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第一章 始まり
第三十四話 大切な物
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「自分で言っておいて失策でした!」
僕とメイさんはギルドから帰ってモナーナ魔道具店に帰ってきた。メイさんは申し訳なさそうに机にでこを押し付けてうなだれている。
メイさんは軽い気持ちで素材を売ったらどうですかと言っただけ、実行したのは僕なんだから悪いのは僕だよ、メイさんは悪くない。
「冒険者ランクがEランクとは思わなかったんです」
「そこですか?」
メイさんは僕の思っていた事ではない事でうなだれてました。
ごめんなさい、僕らはまだEランクなんです。
「ですが大丈夫、あのノーラという係員には私の素材だと言ってあります」
「そ、そうですよね」
変な自信を滾らせてガッツポーズをするメイさん。これ以上有名にはなりたくないので穏便に済むならそれでお願いします。
「ルークは凄いからダメかもね」
「ちょっとモナーナ」
すっごい笑顔でモナーナが縁起でもない事をいっています。僕は楽して暮らしたいだけなんです。
でもよくよく考えると楽して暮らすにはお金が必要でお金は何かを売らないと得られないんだよね。まあ依頼を達成しても得られるけど、掃除じゃせいぜい大銅貨だしね。
だから今回みたいな買い取りなどを利用しないと得られないわけで、どうしても目立つことになっちゃう。それなら、クルシュ様のお抱えになって定期的にお金をもらった方がいいのかな~なんて思った。
あ、そういえばクルシュ様に頼まれてた金の指輪が出来た事を言うの忘れてた。
「そういえば頼まれてた金の指輪が出来てるんだけどもっていく?」
「あ~クルシュ様が言っていた金の指輪30個ですね。2個くらいですか?」
「30個ですよ」
「え?・・・まさか、冗談ですよね」
「いえ、30個全部ですよ」
「・・・」
「メイさん、諦めて。ルークだから」
僕の発言にうなだれて机に頭を打ちつけたメイさん、モナーナの慰めの言葉を聞いても元には戻らなかった。
通常、装備に付与を行うには強弱があるものの最低でも一日は魔力を注がないと作れない。魔法スキルである今回の金の指輪については[ヒール]という初級魔法が付与されているが、魔法を付与するというのは最高級品である。アイテムバッグは三日注ぐといったがそれと同じくらいは要しなくてはいけないはずなのだ。それを30個となると単純に3か月以上かかる計算になる、ルークは異常だ。
「しばらくはそちらで保管してください。流石に早すぎです」
「そ、そうですか」
「ルークって製作になると容赦ないからね」
メイさんは呆れかえって紅茶を口に運んだ。モナーナも何だか呆れているようです。
僕は納得いかない、何がいけないんだろう?ただ頼まれたものを早く作っただけじゃないか。
「これからは私が管理しないといけないんですね」
「ええ~」
「メイさん、ルークは旅に出たいとも思っているんです。どうにかできませんか?」
「そうですか。ではモナーナさんも?」
「その予定です」
モナーナもその決意は固いみたい、お店はどうしよう。
「では、モナーナ魔道具店にはプラムをつけましょう。売る商品は定期的にギルドを通して配達すれば大丈夫ですし」
「そんなことできるんですか?」
「はい、大丈夫ですよ。最終的にはクルシュ様が決められると思いますが」
モナーナと話した時は悲しいけどお店を売るっていう話をしていたけどそう言ってもらえるなら甘えちゃおう。
「今度クルシュ様の屋敷に行かれる時にこの話をしましょう」
「そうですね・・・」
「モナーナさん、どうしたんですか?」
「えっあれ?」
大切なお店を売るという心配事がなくなりホッとしたのかモナーナが泣き出した。ポロポロと流す涙が床にシミを作る。僕はいてもたってもいられずにモナーナを抱きしめた。
モナーナはやっぱりこのお店が大事だったんだ。お父さんが死んでしまった事でこのお店がお父さんの代わりになってたんだね。いつの間にかメイさんはいなくなっていてお店にはモナーナのすすり泣く声が響いた。
モナーナはひとしきり泣き終わると眠ってしまった。ベッドに寝かせてあげると可愛らしい寝顔を見せてくれた。
今日は僕が店番をするから大丈夫、心の中でそう思って眠るモナーナの部屋を後にした。
僕とメイさんはギルドから帰ってモナーナ魔道具店に帰ってきた。メイさんは申し訳なさそうに机にでこを押し付けてうなだれている。
メイさんは軽い気持ちで素材を売ったらどうですかと言っただけ、実行したのは僕なんだから悪いのは僕だよ、メイさんは悪くない。
「冒険者ランクがEランクとは思わなかったんです」
「そこですか?」
メイさんは僕の思っていた事ではない事でうなだれてました。
ごめんなさい、僕らはまだEランクなんです。
「ですが大丈夫、あのノーラという係員には私の素材だと言ってあります」
「そ、そうですよね」
変な自信を滾らせてガッツポーズをするメイさん。これ以上有名にはなりたくないので穏便に済むならそれでお願いします。
「ルークは凄いからダメかもね」
「ちょっとモナーナ」
すっごい笑顔でモナーナが縁起でもない事をいっています。僕は楽して暮らしたいだけなんです。
でもよくよく考えると楽して暮らすにはお金が必要でお金は何かを売らないと得られないんだよね。まあ依頼を達成しても得られるけど、掃除じゃせいぜい大銅貨だしね。
だから今回みたいな買い取りなどを利用しないと得られないわけで、どうしても目立つことになっちゃう。それなら、クルシュ様のお抱えになって定期的にお金をもらった方がいいのかな~なんて思った。
あ、そういえばクルシュ様に頼まれてた金の指輪が出来た事を言うの忘れてた。
「そういえば頼まれてた金の指輪が出来てるんだけどもっていく?」
「あ~クルシュ様が言っていた金の指輪30個ですね。2個くらいですか?」
「30個ですよ」
「え?・・・まさか、冗談ですよね」
「いえ、30個全部ですよ」
「・・・」
「メイさん、諦めて。ルークだから」
僕の発言にうなだれて机に頭を打ちつけたメイさん、モナーナの慰めの言葉を聞いても元には戻らなかった。
通常、装備に付与を行うには強弱があるものの最低でも一日は魔力を注がないと作れない。魔法スキルである今回の金の指輪については[ヒール]という初級魔法が付与されているが、魔法を付与するというのは最高級品である。アイテムバッグは三日注ぐといったがそれと同じくらいは要しなくてはいけないはずなのだ。それを30個となると単純に3か月以上かかる計算になる、ルークは異常だ。
「しばらくはそちらで保管してください。流石に早すぎです」
「そ、そうですか」
「ルークって製作になると容赦ないからね」
メイさんは呆れかえって紅茶を口に運んだ。モナーナも何だか呆れているようです。
僕は納得いかない、何がいけないんだろう?ただ頼まれたものを早く作っただけじゃないか。
「これからは私が管理しないといけないんですね」
「ええ~」
「メイさん、ルークは旅に出たいとも思っているんです。どうにかできませんか?」
「そうですか。ではモナーナさんも?」
「その予定です」
モナーナもその決意は固いみたい、お店はどうしよう。
「では、モナーナ魔道具店にはプラムをつけましょう。売る商品は定期的にギルドを通して配達すれば大丈夫ですし」
「そんなことできるんですか?」
「はい、大丈夫ですよ。最終的にはクルシュ様が決められると思いますが」
モナーナと話した時は悲しいけどお店を売るっていう話をしていたけどそう言ってもらえるなら甘えちゃおう。
「今度クルシュ様の屋敷に行かれる時にこの話をしましょう」
「そうですね・・・」
「モナーナさん、どうしたんですか?」
「えっあれ?」
大切なお店を売るという心配事がなくなりホッとしたのかモナーナが泣き出した。ポロポロと流す涙が床にシミを作る。僕はいてもたってもいられずにモナーナを抱きしめた。
モナーナはやっぱりこのお店が大事だったんだ。お父さんが死んでしまった事でこのお店がお父さんの代わりになってたんだね。いつの間にかメイさんはいなくなっていてお店にはモナーナのすすり泣く声が響いた。
モナーナはひとしきり泣き終わると眠ってしまった。ベッドに寝かせてあげると可愛らしい寝顔を見せてくれた。
今日は僕が店番をするから大丈夫、心の中でそう思って眠るモナーナの部屋を後にした。
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