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第三章 王都リナージュ
第十九話 路地掃除
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アズをいじめっ子から守って僕は端仕事を受けて路地にやってきました。冒険者ギルドの依頼はまだ端仕事しかないのでアズは僕らについてきたみたい。端仕事は受けていないみたいだけど、見ているだけで面白いそうです。僕は見世物じゃないんだけど。
「ルークって凄いね。拭いていないところのゴミとか汚れを集めてる・・」
「ルークは掃除好きだから」
アズとモナーナ、それにルナさんは路地に置いてあった樽に腰かけて僕を見ている。全く、少しでもいいから手伝おうとか思わないのかな。
「そういえば、お城の方から木の鳴き声が聞こえるってウッドが言っているんだけど、何か知っていますか?中に入ったんですよね」
「オオオ」
アズが興味深いことを話した。トレントのウッドがお城から鳴き声が聞こえてくると言っているようだ。やっぱりお城のどこかにノーブルローズがいるのかもしれない。アルテナ様についていた花は別物だったのかな?でもアズに教えてしまうとアズに迷惑がかかるかもしれない。それでも、信じられる仲間は多くした方がいいかな、それにトレントが仲間にいるとノーブルローズとの和解もしやすいかも?
アズには事情を話すことにした。丁度、人通りのない路地でよかった。
「ルークは凄いんだね。流石、英雄ユアンのお兄さんだね」
アズは納得してくれた。こんな話を信じてくれるのもユアンのおかげかな。流石ユアンだ。
「ルークの人望のおかげだね」
「えっ、違うよ。ユアンのおかげでしょ?」
「いいえ、違いますよ。ルークさんのおかげです」
アズが納得したのを見て、モナーナとルナさんは僕のおかげだというけど僕は否定します。だってユアンの方が名声値は強いもん。ていうかそういうことにしてほしい。
「今はユアンにお城を調べてもらっているから待機しているんだ。本当はすぐにでもワインプールに帰りたいんだけど」
「そうだね。長く孤児院を空けているとニャムさんとメイさんに怒られちゃう」
ワインプールに帰りたいというとモナーナが一番気になっていたことを呟いた。そうなんだよね。メイさんとかニャムさんとかクコなんかも怒っていそうなんだよね。いろんな意味で早く帰りたい。
「とりあえず、路地を綺麗にしていくよ。みんなはそれぞれ王都を楽しんできたら?」
「僕はルークと一緒にいるよ」
「そうですか、では私とモナーナはお買い物に行きましょう」
「本当はルークとお買い物したかったけど久しぶりのお掃除だもんね。邪魔したくないしルナさんとお買い物行くよ」
モナーナとルナさんは僕に手を振ってお買い物に向かった。アズはウッドと一緒に僕について歩いた。僕は布を巻き付けた杖で路地を掃除していく、布に一メートル以内の汚れが集まり水の沸く桶を出して杖を突っ込むと水に汚れが吸い取られて行って杖に巻き付けた布は真っ白になっていく。その様子を見ているアズとウッドはポカンとしています。
「火とかを出す魔法よりも魔法みたいだね」
アズが感心して呟いている。確かに凄いけどこんなことはまだまだ序の口。
「桶に何か光るものが?」
杖を突っ込んだ桶に金色に輝く何かが見える。
「ええっ、これって金?」
僕が掃除すると大抵の物は高価値の物になっていく。路地の土汚れや家の壁の汚れは集めて水に落とすと汚れと一緒に砂金が生まれるんだ。こういったものは採取スキルのおかげだと思う。スキルとかの効果を全部知っているわけではないので何とも言えないけどたぶんそうだと思う。
「見ていて飽きないな~」
樽に座って両手で頬杖をついてアズが呟いた。小一時間で三か所の路地を掃除してしまった。今回の端仕事は4か所だから、あと一か所。
「なんだガキども、ここはガキの来るところじゃねえぞ」
最後の路地に来るとチンピラですって人が6人で路地にたむろしている。僕たちはどう見ても子供なので追い返そうと圧をかけてきました。
「おいおい、従魔使いか?」
「トレントなんてレアだな」
「小遣い稼ぎでもするか?」
チンピラ達はナイフをポケットから取り出して下品な笑みを浮かべて近づいてきた。路地って危険がいっぱいだね。
「オオオ!」
「この!木の分際で抵抗するんじゃねえ」
「さっきの汚名は返上するよ。見てて」
アズは僕にウインクしてチンピラと対峙していく。ウッドがチンピラを牽制するとアズがダガーを取り出して構えた。腕を垂らすように構えている、あんまり見たことのない構えだ。
「この野郎、田舎者か」
「まともに剣も習ってねえのか」
「僕が習ったのは勝ち方だよ」
アズはチンピラの悪態に答えて壁を走り抜ける。チンピラ達をウッドと挟み撃ちにする為に後方に回り込んだ。
「奇妙な動きしやがるな」
「ガキだが容赦するなよ」
「もう遅いよ。周りをよく見てみな」
「何!なんだこの糸は?」
裏手に回るときにウッドの頭から何かを取ったのが見えたけどそれは細い糸のようなものだった。その糸はチンピラ達の周囲に張られている。狭い路地ならではの戦法だね。
「こんな糸がなんだっていうんだ?」
「バカ触るな!」
チンピラの一人が糸に触れると糸がチンピラの手に絡みついていく。
「糊って知ってるかい?なんでも引っ付けちゃうんだ。ウッドは糊の木なんだよ。凄いだろ」
どうやら、糊の糸を路地にばらまいたようです。掃除が捗るな~・・・。
「この野郎動くんじゃねえよ」
「そっちこそ、離れやがれ」
一人が絡まったことで糸がチンピラ達を包んでいく、絡まってから少ししてチンピラ達は大きな球になっていった。
「糸を解いてくれ~」
「もう悪さはしねえよ~」
「母ちゃん!」
チンピラ達は球になると弱気になって泣いている。それでも僕らを襲ったことに変わりはないのでアズが衛兵に届けに行きました。球のまま持って行ったので雪だるまみたいに道路のゴミも拾って行っちゃった。あの方法もいいな、今度やってみよう。
「ルークって凄いね。拭いていないところのゴミとか汚れを集めてる・・」
「ルークは掃除好きだから」
アズとモナーナ、それにルナさんは路地に置いてあった樽に腰かけて僕を見ている。全く、少しでもいいから手伝おうとか思わないのかな。
「そういえば、お城の方から木の鳴き声が聞こえるってウッドが言っているんだけど、何か知っていますか?中に入ったんですよね」
「オオオ」
アズが興味深いことを話した。トレントのウッドがお城から鳴き声が聞こえてくると言っているようだ。やっぱりお城のどこかにノーブルローズがいるのかもしれない。アルテナ様についていた花は別物だったのかな?でもアズに教えてしまうとアズに迷惑がかかるかもしれない。それでも、信じられる仲間は多くした方がいいかな、それにトレントが仲間にいるとノーブルローズとの和解もしやすいかも?
アズには事情を話すことにした。丁度、人通りのない路地でよかった。
「ルークは凄いんだね。流石、英雄ユアンのお兄さんだね」
アズは納得してくれた。こんな話を信じてくれるのもユアンのおかげかな。流石ユアンだ。
「ルークの人望のおかげだね」
「えっ、違うよ。ユアンのおかげでしょ?」
「いいえ、違いますよ。ルークさんのおかげです」
アズが納得したのを見て、モナーナとルナさんは僕のおかげだというけど僕は否定します。だってユアンの方が名声値は強いもん。ていうかそういうことにしてほしい。
「今はユアンにお城を調べてもらっているから待機しているんだ。本当はすぐにでもワインプールに帰りたいんだけど」
「そうだね。長く孤児院を空けているとニャムさんとメイさんに怒られちゃう」
ワインプールに帰りたいというとモナーナが一番気になっていたことを呟いた。そうなんだよね。メイさんとかニャムさんとかクコなんかも怒っていそうなんだよね。いろんな意味で早く帰りたい。
「とりあえず、路地を綺麗にしていくよ。みんなはそれぞれ王都を楽しんできたら?」
「僕はルークと一緒にいるよ」
「そうですか、では私とモナーナはお買い物に行きましょう」
「本当はルークとお買い物したかったけど久しぶりのお掃除だもんね。邪魔したくないしルナさんとお買い物行くよ」
モナーナとルナさんは僕に手を振ってお買い物に向かった。アズはウッドと一緒に僕について歩いた。僕は布を巻き付けた杖で路地を掃除していく、布に一メートル以内の汚れが集まり水の沸く桶を出して杖を突っ込むと水に汚れが吸い取られて行って杖に巻き付けた布は真っ白になっていく。その様子を見ているアズとウッドはポカンとしています。
「火とかを出す魔法よりも魔法みたいだね」
アズが感心して呟いている。確かに凄いけどこんなことはまだまだ序の口。
「桶に何か光るものが?」
杖を突っ込んだ桶に金色に輝く何かが見える。
「ええっ、これって金?」
僕が掃除すると大抵の物は高価値の物になっていく。路地の土汚れや家の壁の汚れは集めて水に落とすと汚れと一緒に砂金が生まれるんだ。こういったものは採取スキルのおかげだと思う。スキルとかの効果を全部知っているわけではないので何とも言えないけどたぶんそうだと思う。
「見ていて飽きないな~」
樽に座って両手で頬杖をついてアズが呟いた。小一時間で三か所の路地を掃除してしまった。今回の端仕事は4か所だから、あと一か所。
「なんだガキども、ここはガキの来るところじゃねえぞ」
最後の路地に来るとチンピラですって人が6人で路地にたむろしている。僕たちはどう見ても子供なので追い返そうと圧をかけてきました。
「おいおい、従魔使いか?」
「トレントなんてレアだな」
「小遣い稼ぎでもするか?」
チンピラ達はナイフをポケットから取り出して下品な笑みを浮かべて近づいてきた。路地って危険がいっぱいだね。
「オオオ!」
「この!木の分際で抵抗するんじゃねえ」
「さっきの汚名は返上するよ。見てて」
アズは僕にウインクしてチンピラと対峙していく。ウッドがチンピラを牽制するとアズがダガーを取り出して構えた。腕を垂らすように構えている、あんまり見たことのない構えだ。
「この野郎、田舎者か」
「まともに剣も習ってねえのか」
「僕が習ったのは勝ち方だよ」
アズはチンピラの悪態に答えて壁を走り抜ける。チンピラ達をウッドと挟み撃ちにする為に後方に回り込んだ。
「奇妙な動きしやがるな」
「ガキだが容赦するなよ」
「もう遅いよ。周りをよく見てみな」
「何!なんだこの糸は?」
裏手に回るときにウッドの頭から何かを取ったのが見えたけどそれは細い糸のようなものだった。その糸はチンピラ達の周囲に張られている。狭い路地ならではの戦法だね。
「こんな糸がなんだっていうんだ?」
「バカ触るな!」
チンピラの一人が糸に触れると糸がチンピラの手に絡みついていく。
「糊って知ってるかい?なんでも引っ付けちゃうんだ。ウッドは糊の木なんだよ。凄いだろ」
どうやら、糊の糸を路地にばらまいたようです。掃除が捗るな~・・・。
「この野郎動くんじゃねえよ」
「そっちこそ、離れやがれ」
一人が絡まったことで糸がチンピラ達を包んでいく、絡まってから少ししてチンピラ達は大きな球になっていった。
「糸を解いてくれ~」
「もう悪さはしねえよ~」
「母ちゃん!」
チンピラ達は球になると弱気になって泣いている。それでも僕らを襲ったことに変わりはないのでアズが衛兵に届けに行きました。球のまま持って行ったので雪だるまみたいに道路のゴミも拾って行っちゃった。あの方法もいいな、今度やってみよう。
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