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第1話 アクアス
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僕の名前はアクアス。
前世で水精霊をしていたごくごく普通の少年です。
なんで精霊なのに人に転生したのかというと、僕は人が好きだったから神様にお願いしたんだ。
水精霊の僕はもちろん、魔法使いに仕えてた。
この世界もそうだけど、生まれ変わる前の世界は精霊と契約して魔法を行使することが出来る。精霊が大気中のマナを集めて人がそれを体内のマナを使って作用させるんだ。
精霊の種類によってマナは万物の形状へと変えていく。
僕は水精霊だから水になるってわけだ。元水精霊の特性を持ったまま人間へと生まれ変わった僕はある貴族の家に生まれた。
僕を生んで両親は嘆いた。
「なぜ魔法適性が0なのだ。大賢者と言われた私の子供が……」
「ごめんなさいグレイスホーン様」
両親は涙して、僕を見下ろしてきてた。明らかに殺意のようなものを感じたよ。それもそのはず、大賢者と言われているお父様の息子である僕が魔法適性0なんだからね。
因みにステータスも凄いことになってる。
名前 アクアス
レベル 1
HP 74
MP 2000
STR 6
DEF 7
DEX 7
AGI 10
INT 80
MND 80
魔法適性0
魔法適性が0なのに魔法関連のステータスが高い。おかしなステータスだ。
「これを早く捨ててこい」
「グレイスホーン様それはあまりにも」
「早くしろ!」
凄い剣幕で女性に告げるお父様。僕は泣きもせずにその様子を見ていることしかできなかった。
両親は僕をなかったことにするみたいだ。でも、それでいいのかもしれない。前世の記憶を持ったままの子供なんて気持ち悪いだろうからね。
「大丈夫、私がちゃんと育てるからね」
命じられて僕を森に捨てに来た女性ルミナさん。抱きかかえる僕に笑顔を向けてくれる。
金髪ロングの髪が綺麗で日の光で金色に輝いているように見える。
子供を森に捨てるなんて彼女にはできなかったんだ。そして、森に建ってる小屋に僕を匿ってくれた。
僕は彼女に育てられて彼女の為に生きると決めた。
彼女との生活を得て、僕は12歳になった。
とうとう、冒険者登録のできる年齢になった。
これで彼女に楽をさせることが出来る。
「アクアス様。どこへ?」
「ルミナさん。僕ももう大人です。冒険者になって稼ぎに行くんですよ」
心配そうに僕へと声をかけるルミナさん。
こんな森の小屋で暮らすなんて彼女が可哀そうだ。もっと稼いで町に引っ越そうと思ってる。
そのためにももっともっと稼がないと。
「ですがアクアス様……」
「もう、ルミナさん……。様っていうのやめてくださいよ」
「で、でも。こんなおばさんに……」
涙を頬に流すルミナさん。頬に手を添えて涙を掬ってあげると顔を赤くして微笑んでくれる。
僕は正式に彼女を妻に迎えようと思って前の晩に告白したんだ。
『稼げる男になってあなたを妻に迎えます』ってね。その時は驚くばかりのルミナさんだったけど、真剣な僕の表情を見て告白を受けてくれたんだ。
それなのに彼女は僕の事をまだ貴族の息子って認識してるみたいでアクアス様って呼んでくるんだよね。
夫になったらあなたとかになるからいいのかもしれないけど、早めに直してもらったほうがいい。
彼女の事だからずっと様って言ってきそうだしね。
「おばさんじゃありませんよルミナさんは。とても綺麗です」
「アクアス……さま」
「はぁ~。もう……」
「ごめんなさい。でも」
「わかってます。僕も好きですよ」
軽いキスを交わして僕は旅立つ。ここから僕の足で一日の距離にある街、レッドオットへと。
「ん? なんだかいつもよりも魔物が多いな」
街道を歩いてレッドオットに向かってると森の狩りよりも魔物が多く襲って来た。
通常は街道に顔を出さないシュッドレッグの連中までいる。
シュッドレッグは足の細い人型の魔物。顔は鹿に近い魔物でその脚力を使って移動して獣を狩る魔物だ。
知能が高くて身体能力が高いために街道のような見晴らしのいい地形にはあまり現れない。
別の魔物に土地を追い出されたか、魔物全体の群れが発生しているのかもしれない。
前世ではよくこういうことがあった。強めの魔物が自分たちの縄張りを越えて移動することはその前兆が多かったんだよな~。これは一波ありそうだな~。
「水よ刃となれ。アクアソード!」
魔法は使えないから形状を剣のように変えた水を作り出す。なんで魔法名を言うのかというと言わないと怪しまれるから。普通の魔法使いは魔法名を言うからね。
荷物も持たない僕は格好の獲物と見たんだろうな。
シュッドレッグを5匹仕留めると新たにゴブリンが10匹現れた。
乱れ撃ちに魔法で作り出したアクアソードを撃ち込む。ゴブリンにこんな中級魔法相当の魔法はいらないんだけど、これ以下の魔法は使えないんだよね。
元精霊の僕の最低魔法はソードなんだ。まあ、使おうと思えば使えるんだけどね。面倒なんだよな~。マナが多く集まっちゃうから調整が大変なんだ。
普通の魔法使いの魔法は親指ほどの球を飛ばす魔法が一番最弱の魔法。確か、バレットとかいったかな? それからボールとかこぶし大の魔法になって次にソードと大きくなってくる。
魔法適性がない僕でも、前世の力でマナを無尽蔵に使えるからいくらでも使える。
なんで無尽蔵かというと精霊は大気のマナを集めることが出来るんだ。
その力で僕の周りにはいつでも使えるようなマナの塊が浮遊してる。普通の人には見えないそのマナはいつでも僕の思いのままの形状になるってわけだ。
だから、いくら不意打ちしてこられても、水の剣や棘、それに、槍なんかが何もないところから現れるってわけ。
考えている間にも襲って来た魔物を葬っていく。
今度はコボルトの団体だ。数は……数えるのもおっくう、とりあえず全部始末して資金にしよう。
元精霊の僕はマジックバッグと言われる収納バッグを作れる。元々マジックバッグは光の精霊が闇の精霊と一緒に作るものなんだけど、無理して作ってもらった。
ルミナさんと暮らしたあの森には色んな精霊がいたんだ。それで美味しいマナを奢るってことで作ってもらったんだけど、張り切りすぎていくらでも入る無限のマジックバッグになってしまったよ。
いくらでも入るんだから得しているんだけど、あまり人前で使わないほうが言いと言われたがこの量の獲物を捨てるのも捨てがたい。
これもルミナさんと結婚するための資金だ。目立ってしまうが致し方ない。
「ふぅ。3000といったところかな? 亜種とか色々いたけど、終わったな」
コボルトキングやロードと言われる支配者級の魔物もいて、なかなか強かった。それでも無尽蔵に放たれる僕のソードには勝てなかったみたいだ。身体能力も身体強化魔法みたいなものを使って補ってるからうまく動ける。
体に水を纏って進行方向にスピードをあげたり集めてガードしたりすることが出来る。水を自在に操れる精霊ならではの闘い方だな。
魔法名がないから人の見ているところではあまり使わないようにしないとな。見えないようにする改良が必要かもしれない。
「集めるのも一苦労だな~。でも、これで終わりっと」
すべての獲物をしまい終わってやっとレッドオットへと歩く出すことが出来る。
結局、最初のシュッドレッグはこいつらに追い出されて現れたってことっぽいな。
こんな大群に襲られたら街道に出るしかないよな~。こっちはいい収穫になったからいいけど、あんな魔物の群れが街を襲ったら大変そうだな。
この世界の強さは分からないけど、前世の世界じゃAランクからSランクの冒険者が10人は必要じゃないかな?
それから城壁からの援護の魔法使いが百人は必要だよ。まあ、それを一人で倒しちゃった僕は常識外れの可能性があるからあまり人前で使わないほうがよさそうだな~。そこは12歳の特権を使わせてもらおう。『僕は子供なので後ろに』とかね。まあ、危ない時のことも考えておこうかな。そんな言い訳を使う時が来るかはわかないけどね。その前に強いことがバレちゃうかもしれないし。
群れを倒したことで凄いレベルが上がっちゃった。もともと森で狩りをしてたから上がっていたんだけどね。
ステータスの事を考えて目を瞑ると文字が浮かんでくる。真っ暗な視界に白い文字がズラッと並ぶ。
元の世界でもこんな感じでステータスがでたっけ。
名前 アクアス
レベル 210
HP 50000
MP 600000
STR 4820
DEF 4830
DEX 4810
AGI 5400
INT 34000
MND 34100
魔法適性0
相変わらずの魔法特化のステータス。魔法が使えないくせに上がりすぎだよ。
僕の中のマナだけでもかなりの間戦うことが出来るだろうね。
「あれがレッドオットか~。夜になっちゃったな~」
魔物の群れからしばらく歩いて街が見えてきた。
外壁が赤いレンガで作られている街レッドオット。円の形に作られた城壁に囲まれている街は夜のため街灯だけが光ってる。
あの街灯があるのが結構凄いことなんだってルミナさんは言ってたな。
魔石と言われる魔物の中で生成される石で作られている街灯。魔石の大きさで込められるマナの量が変わるからこぶし大の魔石でも結構高価。あれで牛が一頭買えるとか何とか。まだまだ世間の常識がわからない僕には価値は分からないけど、凄いらしいんだよね。
「おお坊主。こんな夜にたどり着けるなんて運がいいな」
「はは、まあ、何とかたどり着けました」
城壁の門につくと頬に傷のあるおじさんが歓迎してくれた。
「だが、忠告しておくぞ。たどり着けないと思ったら野営の準備に入れ。これは命を守る常識だ。わかったな」
「あ、はい。ありがとうございます」
「よし、じゃあ、改めて! ようこそレッドオットへ」
そういっておじさんは門を通してくれた。なんだか良い人だな~。それにレベルも高そうだ。
緑髪のおじさんは相当高そうな槍を持っていて筋肉が浮き出てる。AランクやSランクと言っても差し支えないくらいの強さを感じるな~。
まあ、それはいいとして宿屋を探さないと、それで明日には冒険者ギルドに行って登録して依頼を達成していく。
よ~し! やるぞ! ルミナさんと新婚生活目指して!
前世で水精霊をしていたごくごく普通の少年です。
なんで精霊なのに人に転生したのかというと、僕は人が好きだったから神様にお願いしたんだ。
水精霊の僕はもちろん、魔法使いに仕えてた。
この世界もそうだけど、生まれ変わる前の世界は精霊と契約して魔法を行使することが出来る。精霊が大気中のマナを集めて人がそれを体内のマナを使って作用させるんだ。
精霊の種類によってマナは万物の形状へと変えていく。
僕は水精霊だから水になるってわけだ。元水精霊の特性を持ったまま人間へと生まれ変わった僕はある貴族の家に生まれた。
僕を生んで両親は嘆いた。
「なぜ魔法適性が0なのだ。大賢者と言われた私の子供が……」
「ごめんなさいグレイスホーン様」
両親は涙して、僕を見下ろしてきてた。明らかに殺意のようなものを感じたよ。それもそのはず、大賢者と言われているお父様の息子である僕が魔法適性0なんだからね。
因みにステータスも凄いことになってる。
名前 アクアス
レベル 1
HP 74
MP 2000
STR 6
DEF 7
DEX 7
AGI 10
INT 80
MND 80
魔法適性0
魔法適性が0なのに魔法関連のステータスが高い。おかしなステータスだ。
「これを早く捨ててこい」
「グレイスホーン様それはあまりにも」
「早くしろ!」
凄い剣幕で女性に告げるお父様。僕は泣きもせずにその様子を見ていることしかできなかった。
両親は僕をなかったことにするみたいだ。でも、それでいいのかもしれない。前世の記憶を持ったままの子供なんて気持ち悪いだろうからね。
「大丈夫、私がちゃんと育てるからね」
命じられて僕を森に捨てに来た女性ルミナさん。抱きかかえる僕に笑顔を向けてくれる。
金髪ロングの髪が綺麗で日の光で金色に輝いているように見える。
子供を森に捨てるなんて彼女にはできなかったんだ。そして、森に建ってる小屋に僕を匿ってくれた。
僕は彼女に育てられて彼女の為に生きると決めた。
彼女との生活を得て、僕は12歳になった。
とうとう、冒険者登録のできる年齢になった。
これで彼女に楽をさせることが出来る。
「アクアス様。どこへ?」
「ルミナさん。僕ももう大人です。冒険者になって稼ぎに行くんですよ」
心配そうに僕へと声をかけるルミナさん。
こんな森の小屋で暮らすなんて彼女が可哀そうだ。もっと稼いで町に引っ越そうと思ってる。
そのためにももっともっと稼がないと。
「ですがアクアス様……」
「もう、ルミナさん……。様っていうのやめてくださいよ」
「で、でも。こんなおばさんに……」
涙を頬に流すルミナさん。頬に手を添えて涙を掬ってあげると顔を赤くして微笑んでくれる。
僕は正式に彼女を妻に迎えようと思って前の晩に告白したんだ。
『稼げる男になってあなたを妻に迎えます』ってね。その時は驚くばかりのルミナさんだったけど、真剣な僕の表情を見て告白を受けてくれたんだ。
それなのに彼女は僕の事をまだ貴族の息子って認識してるみたいでアクアス様って呼んでくるんだよね。
夫になったらあなたとかになるからいいのかもしれないけど、早めに直してもらったほうがいい。
彼女の事だからずっと様って言ってきそうだしね。
「おばさんじゃありませんよルミナさんは。とても綺麗です」
「アクアス……さま」
「はぁ~。もう……」
「ごめんなさい。でも」
「わかってます。僕も好きですよ」
軽いキスを交わして僕は旅立つ。ここから僕の足で一日の距離にある街、レッドオットへと。
「ん? なんだかいつもよりも魔物が多いな」
街道を歩いてレッドオットに向かってると森の狩りよりも魔物が多く襲って来た。
通常は街道に顔を出さないシュッドレッグの連中までいる。
シュッドレッグは足の細い人型の魔物。顔は鹿に近い魔物でその脚力を使って移動して獣を狩る魔物だ。
知能が高くて身体能力が高いために街道のような見晴らしのいい地形にはあまり現れない。
別の魔物に土地を追い出されたか、魔物全体の群れが発生しているのかもしれない。
前世ではよくこういうことがあった。強めの魔物が自分たちの縄張りを越えて移動することはその前兆が多かったんだよな~。これは一波ありそうだな~。
「水よ刃となれ。アクアソード!」
魔法は使えないから形状を剣のように変えた水を作り出す。なんで魔法名を言うのかというと言わないと怪しまれるから。普通の魔法使いは魔法名を言うからね。
荷物も持たない僕は格好の獲物と見たんだろうな。
シュッドレッグを5匹仕留めると新たにゴブリンが10匹現れた。
乱れ撃ちに魔法で作り出したアクアソードを撃ち込む。ゴブリンにこんな中級魔法相当の魔法はいらないんだけど、これ以下の魔法は使えないんだよね。
元精霊の僕の最低魔法はソードなんだ。まあ、使おうと思えば使えるんだけどね。面倒なんだよな~。マナが多く集まっちゃうから調整が大変なんだ。
普通の魔法使いの魔法は親指ほどの球を飛ばす魔法が一番最弱の魔法。確か、バレットとかいったかな? それからボールとかこぶし大の魔法になって次にソードと大きくなってくる。
魔法適性がない僕でも、前世の力でマナを無尽蔵に使えるからいくらでも使える。
なんで無尽蔵かというと精霊は大気のマナを集めることが出来るんだ。
その力で僕の周りにはいつでも使えるようなマナの塊が浮遊してる。普通の人には見えないそのマナはいつでも僕の思いのままの形状になるってわけだ。
だから、いくら不意打ちしてこられても、水の剣や棘、それに、槍なんかが何もないところから現れるってわけ。
考えている間にも襲って来た魔物を葬っていく。
今度はコボルトの団体だ。数は……数えるのもおっくう、とりあえず全部始末して資金にしよう。
元精霊の僕はマジックバッグと言われる収納バッグを作れる。元々マジックバッグは光の精霊が闇の精霊と一緒に作るものなんだけど、無理して作ってもらった。
ルミナさんと暮らしたあの森には色んな精霊がいたんだ。それで美味しいマナを奢るってことで作ってもらったんだけど、張り切りすぎていくらでも入る無限のマジックバッグになってしまったよ。
いくらでも入るんだから得しているんだけど、あまり人前で使わないほうが言いと言われたがこの量の獲物を捨てるのも捨てがたい。
これもルミナさんと結婚するための資金だ。目立ってしまうが致し方ない。
「ふぅ。3000といったところかな? 亜種とか色々いたけど、終わったな」
コボルトキングやロードと言われる支配者級の魔物もいて、なかなか強かった。それでも無尽蔵に放たれる僕のソードには勝てなかったみたいだ。身体能力も身体強化魔法みたいなものを使って補ってるからうまく動ける。
体に水を纏って進行方向にスピードをあげたり集めてガードしたりすることが出来る。水を自在に操れる精霊ならではの闘い方だな。
魔法名がないから人の見ているところではあまり使わないようにしないとな。見えないようにする改良が必要かもしれない。
「集めるのも一苦労だな~。でも、これで終わりっと」
すべての獲物をしまい終わってやっとレッドオットへと歩く出すことが出来る。
結局、最初のシュッドレッグはこいつらに追い出されて現れたってことっぽいな。
こんな大群に襲られたら街道に出るしかないよな~。こっちはいい収穫になったからいいけど、あんな魔物の群れが街を襲ったら大変そうだな。
この世界の強さは分からないけど、前世の世界じゃAランクからSランクの冒険者が10人は必要じゃないかな?
それから城壁からの援護の魔法使いが百人は必要だよ。まあ、それを一人で倒しちゃった僕は常識外れの可能性があるからあまり人前で使わないほうがよさそうだな~。そこは12歳の特権を使わせてもらおう。『僕は子供なので後ろに』とかね。まあ、危ない時のことも考えておこうかな。そんな言い訳を使う時が来るかはわかないけどね。その前に強いことがバレちゃうかもしれないし。
群れを倒したことで凄いレベルが上がっちゃった。もともと森で狩りをしてたから上がっていたんだけどね。
ステータスの事を考えて目を瞑ると文字が浮かんでくる。真っ暗な視界に白い文字がズラッと並ぶ。
元の世界でもこんな感じでステータスがでたっけ。
名前 アクアス
レベル 210
HP 50000
MP 600000
STR 4820
DEF 4830
DEX 4810
AGI 5400
INT 34000
MND 34100
魔法適性0
相変わらずの魔法特化のステータス。魔法が使えないくせに上がりすぎだよ。
僕の中のマナだけでもかなりの間戦うことが出来るだろうね。
「あれがレッドオットか~。夜になっちゃったな~」
魔物の群れからしばらく歩いて街が見えてきた。
外壁が赤いレンガで作られている街レッドオット。円の形に作られた城壁に囲まれている街は夜のため街灯だけが光ってる。
あの街灯があるのが結構凄いことなんだってルミナさんは言ってたな。
魔石と言われる魔物の中で生成される石で作られている街灯。魔石の大きさで込められるマナの量が変わるからこぶし大の魔石でも結構高価。あれで牛が一頭買えるとか何とか。まだまだ世間の常識がわからない僕には価値は分からないけど、凄いらしいんだよね。
「おお坊主。こんな夜にたどり着けるなんて運がいいな」
「はは、まあ、何とかたどり着けました」
城壁の門につくと頬に傷のあるおじさんが歓迎してくれた。
「だが、忠告しておくぞ。たどり着けないと思ったら野営の準備に入れ。これは命を守る常識だ。わかったな」
「あ、はい。ありがとうございます」
「よし、じゃあ、改めて! ようこそレッドオットへ」
そういっておじさんは門を通してくれた。なんだか良い人だな~。それにレベルも高そうだ。
緑髪のおじさんは相当高そうな槍を持っていて筋肉が浮き出てる。AランクやSランクと言っても差し支えないくらいの強さを感じるな~。
まあ、それはいいとして宿屋を探さないと、それで明日には冒険者ギルドに行って登録して依頼を達成していく。
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