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第二章 黒煙
第二十七話 活発化する魔物達
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アラト君達兄弟と一緒に訓練場から出てくるとアレイストさんとギルドマスターが受付前で迎えてくれた。ギルドマスターは今日も完全装備状態みたいです。
「ルーク、強さを見せちまったんだね」
「はい、子供達の事もあるので仕方なく」
「凄かったよアレイスト姉ちゃん」
「モナーナさんの魔法であの人達、全員気絶しちゃったよ」
アレイストさんに答えるとアラト君とイラト君がさっきの戦闘の感想をハイテンションで語った。身振り手振りで語る二人は何だか子供らしくて可愛いな。
「モナーナさんとは戦闘してもいいのか?」
「ジャレト、そう言うのやめな。小物に見えるよ」
「しかしな~、俺よりも強い者に出会う機会が少なくてな」
アレイストさんへジャレトと言われたギルドマスターが質問している。ギルドマスターはジャレトという名前らしいです。
「二つ名をもらってギルドマスターになったのはいいのだが、ギルドマスターになってからアレイストとしか訓練できていない。それにお前はすぐに何処かへ行ってしまうし」
「はあ、要は暇って事だろ。それなら依頼をこなしな。ギルドマスターだって依頼受けていいじゃないか」
「ギルドマスターがAランクの依頼に行ったりしたら何日もギルドを開けることになるじゃないか」
「そんなこた~知らないよ。全く、それならギルドマスターなんて役職受けなけりゃよかったのに」
「冒険者なんて命を削ってやる仕事、家族をもってしまった今では無理だろ。安定して収入を得られるギルドマスターになった方がいいと思うもんじゃないか?まさかこんなに暇だとは思わなかったがな」
アレイストさんとジャレトさんが言い合いをしている。ふむ、僕的にはギルドマスターになった方がいい様な気がしてきた。安定した収入と安全な環境、いいね。
「全く、レッドソードなんて言われていた人物とは思えないね。そんなに家族は良い物なのかい?」
「ふっふっふ、家族が良い物だと?愚問だな。帰る家があって家に明かりがついているだけでその日の疲れがぶっ飛ぶんだよ。妻の顔を見ると今でも美しさに驚くもんだ。極めつけは子供だよ。俺にガキが生まれるなんてな。うちのガキ凄いんだぜ。まだこんなに小さいくせに文字をかけるんだよ。まだミミズが這ったみたいな字だけど、流石俺の」
「はいはい、聞いたのが間違いだったよ」
アレイストさんはジャレトさんののろけに頭を抱えて呆れてる。親バカという奴だけど、お父さんってこんな感じなんだね。僕のお父さんはどうだったんだろう。少しの記憶もないので何だか良いなと思っちゃった。
「「・・・」」
僕と同じようにアラト君とイラト君も何かジャレトさんに感じたようです指を咥えてジャレトさんを見ている。彼らは僕よりも父と言うものに執着がある、ジャレトさんを見て思い出してしまったのかもしれない。
「何だかいいな~」
「モナーナ?」
モナーナも同じように感じてしまったみたいです。指は咥えないものの暖かい目線をジャレトさんに向けている。
「ルーク、こんなバカを相手にしちゃダメだよ。こっちが疲れちまう」
「おいおい、凄いいわれようだな。まあいいがな。俺には家族がいるのだから」
ジャレトさんはそう言って奥の部屋へ行ってしまった。少し寂しそうだったけど相手にしたくないのでこれでいいのだ。
「孤児院には行ったのかい?」
「はい、見ておこうと思って。想像以上でした」
「そうかい・・」
「でも、当分は大丈夫ですよ」
「ルークがそう言うんだったら大丈夫だろうね」
ジャレトさんと分かれて僕たちはギルドに併設されている酒場でゆっくりする事にしました。アレイストさんは僕の言葉を聞くと安堵したようで胸を押さえていた。
「それでアラトとイラト以外はそれぞれで仕事を覚えていくわけだね。今の所嗜む子牛亭に住むわけだ」
「はい、前金で渡してありますから僕がいなくても今の所は大丈夫です。ダリルさんはいらないって言ってくれそうだけど甘えすぎるのも何なので」
「ルークさんにはいくら返しても返しきれないほどの恩があります。それに報いる為にも僕たちはがんばります」
アラト君は握りこぶしを作って決意表明をしている。恩とかは返してくれなくていいんだけどそれによって頑張れるんだったらこのままでもいいかな。
「まあ、ルークもDランクになったし大丈夫だろうけどさ。早速次のCランクの試験をするかい?」
「Dランクでゴブリンの集落の壊滅だったのに次は何なんですか?」
「あ~それなんだけど、こっちの手違いでね。と言うより村の調査不足だね。村の方には警告はしておいたけど本来なら多額の罰金だよ。あの村じゃ払えないから今回は免除したけど続くようだったら村長をとっちめることになるだろうね。まあ、そう言う事で私に来た依頼をやってもらったんだよ。私は別ので手が出せなくてね。そのおかげで子供達は助かったわけだからよかったよ。私が行ってたら子供も助からなかったよ」
「ええ、僕らじゃなくてアレイストさんだったら全員助かったかもしれないじゃないですか」
「いやいや、そんな英雄様方みたいな話はないよ。今まで魔物に攫われて助かった例なんて数える程度なんだからね。その中の一つにあんたが加わったんだよ。ほこりにおもいな」
「そうですよ。ルークさんは僕たちの英雄なんですから」
アレイストさんに褒められていると誇らしそうにアラト君とイラト君が胸を張っている。そう言ってもらえると嬉しいけど出来ることなら親御さんも助けたかったな。
「また、絡まれるかもしれないからランク上げていこうかな」
「ははは、その意気だよ。彼らにはジャレトと私がちゃんと言いつけておくさ。それでCランクの試験の内容なんだけどね。今は、様子見をしているんだよ。実はアセラナ湿地帯にいるリザードマンの動きが活発になっているんだよ。それがゴブリンに行けなかった理由さ」
アレイストさんの話ではアセラナ湿地帯でリザードマンの動きが変らしいです。それを視察する部隊の指揮をアレイストさんに、と言う話でゴブリンには行けなかったらしい。リザードマンはトカゲの魔物、よくトカゲの獣人に間違われるけど違います。前傾姿勢で手には槍を持っている、湿地帯を好み、ワニの人間といった感じ。
「ここ最近魔物達の動きが活発でね。それも世界全体で同時的に起こっているんだ。それを踏まえるとリザードマンにも支配級の魔物が生まれているんだろうね。しばらくしたら全冒険者の招集がかかるはずだからその時にランク昇格の話をしよう」
とんとん拍子に話が進んでいく。僕はどこまで行くんだろう。
「ルーク、強さを見せちまったんだね」
「はい、子供達の事もあるので仕方なく」
「凄かったよアレイスト姉ちゃん」
「モナーナさんの魔法であの人達、全員気絶しちゃったよ」
アレイストさんに答えるとアラト君とイラト君がさっきの戦闘の感想をハイテンションで語った。身振り手振りで語る二人は何だか子供らしくて可愛いな。
「モナーナさんとは戦闘してもいいのか?」
「ジャレト、そう言うのやめな。小物に見えるよ」
「しかしな~、俺よりも強い者に出会う機会が少なくてな」
アレイストさんへジャレトと言われたギルドマスターが質問している。ギルドマスターはジャレトという名前らしいです。
「二つ名をもらってギルドマスターになったのはいいのだが、ギルドマスターになってからアレイストとしか訓練できていない。それにお前はすぐに何処かへ行ってしまうし」
「はあ、要は暇って事だろ。それなら依頼をこなしな。ギルドマスターだって依頼受けていいじゃないか」
「ギルドマスターがAランクの依頼に行ったりしたら何日もギルドを開けることになるじゃないか」
「そんなこた~知らないよ。全く、それならギルドマスターなんて役職受けなけりゃよかったのに」
「冒険者なんて命を削ってやる仕事、家族をもってしまった今では無理だろ。安定して収入を得られるギルドマスターになった方がいいと思うもんじゃないか?まさかこんなに暇だとは思わなかったがな」
アレイストさんとジャレトさんが言い合いをしている。ふむ、僕的にはギルドマスターになった方がいい様な気がしてきた。安定した収入と安全な環境、いいね。
「全く、レッドソードなんて言われていた人物とは思えないね。そんなに家族は良い物なのかい?」
「ふっふっふ、家族が良い物だと?愚問だな。帰る家があって家に明かりがついているだけでその日の疲れがぶっ飛ぶんだよ。妻の顔を見ると今でも美しさに驚くもんだ。極めつけは子供だよ。俺にガキが生まれるなんてな。うちのガキ凄いんだぜ。まだこんなに小さいくせに文字をかけるんだよ。まだミミズが這ったみたいな字だけど、流石俺の」
「はいはい、聞いたのが間違いだったよ」
アレイストさんはジャレトさんののろけに頭を抱えて呆れてる。親バカという奴だけど、お父さんってこんな感じなんだね。僕のお父さんはどうだったんだろう。少しの記憶もないので何だか良いなと思っちゃった。
「「・・・」」
僕と同じようにアラト君とイラト君も何かジャレトさんに感じたようです指を咥えてジャレトさんを見ている。彼らは僕よりも父と言うものに執着がある、ジャレトさんを見て思い出してしまったのかもしれない。
「何だかいいな~」
「モナーナ?」
モナーナも同じように感じてしまったみたいです。指は咥えないものの暖かい目線をジャレトさんに向けている。
「ルーク、こんなバカを相手にしちゃダメだよ。こっちが疲れちまう」
「おいおい、凄いいわれようだな。まあいいがな。俺には家族がいるのだから」
ジャレトさんはそう言って奥の部屋へ行ってしまった。少し寂しそうだったけど相手にしたくないのでこれでいいのだ。
「孤児院には行ったのかい?」
「はい、見ておこうと思って。想像以上でした」
「そうかい・・」
「でも、当分は大丈夫ですよ」
「ルークがそう言うんだったら大丈夫だろうね」
ジャレトさんと分かれて僕たちはギルドに併設されている酒場でゆっくりする事にしました。アレイストさんは僕の言葉を聞くと安堵したようで胸を押さえていた。
「それでアラトとイラト以外はそれぞれで仕事を覚えていくわけだね。今の所嗜む子牛亭に住むわけだ」
「はい、前金で渡してありますから僕がいなくても今の所は大丈夫です。ダリルさんはいらないって言ってくれそうだけど甘えすぎるのも何なので」
「ルークさんにはいくら返しても返しきれないほどの恩があります。それに報いる為にも僕たちはがんばります」
アラト君は握りこぶしを作って決意表明をしている。恩とかは返してくれなくていいんだけどそれによって頑張れるんだったらこのままでもいいかな。
「まあ、ルークもDランクになったし大丈夫だろうけどさ。早速次のCランクの試験をするかい?」
「Dランクでゴブリンの集落の壊滅だったのに次は何なんですか?」
「あ~それなんだけど、こっちの手違いでね。と言うより村の調査不足だね。村の方には警告はしておいたけど本来なら多額の罰金だよ。あの村じゃ払えないから今回は免除したけど続くようだったら村長をとっちめることになるだろうね。まあ、そう言う事で私に来た依頼をやってもらったんだよ。私は別ので手が出せなくてね。そのおかげで子供達は助かったわけだからよかったよ。私が行ってたら子供も助からなかったよ」
「ええ、僕らじゃなくてアレイストさんだったら全員助かったかもしれないじゃないですか」
「いやいや、そんな英雄様方みたいな話はないよ。今まで魔物に攫われて助かった例なんて数える程度なんだからね。その中の一つにあんたが加わったんだよ。ほこりにおもいな」
「そうですよ。ルークさんは僕たちの英雄なんですから」
アレイストさんに褒められていると誇らしそうにアラト君とイラト君が胸を張っている。そう言ってもらえると嬉しいけど出来ることなら親御さんも助けたかったな。
「また、絡まれるかもしれないからランク上げていこうかな」
「ははは、その意気だよ。彼らにはジャレトと私がちゃんと言いつけておくさ。それでCランクの試験の内容なんだけどね。今は、様子見をしているんだよ。実はアセラナ湿地帯にいるリザードマンの動きが活発になっているんだよ。それがゴブリンに行けなかった理由さ」
アレイストさんの話ではアセラナ湿地帯でリザードマンの動きが変らしいです。それを視察する部隊の指揮をアレイストさんに、と言う話でゴブリンには行けなかったらしい。リザードマンはトカゲの魔物、よくトカゲの獣人に間違われるけど違います。前傾姿勢で手には槍を持っている、湿地帯を好み、ワニの人間といった感じ。
「ここ最近魔物達の動きが活発でね。それも世界全体で同時的に起こっているんだ。それを踏まえるとリザードマンにも支配級の魔物が生まれているんだろうね。しばらくしたら全冒険者の招集がかかるはずだからその時にランク昇格の話をしよう」
とんとん拍子に話が進んでいく。僕はどこまで行くんだろう。
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