん」
「が……こ、離せ……」
俺の下で難波が呻く。やれやれ、弱すぎるでしょ、この二人。
難波の上から立ち上がり、俺は一応警戒しつつ二人から離れる。
「はぁ……もういいや。二度とこんなマネしない方がいいと思うよ? あと、粋がるんなら相手を選んだほうがいいね」
「ちょ、調子に乗ってんじゃねぇぞ……」
「ブーメラン乙。お前らの方が自分の能力に調子に乗って女の子を困らせてたんじゃん。阿呆の所行だよ」
ため息をつきながら言うと(さっきからため息多いな)、とうとうキレたのか、阿辺が杖を構えた。
「な、難波ァ! やるぞ!」
「お、おう!」
人通りが少ないとはいえ街中でいきなり喧嘩するつもりなのかね。うん、ホント、コイツらには天川も困らされてそうだね。
悠長に武器を構えてる阿辺達を冷めた目で見ながら、俺は魔力を集中する。
「遅い。『エクスプロードファイヤー』!」
エクスプロードファイヤを難波の足下で爆発させ体勢を崩し、さらに『亜音速斬り』で阿辺の杖を斬った。
「ひっ……」
足下で爆発が起きたせいで、四つん這いになっている難波の手を払って、顔面を槍の後端で地面に叩きつける。
「ゴブッ……」
「今、やろうと思えば首を刎ねることも出来たし、頭を一突きにすることも出来た。――二度、見逃した。仏の顔もなんとやらって言うでしょ? 三度目は無いよ」
阿辺に槍を突きつけて宣言する。
そう、この世界で『殺す』ってのは、言葉通りの重みを持つ。こいつらが知らなかったんなら、知らないまま死んでいけっていう世界だ。
むしろ俺は慈悲深い。クラスメイトじゃ無きゃ一度目で殺してたしね。情けをかけて、何度裏切られたことか。
「な、なんだよ……俺達は選ばれた人間なのに……」
「な、難波……に、逃げるぞ!」
すぐに背中を見せるという素人丸出しの逃げ方で、二人が去っていく。
「……アイツら、どんな生活してたんだ?」
危機感が無い、すぐに自分の素性をバラす。総じて戦闘中なのに緊張感が足りない。
本当に、戦い漬けの毎日だったなら、最低限俺くらいにはなっているはずなんだけどね。
…………………佐野は、大丈夫だろうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~
一晩宿屋で明かして、次の日の朝。俺は塔の前に来ていた。……おぉ、塔ってだけあるな。かなり高い。
塔は茶色いホールケーキをドンドン上に重ねていったような形状で、上にいくにつれて細くなっている。
典型的なダンジョン的な何かを想像してもらうか、バ○ルの塔(2世のやつ)を想像してくれたら、大体あってる。
「……………異世界、ヤバいね」
上の方は雲がかかっていて、頂上は肉眼では視認出来ない。東京タワーとかスカイツリーよりも遙かに高い。
これ……中に入って攻略するの、何日かかるんだろう。一ヶ月……下手したらもっとかかってもおかしくない。何階層まであるのかも分からない。
塔の周りには俺も含め、見物人が大勢いる。それと、屋台もたくさん。うーん、完全に観光名所だね。
だけど、その塔の中からは傷だらけの――おそらくAGだと思う――人が何人も出てきたりしていて、この塔が決してただ高くそびえ立っているだけじゃないことを教えてくれている。
「じゃ、まあ行けるところまで行ってみますかね」
一ヶ月分の食料は買ってある。これの三分の一が無くなったところで撤退するつもりだ。
「やっぱりマルキムかリューと一緒に来れば良かったかな」
実は、何度かリューとマルキムを他の街に行こうと誘ったことがある。だけど二人ともアンタレスからは出ないと言うので、一度も外までクエストをしに行ったことが無いのだ。
そんな理由もあるから、今回二人は最初から誘っていない。
いない人のことを嘆いていても仕方が無い。俺は塔へ入ろうと入り口へ向かった時――
「ほぇー! ここの塔もやっぱ高けぇなぁ!」
「落ち着いて白鷺。騒ぐと目立つ」
「てゆ~かぁ、もうアタシいるんだから別に他の塔いく必要なくなぁい?」
「っちょ! ヘリアラスさんはなんで明綺羅君の腕に絡まっているんですか!」
「そ、そうでございますわ! アキラ様から離れてくださりますか!?」
――と、かなり騒々しいやり取りが聞こえてきた。
あっれれ~……なんかかなり聞いたことある声が混ざってるんだけど。どういうこと? ねぇ、どういうこと?
思わずコ○ン君のモノマネをしてしまうほど驚く俺。しかも、
「あ……清田! 何故こんなところに!?」
この声はポニーテールなクールビューティ。佐野だ。
天川達がこの辺にいるという情報、忘れてはいなかったけどまさかこんなにあっさり出会うとは思ってなかった。驚きだよ、主に自分の不運さに。
彼女の声に反応して、他の連中も俺の方を向く。すると、その中に二人ほど見知らぬ顔がいることを発見した。他は皆元クラスメイト達なんだけど……あ、阿辺と難波もいる。流石はDQN、面の皮が厚い。
「やあ、佐野。久しぶりだね。じゃあこれで……」
「何をしている? ほら、もっとこっちに来たらどうだ?」
さらっと逃げだそうとしたんだけど、佐野に肩を掴まれてしまった。……なんで逃がしてくれないのかな?
「あー……まあいいか。で、みんなこの塔をクリアしに来たの?」
「ああ。もう既に一度塔はクリアしているが、より力をつけなくてはいけないからな」
本当に塔をクリアしてたのか。ふむ、ってことは……
「神器とやらも手に入れたの?」
「ん? あぁ、神器か。それならホラ、天川が持っているぞ」
そう言って、佐野が天川の方を指さす。するとそこでは――
「もうっ! ヘリアラスさんは早く離れてください!」
「え~、なんでよ。つーかアンタも腕に絡まってんじゃん」
「そ、それは、その……」
「さ、アキラ様。そんな人たちは放っておいて、私と少し観光しませんこと?」
「いや、俺達はこれから塔に入るんだが……」
――見知らぬ女二人、そして空美と全力でいちゃついている天川の姿があった。
……………………………………………え?
「空美……?」
「あっ………」
隣で、あちゃー、みたいな顔をする佐野。そんなことよりも。
「空美が、天川といちゃついてるのか……」
「き、清田。大丈夫だ、そんなに気を落とすな。な? い、いや、あの二人も別に付き合っているという分けでは無い。ただ、以前塔で戦っていた時、天川が颯爽と空美を助けたことがあってだな……それと、ヘリアラスさんや王女様が天川を我が物にしようとしているもんだから、空美も……」
「――なんか萎えたな。もういいや」
気分的には応援してた純愛アイドルに(アイドルを応援したこと無いけど)突然熱愛が発覚して、しかも子供まで出来たとか言われた気分。
別に自分に関係無いのに、なんか萎える。
俺は懐から活力煙を出し、魔法で火を付けてから咥える。
「ふぅ~、さて、と。帰るか」
「いやいやいやいや、って、その前に。清田、なんだそれは!? た、タバコか!?」
「ん? 活力煙だよ。知らないの? タバコじゃないよ?」
ありゃま。コレ、俺以外にも結構使ってる人いるから、知ってると思ってたのに。
タバコというよりもお菓子感覚だね、もはや。吸ってても臭くないし、なんなら甘い匂いだし。
「た、タバコじゃないって、そんな……」
「まあいいけどさ。それより、塔の攻略頑張ってね。俺もあとで入るけど、低層で金稼ぎするだけだし」
と、俺が踵を返した時――
「アレ? トーコさん、何をなさっているんですの? あら、そんな汚らわしいAGなんかと話しているんですか!? は、離れてください!」
なんて金切り声が聞こえてきた。なんだ? このちっちゃい人は。百四十センチくらいしか無さそうだ。
髪はTHEお嬢様! って感じの金髪縦ロール、服は青のドレスで、およそ戦闘に不向きな格好をしている。AGとかじゃあなさげだけど……
「え、いや、彼は――」
佐野が何かを言いかけたところで、そのちびっ子はばーっとこちらの言葉を聞かずにまくし立てる。
「どうせ勇者であるアキラ様のおこぼれに預かろうとしてハイエナのようにやってきた三流のDランクAGなんでしょうけど、おあいにく様。この方達は貴方のような雑魚AGではついて行けないような戦闘をなさるの。足手まといなんてレベルじゃなく、ゴミなんですのよ! 貴方は。目障りだから何処かへ行ってくださいな!」
……なんだこいつ。よく初対面の人間にここまで言えるね。とりあえず……なんかよく分からんけど、怒っているらしい。まあ、いいか。
「はいはい、分かったよお嬢さん。ところで親御さんはどちらに? こんな所一人でいると危ないと思うよ?」
俺が肩をすくめて言うと、なんか目の前の金髪縦ロールがプルプルと震えだした。
「わ、私を子供扱いしましたわね……っ! 私はもう十六歳なんですのよ!? もう許しませんわ! 『金色の力よ、王女であるティアーが命令する、この世の理に背き――』」
バッ! と腕を前に突き出して何やらちびっ子が詠唱を始めたので、俺は取り敢えず槍で足を払い――
「『紫色の力よ、はぐれのキョースケが命令する。この世の理に背き、火の玉を打ち出せ! ファイヤーバレット』」
倒れた縦ロールの横に、威力を抑えたファイヤーバレットを撃った。
「…………」
目を丸くしている縦ロールに俺は近づき、槍を突きつけて言う。
「なんか天川達の関係者っぽいから見逃してあげたけど、二度目は無いよ。それと――」
懐から(と見せかけてアイテムボックスから)AGライセンスを取りだし、見せる。異名が書いてあり、尚且つBランクAGと書かれたライセンスを。
この世界では、それなりの強者として扱われる証を。
「――分不相応な喧嘩はしない方がいいね。あの程度の魔法じゃあ……魔法師ギルドで、Fランクくらいかな? とにかく、今度から喧嘩を売るときは相手を見るようにしとくことをオススメするよ」
この流れ、昨日の夜もやったよなぁ……二度あることはなんとやらって言うけど、三度目は無いことを祈るよ。
「で、佐野。この人何? 本当に王女様?」
さっき呪文を唱えるときに自分のことを王女と言っていたから訊いてみると、頷かれてしまった。
「……あぁ。ティアー王女様だ」
面倒くさいことになりそう……とは思ったけど、それはそれとして、俺は気を取り直す。
「ふぅん……というか、なんでこんなの外に出してるの……誘拐されても知らないよ?」
「いつもは天川達が側にいるからな。そんな心配は無いさ」
「なるほどね」
勇者サマが近くにいるなら、そりゃあ安心か。
「お、おい! さっきの音はなんだ!?」
さすがにあれだけ派手に魔法を使ったからか、天川がすっ飛んできた。あ、しまった、逃げ損ねた。
見ると天川は以前と違い髪が伸びていた。スポーツ刈りだったのがボサボサ髪になっている。流石にとかしたりはしてるんだろうけど、散髪には行ってないのかな。
そういや俺も、最近散髪してなかったね。アンタレスに戻ったら行くか。
「あ、アキラ様! じ、実は私がトーコさんに注意をしようとしていたら、あのどこぞの馬の骨とも分からぬ男がいきなり私に狼藉を!」
「何!?」
…………ホント、なんでこんなのを外に出してるんだよ。鎖で家に繋いでおいてよ。迷惑きわまりないでしょ、こんなの。
「今の話は本当か! 清田!」
天川が叫ぶので、俺は、はぁ~、とため息と共に煙を吐き出してから佐野のほうを向く。
「佐野」
「なんだ?」
「最初に罵倒してきたのは?」
「……ティアー王女様だな」
「最初に魔法を撃とうとしたのは?」
「……ティアー王女様だ」
「で、手加減してあげたうえに見逃してあげたのは?」
「……清田だな」
「というわけで俺は悪くないよ。文句ある? 天川」
「……本当か?」
「俺はともかく、佐野が嘘をつくと思うか?」
「む……」
口をつぐむ天川。ふう、佐野が見てくれていてよかったよ。天川は確実に俺の話を信用しなかっただろうからね。
ちらりと王女様を見ると、旗色が悪いと思ったのか一度黙り込み、そして逆ギレする感じで俺に噛みついてきた。
「そもそも、貴方はなんなんですの!? アキラ様やトーコさんと親しげに話している貴方は!」
そういえば、俺は最初の王城で王女様とやらには会った覚えが無い。ならば、誘拐の被害者として、誘拐犯様には自己紹介しておくのが筋か。
「俺? 清田京助。こっち風に言うとキョースケ・キヨタ。はぐれの異世界人だよ」
でもまあ、はぐれとはいえ俺も異世界人。一応、救世主の一人だ。あいつらの評判が落とされているのに見て見ぬ振りをするのは、多少心が痛む。
そうじゃなくとも、そういう奴らは好きじゃない。止めに入るか。
声のした方へ歩いていくと、だんだんと声がはっきりと聞こえてきた。
「なぁ、いいだろ? 俺たちは世界のために戦ってるんだからさぁ。な?」
……ん? なんか聞いたことのある声だね。というか、この声を俺はよく知ってる……。
小走りで声のする方へ進み――
「……嘘でしょ」
俺は、その場の光景を見て呆れてしまう。
「あぁん?」
そいつらは二人組で、おそらくただの町娘――娼婦ではなさそうだ――を囲んでいた。なんか、今にも泣きそうな顔をしている。全力で困ってそうだね。
一人は腰に剣をぶら下げ、もう一人は杖を持っている。剣士と魔法使いか。
そして、一番気になることだが――髪が、黒い。
そう、ここいらには俺以外では滅多にいない髪の色をしている二人組だった。ただ、それも納得だろう。何故なら、その二人は俺と同郷だったからだ。
「何してるの? お前ら」
かなり呆れを滲ませた声で、俺は異世界人二人に言う。
「テメェ、清田……」
魔法使い――いや、阿辺が、呻くように言う。
「久しぶりだね、難波、阿辺。二月ぶりくらいかな? ――で、何してるの」
俺はゆっくりとそいつらに近づく。まさか、アホみたいな事やってるのがクラスメイトとはね。
「ふぅ~……なに、皆こんなことやってるの?」
活力煙を吹かしながら、吐き捨てるようにそいつらに言う。
「こんなこと、だと?」
「肩書きで女脅して自分の欲求を満足させるっていう、人間として限りなくランクが低いゴミの行動を、だよ」
ため息をつきつつ、ギロリと睨み付ける。あー、なんかかなり苛立つ。
全員こんなことやってるのかな? だとしたら、本当に救いようがないんだけど。
「んなっ……」
難波が口を開きかけたが、俺はそれを遮って言う。
「いや、まあいいんだよ? その程度の人間なんだろうし。けどさ、天川達は知ってるの? このこと」
ナンパするくらいなら娼館行けよと思わんでもないが、そういうもんでもないんだろう。
「知ってるならいいけど。アイツらはその程度なんだろうし――もし、知らないんなら、やめといたら?」
くだらないし、と心の中で付け足す。
「んだと、テメェ! 俺達みたいに毎日戦い漬けの日々から逃げた奴が口答えしてんじゃねぇ!」
あ、なんかいきなりキレだした。なんだこいつ。
「そうだぞ! 俺達が毎日どんな日々を過ごしてると思ってるんだ!」
難波が続く。DQNって嫌だね。自分に気に入らないことがあるとすぐに怒鳴りだす。だから煙たがられてるのが分からないのかな。
「知らないよ。そんなに嫌なら辞めればいいじゃん」
肩をすくめて言ってみせる。やだやだ、自分が世界で一番不幸と思ってる奴って。ウザいったらありゃしない。
「そ、そんなこと出来るわけねぇだろ!」
「なんで? 王様は辞めていいって言ってたじゃん。……結局さ、止めてみんなから裏切り者扱いされる度胸も無いし、救世主って肩書きを捨てる度胸も無いだけのバカってことでしょ? つまり」
「……っざけんな! 毎日毎日、生きるか死ぬかの戦いをしてる俺達に口出すんじゃねぇぞ!」
「苦労に優劣は無いよ。俺は俺で割とキツいことあったし」
「嘘つけ! お前みたいな雑魚が俺達の邪魔をすんじゃねぇ!」
「そうだ! ぶっ殺すぞ!」
そう、難波が叫んだ瞬間――
「シッ!」
俺の身体が勝手に動いていた。難波の胸元を掴み、足を払って――後頭部から難波を地面に叩きつける。
「『紫色の力よ、はぐれのキョースケが命令する――』」
詠唱しつつ、アイテムボックスから夜の槍を取り出し、難波の上に馬乗りになって首筋に突き立てる。
「『爆発する火の玉を撃ち出せ!』」
そこで詠唱を止めて阿辺をギラリと睨みつける。殺意を込めた眼差しに射竦められた阿辺は杖を構えることも出来ず後ずさった。
「へぇ……杖を持ってるだけあって分かってるみたいだね。俺と魔法の撃ち合いをしたら、確実に速さで負けるってことを」
「ぐっ……」
……にしても、こいつら対応力なさ過ぎでしょ。本当に戦い漬けの日々だったのか疑わしくなるぞ?
俺は、ニッコリと笑って、二人に諭すように言う。
「『殺すぞ』とか恐いこと言わないでよ……うっかり、殺しちゃいそうになるじゃん」
「が……こ、離せ……」
俺の下で難波が呻く。やれやれ、弱すぎるでしょ、この二人。
難波の上から立ち上がり、俺は一応警戒しつつ二人から離れる。
「はぁ……もういいや。二度とこんなマネしない方がいいと思うよ? あと、粋がるんなら相手を選んだほうがいいね」
「ちょ、調子に乗ってんじゃねぇぞ……」
「ブーメラン乙。お前らの方が自分の能力に調子に乗って女の子を困らせてたんじゃん。阿呆の所行だよ」
ため息をつきながら言うと(さっきからため息多いな)、とうとうキレたのか、阿辺が杖を構えた。
「な、難波ァ! やるぞ!」
「お、おう!」
人通りが少ないとはいえ街中でいきなり喧嘩するつもりなのかね。うん、ホント、コイツらには天川も困らされてそうだね。
悠長に武器を構えてる阿辺達を冷めた目で見ながら、俺は魔力を集中する。
「遅い。『エクスプロードファイヤー』!」
エクスプロードファイヤを難波の足下で爆発させ体勢を崩し、さらに『亜音速斬り』で阿辺の杖を斬った。
「ひっ……」
足下で爆発が起きたせいで、四つん這いになっている難波の手を払って、顔面を槍の後端で地面に叩きつける。
「ゴブッ……」
「今、やろうと思えば首を刎ねることも出来たし、頭を一突きにすることも出来た。――二度、見逃した。仏の顔もなんとやらって言うでしょ? 三度目は無いよ」
阿辺に槍を突きつけて宣言する。
そう、この世界で『殺す』ってのは、言葉通りの重みを持つ。こいつらが知らなかったんなら、知らないまま死んでいけっていう世界だ。
むしろ俺は慈悲深い。クラスメイトじゃ無きゃ一度目で殺してたしね。情けをかけて、何度裏切られたことか。
「な、なんだよ……俺達は選ばれた人間なのに……」
「な、難波……に、逃げるぞ!」
すぐに背中を見せるという素人丸出しの逃げ方で、二人が去っていく。
「……アイツら、どんな生活してたんだ?」
危機感が無い、すぐに自分の素性をバラす。総じて戦闘中なのに緊張感が足りない。
本当に、戦い漬けの毎日だったなら、最低限俺くらいにはなっているはずなんだけどね。
…………………佐野は、大丈夫だろうか。
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一晩宿屋で明かして、次の日の朝。俺は塔の前に来ていた。……おぉ、塔ってだけあるな。かなり高い。
塔は茶色いホールケーキをドンドン上に重ねていったような形状で、上にいくにつれて細くなっている。
典型的なダンジョン的な何かを想像してもらうか、バ○ルの塔(2世のやつ)を想像してくれたら、大体あってる。
「……………異世界、ヤバいね」
上の方は雲がかかっていて、頂上は肉眼では視認出来ない。東京タワーとかスカイツリーよりも遙かに高い。
これ……中に入って攻略するの、何日かかるんだろう。一ヶ月……下手したらもっとかかってもおかしくない。何階層まであるのかも分からない。
塔の周りには俺も含め、見物人が大勢いる。それと、屋台もたくさん。うーん、完全に観光名所だね。
だけど、その塔の中からは傷だらけの――おそらくAGだと思う――人が何人も出てきたりしていて、この塔が決してただ高くそびえ立っているだけじゃないことを教えてくれている。
「じゃ、まあ行けるところまで行ってみますかね」
一ヶ月分の食料は買ってある。これの三分の一が無くなったところで撤退するつもりだ。
「やっぱりマルキムかリューと一緒に来れば良かったかな」
実は、何度かリューとマルキムを他の街に行こうと誘ったことがある。だけど二人ともアンタレスからは出ないと言うので、一度も外までクエストをしに行ったことが無いのだ。
そんな理由もあるから、今回二人は最初から誘っていない。
いない人のことを嘆いていても仕方が無い。俺は塔へ入ろうと入り口へ向かった時――
「ほぇー! ここの塔もやっぱ高けぇなぁ!」
「落ち着いて白鷺。騒ぐと目立つ」
「てゆ~かぁ、もうアタシいるんだから別に他の塔いく必要なくなぁい?」
「っちょ! ヘリアラスさんはなんで明綺羅君の腕に絡まっているんですか!」
「そ、そうでございますわ! アキラ様から離れてくださりますか!?」
――と、かなり騒々しいやり取りが聞こえてきた。
あっれれ~……なんかかなり聞いたことある声が混ざってるんだけど。どういうこと? ねぇ、どういうこと?
思わずコ○ン君のモノマネをしてしまうほど驚く俺。しかも、
「あ……清田! 何故こんなところに!?」
この声はポニーテールなクールビューティ。佐野だ。
天川達がこの辺にいるという情報、忘れてはいなかったけどまさかこんなにあっさり出会うとは思ってなかった。驚きだよ、主に自分の不運さに。
彼女の声に反応して、他の連中も俺の方を向く。すると、その中に二人ほど見知らぬ顔がいることを発見した。他は皆元クラスメイト達なんだけど……あ、阿辺と難波もいる。流石はDQN、面の皮が厚い。
「やあ、佐野。久しぶりだね。じゃあこれで……」
「何をしている? ほら、もっとこっちに来たらどうだ?」
さらっと逃げだそうとしたんだけど、佐野に肩を掴まれてしまった。……なんで逃がしてくれないのかな?
「あー……まあいいか。で、みんなこの塔をクリアしに来たの?」
「ああ。もう既に一度塔はクリアしているが、より力をつけなくてはいけないからな」
本当に塔をクリアしてたのか。ふむ、ってことは……
「神器とやらも手に入れたの?」
「ん? あぁ、神器か。それならホラ、天川が持っているぞ」
そう言って、佐野が天川の方を指さす。するとそこでは――
「もうっ! ヘリアラスさんは早く離れてください!」
「え~、なんでよ。つーかアンタも腕に絡まってんじゃん」
「そ、それは、その……」
「さ、アキラ様。そんな人たちは放っておいて、私と少し観光しませんこと?」
「いや、俺達はこれから塔に入るんだが……」
――見知らぬ女二人、そして空美と全力でいちゃついている天川の姿があった。
……………………………………………え?
「空美……?」
「あっ………」
隣で、あちゃー、みたいな顔をする佐野。そんなことよりも。
「空美が、天川といちゃついてるのか……」
「き、清田。大丈夫だ、そんなに気を落とすな。な? い、いや、あの二人も別に付き合っているという分けでは無い。ただ、以前塔で戦っていた時、天川が颯爽と空美を助けたことがあってだな……それと、ヘリアラスさんや王女様が天川を我が物にしようとしているもんだから、空美も……」
「――なんか萎えたな。もういいや」
気分的には応援してた純愛アイドルに(アイドルを応援したこと無いけど)突然熱愛が発覚して、しかも子供まで出来たとか言われた気分。
別に自分に関係無いのに、なんか萎える。
俺は懐から活力煙を出し、魔法で火を付けてから咥える。
「ふぅ~、さて、と。帰るか」
「いやいやいやいや、って、その前に。清田、なんだそれは!? た、タバコか!?」
「ん? 活力煙だよ。知らないの? タバコじゃないよ?」
ありゃま。コレ、俺以外にも結構使ってる人いるから、知ってると思ってたのに。
タバコというよりもお菓子感覚だね、もはや。吸ってても臭くないし、なんなら甘い匂いだし。
「た、タバコじゃないって、そんな……」
「まあいいけどさ。それより、塔の攻略頑張ってね。俺もあとで入るけど、低層で金稼ぎするだけだし」
と、俺が踵を返した時――
「アレ? トーコさん、何をなさっているんですの? あら、そんな汚らわしいAGなんかと話しているんですか!? は、離れてください!」
なんて金切り声が聞こえてきた。なんだ? このちっちゃい人は。百四十センチくらいしか無さそうだ。
髪はTHEお嬢様! って感じの金髪縦ロール、服は青のドレスで、およそ戦闘に不向きな格好をしている。AGとかじゃあなさげだけど……
「え、いや、彼は――」
佐野が何かを言いかけたところで、そのちびっ子はばーっとこちらの言葉を聞かずにまくし立てる。
「どうせ勇者であるアキラ様のおこぼれに預かろうとしてハイエナのようにやってきた三流のDランクAGなんでしょうけど、おあいにく様。この方達は貴方のような雑魚AGではついて行けないような戦闘をなさるの。足手まといなんてレベルじゃなく、ゴミなんですのよ! 貴方は。目障りだから何処かへ行ってくださいな!」
……なんだこいつ。よく初対面の人間にここまで言えるね。とりあえず……なんかよく分からんけど、怒っているらしい。まあ、いいか。
「はいはい、分かったよお嬢さん。ところで親御さんはどちらに? こんな所一人でいると危ないと思うよ?」
俺が肩をすくめて言うと、なんか目の前の金髪縦ロールがプルプルと震えだした。
「わ、私を子供扱いしましたわね……っ! 私はもう十六歳なんですのよ!? もう許しませんわ! 『金色の力よ、王女であるティアーが命令する、この世の理に背き――』」
バッ! と腕を前に突き出して何やらちびっ子が詠唱を始めたので、俺は取り敢えず槍で足を払い――
「『紫色の力よ、はぐれのキョースケが命令する。この世の理に背き、火の玉を打ち出せ! ファイヤーバレット』」
倒れた縦ロールの横に、威力を抑えたファイヤーバレットを撃った。
「…………」
目を丸くしている縦ロールに俺は近づき、槍を突きつけて言う。
「なんか天川達の関係者っぽいから見逃してあげたけど、二度目は無いよ。それと――」
懐から(と見せかけてアイテムボックスから)AGライセンスを取りだし、見せる。異名が書いてあり、尚且つBランクAGと書かれたライセンスを。
この世界では、それなりの強者として扱われる証を。
「――分不相応な喧嘩はしない方がいいね。あの程度の魔法じゃあ……魔法師ギルドで、Fランクくらいかな? とにかく、今度から喧嘩を売るときは相手を見るようにしとくことをオススメするよ」
この流れ、昨日の夜もやったよなぁ……二度あることはなんとやらって言うけど、三度目は無いことを祈るよ。
「で、佐野。この人何? 本当に王女様?」
さっき呪文を唱えるときに自分のことを王女と言っていたから訊いてみると、頷かれてしまった。
「……あぁ。ティアー王女様だ」
面倒くさいことになりそう……とは思ったけど、それはそれとして、俺は気を取り直す。
「ふぅん……というか、なんでこんなの外に出してるの……誘拐されても知らないよ?」
「いつもは天川達が側にいるからな。そんな心配は無いさ」
「なるほどね」
勇者サマが近くにいるなら、そりゃあ安心か。
「お、おい! さっきの音はなんだ!?」
さすがにあれだけ派手に魔法を使ったからか、天川がすっ飛んできた。あ、しまった、逃げ損ねた。
見ると天川は以前と違い髪が伸びていた。スポーツ刈りだったのがボサボサ髪になっている。流石にとかしたりはしてるんだろうけど、散髪には行ってないのかな。
そういや俺も、最近散髪してなかったね。アンタレスに戻ったら行くか。
「あ、アキラ様! じ、実は私がトーコさんに注意をしようとしていたら、あのどこぞの馬の骨とも分からぬ男がいきなり私に狼藉を!」
「何!?」
…………ホント、なんでこんなのを外に出してるんだよ。鎖で家に繋いでおいてよ。迷惑きわまりないでしょ、こんなの。
「今の話は本当か! 清田!」
天川が叫ぶので、俺は、はぁ~、とため息と共に煙を吐き出してから佐野のほうを向く。
「佐野」
「なんだ?」
「最初に罵倒してきたのは?」
「……ティアー王女様だな」
「最初に魔法を撃とうとしたのは?」
「……ティアー王女様だ」
「で、手加減してあげたうえに見逃してあげたのは?」
「……清田だな」
「というわけで俺は悪くないよ。文句ある? 天川」
「……本当か?」
「俺はともかく、佐野が嘘をつくと思うか?」
「む……」
口をつぐむ天川。ふう、佐野が見てくれていてよかったよ。天川は確実に俺の話を信用しなかっただろうからね。
ちらりと王女様を見ると、旗色が悪いと思ったのか一度黙り込み、そして逆ギレする感じで俺に噛みついてきた。
「そもそも、貴方はなんなんですの!? アキラ様やトーコさんと親しげに話している貴方は!」
そういえば、俺は最初の王城で王女様とやらには会った覚えが無い。ならば、誘拐の被害者として、誘拐犯様には自己紹介しておくのが筋か。
「俺? 清田京助。こっち風に言うとキョースケ・キヨタ。はぐれの異世界人だよ」
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