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第3章 ルインズ
第6話 オラストロ再び
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ポートミルトを出て雪原を走っていく。
街道には街灯が点々としていて雪の多い土地ならではの整備がされていた。
雪が積もっているから普通の馬車は進みづらいだろうな。
うちの馬車はトラが引いているから雪が蒸発して難なく進めてるぞ。
他の馬車を見ると複数の馬に普通の馬車を引かせているな。パワーでもトラの方が上だから圧倒的だな。
「お~い。そこの従魔の馬車~。助けてくれ~」
悠々と雪道を進んでいると前方で止まっていた馬車に引き止められた。
雪に足を取られてしまったみたいだ。旅は道連れ世は情けっていうからな、助けてやろう。
「いや~助かったよ。ありがとう。これから王都にいくのかい?」
「はい」
「そうか、それならオラストロの兵士達に注意したほうがいい」
ん? オラストロ? こんなところにいるのか?
「エスラル様が死去して、世継ぎが欲しいオールデア様が姫様のアルフレイティア様を引き戻して、オラストロの王子と結婚させるらしいんだ。それでオラストロの奴らが来ているんだ」
「アルフレイティア?」
世継ぎってことはエスラルって人が男の子だったんだろうな。
それで娘であるアルフレイティアをどこかからか戻して
きた……。アルフレドは男だよな、ってことは関係ないよな。それにしても名前が似すぎているような気がするが。
「注意したほうがいいっていうのは?」
「知らないのか? オラストロの素行を。やつら通る馬車全部、中身を検査っていって強奪していくんだよ。これから仲間になるはずの国の民なのにだ。噂通りの蛮族だよ」
あらあら、オラストロはダメだって色々と言われていたけど、ここまで酷いのか。
「じゃあ気をつけていきます。忠告ありがとうございました」
「おう、気をつけてな~」
馬車を助けて王都へと馬車を走らせた。おじさんはポートミルトへ行くみたいだ。
いろいろと情報は得られた。オラストロならぴったりな装備を持ってる。役に立ってくれるだろう。
しかし、こんな遠くに来たのにオラストロと会うとはな~、もう会わないと思っていたけど、世界は狭いというからこちらの世界も狭いのかもな。
「お父さん。オラストロって?」
「あ~、迫害とか普通にする国なんだ。まあ、ルキアは知らなくて大丈夫」
「そうなの?」
純粋なルキアには悪影響を与えそうなのでごまかしておこう。
アスベルは結構知っているみたいで頷いてるよ。
まったく、オラストロはろくでもないな。数日しか一緒にいなかったがしょっぱな罪のない人を殺そうとしてたからな。一生会わないと思っていたけど、こんなところで再会することになるとはな。
しばらく馬車を走らせていると助けた馬車の忠告通り、関所のように馬車が左右に泊まっていた。案の定止められる。
「止まれ! 積み荷を検査する……。隊長!?」
そう、俺はお前たちの隊長だ。
すでにオラストロの服は手に入れている。そうそうに【オラストロ騎士隊長の服】に着替えておいた。
あの時ははっきりと効果はわからなかったが推測で理解はしていた。
今回ではっきりとした効果がわかったな。
やはり、服チートで得た組織の制服の類は認識をおかしくしてくれるようだ。隠密し放題決定だ。
「俺の歩みを止めるのか?」
「し、失礼しました。お通りください」
「何を言っている。先導しろ。民を煩わせるな」
「は、しかし、王子の命で……」
「王子の?」
なんてこった。流石に隊長じゃ王子の命には勝てないか? しかし、この場では一番位が大きい。力押しするか。
「では一度王子と話そう。ルインズへ戻るぞ。先導しろ」
「はっ!」
とりあえず、一般の人達への被害をなくそう。
「民から奪ったものはちゃんと返すように!」
「えっ! ですがどれが誰のか……」
「反論するのか?」
パワハラ上司のように圧をかけると兵士達の顔が青ざめていく。この世の終わりかのようだ。
そんなに知らない人からものを奪ったのか……まったく、本当に救いようのない……。
「出来ないのであればこれ以上するのは禁ずる。先導しろ」
「は、はい!」
流石に可哀そうになってきたのでこれ以上しないように言うことにした。
命令されてやっていたのなら致し方ない。社畜というか国畜のこの人達は命令に従うしかない立場の人だからな。
中には楽しんでやってるやつもいるだろうけど、いいやつもいるはずだ。マイサさんと料理した時も気さくに話すやつもいたしな。
オラストロ騎士隊長の服の効果で先導させた兵士達に追従して王都へと無事たどり着いた。
雪原に白い城壁の城。日差しが眩しく跳ね返りそうな城だな。
「こちらの従魔たちは隊長の?」
「そうだが? 悪いか?」
「いえ! 決してそんなことは」
馬車から降りてルキアを下ろしていると一人の兵士が聞いてきた。
少し目が輝いているように思えるがとりあえず、威圧しておいた。
「タツミ兄さん。父さんを探さないと」
「ああ、そうだったな。おまえ、ウルフマンを見なかったか?」
アスベルに言われて思い出す。アルフレドの伝手はまだわからないからな。とりあえず、アスベルの父が先だ。
「ウルフマンですか? 王城へ入って行くのを見ましたけど」
「王城?」
アスベルの父かは分からないが、王城にウルフマンがいるようだ。
このまま、入って行って大丈夫だろうか?
「隊長こちらです」
「あ、ああ」
心配していてもこの状況で町の中へと行くことはできなさそうだ。案内されるまま、城の中へと連れていかれた。
街道には街灯が点々としていて雪の多い土地ならではの整備がされていた。
雪が積もっているから普通の馬車は進みづらいだろうな。
うちの馬車はトラが引いているから雪が蒸発して難なく進めてるぞ。
他の馬車を見ると複数の馬に普通の馬車を引かせているな。パワーでもトラの方が上だから圧倒的だな。
「お~い。そこの従魔の馬車~。助けてくれ~」
悠々と雪道を進んでいると前方で止まっていた馬車に引き止められた。
雪に足を取られてしまったみたいだ。旅は道連れ世は情けっていうからな、助けてやろう。
「いや~助かったよ。ありがとう。これから王都にいくのかい?」
「はい」
「そうか、それならオラストロの兵士達に注意したほうがいい」
ん? オラストロ? こんなところにいるのか?
「エスラル様が死去して、世継ぎが欲しいオールデア様が姫様のアルフレイティア様を引き戻して、オラストロの王子と結婚させるらしいんだ。それでオラストロの奴らが来ているんだ」
「アルフレイティア?」
世継ぎってことはエスラルって人が男の子だったんだろうな。
それで娘であるアルフレイティアをどこかからか戻して
きた……。アルフレドは男だよな、ってことは関係ないよな。それにしても名前が似すぎているような気がするが。
「注意したほうがいいっていうのは?」
「知らないのか? オラストロの素行を。やつら通る馬車全部、中身を検査っていって強奪していくんだよ。これから仲間になるはずの国の民なのにだ。噂通りの蛮族だよ」
あらあら、オラストロはダメだって色々と言われていたけど、ここまで酷いのか。
「じゃあ気をつけていきます。忠告ありがとうございました」
「おう、気をつけてな~」
馬車を助けて王都へと馬車を走らせた。おじさんはポートミルトへ行くみたいだ。
いろいろと情報は得られた。オラストロならぴったりな装備を持ってる。役に立ってくれるだろう。
しかし、こんな遠くに来たのにオラストロと会うとはな~、もう会わないと思っていたけど、世界は狭いというからこちらの世界も狭いのかもな。
「お父さん。オラストロって?」
「あ~、迫害とか普通にする国なんだ。まあ、ルキアは知らなくて大丈夫」
「そうなの?」
純粋なルキアには悪影響を与えそうなのでごまかしておこう。
アスベルは結構知っているみたいで頷いてるよ。
まったく、オラストロはろくでもないな。数日しか一緒にいなかったがしょっぱな罪のない人を殺そうとしてたからな。一生会わないと思っていたけど、こんなところで再会することになるとはな。
しばらく馬車を走らせていると助けた馬車の忠告通り、関所のように馬車が左右に泊まっていた。案の定止められる。
「止まれ! 積み荷を検査する……。隊長!?」
そう、俺はお前たちの隊長だ。
すでにオラストロの服は手に入れている。そうそうに【オラストロ騎士隊長の服】に着替えておいた。
あの時ははっきりと効果はわからなかったが推測で理解はしていた。
今回ではっきりとした効果がわかったな。
やはり、服チートで得た組織の制服の類は認識をおかしくしてくれるようだ。隠密し放題決定だ。
「俺の歩みを止めるのか?」
「し、失礼しました。お通りください」
「何を言っている。先導しろ。民を煩わせるな」
「は、しかし、王子の命で……」
「王子の?」
なんてこった。流石に隊長じゃ王子の命には勝てないか? しかし、この場では一番位が大きい。力押しするか。
「では一度王子と話そう。ルインズへ戻るぞ。先導しろ」
「はっ!」
とりあえず、一般の人達への被害をなくそう。
「民から奪ったものはちゃんと返すように!」
「えっ! ですがどれが誰のか……」
「反論するのか?」
パワハラ上司のように圧をかけると兵士達の顔が青ざめていく。この世の終わりかのようだ。
そんなに知らない人からものを奪ったのか……まったく、本当に救いようのない……。
「出来ないのであればこれ以上するのは禁ずる。先導しろ」
「は、はい!」
流石に可哀そうになってきたのでこれ以上しないように言うことにした。
命令されてやっていたのなら致し方ない。社畜というか国畜のこの人達は命令に従うしかない立場の人だからな。
中には楽しんでやってるやつもいるだろうけど、いいやつもいるはずだ。マイサさんと料理した時も気さくに話すやつもいたしな。
オラストロ騎士隊長の服の効果で先導させた兵士達に追従して王都へと無事たどり着いた。
雪原に白い城壁の城。日差しが眩しく跳ね返りそうな城だな。
「こちらの従魔たちは隊長の?」
「そうだが? 悪いか?」
「いえ! 決してそんなことは」
馬車から降りてルキアを下ろしていると一人の兵士が聞いてきた。
少し目が輝いているように思えるがとりあえず、威圧しておいた。
「タツミ兄さん。父さんを探さないと」
「ああ、そうだったな。おまえ、ウルフマンを見なかったか?」
アスベルに言われて思い出す。アルフレドの伝手はまだわからないからな。とりあえず、アスベルの父が先だ。
「ウルフマンですか? 王城へ入って行くのを見ましたけど」
「王城?」
アスベルの父かは分からないが、王城にウルフマンがいるようだ。
このまま、入って行って大丈夫だろうか?
「隊長こちらです」
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心配していてもこの状況で町の中へと行くことはできなさそうだ。案内されるまま、城の中へと連れていかれた。
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