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第三章 王都リナージュ
第十三話 副団長
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「いやー参った参った。強すぎるよ」
「私たちも慢心していたね。Aランクだからってまだまだ上がいる」
ダネンさんとシルフィさんは良い笑顔で負けを認めていた。
「二人はSランクなんだろ。ユアンの兄なら納得だよ」
「あ~っと」
「僕も気になります。あんなにモナーナさんが強いなんて思わなかったし」
シルフィさんに僕らがSランクなんだと思われたようだ。アズ君も詰め寄ってきた。どうしよう、本当のことを言ったらがっかりするかな?
「私たちはCランクだよ。今、上がっている最中なの」
「・・そうか、そうだよな。確か、兄と言ってもユアンと同い年のはずだしな」
「だけど、おかしいですよ。強さをギルドマスターとかに見せればBランクまでは一人の権限で上げられるはずです。それなのにどうして?」
シルフィさんとアズ君が僕に視線を集める。そんなこと言われてもギルドマスター達は何も言ってこなかったよ。ランク上がるのもアレイストさんにあげてもらったし、そういえばなんでアレイストさんにあげてもらったんだろう。二人の言っていることが本当ならマスターにあげてもらうのが普通なのでは?
「みんなはギルドマスターにあげてもらってるの?」
「ああ、うちはユアンがちゃんと試験をしたいっていって依頼を達成して上がったけどマスターに上げてもらったよ」
「僕はまだDランクなんだけど、ゴブリン討伐と納品依頼であがりました。それもマスターに承認してもらって」
「ええ、僕はアレイストさんにあげてもらったんだけど、そういう師匠的な人にあげてもらわないの?」
みんなそれぞれのギルドマスターにあげてもらっているみたいです。僕がアレイストさんみたいな人にあげてもらわないのと聞くとシルフィさんとダネンさんが顔を見合って笑い出した。
「ははは、アレイスト姉さんの弟子なのか」
「通りで強いわけだよ」
「アレイストさんを知っているんですね」
「そりゃそうさ、私たちもアレイスト姉さんに教えてもらっていたからね」
「でも、そうなるとアレイスト姉さんは二人のランクを一気にあげたくなかったのかもね」
笑いながらアレイストさんの考えを話す二人。
「一気にあげるとどうしても目立つからね。でかいクランに目を付けられるんだよ」
「姉さんのことだから[金色の旗]に誘っただろ?」
「あ、はい」
「やっぱりね。うちはまだいいんだけど、悪いクランだと脅して仲間に引き入れるところもあるからね。早めに囲おうと思ったんだろ」
どうやら、アレイストさんは僕らを守ろうとしてくれたようです。それに気づかずに僕は断っちゃった、なんだか悪いことしたな~。でも、そんな怖いクランがあるんだね。仲間が欲しいのに脅したりしたら敵ができちゃうと思うけどな。
「Cランクなら低レベルな輩はこないからいいと踏んだのかもね。仲間も強ければ大丈夫だろうし」
シルフィさんはそう言ってうなづいている。
「[マジックファクトリー]のルーク君とモナーナさんかな?」
みんなと話していると一階への階段のほうから眼鏡をかけた青年が話しかけてきた。
「げっ、副団長」
ダネンさんが怪訝な顔で声をもらした。あの人がユアンの言っていた副団長さんか。みた感じはそんなに怖そうじゃないけどな。
「私は[金色の旗]のルワースというものです。副団長を務めさせてもらっています」
「えっと、僕はルークです。こっちがモナーナ、あとルナさんとアズ君です」
優しい笑顔で僕に自己紹介をしてきたルワースさん、印象ではやっぱり、嫌な感じしないです。
「早速なのですがうちに入りませんか?」
それでもやっぱり勧誘はしてくるみたい。今のところ、特定のクランに入るつもりはないので断る。
「いえ、僕はまだそういったところにはいるつもりはないんです」
「そうですか、ですが。あなた達ほどの強さがあると貴族達も黙っていませんよ。貴族達は力づくでもあなた達を欲して身内を虐げるかも、そう言ったときにクランに入っているとギルドを通して強く言えるんです。ですから王都で冒険者稼業をするにはクランに入ったほうがいいですよ」
ルワースさんは優しい笑顔のまま、クランを勧めてくる。僕らはすぐにエリントス経由でワインプールに帰るつもりなので断ることにします。
「すみません。王都で冒険者稼業をしに来たわけではないのでお断りします。すぐにワインプールに帰りますので」
「孤児院のみんなが待ってるもんね」
僕の言葉に続いてモナーナが同調して話した。ルワースさんはあごに手を当てて考え込んだ。
「そうですか、ではしょうがないですね。気が変わったら言ってくださいね」
ルワースさんは最後まで満面の笑みで去っていった。その姿を見たシルフィさんとダネンさんはうろたえて居ます。どうしたんだろう?
「ルワースが笑顔で去っていったよ」
「怒らないルワースを見たのは初めてだね」
なんだかルワースさんが怒っているのは周りのせいな気がしてきた。ユアンだって、勝手に出てきたって言っていたし、たぶんそれで怒ったんでしょ。ルワースさんすいませんでした。これからもユアンをよろしくお願いします。
「じゃあ、僕らは帰りますね」
「ちょっとまった、ユアンに会っていかないのかい?」
「ああ、そうだ。ユアンはどこに?」
「ユアンは王城の横の宮殿に住んでいるんだよ。私たちは普通に通っていけないから細かくはわからないけどね」
どうやら、ユアンはかなり気に入られているみたい。王城への門をくぐった先に宮殿があってそこに住んでいるみたい。それって実質王族じゃないのかなっとか思ってしまった。流石、ユアン。英雄街道まっしぐらだね。
「私たちも慢心していたね。Aランクだからってまだまだ上がいる」
ダネンさんとシルフィさんは良い笑顔で負けを認めていた。
「二人はSランクなんだろ。ユアンの兄なら納得だよ」
「あ~っと」
「僕も気になります。あんなにモナーナさんが強いなんて思わなかったし」
シルフィさんに僕らがSランクなんだと思われたようだ。アズ君も詰め寄ってきた。どうしよう、本当のことを言ったらがっかりするかな?
「私たちはCランクだよ。今、上がっている最中なの」
「・・そうか、そうだよな。確か、兄と言ってもユアンと同い年のはずだしな」
「だけど、おかしいですよ。強さをギルドマスターとかに見せればBランクまでは一人の権限で上げられるはずです。それなのにどうして?」
シルフィさんとアズ君が僕に視線を集める。そんなこと言われてもギルドマスター達は何も言ってこなかったよ。ランク上がるのもアレイストさんにあげてもらったし、そういえばなんでアレイストさんにあげてもらったんだろう。二人の言っていることが本当ならマスターにあげてもらうのが普通なのでは?
「みんなはギルドマスターにあげてもらってるの?」
「ああ、うちはユアンがちゃんと試験をしたいっていって依頼を達成して上がったけどマスターに上げてもらったよ」
「僕はまだDランクなんだけど、ゴブリン討伐と納品依頼であがりました。それもマスターに承認してもらって」
「ええ、僕はアレイストさんにあげてもらったんだけど、そういう師匠的な人にあげてもらわないの?」
みんなそれぞれのギルドマスターにあげてもらっているみたいです。僕がアレイストさんみたいな人にあげてもらわないのと聞くとシルフィさんとダネンさんが顔を見合って笑い出した。
「ははは、アレイスト姉さんの弟子なのか」
「通りで強いわけだよ」
「アレイストさんを知っているんですね」
「そりゃそうさ、私たちもアレイスト姉さんに教えてもらっていたからね」
「でも、そうなるとアレイスト姉さんは二人のランクを一気にあげたくなかったのかもね」
笑いながらアレイストさんの考えを話す二人。
「一気にあげるとどうしても目立つからね。でかいクランに目を付けられるんだよ」
「姉さんのことだから[金色の旗]に誘っただろ?」
「あ、はい」
「やっぱりね。うちはまだいいんだけど、悪いクランだと脅して仲間に引き入れるところもあるからね。早めに囲おうと思ったんだろ」
どうやら、アレイストさんは僕らを守ろうとしてくれたようです。それに気づかずに僕は断っちゃった、なんだか悪いことしたな~。でも、そんな怖いクランがあるんだね。仲間が欲しいのに脅したりしたら敵ができちゃうと思うけどな。
「Cランクなら低レベルな輩はこないからいいと踏んだのかもね。仲間も強ければ大丈夫だろうし」
シルフィさんはそう言ってうなづいている。
「[マジックファクトリー]のルーク君とモナーナさんかな?」
みんなと話していると一階への階段のほうから眼鏡をかけた青年が話しかけてきた。
「げっ、副団長」
ダネンさんが怪訝な顔で声をもらした。あの人がユアンの言っていた副団長さんか。みた感じはそんなに怖そうじゃないけどな。
「私は[金色の旗]のルワースというものです。副団長を務めさせてもらっています」
「えっと、僕はルークです。こっちがモナーナ、あとルナさんとアズ君です」
優しい笑顔で僕に自己紹介をしてきたルワースさん、印象ではやっぱり、嫌な感じしないです。
「早速なのですがうちに入りませんか?」
それでもやっぱり勧誘はしてくるみたい。今のところ、特定のクランに入るつもりはないので断る。
「いえ、僕はまだそういったところにはいるつもりはないんです」
「そうですか、ですが。あなた達ほどの強さがあると貴族達も黙っていませんよ。貴族達は力づくでもあなた達を欲して身内を虐げるかも、そう言ったときにクランに入っているとギルドを通して強く言えるんです。ですから王都で冒険者稼業をするにはクランに入ったほうがいいですよ」
ルワースさんは優しい笑顔のまま、クランを勧めてくる。僕らはすぐにエリントス経由でワインプールに帰るつもりなので断ることにします。
「すみません。王都で冒険者稼業をしに来たわけではないのでお断りします。すぐにワインプールに帰りますので」
「孤児院のみんなが待ってるもんね」
僕の言葉に続いてモナーナが同調して話した。ルワースさんはあごに手を当てて考え込んだ。
「そうですか、ではしょうがないですね。気が変わったら言ってくださいね」
ルワースさんは最後まで満面の笑みで去っていった。その姿を見たシルフィさんとダネンさんはうろたえて居ます。どうしたんだろう?
「ルワースが笑顔で去っていったよ」
「怒らないルワースを見たのは初めてだね」
なんだかルワースさんが怒っているのは周りのせいな気がしてきた。ユアンだって、勝手に出てきたって言っていたし、たぶんそれで怒ったんでしょ。ルワースさんすいませんでした。これからもユアンをよろしくお願いします。
「じゃあ、僕らは帰りますね」
「ちょっとまった、ユアンに会っていかないのかい?」
「ああ、そうだ。ユアンはどこに?」
「ユアンは王城の横の宮殿に住んでいるんだよ。私たちは普通に通っていけないから細かくはわからないけどね」
どうやら、ユアンはかなり気に入られているみたい。王城への門をくぐった先に宮殿があってそこに住んでいるみたい。それって実質王族じゃないのかなっとか思ってしまった。流石、ユアン。英雄街道まっしぐらだね。
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