128 / 165
第三章 王都リナージュ
第二十四話 塔の王族
しおりを挟む
僕らは王城への門をくぐっていく、今回はユアンのお兄さんという肩書が知られているので衛兵さんは笑顔で通してくれた。あの人は操られていなさそうだね。
城には入らずに大きく回って塔へと向かう。その間、騎士たちと交差したんだけど、気にも留められなかった。
「兄さん、どうしたの?」
塔の頂上に着くとそこにはアルテナ様が花に水をあげていた。初めて会った時のような姿にデジャブを感じる。ユアンが僕が来たことに驚いてるけど顔はにやけているので喜んでいるんだと思う。
「お母さまに何か用なの?」
「ああ、ティリス様もいたんですね。それにそちらがアリス様ですか?」
「お初にお目にかかりますルーク様。ティリスがお世話になったようで」
僕と同じくらいの背をした少女が僕にお辞儀をして話した。ティリス様よりも少し大人な少女、王族って感じに気品を感じる。
「アリスお姉さまにはルークのことを話しておいたわ」
「ユアン様のお兄様と聞いて驚きましたが強さは納得しましたわ」
ティリス様はアリス様に僕のことを話してしまったようだ。このままでは有名人になってしまう。
「それで兄さん達どうしたの?」
「ちょっとここでは、ちょっとこっちきて」
塔の頂上から一歩降りて螺旋階段の中間あたりまでユアンと降りた。そこで僕はこれまでのことを話し始めた。
「ええ、まさか、王都の周りでそんなことが?」
「そうなんだよ。それでお城の地下に集められているみたいなんだ」
ユアンは驚きっぱなし。それからユアンは顎に手を当てて考え出した。
「ということはバルト様も怪しいね」
「そうなの?」
「うん、だってお城から一切出ないし、それに地下にしょっちゅういってるしね」
バルト様は地下にしょっちゅういっているみたい。お城の地下に集められている時点でバルト様も怪しいとは思っていたけど、その通りだったみたい。
「ってことはバルト様にもノーブルローズが?」
「同じ世界樹が複数あるってことですか?」
モナーナの疑問にルナさんも反応した。ノーブルローズは複数ある?確かにアルテナ様についていたノーブルローズは回収している。今も僕のアイテムバッグに入っているし、ってことは蟲の方かもしれない。
「蟲の可能性はゼロに等しいですね」
「え?」
「蟲は感情の一部を操作するのみです。騎士たちのようにプライドを強めても王様を操ることはできないでしょ」
ルナさんの言っていることは的を得ている。騎士たちはプライドを高められたことで理性を振り切って僕を殺しにかかってきた。だけど、バルト様は違う。僕との会話でも冷静でとても威厳のある様子だった。
因みに、騎士たちの蟲はユアンがとったそうです。クレイラット様にもそのことは伝えたので僕に謝るという儀式はなしにしてもらいました。よかったよかった。
「じゃあ、どうして?」
「ルークさんのスキルでわからないのですか?」
「う~ん、それが・・・冒険者ギルドから見た時よりもマナが濃くなっていて見れなくなっているんですよね」
マナは刻一刻と濃さが増していっています。光も闇も入れないマナの霧で城内は覆いつくされているんだ。
「それじゃあ、中の人は?」
「魔物にはなりませんよ。人を魔物にするにはその人を殺さなくては・・・まさかそこまでするとは思えませんし」
モナーナの心配する声にルナさんが答えた。僕たちはその答えに息をのんだ。まさか、人を殺して魔物に変えてしまうんじゃないのかって。
「まあ、そうするんでしたらとっくのとうにしているでしょう」
「ははは、そうですよね」
「だけど、念のために今日から上の三人には僕の宮殿で寝てもらうよ」
ルナさんは僕たちの間にあった冷めるような空気を一蹴して話した。僕らは笑っているけど念の為にユアンが王族を宮殿のほうに匿うみたいです。
「宮殿ならシャラもいるし、ユアンもいる。心配無用になるね。そうとわかれば僕は宿屋で制作して」
「ルーク、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「え~」
最近、制作していないので素材がたんまりなんだよね。素材が加工してと囁いているんだよ。
「じゃあ、兄さん。僕はみんなを守るから兄さんは城に地下から潜入してね」
「ええ~」
「ルークが制作なんて言うからだよ。大丈夫私もいくから」
「もちろん、私も」
「・・・」
僕らの話はある程度まとまった。バルト様を抜いた王族の人たちをユアンの宮殿に匿って、正面から城を攻めると地下の人が危ないので僕が宿屋から地下を掘り進んで城に潜入することになりました。ああ、制作できなくて素材がたまりそうです。
確かに僕が空気を読まないで制作したいなんて言ったのは悪かったけど、まさか、ユアンが・・・いい子だったユアンがモナーナに毒され始めたのかな?兄さん悲しいな。
城には入らずに大きく回って塔へと向かう。その間、騎士たちと交差したんだけど、気にも留められなかった。
「兄さん、どうしたの?」
塔の頂上に着くとそこにはアルテナ様が花に水をあげていた。初めて会った時のような姿にデジャブを感じる。ユアンが僕が来たことに驚いてるけど顔はにやけているので喜んでいるんだと思う。
「お母さまに何か用なの?」
「ああ、ティリス様もいたんですね。それにそちらがアリス様ですか?」
「お初にお目にかかりますルーク様。ティリスがお世話になったようで」
僕と同じくらいの背をした少女が僕にお辞儀をして話した。ティリス様よりも少し大人な少女、王族って感じに気品を感じる。
「アリスお姉さまにはルークのことを話しておいたわ」
「ユアン様のお兄様と聞いて驚きましたが強さは納得しましたわ」
ティリス様はアリス様に僕のことを話してしまったようだ。このままでは有名人になってしまう。
「それで兄さん達どうしたの?」
「ちょっとここでは、ちょっとこっちきて」
塔の頂上から一歩降りて螺旋階段の中間あたりまでユアンと降りた。そこで僕はこれまでのことを話し始めた。
「ええ、まさか、王都の周りでそんなことが?」
「そうなんだよ。それでお城の地下に集められているみたいなんだ」
ユアンは驚きっぱなし。それからユアンは顎に手を当てて考え出した。
「ということはバルト様も怪しいね」
「そうなの?」
「うん、だってお城から一切出ないし、それに地下にしょっちゅういってるしね」
バルト様は地下にしょっちゅういっているみたい。お城の地下に集められている時点でバルト様も怪しいとは思っていたけど、その通りだったみたい。
「ってことはバルト様にもノーブルローズが?」
「同じ世界樹が複数あるってことですか?」
モナーナの疑問にルナさんも反応した。ノーブルローズは複数ある?確かにアルテナ様についていたノーブルローズは回収している。今も僕のアイテムバッグに入っているし、ってことは蟲の方かもしれない。
「蟲の可能性はゼロに等しいですね」
「え?」
「蟲は感情の一部を操作するのみです。騎士たちのようにプライドを強めても王様を操ることはできないでしょ」
ルナさんの言っていることは的を得ている。騎士たちはプライドを高められたことで理性を振り切って僕を殺しにかかってきた。だけど、バルト様は違う。僕との会話でも冷静でとても威厳のある様子だった。
因みに、騎士たちの蟲はユアンがとったそうです。クレイラット様にもそのことは伝えたので僕に謝るという儀式はなしにしてもらいました。よかったよかった。
「じゃあ、どうして?」
「ルークさんのスキルでわからないのですか?」
「う~ん、それが・・・冒険者ギルドから見た時よりもマナが濃くなっていて見れなくなっているんですよね」
マナは刻一刻と濃さが増していっています。光も闇も入れないマナの霧で城内は覆いつくされているんだ。
「それじゃあ、中の人は?」
「魔物にはなりませんよ。人を魔物にするにはその人を殺さなくては・・・まさかそこまでするとは思えませんし」
モナーナの心配する声にルナさんが答えた。僕たちはその答えに息をのんだ。まさか、人を殺して魔物に変えてしまうんじゃないのかって。
「まあ、そうするんでしたらとっくのとうにしているでしょう」
「ははは、そうですよね」
「だけど、念のために今日から上の三人には僕の宮殿で寝てもらうよ」
ルナさんは僕たちの間にあった冷めるような空気を一蹴して話した。僕らは笑っているけど念の為にユアンが王族を宮殿のほうに匿うみたいです。
「宮殿ならシャラもいるし、ユアンもいる。心配無用になるね。そうとわかれば僕は宿屋で制作して」
「ルーク、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「え~」
最近、制作していないので素材がたんまりなんだよね。素材が加工してと囁いているんだよ。
「じゃあ、兄さん。僕はみんなを守るから兄さんは城に地下から潜入してね」
「ええ~」
「ルークが制作なんて言うからだよ。大丈夫私もいくから」
「もちろん、私も」
「・・・」
僕らの話はある程度まとまった。バルト様を抜いた王族の人たちをユアンの宮殿に匿って、正面から城を攻めると地下の人が危ないので僕が宿屋から地下を掘り進んで城に潜入することになりました。ああ、制作できなくて素材がたまりそうです。
確かに僕が空気を読まないで制作したいなんて言ったのは悪かったけど、まさか、ユアンが・・・いい子だったユアンがモナーナに毒され始めたのかな?兄さん悲しいな。
11
お気に入りに追加
5,638
あなたにおすすめの小説

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる