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第二章 海へ
第51話 新たな大地
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『こちらでよろしいでしょうかウンディーネ様』
「いいでしょう」
シーサーペントの歯を治した。虫歯のように黒ずんでいた歯を抜いただけだけど、凄い感謝されたよ。
そのあと、船をシーサーペントに引かせて大陸にたどり着いたんだ。流石に港には入れないということで少し離れた所に接岸している。
『ではこれで私は』
「ちょっと待ちなさい」
『えっ!』
シーサーペントがお役御免で帰ろうとしているとウンディーネがそれを制した。
「この船のものになりなさい。嵐しか能がないのですからたまには人の役に立ちなさい」
『そ、そんな。私にもちゃんとそれ以外に役目が』
「ではその役目は別のものにやらせなさい。ポセイドン辺りにでもできるでしょう」
『はっ、はあ……』
ウンディーネの気迫にハイしか言えない空気になってしまうとシーサーペントは頷くことしかできなくなっていた。ウンディーネって強いんだな。
「ではマスター。ご武運を」
「あ、ありがとうな。ウンディーネ」
「いえいえ……」
ウンディーネは嬉しそうに微笑んで消えていった。眷属っぽいシーサーペントにはパワハラ上司だけど、俺達には優しいお姉さんなんだな。
『ウンディーネ様のマスター。私はどうしたら』
「えっと言われた通りにしないと。話からすると僕の視点を見れていると思いますので」
ウンディーネを召喚してすぐにシーサーペントへ話しかけていたんだ。それから察すると俺の視点を見ている可能性があるんだよな。なので従っておかないとシーサーペントの命が。
『わ、わかった。この船は任せろ』
シーサーペントは無事にダイロさんの船のエンジンになりましたとさ。
「タツミ、回復魔法を使ったときからいろいろ凄い奴だと思っていたが、精霊も使役しているのか。まったく、規格外すぎるぞ」
ダイロさんに呆れられてしまったがみんな笑顔で見てきてくれているので嫌われてはいないみたいだ。
「街はここから一山越した先にある。帰るときはここに来てくれればすぐに出発するからな」
「えっ。ダイロさんたちは来ないんですか?」
「……ああ、ちょっとルインズの港街には少しな」
ダイロさんが頬を掻きながら言葉を濁してきた。大海賊時代に何かあったのかな?
「親方は港町のポートミルトに女がいるんですよ。だから行きたくないんです」
「ばっ! いうんじゃねえよ」
ダイロさんの話を教えてくれた部下をダイロさんが思いっきりぶっ叩いた。なるほど、ダイロさんの良い人がいるってことね。
「まあ、なんだ。俺の女が酒場をやっているからよ。困ったら顔を出して見な。ダイロの知り合いっていったら匿ってくれるからよ」
「わかりました。……攻撃されませんよね」
「……大丈夫だ」
疑問を投げかけるとダイロさんは帽子を目深にかぶって言ってきた。その間とその様子では警戒したほうがよさそうだな。とりあえず、見知らぬ土地で味方が得られるのであれば願ったりかなったりだ。接触できるならしておこう。
「アスベルはどうする? 来るか? ここにいてもいいんだぞ」
傷ついた体は回復魔法で治った。だけど、心はまだ傷ついている。魔法では心までは治らないからな。
「……行きます! 僕はもうみんなの家族だから」
目を輝かせて言ってくるアスベル。この子もいい子だな。親父さんが生きているなら会わせてやりたいもんだ。
「じゃあ行くか!」
「は~い」
「キャン」「ガウ~」
アスベルを抱き上げて出発を告げるとルキア達が答えてくれた。
新しい土地へと進みだす。
「いいでしょう」
シーサーペントの歯を治した。虫歯のように黒ずんでいた歯を抜いただけだけど、凄い感謝されたよ。
そのあと、船をシーサーペントに引かせて大陸にたどり着いたんだ。流石に港には入れないということで少し離れた所に接岸している。
『ではこれで私は』
「ちょっと待ちなさい」
『えっ!』
シーサーペントがお役御免で帰ろうとしているとウンディーネがそれを制した。
「この船のものになりなさい。嵐しか能がないのですからたまには人の役に立ちなさい」
『そ、そんな。私にもちゃんとそれ以外に役目が』
「ではその役目は別のものにやらせなさい。ポセイドン辺りにでもできるでしょう」
『はっ、はあ……』
ウンディーネの気迫にハイしか言えない空気になってしまうとシーサーペントは頷くことしかできなくなっていた。ウンディーネって強いんだな。
「ではマスター。ご武運を」
「あ、ありがとうな。ウンディーネ」
「いえいえ……」
ウンディーネは嬉しそうに微笑んで消えていった。眷属っぽいシーサーペントにはパワハラ上司だけど、俺達には優しいお姉さんなんだな。
『ウンディーネ様のマスター。私はどうしたら』
「えっと言われた通りにしないと。話からすると僕の視点を見れていると思いますので」
ウンディーネを召喚してすぐにシーサーペントへ話しかけていたんだ。それから察すると俺の視点を見ている可能性があるんだよな。なので従っておかないとシーサーペントの命が。
『わ、わかった。この船は任せろ』
シーサーペントは無事にダイロさんの船のエンジンになりましたとさ。
「タツミ、回復魔法を使ったときからいろいろ凄い奴だと思っていたが、精霊も使役しているのか。まったく、規格外すぎるぞ」
ダイロさんに呆れられてしまったがみんな笑顔で見てきてくれているので嫌われてはいないみたいだ。
「街はここから一山越した先にある。帰るときはここに来てくれればすぐに出発するからな」
「えっ。ダイロさんたちは来ないんですか?」
「……ああ、ちょっとルインズの港街には少しな」
ダイロさんが頬を掻きながら言葉を濁してきた。大海賊時代に何かあったのかな?
「親方は港町のポートミルトに女がいるんですよ。だから行きたくないんです」
「ばっ! いうんじゃねえよ」
ダイロさんの話を教えてくれた部下をダイロさんが思いっきりぶっ叩いた。なるほど、ダイロさんの良い人がいるってことね。
「まあ、なんだ。俺の女が酒場をやっているからよ。困ったら顔を出して見な。ダイロの知り合いっていったら匿ってくれるからよ」
「わかりました。……攻撃されませんよね」
「……大丈夫だ」
疑問を投げかけるとダイロさんは帽子を目深にかぶって言ってきた。その間とその様子では警戒したほうがよさそうだな。とりあえず、見知らぬ土地で味方が得られるのであれば願ったりかなったりだ。接触できるならしておこう。
「アスベルはどうする? 来るか? ここにいてもいいんだぞ」
傷ついた体は回復魔法で治った。だけど、心はまだ傷ついている。魔法では心までは治らないからな。
「……行きます! 僕はもうみんなの家族だから」
目を輝かせて言ってくるアスベル。この子もいい子だな。親父さんが生きているなら会わせてやりたいもんだ。
「じゃあ行くか!」
「は~い」
「キャン」「ガウ~」
アスベルを抱き上げて出発を告げるとルキア達が答えてくれた。
新しい土地へと進みだす。
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