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第15章「愛の形」4
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それから、今日一日慌ただしくてなかなか落ち着いて会話らしい会話が出来なかったこともあり、携帯をお互い取り出して、暗闇の中でメールをすることになった。
ここは平等に、お互い声を出さないというルールで。
布団の中に戻ると身体は少しは落ち着いた気がした。
さっきまで、声を出せそうになっていたことで盛り上がっていたのとは真逆の行動に思えたが、今はリラックスしたい気持ちだったので、身体のためにもこれ以上無理をするのは控えることにしたのだった。
「このまま寝ちゃってもよかったのに」
隆ちゃんは優しくそう言うが、世間的にはピロートークというのだろうけど、そういう余韻を楽しんでみるのもいいかなという気持ちだった。
「そんなのもったいないよ、せっかくの二人の夜なのに。
それも東京にやってきて、こうしてピアノコンクールが終わった後なのに」
雰囲気的にどうなのかなというとはあるけど、暗い部屋の中でするメールも悪くないかなと思った。二人きりでいる以上、焦る必要もないって思うから。
「そうだね、晶ちゃんがこうしていたいっていうなら、僕も付き合うよ。
もう少し、この余韻に浸っていたいからね。
本当に、今日は色んな晶ちゃんが見られて嬉しかったから」
隆ちゃんにあんまり顔を見られると、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい気持ちになる。相変わらず私は見つめられるのには慣れなくて、自分でもなんてウブなのかと思ってしまう。世の女子のポーカーフェイスでいられる演技力を、私も少しは分けて欲しいものだ。
「あんまり見られると恥ずかしくなっちゃうけど、でも、喜んでくれるならいいかな。隆ちゃんはイケメンだから私の身体になんて興味ないのかなぁってちょっと心配だったから」
「そんなことあるわけないよっ、晶ちゃんのような雰囲気たっぷりの黒髪美少女、放っておくほうが無理があるでしょ」
隆ちゃんの自説によれば、私のようなタイプは男にモテるであろうという力説するけど、まるで私には実感がなかった。
音楽以外あまり興味の持てない私と会話する男子がどれほどいるのかとついつい私なんかは考えてしまうのだ。
「でも、隆ちゃんがラフマニノフの『ピアノ協奏曲第三番』を選んだのにはゾクっとさせられちゃったな。そうだったな良いなとは思ってたけど、実際演奏を始めると、もう鳥肌が止まらなくってっ!」
「そう? 僕も色々と悩んだけどね、本番まで準備しながら、喜んでもらえたらいいなって思ってた」
隆ちゃんは予選の終わりまでチャイコフスキーにするか、ラフマニノフにするか悩んでいたそうだ。
隆ちゃんの父親と会話していた私としては、これでよかったと思うけど、ちょっと勿体ない気持ちもある。ピアノコンクールの舞台で聴く、隆ちゃんのチャイコフスキーだって十分魅力的だからだ。
「悩んじゃうよね。大切なコンクールだから。
チャイコフスキーだったら『ピアノ協奏曲第一番』だったのかな?
隆ちゃんはチャイコフスキーも好きだもんね」
「そりゃあね。師匠の曲を取っちゃうことになるかもしれないから、選ばなかったけど。演奏してみたい気持ちはいつもあるかな」
「ふふふっ、男同士、譲れないものがあるのかな?」
「そうかもね、僕の父もこだわり派だから」
隆ちゃんが”こだわる”ときはどんな時なんだろうとつい考えてしまった。
父親のことを気にして、同じロシア出身でラフマニノフの恩師であるチャイコフスキーをコンクールで演奏しないとか、そんな風に簡単に切り捨ててしまえる彼が”こだわってしまう”部分がどこなのか、私はつい気になってしまった。
「でも、僕としては晶ちゃんがラフマニノフを本選で持ってくる方が、ずっと驚いたけどね」
「本当? 隆ちゃんは気に入ってくれた? 私の奏でるラフマニノフを」
「もちろん、演奏を聴きながら、心の中で歓喜の声を上げてたよ」
「ホント? よかった。本当は隆ちゃんと被っちゃったらどうしようかって心配してた。やっぱり、演奏するなら思い出深い『ピアノ協奏曲第二番』って決めてたから」
クラシックから離れていた私に、聞かせてくれた『ピアノ協奏曲第二番』、その時だけでもなく、隆ちゃんが聴かせてくれたラフマニノフの曲の中でも、印象的に残る場面でいつも聞かせてくれていた。
「うん、そうだね、被らなくてよかったって思う。
被ってたらどうなるのかよく知らないけど。
お互い楽しめてよかったよね」
「うんうん、私もさ、一緒に好きになったんだもん。隆ちゃんのラフマニノフを聞いていくうちに。意外と影響されやすいのかも、私ってば。
自分で演奏してる時が、やっぱり一番気持ちいいから。
この快感を覚えちゃったら、隆ちゃんのものにだけするのはもったいないなって!
ねぇ、最初に会ったときにも言ったでしょ? 私はわがままだって」
オーケストラが奏でる哀愁を帯びた旋律の裏で、独奏ピアノが力強いタッチでドラマティックな和音を響かせる『ピアノ協奏曲第二番』、華やかなオーケストラ達と共にコンクールの舞台で演奏できるのは、幸せなことだ。
「そうだったね。でも、本当にそういうところ、凄く嬉しいよ。
自分が好きな演奏家であり作曲家を、一緒にこんなに好きになってくれる人が身近にいてくれるなんて、こんなに幸せなことはないよ」
「ふふふっ。そうなんだよ、隆ちゃんは感謝しないと、こんなに趣味の合ういい女はいないって。
ちょっとこれは言い過ぎたかな?
でも、私ね、ラフマニノフの残した言葉で印象に残ってるものがあるの。
聞いてくれる?」
「うん、聞きたいな」
ロシアの作曲家であり演奏家のラフマニノフの話しになると、隆ちゃんも前のめりになるくらい上機嫌だった。
思い出話をするのもいいけど、こうして好きな音楽家の話しをするのも楽しい時間と思えた。
「”私から演奏会を取ったら死んだも同然だ”
例え身体が衰えても、そう言葉にしてラフマニノフは演奏を続けたんだってね。
それを思い出して心が沸き立ったの。
こんなことでピアノを諦めちゃダメだって。
自分はまだ身体が衰えてもない、ただ、演奏するのが怖くて逃げてる弱虫だって。
私は弱虫にはなりたくない、精一杯演奏して、それで全然ダメで、実力も付いて行かなくなって、楽しくなくなったら、その時キッパリ辞めようって、そう自分に誓いを立てて、奮い立たせることが出来たの」
「立派だね、晶ちゃんは。そんな風に考えられるのはやっぱり凄いよ」
”ラフマニノフが一番好きって隆ちゃんは渋いね!”
隆ちゃんのチャイコフスキーやショパンも聞いた後で、お互い色んなクラシックに触れていることを確認し合った後で、ラフマニノフのことを力説する隆ちゃんを見て私はこう言ったのだ。
懐かしい、小学生だった頃の思い出がまた一つ呼び起こされた。
ずっと、繋がっているのだ、私たちは思い出と共に。
1895年、22歳のラフマニノフは交響曲第1番を完成させ、2年後の1897年に初演の機会を得る。
しかし、この初演は残念なことに大失敗に終わり、批評家たちからもさんざんに酷評されることとなった。
この失敗以後、完全に自信を喪失したラフマニノフは鬱症状に悩まされるようになり、作曲にも手が付かないようになった。
1899年、イギリスでピアノ協奏曲の作曲依頼を受けたラフマニノフは、翌1900年に精神科医のニコライ・ダーリの治療を受けながら『ピアノ協奏曲第二番』の作曲を進めた。
治療の甲斐があったのか、快方に向かったラフマニノフはこの年の内に第2、第3楽章を完成させ披露し、翌1901年には全曲を完成させた。
そして、従兄のアレクサンドル・シロティ指揮、ラフマニノフ自身のピアノ独奏によって行われた同年暮れの全曲初演は大成功を収め、ラフマニノフは作曲家としての名声を確立させた。
このエピソードは私の中でスッと心の中に入って来て、ピアノコンクールを通して自信を今一度取り戻した私と重なって見えた。
だから、私は私自身で選んだ選曲に間違いはなかったと感じられた。
こうしてまた、ピアノを演奏することを、かけがえないものとして、思えるようになったから。
ここは平等に、お互い声を出さないというルールで。
布団の中に戻ると身体は少しは落ち着いた気がした。
さっきまで、声を出せそうになっていたことで盛り上がっていたのとは真逆の行動に思えたが、今はリラックスしたい気持ちだったので、身体のためにもこれ以上無理をするのは控えることにしたのだった。
「このまま寝ちゃってもよかったのに」
隆ちゃんは優しくそう言うが、世間的にはピロートークというのだろうけど、そういう余韻を楽しんでみるのもいいかなという気持ちだった。
「そんなのもったいないよ、せっかくの二人の夜なのに。
それも東京にやってきて、こうしてピアノコンクールが終わった後なのに」
雰囲気的にどうなのかなというとはあるけど、暗い部屋の中でするメールも悪くないかなと思った。二人きりでいる以上、焦る必要もないって思うから。
「そうだね、晶ちゃんがこうしていたいっていうなら、僕も付き合うよ。
もう少し、この余韻に浸っていたいからね。
本当に、今日は色んな晶ちゃんが見られて嬉しかったから」
隆ちゃんにあんまり顔を見られると、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい気持ちになる。相変わらず私は見つめられるのには慣れなくて、自分でもなんてウブなのかと思ってしまう。世の女子のポーカーフェイスでいられる演技力を、私も少しは分けて欲しいものだ。
「あんまり見られると恥ずかしくなっちゃうけど、でも、喜んでくれるならいいかな。隆ちゃんはイケメンだから私の身体になんて興味ないのかなぁってちょっと心配だったから」
「そんなことあるわけないよっ、晶ちゃんのような雰囲気たっぷりの黒髪美少女、放っておくほうが無理があるでしょ」
隆ちゃんの自説によれば、私のようなタイプは男にモテるであろうという力説するけど、まるで私には実感がなかった。
音楽以外あまり興味の持てない私と会話する男子がどれほどいるのかとついつい私なんかは考えてしまうのだ。
「でも、隆ちゃんがラフマニノフの『ピアノ協奏曲第三番』を選んだのにはゾクっとさせられちゃったな。そうだったな良いなとは思ってたけど、実際演奏を始めると、もう鳥肌が止まらなくってっ!」
「そう? 僕も色々と悩んだけどね、本番まで準備しながら、喜んでもらえたらいいなって思ってた」
隆ちゃんは予選の終わりまでチャイコフスキーにするか、ラフマニノフにするか悩んでいたそうだ。
隆ちゃんの父親と会話していた私としては、これでよかったと思うけど、ちょっと勿体ない気持ちもある。ピアノコンクールの舞台で聴く、隆ちゃんのチャイコフスキーだって十分魅力的だからだ。
「悩んじゃうよね。大切なコンクールだから。
チャイコフスキーだったら『ピアノ協奏曲第一番』だったのかな?
隆ちゃんはチャイコフスキーも好きだもんね」
「そりゃあね。師匠の曲を取っちゃうことになるかもしれないから、選ばなかったけど。演奏してみたい気持ちはいつもあるかな」
「ふふふっ、男同士、譲れないものがあるのかな?」
「そうかもね、僕の父もこだわり派だから」
隆ちゃんが”こだわる”ときはどんな時なんだろうとつい考えてしまった。
父親のことを気にして、同じロシア出身でラフマニノフの恩師であるチャイコフスキーをコンクールで演奏しないとか、そんな風に簡単に切り捨ててしまえる彼が”こだわってしまう”部分がどこなのか、私はつい気になってしまった。
「でも、僕としては晶ちゃんがラフマニノフを本選で持ってくる方が、ずっと驚いたけどね」
「本当? 隆ちゃんは気に入ってくれた? 私の奏でるラフマニノフを」
「もちろん、演奏を聴きながら、心の中で歓喜の声を上げてたよ」
「ホント? よかった。本当は隆ちゃんと被っちゃったらどうしようかって心配してた。やっぱり、演奏するなら思い出深い『ピアノ協奏曲第二番』って決めてたから」
クラシックから離れていた私に、聞かせてくれた『ピアノ協奏曲第二番』、その時だけでもなく、隆ちゃんが聴かせてくれたラフマニノフの曲の中でも、印象的に残る場面でいつも聞かせてくれていた。
「うん、そうだね、被らなくてよかったって思う。
被ってたらどうなるのかよく知らないけど。
お互い楽しめてよかったよね」
「うんうん、私もさ、一緒に好きになったんだもん。隆ちゃんのラフマニノフを聞いていくうちに。意外と影響されやすいのかも、私ってば。
自分で演奏してる時が、やっぱり一番気持ちいいから。
この快感を覚えちゃったら、隆ちゃんのものにだけするのはもったいないなって!
ねぇ、最初に会ったときにも言ったでしょ? 私はわがままだって」
オーケストラが奏でる哀愁を帯びた旋律の裏で、独奏ピアノが力強いタッチでドラマティックな和音を響かせる『ピアノ協奏曲第二番』、華やかなオーケストラ達と共にコンクールの舞台で演奏できるのは、幸せなことだ。
「そうだったね。でも、本当にそういうところ、凄く嬉しいよ。
自分が好きな演奏家であり作曲家を、一緒にこんなに好きになってくれる人が身近にいてくれるなんて、こんなに幸せなことはないよ」
「ふふふっ。そうなんだよ、隆ちゃんは感謝しないと、こんなに趣味の合ういい女はいないって。
ちょっとこれは言い過ぎたかな?
でも、私ね、ラフマニノフの残した言葉で印象に残ってるものがあるの。
聞いてくれる?」
「うん、聞きたいな」
ロシアの作曲家であり演奏家のラフマニノフの話しになると、隆ちゃんも前のめりになるくらい上機嫌だった。
思い出話をするのもいいけど、こうして好きな音楽家の話しをするのも楽しい時間と思えた。
「”私から演奏会を取ったら死んだも同然だ”
例え身体が衰えても、そう言葉にしてラフマニノフは演奏を続けたんだってね。
それを思い出して心が沸き立ったの。
こんなことでピアノを諦めちゃダメだって。
自分はまだ身体が衰えてもない、ただ、演奏するのが怖くて逃げてる弱虫だって。
私は弱虫にはなりたくない、精一杯演奏して、それで全然ダメで、実力も付いて行かなくなって、楽しくなくなったら、その時キッパリ辞めようって、そう自分に誓いを立てて、奮い立たせることが出来たの」
「立派だね、晶ちゃんは。そんな風に考えられるのはやっぱり凄いよ」
”ラフマニノフが一番好きって隆ちゃんは渋いね!”
隆ちゃんのチャイコフスキーやショパンも聞いた後で、お互い色んなクラシックに触れていることを確認し合った後で、ラフマニノフのことを力説する隆ちゃんを見て私はこう言ったのだ。
懐かしい、小学生だった頃の思い出がまた一つ呼び起こされた。
ずっと、繋がっているのだ、私たちは思い出と共に。
1895年、22歳のラフマニノフは交響曲第1番を完成させ、2年後の1897年に初演の機会を得る。
しかし、この初演は残念なことに大失敗に終わり、批評家たちからもさんざんに酷評されることとなった。
この失敗以後、完全に自信を喪失したラフマニノフは鬱症状に悩まされるようになり、作曲にも手が付かないようになった。
1899年、イギリスでピアノ協奏曲の作曲依頼を受けたラフマニノフは、翌1900年に精神科医のニコライ・ダーリの治療を受けながら『ピアノ協奏曲第二番』の作曲を進めた。
治療の甲斐があったのか、快方に向かったラフマニノフはこの年の内に第2、第3楽章を完成させ披露し、翌1901年には全曲を完成させた。
そして、従兄のアレクサンドル・シロティ指揮、ラフマニノフ自身のピアノ独奏によって行われた同年暮れの全曲初演は大成功を収め、ラフマニノフは作曲家としての名声を確立させた。
このエピソードは私の中でスッと心の中に入って来て、ピアノコンクールを通して自信を今一度取り戻した私と重なって見えた。
だから、私は私自身で選んだ選曲に間違いはなかったと感じられた。
こうしてまた、ピアノを演奏することを、かけがえないものとして、思えるようになったから。
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