7 / 113
第一章 異世界
第七話 即席パーティー
しおりを挟む
「「ありがとうございます」」
「いえいえ、偶々通りかかっただけですよ」
そういって目的通り二人と握手を交わした。あとでステータスを見るのが楽しみだ。
「オラストロ騎士隊長のあなたがなんでこんな所に?」
「え?ああ。そうか。ちょっと待ってね」
騎士隊長の服を着ているせいでオラストロの人間だと思われてしまっているようだ。戦闘になるもんだから騎士隊長の服で戦ったからしょうがないよな。早速、手に入れた服を着るために木陰に隠れる。
スキル、服模写の欄にしっかりと二人の職業の服が出ている。思った通り、剣士という前衛職と火魔法使いの服が追加されている。
この世界の魔法使いは属性で職が分かれているようだ。火魔法使いが森の中で魔法使ったら大変なことになりそうだな。水魔法も早くほしい所だ。
「おまたせ」
「わざわざ着替えたんですか?」
「あなたは何者なんです?」
わざわざ着替えに隠れたことで彼らに怪しまれてしまった。確かに怪しいもんな。
「実はオラストロで失敗してしまってね。その罪で首が飛びそうだったから逃げてきたんだよ。黙っててくれるかな?」
オラストロの騎士達の話にこんな感じの話があったんだが、通用するかな?
「・・・そうだったんですね」
「騎士隊長をやっていても、一回の失敗で処罰されるなんて、やっぱりオラストロは嫌な国ですね」
騎士たちとの野営の時に聞いた話を元に嘘の話を作ったら二人は見事に騙されてくれた。これもオラストロが碌でもない国だったおかげだ。ありがとうオラストロ、二度と行かないが忘れないよ。
「それで今は冒険者をしているってことなんですか?」
「その姿は剣士ですよね」
俺は今、剣士の服を着ている。武器は片手剣、防具は皮の鎧で少年と一緒だ。流石に魔法使いですって言ってさっきのゴブリンを倒した腕前を誤魔化すのは無理がありそうだったからね。それに剣士の方がカッコいいしな。
「俺はオッズです。こっちはアイサ」
「改めてありがとうございました」
「いやいや、礼はいらないよ。俺はタツミっていうんだよろしく」
改めて俺たちは自己紹介をした。二人の哀れんだ眼が消えないのはオラストロの評判のせいだろうか?
「俺達はこの山を越えた先の街、アリプソの冒険者ギルドから依頼を受けてきたんですけど一緒にきますか?」
「俺もその街に行こうと思ってここを通ったら君たちに会ったんだよ」
「よかった。オッズと二人きりだとまたさっきみたいなことになりかねないもん」
確かにゴブリンという最弱だと思われる魔物でも徒党を組まれたら危ないだろう。ましてや二人でこんな森に入ってしまったら戦いようがないしな。それも片方は火魔法で火事になったらますます危ない。
「今度はあんなへましないさ。それに結果オーライ、討伐目標の二倍以上だぜ」
「って言っても報酬は少ないけどね」
「まあな。ゴブリンの報酬なんてたかが知れてるし」
二人は大きくため息をついている。初心者の俺でも数匹一気に倒せるほどの魔物だ。安いに決まっている。
「まあそれでも、俺達にとっては大事な収入源だけどね」
「タツミさんは取らないんですか?」
「え?何を?」
「ゴブリンの耳ですよ。討伐証明になるんですけど・・」
まじか、この世界はカードに記録されるとかそういった機能はないのか?っていうか冒険者カードなんてあるのかな?
「おいおい、タツミさんは元騎士隊長なんだぞ。俺達とは財布事情が違うって」
「それもそうね」
上流階級だと思われているようだがお金というものは持っていない。街についても金がなかったらやばいよな。この服脱いで売れないかな?そうすればいくらでも金になるのに。
「そんなことよりも早くいこう。山の休憩所には夜になる前に着きたい」
「そうだね。夜の森は危ないもんね」
二人が早歩きになり山の街道を歩いて行く。目的地は同じ、即席パーティーの出来上がりだ。前衛二人と攻撃魔法使い一人のちょっとバランス悪いパーティーだけどな。
山の勾配が急になってくると日光の紅葉坂のようにクネクネし始めた。
山の高さは800メートルくらいと少し大きい気がするがステータスがアップしているおかげで元の世界の貧弱な青年はもういない。今やガチムチといっても過言ではないはずだ。見た目は変わらんけど。
それにゴブリンを倒したことでレベルが上がっていた。
釘宮 巽(クギミヤ タツミ)
職業 剣士
レベル 3
HP 370
MP 130
STR 70
VIT 70
DEX 65
AGI 60
INT 55
MND 55
スキル
服模写
[オラストロ正式鎧][オラストロ騎士隊長の服][料理人エプロン付き][農民の服][大工の服][NEW 剣士の服][NEW 火魔法使いの服][NEWゴブリンの着ぐるみ]
服活用術(極)
十匹のゴブリンで3レベルまで上がり更に衣装のボーナスでステータスが上がっていく。大きく変わったのはMPだな。魔法職の服をゲットしたから大きく変わっている。
他の数値はそれほどかわっていないのを見るとレベルアップの恩恵はそれほどこの世界では大きくないのかもしれない。
まあ、普通に考えてレベル上がったからって人が木よりも高く飛べるようになったりとかしたらおかしいもんな。ここは現実の世界なんだから。
ステータスを見てみておかしい事がもう一つある。それはゴブリンの着ぐるみだ。確かに触ったがなんで着ぐるみがゲットできているんだ?魔物を触ると着ぐるみになるのか・・・改めておかしな能力だと思う出来事である。
「いえいえ、偶々通りかかっただけですよ」
そういって目的通り二人と握手を交わした。あとでステータスを見るのが楽しみだ。
「オラストロ騎士隊長のあなたがなんでこんな所に?」
「え?ああ。そうか。ちょっと待ってね」
騎士隊長の服を着ているせいでオラストロの人間だと思われてしまっているようだ。戦闘になるもんだから騎士隊長の服で戦ったからしょうがないよな。早速、手に入れた服を着るために木陰に隠れる。
スキル、服模写の欄にしっかりと二人の職業の服が出ている。思った通り、剣士という前衛職と火魔法使いの服が追加されている。
この世界の魔法使いは属性で職が分かれているようだ。火魔法使いが森の中で魔法使ったら大変なことになりそうだな。水魔法も早くほしい所だ。
「おまたせ」
「わざわざ着替えたんですか?」
「あなたは何者なんです?」
わざわざ着替えに隠れたことで彼らに怪しまれてしまった。確かに怪しいもんな。
「実はオラストロで失敗してしまってね。その罪で首が飛びそうだったから逃げてきたんだよ。黙っててくれるかな?」
オラストロの騎士達の話にこんな感じの話があったんだが、通用するかな?
「・・・そうだったんですね」
「騎士隊長をやっていても、一回の失敗で処罰されるなんて、やっぱりオラストロは嫌な国ですね」
騎士たちとの野営の時に聞いた話を元に嘘の話を作ったら二人は見事に騙されてくれた。これもオラストロが碌でもない国だったおかげだ。ありがとうオラストロ、二度と行かないが忘れないよ。
「それで今は冒険者をしているってことなんですか?」
「その姿は剣士ですよね」
俺は今、剣士の服を着ている。武器は片手剣、防具は皮の鎧で少年と一緒だ。流石に魔法使いですって言ってさっきのゴブリンを倒した腕前を誤魔化すのは無理がありそうだったからね。それに剣士の方がカッコいいしな。
「俺はオッズです。こっちはアイサ」
「改めてありがとうございました」
「いやいや、礼はいらないよ。俺はタツミっていうんだよろしく」
改めて俺たちは自己紹介をした。二人の哀れんだ眼が消えないのはオラストロの評判のせいだろうか?
「俺達はこの山を越えた先の街、アリプソの冒険者ギルドから依頼を受けてきたんですけど一緒にきますか?」
「俺もその街に行こうと思ってここを通ったら君たちに会ったんだよ」
「よかった。オッズと二人きりだとまたさっきみたいなことになりかねないもん」
確かにゴブリンという最弱だと思われる魔物でも徒党を組まれたら危ないだろう。ましてや二人でこんな森に入ってしまったら戦いようがないしな。それも片方は火魔法で火事になったらますます危ない。
「今度はあんなへましないさ。それに結果オーライ、討伐目標の二倍以上だぜ」
「って言っても報酬は少ないけどね」
「まあな。ゴブリンの報酬なんてたかが知れてるし」
二人は大きくため息をついている。初心者の俺でも数匹一気に倒せるほどの魔物だ。安いに決まっている。
「まあそれでも、俺達にとっては大事な収入源だけどね」
「タツミさんは取らないんですか?」
「え?何を?」
「ゴブリンの耳ですよ。討伐証明になるんですけど・・」
まじか、この世界はカードに記録されるとかそういった機能はないのか?っていうか冒険者カードなんてあるのかな?
「おいおい、タツミさんは元騎士隊長なんだぞ。俺達とは財布事情が違うって」
「それもそうね」
上流階級だと思われているようだがお金というものは持っていない。街についても金がなかったらやばいよな。この服脱いで売れないかな?そうすればいくらでも金になるのに。
「そんなことよりも早くいこう。山の休憩所には夜になる前に着きたい」
「そうだね。夜の森は危ないもんね」
二人が早歩きになり山の街道を歩いて行く。目的地は同じ、即席パーティーの出来上がりだ。前衛二人と攻撃魔法使い一人のちょっとバランス悪いパーティーだけどな。
山の勾配が急になってくると日光の紅葉坂のようにクネクネし始めた。
山の高さは800メートルくらいと少し大きい気がするがステータスがアップしているおかげで元の世界の貧弱な青年はもういない。今やガチムチといっても過言ではないはずだ。見た目は変わらんけど。
それにゴブリンを倒したことでレベルが上がっていた。
釘宮 巽(クギミヤ タツミ)
職業 剣士
レベル 3
HP 370
MP 130
STR 70
VIT 70
DEX 65
AGI 60
INT 55
MND 55
スキル
服模写
[オラストロ正式鎧][オラストロ騎士隊長の服][料理人エプロン付き][農民の服][大工の服][NEW 剣士の服][NEW 火魔法使いの服][NEWゴブリンの着ぐるみ]
服活用術(極)
十匹のゴブリンで3レベルまで上がり更に衣装のボーナスでステータスが上がっていく。大きく変わったのはMPだな。魔法職の服をゲットしたから大きく変わっている。
他の数値はそれほどかわっていないのを見るとレベルアップの恩恵はそれほどこの世界では大きくないのかもしれない。
まあ、普通に考えてレベル上がったからって人が木よりも高く飛べるようになったりとかしたらおかしいもんな。ここは現実の世界なんだから。
ステータスを見てみておかしい事がもう一つある。それはゴブリンの着ぐるみだ。確かに触ったがなんで着ぐるみがゲットできているんだ?魔物を触ると着ぐるみになるのか・・・改めておかしな能力だと思う出来事である。
20
お気に入りに追加
865
あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる