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第一章 異世界
第二十話 イソリ村
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俺達は馬車に戻ると馬車のお客さん達に絶賛された。
「あんたらが守ってくれるなら安心だよ」
「ありがとうお兄ちゃん達!」
馬車のお客さんは俺達を含めないで5人いた。その中のおじさんと少女が俺達にお礼を言ってきた。その他の人達も笑顔で会釈して感謝を表している。何だか気恥ずかしい。
俺達はウルフを狩ったことで素材を入手した。しかも今回はポロロちゃんがいるから素材は痛まないで済む。ウルフ達を解体していく、オッズを手伝うとウルフの着ぐるみをゲットできた。これでまたルキアの着ぐるみが追加だ。まだまだ着ぐるみの謎は解けないから集めるだけ集めておきたい。
馬車は俺達を下ろす分かれ道に着いた。俺達が馬車から降りると不安そうな顔で見てきたお客さん達。一緒に行ってあげたいけど俺達は依頼をこなしてオッズ達の借金を返さないといけないからな。俺達は馬車を見送ってから目的の村に向かった。
一日かけて歩くと村が見えてくる。その間も何回か魔物と遭遇した、蜘蛛、蛇、ゴブリンだった。蜘蛛はジャンクスパイダーという魔物で着ぐるみをゲット、蛇はこの間のベリースネークだった。おいしいから解体して後でいただこう。
ゴブリンは5匹のパーティーだった。俺達に気づいたゴブリン達は駆け寄ってきた。オッズと俺が剣を構えると手前で止まって威嚇してくる。ゴブリンは全員錆びた剣を振り回している。
「小さき火よ。悪しき者に火を灯せ・・・[ファイア]」
アイサの魔法を合図にゴブリン達に切りかかる。火のついたゴブリンが後方で熱がっている中、前方で驚いていた二匹を俺とオッズが切り伏せる。火のついたゴブリンは消すことができずに焼死して、逃げようとした残りの二匹も俺とオッズが仕留める。ゴブリンは逃がしたら倍になって帰ってくるらしい。だから、見つけたら必ず倒さないといけないんだってさ。本当にゴキブリみたいだな。
俺達はゴブリンの耳を削ぎ取って、村に到着した。一日歩くというのははっきり言ってつらいぞ。俺は素朴な現代人だ。一日歩くなんてした事もない。インドアな人間には結構つらいぞ。舗装されていない道をただただ歩く。ルキアがズボンの裾を持って歩いているので結構歩きづらい。しかし、一人で歩くより気持ちは楽だった。もちろん、オッズ達もいることでかなり楽だ。
着ぐるみも増えて素材もゲットできて、かなりウハウハだな。この調子なら、一回で金貨は余裕で行けるんじゃないんか?
村は柵のようなもので囲われている。簡単な防護柵でなんとも心もとない。魔物ではない牛を飼っていて、畑も多数見受けられる。依頼はこの村の村長からの物なので畑で働いているおじさんに声をかけて村長の家を聞くことにした。
「あ~?あ~あ~、依頼で来た冒険者さんか。村長の家ならあそこの奥の藁の家だよ」
森に隣接するほどの奥にある藁の家を指さしたおじさん。俺達はおじさんにお礼を言って藁の家に向かった。この村はイソリ村と言うらしい入口にデカデカと看板が掲げてあった。
「アリプソの街から来ました」
「お~、待っておったぞ~」
オッズが家の扉を叩いて声を張り上げた。すると扉が勢いよく開いてオッズの頭に当たりオッズはかなり痛がっている。確かにあの勢いで当てられたらまともではいられないな。
「大丈夫?オッズ」
「いててて」
アイサがオッズの頭をさすってあげていた。俺も彼女ほしいな~。
「そんなことはいいから、中に入ってくだされ~」
村長のしわくちゃ爺さんがそう言って扉をあけ放った。俺達は狼狽えながらも中に入ると家の中が剥製でいっぱいだった、何だか悪趣味だ。
「これは全部村長さんが?」
ポロロちゃんの質問に爺さんがニヤっと笑って熊の剥製でできた椅子に座った。爺さんの頭の上で熊が大きく口を開けている。
「儂も若いころはこんな熊を仕留めたもんじゃ。しかし、今ではそうもいかん。なので代わりに冒険者に依頼を出しておるんじゃ」
オッズが受けた依頼、その依頼主がこの爺さんだ。依頼内容は三眼熊の討伐。名前の通り眉間に三個目の目がある熊の魔物で依頼書には4メートルの熊と書いてあった。
「この奥の森に生息しておるんじゃが、大丈夫かの?」
「ああ、任せてくれ。タツミさんもいるから三眼熊なんて余裕だよ」
爺さんの言葉にオッズが元気よく答えた。オッズは三眼熊を知っているのだろうか?そんな口ぶりだが。
「オッズ、三眼熊ってどんな熊なんだ?」
「えっと・・・」
「確か、4メートルの熊で眉間の目から魔法を放ってくるんでしたよね?勝てるんですか?」
ポロロちゃんが答えられないオッズに代わってこたえてくれた。攻撃しながら魔法を使ってくるって事か。かなり強いんじゃないのか?
「シルバーの冒険者が4人でやっと勝てるくらいじゃなかったかな~?」
「・・・」
俺は冒険者になったばっかでオッズとアイサがシルバー、ポロロちゃんは戦力外、ポーターに戦闘をさせるのはあまり好ましくない。あくまでも彼女は荷物を持ってくれる人なのだ。そこを勘違いしてはいけない。実質三人でシルバー4人でやっとの三眼熊を倒さないといけないわけだな。
「後は私の依頼主に合わないと」
アイサの依頼主もこの村の人だ。女性という話だがどこにいるのだろう?
「では頼みましたぞ~」
村長の家から出て俺達はアイサの依頼主を探す。
「あんたらが守ってくれるなら安心だよ」
「ありがとうお兄ちゃん達!」
馬車のお客さんは俺達を含めないで5人いた。その中のおじさんと少女が俺達にお礼を言ってきた。その他の人達も笑顔で会釈して感謝を表している。何だか気恥ずかしい。
俺達はウルフを狩ったことで素材を入手した。しかも今回はポロロちゃんがいるから素材は痛まないで済む。ウルフ達を解体していく、オッズを手伝うとウルフの着ぐるみをゲットできた。これでまたルキアの着ぐるみが追加だ。まだまだ着ぐるみの謎は解けないから集めるだけ集めておきたい。
馬車は俺達を下ろす分かれ道に着いた。俺達が馬車から降りると不安そうな顔で見てきたお客さん達。一緒に行ってあげたいけど俺達は依頼をこなしてオッズ達の借金を返さないといけないからな。俺達は馬車を見送ってから目的の村に向かった。
一日かけて歩くと村が見えてくる。その間も何回か魔物と遭遇した、蜘蛛、蛇、ゴブリンだった。蜘蛛はジャンクスパイダーという魔物で着ぐるみをゲット、蛇はこの間のベリースネークだった。おいしいから解体して後でいただこう。
ゴブリンは5匹のパーティーだった。俺達に気づいたゴブリン達は駆け寄ってきた。オッズと俺が剣を構えると手前で止まって威嚇してくる。ゴブリンは全員錆びた剣を振り回している。
「小さき火よ。悪しき者に火を灯せ・・・[ファイア]」
アイサの魔法を合図にゴブリン達に切りかかる。火のついたゴブリンが後方で熱がっている中、前方で驚いていた二匹を俺とオッズが切り伏せる。火のついたゴブリンは消すことができずに焼死して、逃げようとした残りの二匹も俺とオッズが仕留める。ゴブリンは逃がしたら倍になって帰ってくるらしい。だから、見つけたら必ず倒さないといけないんだってさ。本当にゴキブリみたいだな。
俺達はゴブリンの耳を削ぎ取って、村に到着した。一日歩くというのははっきり言ってつらいぞ。俺は素朴な現代人だ。一日歩くなんてした事もない。インドアな人間には結構つらいぞ。舗装されていない道をただただ歩く。ルキアがズボンの裾を持って歩いているので結構歩きづらい。しかし、一人で歩くより気持ちは楽だった。もちろん、オッズ達もいることでかなり楽だ。
着ぐるみも増えて素材もゲットできて、かなりウハウハだな。この調子なら、一回で金貨は余裕で行けるんじゃないんか?
村は柵のようなもので囲われている。簡単な防護柵でなんとも心もとない。魔物ではない牛を飼っていて、畑も多数見受けられる。依頼はこの村の村長からの物なので畑で働いているおじさんに声をかけて村長の家を聞くことにした。
「あ~?あ~あ~、依頼で来た冒険者さんか。村長の家ならあそこの奥の藁の家だよ」
森に隣接するほどの奥にある藁の家を指さしたおじさん。俺達はおじさんにお礼を言って藁の家に向かった。この村はイソリ村と言うらしい入口にデカデカと看板が掲げてあった。
「アリプソの街から来ました」
「お~、待っておったぞ~」
オッズが家の扉を叩いて声を張り上げた。すると扉が勢いよく開いてオッズの頭に当たりオッズはかなり痛がっている。確かにあの勢いで当てられたらまともではいられないな。
「大丈夫?オッズ」
「いててて」
アイサがオッズの頭をさすってあげていた。俺も彼女ほしいな~。
「そんなことはいいから、中に入ってくだされ~」
村長のしわくちゃ爺さんがそう言って扉をあけ放った。俺達は狼狽えながらも中に入ると家の中が剥製でいっぱいだった、何だか悪趣味だ。
「これは全部村長さんが?」
ポロロちゃんの質問に爺さんがニヤっと笑って熊の剥製でできた椅子に座った。爺さんの頭の上で熊が大きく口を開けている。
「儂も若いころはこんな熊を仕留めたもんじゃ。しかし、今ではそうもいかん。なので代わりに冒険者に依頼を出しておるんじゃ」
オッズが受けた依頼、その依頼主がこの爺さんだ。依頼内容は三眼熊の討伐。名前の通り眉間に三個目の目がある熊の魔物で依頼書には4メートルの熊と書いてあった。
「この奥の森に生息しておるんじゃが、大丈夫かの?」
「ああ、任せてくれ。タツミさんもいるから三眼熊なんて余裕だよ」
爺さんの言葉にオッズが元気よく答えた。オッズは三眼熊を知っているのだろうか?そんな口ぶりだが。
「オッズ、三眼熊ってどんな熊なんだ?」
「えっと・・・」
「確か、4メートルの熊で眉間の目から魔法を放ってくるんでしたよね?勝てるんですか?」
ポロロちゃんが答えられないオッズに代わってこたえてくれた。攻撃しながら魔法を使ってくるって事か。かなり強いんじゃないのか?
「シルバーの冒険者が4人でやっと勝てるくらいじゃなかったかな~?」
「・・・」
俺は冒険者になったばっかでオッズとアイサがシルバー、ポロロちゃんは戦力外、ポーターに戦闘をさせるのはあまり好ましくない。あくまでも彼女は荷物を持ってくれる人なのだ。そこを勘違いしてはいけない。実質三人でシルバー4人でやっとの三眼熊を倒さないといけないわけだな。
「後は私の依頼主に合わないと」
アイサの依頼主もこの村の人だ。女性という話だがどこにいるのだろう?
「では頼みましたぞ~」
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