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第一章 異世界
第三十七話 儲けが凄い
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「タツミさん、ありがとうございます」
サゲスの家から出て俺達はすぐにギルドに帰ってきた。併設されている酒場で椅子に座って二人に報告したところだ。
アイサとオッズは俺に頭を下げて礼を言ってきた。
「そんなに畏まるなよ。恥ずかしいだろ」
「いえ、あのままだったら、たぶん俺は牢獄に入れられてたかもしれないです」
「タツミさん、ありがとう」
再度アイサとオッズがお礼を言ってきた。全くほっておけないもんな。この世界に来て初めての仲間だからな。
「そうそう、二人が借金の話をしているうちにアイテムを全部売っておきました」
「ポロロちゃんありがと」
「いえいえ、これがポーターの仕事ですから」
ポロロちゃんはポーターとしての自信を無くしかけていたようだけど、俺の言葉で自信を取り戻したみたいだな。心なしか輝いて見えるよ。
「俺は銀貨一枚もらえればいいよ」
「えっ?額を聞く前から?」
「先に言っておかないとな」
「タツミさん・・」
ポロロちゃんの報告の前に俺は宣言した。金あってもこの世界じゃ食料買うくらいしか使い道ないしな。
アイサとオッズの好感度が振り切りそうだな。しかし、マジでそんなに金は必要ない。剣は服取り換えると出てくるし、なおの事防具だって出てくるわけだしな。
「コホン、タツミさん。そう言うのは良くないですよ。まず、報酬として受け取ってからこの後の事を話し合いましょうか」
「あっはい・・」
ポロロちゃんに怒られてしまった。確かにそうだよな。報酬として受け取ってからそれを使わないとな。
「じゃあ報告しますよ。納品依頼のあったアイテムは全部終わらせました。なのでかなりのお金になりましたよ」
サンとトラが集めていたアイテムを全部売却してくれたポロロちゃん。納品依頼でもいくつかあった、依頼で済ませた方が高くなるからな。流石ポロロちゃんだ。
「内訳は省きますね。すべて売却して金貨六枚になりました」
「「「金貨六枚!」」」
おお、借金が終わるじゃないか。よかったな二人とも。
「という事でオッズさんとアイサさんおめでとうございます」
「ありがとうポロロちゃん」
アイサは涙目でポロロちゃんを抱きしめた。
「サンとトラにもお礼言わないとな。あのアイテムの山はあいつらが集めたものだったんだろうからな」
確かにあれは大きな報酬だったな。
「そう言えばアイサとオッズの依頼の方はどうだったんだ?討伐で済んだのか?」
サンとトラを従魔にしてしまったけどギルド的には良かったのかな?
「ああ、大丈夫でしたよ。脅威を排除できれば仲間にしてしまっても構わないそうです」
「そうか」
「それどころか私の方は報酬が上乗せされたよ」
俺の心配は不要だったようだ。アイサの話ではトライホーンの討伐依頼の方は報酬が倍になったとか言っている。鞍の話もあるし、ラウラさんに話を聞いてみるか。
「俺達の依頼の報酬は銀貨5枚とアイサが銀貨7枚だった」
「それと私の方を合わせると金貨七枚。これは驚異的でしたね」
「それもこれもポロロちゃんのおかげだよ」
「えっ、えへへ。ありがとうございます」
ポーターって言う職業は本当にパーティーの利益を大きく高めることができる。それをないがしろにしてはいけないよな。
「タツミさん、あの・・・頭を撫でてもらっていいですか?」
「えっ?」
「いつもルキアちゃん達がやってもらってたので私もと思って・・ダメですか?」
「いや、ダメじゃないけど、俺みたいな男に髪を触らせていいのか?」
俺ってモテたことないから頭を撫でてほしいなんて言われたことない。そんな男に髪を触られていい気持ちしないと思うんだが。
「タツミさんがいいんです」
「はあ・・まあ、いいか。じゃあ撫でるぞ」
「はい!」
ポロロちゃんも若いからな。お父さんみたいなもんだよな。ホームシックみたいになってしまったんだろう。
俺はポロロちゃんの頭をなでなでした。柔らかな金色の髪の感触が手に伝わってくる。
「ありがとうございます。これでまた頑張れます」
「ああ」
若い子が元気になると何だか心がホッとするな。
「タツミさんも罪な男ですね」
「何言ってんだよオッズ。ポロロちゃんはそう言う意味で言ったんじゃないだろ。それに俺なんか事故物件もいい所だろ」
「ハァ、タツミさん。何言ってんですか。タツミさんみたいな良物件珍しいですよ。顔が良くて料理ができて強い、最高の物件ですよ」
オッズが小声で話しかけてきた。しかし、料理と強さはわかるが顔がいい?俺の顔のどこがいいっていうんだ?人に怖がられる顔で好まれるものではないと思うが。
「俺の顔のどこがいいんだよ。大人をあんまり揶揄うなよ」
「ちょっと何言ってんですかタツミさん。タツミさんはかっこいいですよ。ここいらじゃ珍しい黒髪で長髪、後ろで結っているのが更にカッコよくて、カイネンのばあちゃんも孫を紹介したいとか言ってきたし」
おいおい、裏でそんな話をしていたのか。顔の話をしない所は察しようか。
「自分の顔は自分が一番知ってるぞ。俺はそんなにモテる顔じゃない」
「え?そうですか?オラストロはそんなに美形が揃ってるのかな?あんまり聞いたことないけどな」
美形?まさかして異世界物の話では異世界に行くと美形になるものも多いよな。
そういえば、この世界に来てから自分の顔を見ていない。綺麗な鏡とか水辺なんてなかったしな。なんせ異世界に来たら糞入りのバケツがあっただけだからな。嫌なことを思い出した、切り替えよう。
「まあ、その話はいい。それよりもサゲスに金を返しに行って来いよ」
「ああ、そうだった。じゃあまた、冒険者の寝床で」
「ああ」
オッズとアイサはポロロちゃんから金貨を五枚受け取って二人でサゲスの家に向かった。その後、ポロロちゃんに無理やり金貨を持たされました。ほんとにいい子だな。
でも、これで二人は自由に動けるわけだな。よかったよかった。
サゲスの家から出て俺達はすぐにギルドに帰ってきた。併設されている酒場で椅子に座って二人に報告したところだ。
アイサとオッズは俺に頭を下げて礼を言ってきた。
「そんなに畏まるなよ。恥ずかしいだろ」
「いえ、あのままだったら、たぶん俺は牢獄に入れられてたかもしれないです」
「タツミさん、ありがとう」
再度アイサとオッズがお礼を言ってきた。全くほっておけないもんな。この世界に来て初めての仲間だからな。
「そうそう、二人が借金の話をしているうちにアイテムを全部売っておきました」
「ポロロちゃんありがと」
「いえいえ、これがポーターの仕事ですから」
ポロロちゃんはポーターとしての自信を無くしかけていたようだけど、俺の言葉で自信を取り戻したみたいだな。心なしか輝いて見えるよ。
「俺は銀貨一枚もらえればいいよ」
「えっ?額を聞く前から?」
「先に言っておかないとな」
「タツミさん・・」
ポロロちゃんの報告の前に俺は宣言した。金あってもこの世界じゃ食料買うくらいしか使い道ないしな。
アイサとオッズの好感度が振り切りそうだな。しかし、マジでそんなに金は必要ない。剣は服取り換えると出てくるし、なおの事防具だって出てくるわけだしな。
「コホン、タツミさん。そう言うのは良くないですよ。まず、報酬として受け取ってからこの後の事を話し合いましょうか」
「あっはい・・」
ポロロちゃんに怒られてしまった。確かにそうだよな。報酬として受け取ってからそれを使わないとな。
「じゃあ報告しますよ。納品依頼のあったアイテムは全部終わらせました。なのでかなりのお金になりましたよ」
サンとトラが集めていたアイテムを全部売却してくれたポロロちゃん。納品依頼でもいくつかあった、依頼で済ませた方が高くなるからな。流石ポロロちゃんだ。
「内訳は省きますね。すべて売却して金貨六枚になりました」
「「「金貨六枚!」」」
おお、借金が終わるじゃないか。よかったな二人とも。
「という事でオッズさんとアイサさんおめでとうございます」
「ありがとうポロロちゃん」
アイサは涙目でポロロちゃんを抱きしめた。
「サンとトラにもお礼言わないとな。あのアイテムの山はあいつらが集めたものだったんだろうからな」
確かにあれは大きな報酬だったな。
「そう言えばアイサとオッズの依頼の方はどうだったんだ?討伐で済んだのか?」
サンとトラを従魔にしてしまったけどギルド的には良かったのかな?
「ああ、大丈夫でしたよ。脅威を排除できれば仲間にしてしまっても構わないそうです」
「そうか」
「それどころか私の方は報酬が上乗せされたよ」
俺の心配は不要だったようだ。アイサの話ではトライホーンの討伐依頼の方は報酬が倍になったとか言っている。鞍の話もあるし、ラウラさんに話を聞いてみるか。
「俺達の依頼の報酬は銀貨5枚とアイサが銀貨7枚だった」
「それと私の方を合わせると金貨七枚。これは驚異的でしたね」
「それもこれもポロロちゃんのおかげだよ」
「えっ、えへへ。ありがとうございます」
ポーターって言う職業は本当にパーティーの利益を大きく高めることができる。それをないがしろにしてはいけないよな。
「タツミさん、あの・・・頭を撫でてもらっていいですか?」
「えっ?」
「いつもルキアちゃん達がやってもらってたので私もと思って・・ダメですか?」
「いや、ダメじゃないけど、俺みたいな男に髪を触らせていいのか?」
俺ってモテたことないから頭を撫でてほしいなんて言われたことない。そんな男に髪を触られていい気持ちしないと思うんだが。
「タツミさんがいいんです」
「はあ・・まあ、いいか。じゃあ撫でるぞ」
「はい!」
ポロロちゃんも若いからな。お父さんみたいなもんだよな。ホームシックみたいになってしまったんだろう。
俺はポロロちゃんの頭をなでなでした。柔らかな金色の髪の感触が手に伝わってくる。
「ありがとうございます。これでまた頑張れます」
「ああ」
若い子が元気になると何だか心がホッとするな。
「タツミさんも罪な男ですね」
「何言ってんだよオッズ。ポロロちゃんはそう言う意味で言ったんじゃないだろ。それに俺なんか事故物件もいい所だろ」
「ハァ、タツミさん。何言ってんですか。タツミさんみたいな良物件珍しいですよ。顔が良くて料理ができて強い、最高の物件ですよ」
オッズが小声で話しかけてきた。しかし、料理と強さはわかるが顔がいい?俺の顔のどこがいいっていうんだ?人に怖がられる顔で好まれるものではないと思うが。
「俺の顔のどこがいいんだよ。大人をあんまり揶揄うなよ」
「ちょっと何言ってんですかタツミさん。タツミさんはかっこいいですよ。ここいらじゃ珍しい黒髪で長髪、後ろで結っているのが更にカッコよくて、カイネンのばあちゃんも孫を紹介したいとか言ってきたし」
おいおい、裏でそんな話をしていたのか。顔の話をしない所は察しようか。
「自分の顔は自分が一番知ってるぞ。俺はそんなにモテる顔じゃない」
「え?そうですか?オラストロはそんなに美形が揃ってるのかな?あんまり聞いたことないけどな」
美形?まさかして異世界物の話では異世界に行くと美形になるものも多いよな。
そういえば、この世界に来てから自分の顔を見ていない。綺麗な鏡とか水辺なんてなかったしな。なんせ異世界に来たら糞入りのバケツがあっただけだからな。嫌なことを思い出した、切り替えよう。
「まあ、その話はいい。それよりもサゲスに金を返しに行って来いよ」
「ああ、そうだった。じゃあまた、冒険者の寝床で」
「ああ」
オッズとアイサはポロロちゃんから金貨を五枚受け取って二人でサゲスの家に向かった。その後、ポロロちゃんに無理やり金貨を持たされました。ほんとにいい子だな。
でも、これで二人は自由に動けるわけだな。よかったよかった。
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