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第二章 悪しき影
第五十八話 サーシャさん
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「広場の南側の屋台が美味しいですよ」
「焼いた肉を白いパンで挟んでる料理なの」
「あら、じゃあ、今度一緒に行きましょ」
ウーナさんが帰ってくるまで受付で待たせてもらっている。僕らは美味しいお店の事を話すと興味があるみたいでサーシャさんの目が輝いてる。
「魔族ってお腹に溜まればいいって感じの料理ばっかりなのよ。お肉は山盛り、野菜はない、もう飽き飽きなのよね。もっとエルフ達みたいな優雅な食事がしたいわ~」
「へ~魔族の人達はそんな感じなんですね」
「でも、エルフ達の料理は興味あります。森の恵みを使ったパスタとか、チーズを使った料理ですよね」
「そうそう、チーズを粉にしてサラダに振りかけたりするのよ。その話をダークエルフ達に聞いて夢見ているのよね~」
サーシャさんの話は今まで聞いたことのない話でとても面白かった。こんな人が四天王の側近だったら、戦争は心配なさそうだね。
「ね~ね~。魔族の人達の話をもっと聞かせてよ」
「ふふ、いいわよ。時間の許す限り」
ウーナさんが来るまでに色々な話を聞いた。魔族でも色んな人がいて、人型じゃない人も多いんだってさ。牛の顔の人とか鬼って言われる角のある人とか。魔族の国は魔素が多いから魔物が多くてお肉の資源が多くなりがちなんだってさ。それでお肉は山盛りになりがちなんだな~。
「サーシャさんの話、とっても楽しかった」
「ふふ、気にいっていただけて私も嬉しいわ。魔族って言うだけで嫌われてきたから」
シーナがサーシャさんに抱き着いて感想を言っているよ。さっきまで睨みあっていたのに今じゃ姉妹みたいに仲がいい。
「魔族って勝気な者が多いから強がって弱みを見せないのよね。それで偉ぶっているって言われて嫌われていくのよ。本当は違うのにね」
サーシャさんはそう言ってため息をついてる。なんだか、損な性格だな~。
「待たせたわね。って仲がいいのね」
「ふふ、この子達は本当に良い子ね」
サーシャさんと話しているとウーナさんが奥の扉から戻ってきた。ウーナさんはシーナがサーシャさんに抱き着いているのを見てほほ笑んでる。シーナはサーシャさんとすっごく仲良くなったな~。
「ドランに確認を取りました。確かにクードは死んだようです」
「じゃあ、やはり、その人がクードを?」
「本人が言っているのでそう言う事だと思いますよ」
チラチラと僕を見ながらウーナさんが話してる。ドランさんが倒した事にしてくれるみたいだ。何だかドランさんには色々と迷惑かけてるな~。今度お礼しないと。
「そのドランには会えないの?」
「マスターですから、そうそう会えません」
「そう・・・でもよかったわ。クードを倒した人が分って、これでこの町でしばらく遊べるから」
「遊ぶ?」
僕は首を傾げた。遊ぶってどういう事だろう?
「折角仲良くなったんだもの、一緒に町で買い物とかしたいじゃない。早く仕事が終わったからその時間が出来たのよ」
遊ぶって言葉そのままの意味なのね。
「やった~、サーシャさんと遊べるんだ~」
「ふふ、私も嬉しい。一人でいると変な人に話しかけられるから買い物できなかったのよ。まあ、しもべは簡単に手に入ったんだけどね」
「しもべ?」
「ははは、サーシャさんは本当に面白いな~」
シーナが喜んでいる中、サーシャさんの言葉に首を傾げるウーナさんに僕は誤魔化すように話した。しもべの話をしたらサーシャさんの印象が悪くなっちゃうよ。
「本当に良い子ねアレクは、持ち帰りたくなっちゃうわ」
「ははは・・・ハァ~」
気遣いで胃が痛くなりそうです。
「焼いた肉を白いパンで挟んでる料理なの」
「あら、じゃあ、今度一緒に行きましょ」
ウーナさんが帰ってくるまで受付で待たせてもらっている。僕らは美味しいお店の事を話すと興味があるみたいでサーシャさんの目が輝いてる。
「魔族ってお腹に溜まればいいって感じの料理ばっかりなのよ。お肉は山盛り、野菜はない、もう飽き飽きなのよね。もっとエルフ達みたいな優雅な食事がしたいわ~」
「へ~魔族の人達はそんな感じなんですね」
「でも、エルフ達の料理は興味あります。森の恵みを使ったパスタとか、チーズを使った料理ですよね」
「そうそう、チーズを粉にしてサラダに振りかけたりするのよ。その話をダークエルフ達に聞いて夢見ているのよね~」
サーシャさんの話は今まで聞いたことのない話でとても面白かった。こんな人が四天王の側近だったら、戦争は心配なさそうだね。
「ね~ね~。魔族の人達の話をもっと聞かせてよ」
「ふふ、いいわよ。時間の許す限り」
ウーナさんが来るまでに色々な話を聞いた。魔族でも色んな人がいて、人型じゃない人も多いんだってさ。牛の顔の人とか鬼って言われる角のある人とか。魔族の国は魔素が多いから魔物が多くてお肉の資源が多くなりがちなんだってさ。それでお肉は山盛りになりがちなんだな~。
「サーシャさんの話、とっても楽しかった」
「ふふ、気にいっていただけて私も嬉しいわ。魔族って言うだけで嫌われてきたから」
シーナがサーシャさんに抱き着いて感想を言っているよ。さっきまで睨みあっていたのに今じゃ姉妹みたいに仲がいい。
「魔族って勝気な者が多いから強がって弱みを見せないのよね。それで偉ぶっているって言われて嫌われていくのよ。本当は違うのにね」
サーシャさんはそう言ってため息をついてる。なんだか、損な性格だな~。
「待たせたわね。って仲がいいのね」
「ふふ、この子達は本当に良い子ね」
サーシャさんと話しているとウーナさんが奥の扉から戻ってきた。ウーナさんはシーナがサーシャさんに抱き着いているのを見てほほ笑んでる。シーナはサーシャさんとすっごく仲良くなったな~。
「ドランに確認を取りました。確かにクードは死んだようです」
「じゃあ、やはり、その人がクードを?」
「本人が言っているのでそう言う事だと思いますよ」
チラチラと僕を見ながらウーナさんが話してる。ドランさんが倒した事にしてくれるみたいだ。何だかドランさんには色々と迷惑かけてるな~。今度お礼しないと。
「そのドランには会えないの?」
「マスターですから、そうそう会えません」
「そう・・・でもよかったわ。クードを倒した人が分って、これでこの町でしばらく遊べるから」
「遊ぶ?」
僕は首を傾げた。遊ぶってどういう事だろう?
「折角仲良くなったんだもの、一緒に町で買い物とかしたいじゃない。早く仕事が終わったからその時間が出来たのよ」
遊ぶって言葉そのままの意味なのね。
「やった~、サーシャさんと遊べるんだ~」
「ふふ、私も嬉しい。一人でいると変な人に話しかけられるから買い物できなかったのよ。まあ、しもべは簡単に手に入ったんだけどね」
「しもべ?」
「ははは、サーシャさんは本当に面白いな~」
シーナが喜んでいる中、サーシャさんの言葉に首を傾げるウーナさんに僕は誤魔化すように話した。しもべの話をしたらサーシャさんの印象が悪くなっちゃうよ。
「本当に良い子ねアレクは、持ち帰りたくなっちゃうわ」
「ははは・・・ハァ~」
気遣いで胃が痛くなりそうです。
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