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第二章 黒煙
第三十九話 情報
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今日は最近忙しかったので端仕事のお掃除をしています。本来はアラト君とイラト君がやるはずだったんだけど、今日もアレイストさんに連れられてゴブリン狩りをしています。
アレイストさんに連れられるようになって二人は逞しくなってきた。近いうちにみんなの村の人達の形見で作った防具を渡してあげようと思います。
本当は成人した時に渡そうと思ったんだけど、外に行く機会が多くなっているので少し心配です。なので渡しちゃおうと思いました。
「やっぱり、ルークさんが掃除するとピッカピカだね~」
「ここまでやれる人はそうはいないよ」
噴水広場を掃除しているんだけど若い奥様方が僕の仕事ぶりを見て頷いていました。何だか恥ずかしい。
「そう言えば、知っているかい?」
「え?何かあったんですか?」
「隣の街への街道で司祭の服を着た人の死体が見つかったんだってよ。隣町の商人から聞いたんだよ」
「へ~」
どうやら、司祭様が死んでしまったようです。一人で街道を渡る司祭・・・勇気があるな~。って僕も夜中に一人で街道渡ったの忘れてました。あれは反省しなくてはいけない案件だよね。
「それでルークさん、休憩にしてうちでお茶しないかい?」
「ちょっと抜け駆けはダメよ」
「あんたの所は旦那いるでしょ」
「えっちょっと」
何故かお茶に誘われて三人の奥さん達は言い合いを始めてしまった。僕はオドオドとその状況に対応できないでいる。
「失礼、ルークさん。行きましょう」
「メイさん?」
奥さんたちをかき分けてメイさんが僕の腕を引っ張っていく、奥さんたちは残念そうな顔でうつむいていました。
「全く、あなたは・・・少し目を離しているとこういったことになるんですから」
「いや、でも。すいません」
口答えをしようとするとメイさんがすっごい顔で睨んできました。
メイさんは今の今まで教会について調べていました。クルシュ様にも連絡をして、なんであんな司祭が採用されているのかを調べていたのだった。僕はブドウ畑を歩きながらメイさんの報告を聞いていく、
「アザラーノフは最高司祭の四男、半端者で回復も初級魔法しかできない男です。最高司祭の子供と言うだけで成り上がった為にあんな大人に育ってしまったのでしょう」
やっぱり、後ろ盾があったって事か。親の後を継ぐってどういう事か分かっているのかな?自分が親の鏡になるんだよ。自分がミスをしたら親が恨まれて、自分が不正をすれば親が不正をしたと思われるんだ。親もそんな子に教会を任せるなんてどうかしているよ。
「今回、アザラーノフが死んだことで教会はワインプールの領主、ルザー様に手紙を送っているはずです」
「ええ、死んだんですか?あっ、まさか、隣町への街道で司祭の服を着た人が死んでいたって言うのが?」
「そうですね。それです」
メイさんが呆れて僕の疑問を肯定した。なんで、一人で街道をとおったんだろう?
「アザラーノフは不正の発覚を恐れたんでしょう。教会に知られれば流石に罰は免れませんからね。と言っても軽い罰で済んでしまってたでしょうからいなくなってくれてありがたいですね」
メイさんはせいせいしたと言わんばかりに話した。確かにあの人は子供の命を何とも思っていないような人だった。あんなのが教会にいたんじゃ救える命も救えないもんね。僕も正直、メイさんと同じ思い。
「今度ルザー様に会うんだけど」
「そうですか・・・あまりいい人間とは言いにくいですが頑張ってください」
「来てくれないんですか?」
「ルークさんは来てほしいんですか?」
僕はルザー様に会うという話をすると明らかに嫌そうな顔をするメイさん。そんなに会いたくないのかな、それでも来てほしい、無理な追及をされたらサポートして欲しいし。
「来てほしいです」
「・・そうですか、では行きましょう。ユアンさんも一緒に」
「ええ、ユアンも?」
「はい、ユアンさんは一緒です。理由としてはユアンさんの名声ですね」
「ユアンの名声?」
メイさんは考えを話していく。ユアンのネームバリューを使い、孤児院の建設を主張する。ユアン孤児院とかにする事でワインプールの名声があがる。まずはこの一つでルザーの機嫌を取る。人が増えれば自然と税収も増えるからね。
機嫌を取ったら、教会の話を追及。新しい司祭はちゃんと選定する事を誓ってもらう。口約束の範囲だから何とも言えないけど貴族相手にはこの位の要求しかできない。歯がゆい限りだけど。
「まあ、それでダメだったら、あのポーション木箱をどければ良いんじゃないですか?」
「街の人が残念がるだけだよ。それはできないよ。それならその人にだけ使えないようにしちゃえばいいんだよ」
「そんなことできるんですか?」
「僕が許可しなければできるんじゃないかな。たぶん」
付喪神の宿るポーション達、それ以外もルークの作る物、すべてに付喪神が宿っている。ルークが使用を許さない者にはそれらは作用しないのだ。ルークが許可を出せば使用できるようになるが。
基本困った人には使用が許されるので緊急時はちゃんと使用できるようになっている為、悪用はされていない。
「ならそれをちらつかせますか、何だか楽しみになってきました」
黒い笑みを宿したメイさんは嗜む子牛亭の方へ歩いて行く。
メイさんは嗜む子牛亭に着くと驚いていた。男達が子供達と遊んでいるのだから驚くのも無理はない。ちゃんと説明すると納得したように頷いて男達を睨んでいました。納得したのに睨むって事は普通に嫌いなのかもしれない。
まあしょうがないよね。僕をいじめていたんだからさ。僕はこれ以上弁護はしませんよ。だって1レベルだもんそんな僕が言っても誰も納得しないでしょ?
アレイストさんに連れられるようになって二人は逞しくなってきた。近いうちにみんなの村の人達の形見で作った防具を渡してあげようと思います。
本当は成人した時に渡そうと思ったんだけど、外に行く機会が多くなっているので少し心配です。なので渡しちゃおうと思いました。
「やっぱり、ルークさんが掃除するとピッカピカだね~」
「ここまでやれる人はそうはいないよ」
噴水広場を掃除しているんだけど若い奥様方が僕の仕事ぶりを見て頷いていました。何だか恥ずかしい。
「そう言えば、知っているかい?」
「え?何かあったんですか?」
「隣の街への街道で司祭の服を着た人の死体が見つかったんだってよ。隣町の商人から聞いたんだよ」
「へ~」
どうやら、司祭様が死んでしまったようです。一人で街道を渡る司祭・・・勇気があるな~。って僕も夜中に一人で街道渡ったの忘れてました。あれは反省しなくてはいけない案件だよね。
「それでルークさん、休憩にしてうちでお茶しないかい?」
「ちょっと抜け駆けはダメよ」
「あんたの所は旦那いるでしょ」
「えっちょっと」
何故かお茶に誘われて三人の奥さん達は言い合いを始めてしまった。僕はオドオドとその状況に対応できないでいる。
「失礼、ルークさん。行きましょう」
「メイさん?」
奥さんたちをかき分けてメイさんが僕の腕を引っ張っていく、奥さんたちは残念そうな顔でうつむいていました。
「全く、あなたは・・・少し目を離しているとこういったことになるんですから」
「いや、でも。すいません」
口答えをしようとするとメイさんがすっごい顔で睨んできました。
メイさんは今の今まで教会について調べていました。クルシュ様にも連絡をして、なんであんな司祭が採用されているのかを調べていたのだった。僕はブドウ畑を歩きながらメイさんの報告を聞いていく、
「アザラーノフは最高司祭の四男、半端者で回復も初級魔法しかできない男です。最高司祭の子供と言うだけで成り上がった為にあんな大人に育ってしまったのでしょう」
やっぱり、後ろ盾があったって事か。親の後を継ぐってどういう事か分かっているのかな?自分が親の鏡になるんだよ。自分がミスをしたら親が恨まれて、自分が不正をすれば親が不正をしたと思われるんだ。親もそんな子に教会を任せるなんてどうかしているよ。
「今回、アザラーノフが死んだことで教会はワインプールの領主、ルザー様に手紙を送っているはずです」
「ええ、死んだんですか?あっ、まさか、隣町への街道で司祭の服を着た人が死んでいたって言うのが?」
「そうですね。それです」
メイさんが呆れて僕の疑問を肯定した。なんで、一人で街道をとおったんだろう?
「アザラーノフは不正の発覚を恐れたんでしょう。教会に知られれば流石に罰は免れませんからね。と言っても軽い罰で済んでしまってたでしょうからいなくなってくれてありがたいですね」
メイさんはせいせいしたと言わんばかりに話した。確かにあの人は子供の命を何とも思っていないような人だった。あんなのが教会にいたんじゃ救える命も救えないもんね。僕も正直、メイさんと同じ思い。
「今度ルザー様に会うんだけど」
「そうですか・・・あまりいい人間とは言いにくいですが頑張ってください」
「来てくれないんですか?」
「ルークさんは来てほしいんですか?」
僕はルザー様に会うという話をすると明らかに嫌そうな顔をするメイさん。そんなに会いたくないのかな、それでも来てほしい、無理な追及をされたらサポートして欲しいし。
「来てほしいです」
「・・そうですか、では行きましょう。ユアンさんも一緒に」
「ええ、ユアンも?」
「はい、ユアンさんは一緒です。理由としてはユアンさんの名声ですね」
「ユアンの名声?」
メイさんは考えを話していく。ユアンのネームバリューを使い、孤児院の建設を主張する。ユアン孤児院とかにする事でワインプールの名声があがる。まずはこの一つでルザーの機嫌を取る。人が増えれば自然と税収も増えるからね。
機嫌を取ったら、教会の話を追及。新しい司祭はちゃんと選定する事を誓ってもらう。口約束の範囲だから何とも言えないけど貴族相手にはこの位の要求しかできない。歯がゆい限りだけど。
「まあ、それでダメだったら、あのポーション木箱をどければ良いんじゃないですか?」
「街の人が残念がるだけだよ。それはできないよ。それならその人にだけ使えないようにしちゃえばいいんだよ」
「そんなことできるんですか?」
「僕が許可しなければできるんじゃないかな。たぶん」
付喪神の宿るポーション達、それ以外もルークの作る物、すべてに付喪神が宿っている。ルークが使用を許さない者にはそれらは作用しないのだ。ルークが許可を出せば使用できるようになるが。
基本困った人には使用が許されるので緊急時はちゃんと使用できるようになっている為、悪用はされていない。
「ならそれをちらつかせますか、何だか楽しみになってきました」
黒い笑みを宿したメイさんは嗜む子牛亭の方へ歩いて行く。
メイさんは嗜む子牛亭に着くと驚いていた。男達が子供達と遊んでいるのだから驚くのも無理はない。ちゃんと説明すると納得したように頷いて男達を睨んでいました。納得したのに睨むって事は普通に嫌いなのかもしれない。
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