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第一章 始まり
第十四話 ミスリー
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今日はモナーナさんのお店の手伝いにやってきました。
僕の商品を快く扱ってくれるので助かってます。それで空いた時間でモナーナさんが魔道具の作り方を教わりたいと言ってきたのでちょっとだけ教えてみる。でも僕みたいな初心者でいいのかなと思ったんだけど、ルークさんがいいというので了承しました。その過程で僕のおかしさが分かってきた。
「ええ!何で今木が曲がったんですか?」
「え?スキルで粘土みたいにならないの?」
「普通なりませんよ!お父さんだって....」
という事で普通は加工などの工程で火や特殊な液を使って形を変えるらしいです。僕はそう言った知識はないので先生としては落第点ですね。
「ごめんね。僕じゃ教えられそうにないよ」
「そうですか...でも少しだけ分かったような気がします。ルークさんは何もしないで粘土のようにしているように見えてマナを纏った手でこねているみたいです。それを無意識下で行っているように見えるので達人とは、そういうことなんですね」
何故かモナーナさんが納得してうなづいてる。
でも、言われて気が付いた。僕は木、骨、植物、鉄を粘土の様にこねる時、無意識にマナを使っていたみたい。
スキルレベルが高いから消費MPはないけど、これで色々納得できる。
加工には色々必要な物がある。鉄を溶かすには熱が必要で、上位のアイテムを作るには複数の素材が必要...だけど僕はそれを必要としていない。自分のMPを使ってそれを補ってしまっている。ただ単にMPを使うのではなく、MPを使う箇所に的確に使っている感じ。無駄がないって本当に凄い事なんだね。
まあ、そんな話は置いて置いて。今日、お店に置かせておいてもらっているのは掃除掃除と街中を掃除した結果得たアイテム達を加工したものを置かせてもらっています。排水の溝からは金と銀、煙突からはダイヤ、門の周辺ではミスリル...なんで取れたのかはわからないよ。
採取の達人や採掘の達人たちはこんな感じなのかな?何もない所から金銀財宝が取れた。これは喜んでいいのかな...でも、また一歩楽して暮らすが近づいてきたような気がする。
どれもこれも延べ棒サイズに加工して一本ずつにしておいた。金銀は泥をかきわけると親指サイズの物が頭を出したのでそれを採取、煙突では内壁を擦ると顔をだしたダイヤを採取。ミスリルは外壁を掃除したら出てきた、たぶん本体のどこかにミスリルを使っているのかもしれない。採取の達人って凄いな~。
その延べ棒を少し引きちぎって金銀では装飾品を作って、その装飾品にダイヤを埋めた。これは一個ずつしか作らなかった。とんでもなく高いから売れないと思ったんだ。ダイヤも延べ棒にしてるのはおかしなことだけどアイテムバックに入れているから怪しまれない。ダイヤは今後の何かに使うとしてミスリルを加工していく。
ミスリルに関しては装備を作らないと勿体ないとモナーナさんにも言われて装備を作っていく。ミスリルを僕が触ると青く光り、今か今かと加工を待ち望んでいるかのようだった。
その光を浴びた僕は創作意欲がわいて、造形を整えていく。みるみる延べ棒は形を変えていく。
「ウニャ~~オ」
モナーナのお店の裏手、今正にルークが製作している部屋からそんななき声が聞こえてくる。モナーナはその声が聞こえる少し前に青白い光が外に放たれたのを見て様子を見に来ていた。ルークが製作所から出てくると横には初めて見た1mほどの蒼い虎が凛々しくルークを見上げていた。
「できちゃった...」
「できちゃったっていう事は...それがさっきのミスリルインゴット何ですか?」
「そうみたい...」
僕は制作意欲に任せて手を動かしていたんだ。気が付けばそこに虎の形をしたミスリルの像ができていた。本来魔法生物っていうのは莫大な量のマナが必要なんだけど僕はコネコネするだけでその量を超えて行っちゃったみたい。それによってミスリルは生命を宿して意志を持ってしまったようです。これからは少し気を付けて制作していこう、そして、この虎の凄いところはまだまだあった。
「装備を作るって言ってたじゃないですか?」
「えっと...装備になるみたいなんです..」
「え?」
「ミスリー」
「ニャオ~!」
モナーナの質問に答えて、ルークが虎の名前を呼ぶと虎が光だして体が分離していく。そして、みるみるルークに装着されて行くとルークは誇らしくも何故か俯いた。
「何だか、勇者みたいだよね」
「・・・ですね」
「ニャオ~」
蒼いミスリルの鎧、ミスリーはルークの胴体に顔を移してルークとモナーナの不安をよそに大きな雄たけびのような鳴き声を発した。
「「は~~・・・プッ、ハハハ」」
ルークとモナーナは一緒にため息をついて見合うと笑ってしまった。何とも仲の良い事か。
[蒼いミスリルの鎧、ミスリー]全ステータス500アップ、HPMP1000アップ。意思を持ち主人を慕い敬う。猫と思われがちだが虎である。
僕の商品を快く扱ってくれるので助かってます。それで空いた時間でモナーナさんが魔道具の作り方を教わりたいと言ってきたのでちょっとだけ教えてみる。でも僕みたいな初心者でいいのかなと思ったんだけど、ルークさんがいいというので了承しました。その過程で僕のおかしさが分かってきた。
「ええ!何で今木が曲がったんですか?」
「え?スキルで粘土みたいにならないの?」
「普通なりませんよ!お父さんだって....」
という事で普通は加工などの工程で火や特殊な液を使って形を変えるらしいです。僕はそう言った知識はないので先生としては落第点ですね。
「ごめんね。僕じゃ教えられそうにないよ」
「そうですか...でも少しだけ分かったような気がします。ルークさんは何もしないで粘土のようにしているように見えてマナを纏った手でこねているみたいです。それを無意識下で行っているように見えるので達人とは、そういうことなんですね」
何故かモナーナさんが納得してうなづいてる。
でも、言われて気が付いた。僕は木、骨、植物、鉄を粘土の様にこねる時、無意識にマナを使っていたみたい。
スキルレベルが高いから消費MPはないけど、これで色々納得できる。
加工には色々必要な物がある。鉄を溶かすには熱が必要で、上位のアイテムを作るには複数の素材が必要...だけど僕はそれを必要としていない。自分のMPを使ってそれを補ってしまっている。ただ単にMPを使うのではなく、MPを使う箇所に的確に使っている感じ。無駄がないって本当に凄い事なんだね。
まあ、そんな話は置いて置いて。今日、お店に置かせておいてもらっているのは掃除掃除と街中を掃除した結果得たアイテム達を加工したものを置かせてもらっています。排水の溝からは金と銀、煙突からはダイヤ、門の周辺ではミスリル...なんで取れたのかはわからないよ。
採取の達人や採掘の達人たちはこんな感じなのかな?何もない所から金銀財宝が取れた。これは喜んでいいのかな...でも、また一歩楽して暮らすが近づいてきたような気がする。
どれもこれも延べ棒サイズに加工して一本ずつにしておいた。金銀は泥をかきわけると親指サイズの物が頭を出したのでそれを採取、煙突では内壁を擦ると顔をだしたダイヤを採取。ミスリルは外壁を掃除したら出てきた、たぶん本体のどこかにミスリルを使っているのかもしれない。採取の達人って凄いな~。
その延べ棒を少し引きちぎって金銀では装飾品を作って、その装飾品にダイヤを埋めた。これは一個ずつしか作らなかった。とんでもなく高いから売れないと思ったんだ。ダイヤも延べ棒にしてるのはおかしなことだけどアイテムバックに入れているから怪しまれない。ダイヤは今後の何かに使うとしてミスリルを加工していく。
ミスリルに関しては装備を作らないと勿体ないとモナーナさんにも言われて装備を作っていく。ミスリルを僕が触ると青く光り、今か今かと加工を待ち望んでいるかのようだった。
その光を浴びた僕は創作意欲がわいて、造形を整えていく。みるみる延べ棒は形を変えていく。
「ウニャ~~オ」
モナーナのお店の裏手、今正にルークが製作している部屋からそんななき声が聞こえてくる。モナーナはその声が聞こえる少し前に青白い光が外に放たれたのを見て様子を見に来ていた。ルークが製作所から出てくると横には初めて見た1mほどの蒼い虎が凛々しくルークを見上げていた。
「できちゃった...」
「できちゃったっていう事は...それがさっきのミスリルインゴット何ですか?」
「そうみたい...」
僕は制作意欲に任せて手を動かしていたんだ。気が付けばそこに虎の形をしたミスリルの像ができていた。本来魔法生物っていうのは莫大な量のマナが必要なんだけど僕はコネコネするだけでその量を超えて行っちゃったみたい。それによってミスリルは生命を宿して意志を持ってしまったようです。これからは少し気を付けて制作していこう、そして、この虎の凄いところはまだまだあった。
「装備を作るって言ってたじゃないですか?」
「えっと...装備になるみたいなんです..」
「え?」
「ミスリー」
「ニャオ~!」
モナーナの質問に答えて、ルークが虎の名前を呼ぶと虎が光だして体が分離していく。そして、みるみるルークに装着されて行くとルークは誇らしくも何故か俯いた。
「何だか、勇者みたいだよね」
「・・・ですね」
「ニャオ~」
蒼いミスリルの鎧、ミスリーはルークの胴体に顔を移してルークとモナーナの不安をよそに大きな雄たけびのような鳴き声を発した。
「「は~~・・・プッ、ハハハ」」
ルークとモナーナは一緒にため息をついて見合うと笑ってしまった。何とも仲の良い事か。
[蒼いミスリルの鎧、ミスリー]全ステータス500アップ、HPMP1000アップ。意思を持ち主人を慕い敬う。猫と思われがちだが虎である。
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