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第二章 黒煙
第三十話 白き龍
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クコを追いかける為に嗜む子牛亭をユアンと共にでた。ユアンの疑問を聞いたクコは外に出ていったんだ、だから、そのユアンの言った黒い雲の行った方向に行っているはず。僕らはその方向へと走っていく。住宅のある方向とは別の方向に走っていく、しばらく、走っていると白いドレスを着た少女が蹲って泣いていた。僕らはおかしいと思いながらも声をかける。
「こんな所でどうしたの?」
「迷子かな?」
僕とユアンは話しかけながら辺りを見回す。ブドウ畑のど真ん中の為、建物は何も見えない。少女を近くで見るとクコに瓜二つであった。
「二人共、そやつから離れろ!」
「遅い、遅いぞ~」
前方からクコが僕らに警戒をするように叫んだ。その声と同時に白いドレスの少女が白い雲を出して僕らを掴んで大きくなっていく、少女は白い龍になり10メートル程の体躯になった。
白い龍は頬を釣り上げて笑みを浮かべた。
「はっはっは、黒いの!これで俺の勝ちだな」
白い龍はそう言ってクコを見ている。クコはぐぬぬと歯を食いしばっていた。この二人はどういう関係なんだろう。
「兄さん出られないよ」
「ユアンが勝てないの?」
「はっはっは、俺は聖なる龍だぞ。聖属性の小僧が勝てるわけなかろう」
ユアンは聖属性、それによって闇を葬り去る事が出来る。クコに勝てたのはそれが大きな要因だった。しかし、この白い龍は同じ聖属性。ユアンの力が1ならば0.5のダメージしか負わせられない、逆に闇属性であるクコには1が2になるのだ、ただでさえ能力値の高いユアンが二倍になるのだから当たれば勝てる。なのでクコの油断で眼をやられるに至ったのだった。
単純に能力値は白い龍よりもユアンの方が低い事に代わりはない、同じ聖属性ならば白い龍も同じ事なのだから。
「シャラ、おぬしはそんなにわらわを消し去りたいのか?」
「俺の祈願だからな。この天を、雲を操る者は一体で十分だろう」
シャラと言われた白い龍、自分勝手な主張を大きな声で語っている。
大きな声で叫ぶもんだから街の光が灯っていき、街が騒がしくなってくる。
「なんだありゃ!」
「白い龍だぞ!」
「厄災の白い龍じゃねえのか?」
シャラと言われた白い龍はそこら中で悪さをしていたと言われている伝説の龍。黒い龍のクコにライバル意識を持っていて大昔から争い合っていた。白い龍は神と言われているノルディックやその他の神と敵対していた。クコは戦闘の苦手なノルディックを守り戦った。その他の神の力もあり白い龍は撃退に至ったのだが神達の目の届かぬ所で白い龍は傷を癒し反撃の時を稼いでいたのだ。
そして、今、シャラは反撃に転じた。
「はっはっは、俺はシャラだ覚えておけ人間共~。しかし、人間をたきつけて黒い龍を始末させようとしたというのに結局俺が手を下す事となるとはな」
シャラは勝ち誇ったように話す。僕は呆れながら眺めています。こういうのって最後まで黙ってないとカッコ悪いんだよね。そろそろ、手を放してくれないかな~。
「聖属性の小僧は暴れているがこっちの小僧はビビって何も出来ないようだな」
「ビビってると言うか呆れているんだよ」
「・・はっはっは、黒い龍に呆れておるのかそれは同意だな」
「違うよ。君にだよ」
白い龍の目的も分かったので白い龍の呪縛から逃れます。こういう人達って勝ちが確定したと思うと口が軽くなる物何だね。勉強になりました。
僕は単純に体へ力を注いで白い龍の手をこじ開ける。ユアンと一緒に手に捕まっていたので解けた事でユアンは白い龍の手を切り落とした。
「ギャ~~、この小僧、何者だ!何故俺が力で負けるのだ」
「おぬし、情報収集を怠ったな。仕方ない事だがな。街の中で起こったことまでは知りえなかったのだろう」
「なにを!そういえば黒いの、お前、目が治っているのか」
「そうじゃ、それをしたのはそこにいるルークなんじゃ」
「ルーク?」
クコに言われてシャラが僕を睨みつけた。あんまり見つめないで欲しいんだけどね。
「それがどうした!お前など俺の敵ではない」
「お主に負けるほどわらわは腑抜けておらんわ!」
クコがそう言うと黒い雲を体から噴射して大きくなっていく。黒い龍になっていくクコの口に黒い炎が輝いた。
「ぐわ~」
「この街からでていけ、そうすれば命まではとらん」
クコの放った黒い炎が白い龍を襲う。シャラは苦しみの声をもらして黒い炎を嫌い空へと飛んだ。クコは黒い炎を吐きながら追いかけて街から追い出していく。
シャラはルークとユアンの攻撃によってかなりのダメージを負ってしまった。とくにルークの攻撃が重かった。ただ単にこじ開けたのではなく手のひらから三つの属性のマナが注がれたのだ。本来こういった攻撃は素手で戦う民族が使うような技なのだが、無意識にルークはそれを成してしまっていた。シャラの体は内側からダメージを受けていく。最後にクコの炎を受けて逃げ去る負えない状況まで追い込まれてしまった。
「おのれ~、覚えておれ」
「今の今まで忘れておったわ。二度と現れん事だな」
白い龍は息を切らせながらも大空へと帰っていった。クコは無理に追わずにルーク達の前へ降りて人の姿に戻って行く。
「こんな所でどうしたの?」
「迷子かな?」
僕とユアンは話しかけながら辺りを見回す。ブドウ畑のど真ん中の為、建物は何も見えない。少女を近くで見るとクコに瓜二つであった。
「二人共、そやつから離れろ!」
「遅い、遅いぞ~」
前方からクコが僕らに警戒をするように叫んだ。その声と同時に白いドレスの少女が白い雲を出して僕らを掴んで大きくなっていく、少女は白い龍になり10メートル程の体躯になった。
白い龍は頬を釣り上げて笑みを浮かべた。
「はっはっは、黒いの!これで俺の勝ちだな」
白い龍はそう言ってクコを見ている。クコはぐぬぬと歯を食いしばっていた。この二人はどういう関係なんだろう。
「兄さん出られないよ」
「ユアンが勝てないの?」
「はっはっは、俺は聖なる龍だぞ。聖属性の小僧が勝てるわけなかろう」
ユアンは聖属性、それによって闇を葬り去る事が出来る。クコに勝てたのはそれが大きな要因だった。しかし、この白い龍は同じ聖属性。ユアンの力が1ならば0.5のダメージしか負わせられない、逆に闇属性であるクコには1が2になるのだ、ただでさえ能力値の高いユアンが二倍になるのだから当たれば勝てる。なのでクコの油断で眼をやられるに至ったのだった。
単純に能力値は白い龍よりもユアンの方が低い事に代わりはない、同じ聖属性ならば白い龍も同じ事なのだから。
「シャラ、おぬしはそんなにわらわを消し去りたいのか?」
「俺の祈願だからな。この天を、雲を操る者は一体で十分だろう」
シャラと言われた白い龍、自分勝手な主張を大きな声で語っている。
大きな声で叫ぶもんだから街の光が灯っていき、街が騒がしくなってくる。
「なんだありゃ!」
「白い龍だぞ!」
「厄災の白い龍じゃねえのか?」
シャラと言われた白い龍はそこら中で悪さをしていたと言われている伝説の龍。黒い龍のクコにライバル意識を持っていて大昔から争い合っていた。白い龍は神と言われているノルディックやその他の神と敵対していた。クコは戦闘の苦手なノルディックを守り戦った。その他の神の力もあり白い龍は撃退に至ったのだが神達の目の届かぬ所で白い龍は傷を癒し反撃の時を稼いでいたのだ。
そして、今、シャラは反撃に転じた。
「はっはっは、俺はシャラだ覚えておけ人間共~。しかし、人間をたきつけて黒い龍を始末させようとしたというのに結局俺が手を下す事となるとはな」
シャラは勝ち誇ったように話す。僕は呆れながら眺めています。こういうのって最後まで黙ってないとカッコ悪いんだよね。そろそろ、手を放してくれないかな~。
「聖属性の小僧は暴れているがこっちの小僧はビビって何も出来ないようだな」
「ビビってると言うか呆れているんだよ」
「・・はっはっは、黒い龍に呆れておるのかそれは同意だな」
「違うよ。君にだよ」
白い龍の目的も分かったので白い龍の呪縛から逃れます。こういう人達って勝ちが確定したと思うと口が軽くなる物何だね。勉強になりました。
僕は単純に体へ力を注いで白い龍の手をこじ開ける。ユアンと一緒に手に捕まっていたので解けた事でユアンは白い龍の手を切り落とした。
「ギャ~~、この小僧、何者だ!何故俺が力で負けるのだ」
「おぬし、情報収集を怠ったな。仕方ない事だがな。街の中で起こったことまでは知りえなかったのだろう」
「なにを!そういえば黒いの、お前、目が治っているのか」
「そうじゃ、それをしたのはそこにいるルークなんじゃ」
「ルーク?」
クコに言われてシャラが僕を睨みつけた。あんまり見つめないで欲しいんだけどね。
「それがどうした!お前など俺の敵ではない」
「お主に負けるほどわらわは腑抜けておらんわ!」
クコがそう言うと黒い雲を体から噴射して大きくなっていく。黒い龍になっていくクコの口に黒い炎が輝いた。
「ぐわ~」
「この街からでていけ、そうすれば命まではとらん」
クコの放った黒い炎が白い龍を襲う。シャラは苦しみの声をもらして黒い炎を嫌い空へと飛んだ。クコは黒い炎を吐きながら追いかけて街から追い出していく。
シャラはルークとユアンの攻撃によってかなりのダメージを負ってしまった。とくにルークの攻撃が重かった。ただ単にこじ開けたのではなく手のひらから三つの属性のマナが注がれたのだ。本来こういった攻撃は素手で戦う民族が使うような技なのだが、無意識にルークはそれを成してしまっていた。シャラの体は内側からダメージを受けていく。最後にクコの炎を受けて逃げ去る負えない状況まで追い込まれてしまった。
「おのれ~、覚えておれ」
「今の今まで忘れておったわ。二度と現れん事だな」
白い龍は息を切らせながらも大空へと帰っていった。クコは無理に追わずにルーク達の前へ降りて人の姿に戻って行く。
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