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第3章 ルインズ
第7話 ダメ王子
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「隊長、こちらです。王子はこの応接の間にいます」
「ご苦労。ここはもういい。お前は城の外へ。俺の仲間を見ておいてくれ」
「はっ!」
流石に城の中へサンとトラを入れることはできなかった。なのでこの男にも見ておいてもらう。
入る時に注意された男にもいってあるがそれはオラストロの人間じゃなくてルインズの兵士だったから安心できないんだよな。
「タツミ兄さん……」
「お父さん」
アスベルとルキアが心配しながら見上げてきた。考え込んでいる俺が緊張しているように感じたんだろう。
正直、オラストロの王子に会うのは怖い。兵士達は隊長の服で魅了というか洗脳のような効果が聞いているから大丈夫だが、王子は違う。
隊長の顔くらいは知っているだろうから絶対に誰だって話になるはずだ。
ある程度の答えを用意しておかないといけないな。
「とどまっていても仕方ない。いくか」
二人の頭を撫でて心を落ち着かせる。そして、扉を二度ノックした。
「誰だ? 私は忙しいんだが?」
「税収の徴収について話が」
「おお、いくら集まった! 入って報告せよ」
税収の徴収というのは街道で荷物を奪取していること、オラストロの兵士にそう言われたんだ。
『税収なのですから当たり前の行為です』だってな。
まったく、本当に碌な国じゃないよオラストロは。
王子の弾むような声を合図に扉を開いて、中へと入る。
するとそこにはキングサイズのベッドに女性二人と寝そべる王子が待っていた。
「……」
「どうだ? いくら集まった?」
王子は見られることを気にも留めずに声を弾ませる。
アスベルとルキアに部屋の外で待つように告げて、俺は王子に近づいていく。
「あなた方はお帰りください」
「な! 何を言っている。これから楽しむのだぞ」
「早く」
裸の女性にソファーに投げかけられていた服を渡して帰るように促す。王子は狼狽えている。
兵士が言うことを聞かないという状況が初めての事なのかもしれないな。
「ちぃ、つまらんやつだ。お前も参加すればいいものを……。まあいい、それで? いくら集まった?」
半裸の状態で王子はソファーに座り残っていたワインを一気に飲み干した。
こんな男が王子……まったく。
「おまえは眠ってろ」
「な、なにを……。スー」
僧侶の服に着替えて王子を眠らせる。こんな男の寝顔は見たくないので肩に触れて【オラストロ王子の服】を手に入れて早々に部屋を出る。
王子の服に着替えてきているので兵士達が敬礼して横を通っていく。
「タツミ兄さん! カッコいい」
「そうか?」
「お父さん! 好き~」
アスベルとルキアが輝いた目をさせて褒めてきた。ルキアが飛びついてきたので抱きとめる。
兵士達が敬礼してきているのを見ると服チートが発動しているってことだな。
王子が寝ている間は何とかなるだろう。亡き者にしたほうが簡単なんだけどな。
そんなに簡単に人を殺すなんて俺にはできない。家族に危害をくわえる存在には容赦しないけどな。
「お前たち! すぐに税収の徴収をやめさせろ」
「え! 殿下。やめるのですか?」
「そうだ! すぐにやめろ」
「はっ!」
兵士達は最初、疑問に思って疑うように見てきた。圧を強めて言うとすぐに走り去っていったよ。
急な王子の命令変更に驚いているな。
「誰か! 誰か! 王女様をお助けください」
「ん?」
兵士達を見送るとそんな声が聞こえてきた。
執事のおじいさんが泣きそうな顔で兵士達へ訴えてる。なぜか、みんな無視しているな。どうなってるんだ?
「どうかしましたか?」
「ああ! あなた様はオラストロの?」
「はい。何かあったんですか?」
「どうか王女様をお助けください!」
泣きじゃくりながら俺の両手を掴んでお願いしてくる。アスベルとルキアも不思議そうにその様子を見てる。
それでも周りの使用人は無視してくるな。まあ、中には手伝いたいけど、出来ないような複雑な表情をしている使用人もいる。
その王女様に何か理由がありそうだな。
とにかく、話を聞いてみよう。
「こちらで話を聞きましょう。どうぞ」
「噂と違いお優しい。ですが王女様が危険なのです。すぐに塔へ! ついてきてくだされ」
話を聞こうと本物の王子が眠る応接の間に行こうと思ったら執事のおじいさんが急かすように走っていった。
アスベルのお父さんも探さないといけないのにな。
そういえば、王子が知っていたかもな。ムカついてすぐに眠らせたのは失敗だったな。
「ご苦労。ここはもういい。お前は城の外へ。俺の仲間を見ておいてくれ」
「はっ!」
流石に城の中へサンとトラを入れることはできなかった。なのでこの男にも見ておいてもらう。
入る時に注意された男にもいってあるがそれはオラストロの人間じゃなくてルインズの兵士だったから安心できないんだよな。
「タツミ兄さん……」
「お父さん」
アスベルとルキアが心配しながら見上げてきた。考え込んでいる俺が緊張しているように感じたんだろう。
正直、オラストロの王子に会うのは怖い。兵士達は隊長の服で魅了というか洗脳のような効果が聞いているから大丈夫だが、王子は違う。
隊長の顔くらいは知っているだろうから絶対に誰だって話になるはずだ。
ある程度の答えを用意しておかないといけないな。
「とどまっていても仕方ない。いくか」
二人の頭を撫でて心を落ち着かせる。そして、扉を二度ノックした。
「誰だ? 私は忙しいんだが?」
「税収の徴収について話が」
「おお、いくら集まった! 入って報告せよ」
税収の徴収というのは街道で荷物を奪取していること、オラストロの兵士にそう言われたんだ。
『税収なのですから当たり前の行為です』だってな。
まったく、本当に碌な国じゃないよオラストロは。
王子の弾むような声を合図に扉を開いて、中へと入る。
するとそこにはキングサイズのベッドに女性二人と寝そべる王子が待っていた。
「……」
「どうだ? いくら集まった?」
王子は見られることを気にも留めずに声を弾ませる。
アスベルとルキアに部屋の外で待つように告げて、俺は王子に近づいていく。
「あなた方はお帰りください」
「な! 何を言っている。これから楽しむのだぞ」
「早く」
裸の女性にソファーに投げかけられていた服を渡して帰るように促す。王子は狼狽えている。
兵士が言うことを聞かないという状況が初めての事なのかもしれないな。
「ちぃ、つまらんやつだ。お前も参加すればいいものを……。まあいい、それで? いくら集まった?」
半裸の状態で王子はソファーに座り残っていたワインを一気に飲み干した。
こんな男が王子……まったく。
「おまえは眠ってろ」
「な、なにを……。スー」
僧侶の服に着替えて王子を眠らせる。こんな男の寝顔は見たくないので肩に触れて【オラストロ王子の服】を手に入れて早々に部屋を出る。
王子の服に着替えてきているので兵士達が敬礼して横を通っていく。
「タツミ兄さん! カッコいい」
「そうか?」
「お父さん! 好き~」
アスベルとルキアが輝いた目をさせて褒めてきた。ルキアが飛びついてきたので抱きとめる。
兵士達が敬礼してきているのを見ると服チートが発動しているってことだな。
王子が寝ている間は何とかなるだろう。亡き者にしたほうが簡単なんだけどな。
そんなに簡単に人を殺すなんて俺にはできない。家族に危害をくわえる存在には容赦しないけどな。
「お前たち! すぐに税収の徴収をやめさせろ」
「え! 殿下。やめるのですか?」
「そうだ! すぐにやめろ」
「はっ!」
兵士達は最初、疑問に思って疑うように見てきた。圧を強めて言うとすぐに走り去っていったよ。
急な王子の命令変更に驚いているな。
「誰か! 誰か! 王女様をお助けください」
「ん?」
兵士達を見送るとそんな声が聞こえてきた。
執事のおじいさんが泣きそうな顔で兵士達へ訴えてる。なぜか、みんな無視しているな。どうなってるんだ?
「どうかしましたか?」
「ああ! あなた様はオラストロの?」
「はい。何かあったんですか?」
「どうか王女様をお助けください!」
泣きじゃくりながら俺の両手を掴んでお願いしてくる。アスベルとルキアも不思議そうにその様子を見てる。
それでも周りの使用人は無視してくるな。まあ、中には手伝いたいけど、出来ないような複雑な表情をしている使用人もいる。
その王女様に何か理由がありそうだな。
とにかく、話を聞いてみよう。
「こちらで話を聞きましょう。どうぞ」
「噂と違いお優しい。ですが王女様が危険なのです。すぐに塔へ! ついてきてくだされ」
話を聞こうと本物の王子が眠る応接の間に行こうと思ったら執事のおじいさんが急かすように走っていった。
アスベルのお父さんも探さないといけないのにな。
そういえば、王子が知っていたかもな。ムカついてすぐに眠らせたのは失敗だったな。
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