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第八章 倍倍
第二十二話 天国?
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ここは何処だろう。
神界のように真っ白な空間。でもそこには僕しかいない、前世の時に死んでニーブガウスに転生した時はアステラ様がいたはずなんだけど。
「これはこれはジーニ様、来ましたね」
「ダインズ!」
ダインズがいるという事は...やっぱり。
「僕は死んでしまったんだね」
「そのようですね。でも寂しくないでしょ、私もいるしそれにニーブガウスも滅びるのですから、皆さんもすぐに来ますよ」
ダインズは自慢気に話す。それを聞いて僕はニヤッとして自慢げに話し返した。
「大丈夫だもんね。核の衰退は僕のマナで賄ったからね。残念でした!!」
「ええ! そんな馬鹿な!」
ダインズは面白いほど狼狽えた。こんな姿見られるのも最後かな。
「でも、ダインズも頑張ったんじゃないかな? 生まれ変わったら幸せになるんだよ」
「いわれなくてもそうしますが……ですが残念です。私は生まれ変われないようですね」
真っ白だった空間に黒い穴が現れてダインズへと手が伸びた。ダインズは観念したようにされるがままになっている。
「ではジーニ様。生まれ変わっても私の事は忘れないでくださいね。あなたとの戦いは私の一番の宝物でした」
「ダインズ!」
ダインズは微笑んで消えていく。あれは死神のようなものなのだろうか。僕も人を殺めている。もしかしたら僕も...。
「ダ~ダ~!」
幼児の声が聞こえてきた。とうとう迎えが来たんだと思って声の聞こえた天を見た。そこにはまだお腹の中にいるような胎児が浮いていた。
「君は誰?」
「ダ~ダ~!」
「え?」
胎児は言葉を話せないけどなんとなく言葉が伝わってくる。念話とは違う対話を胎児は求めてきた。
「ダダダ?」
「え? 生きたいかって?。そりゃ折角世界を救ったのに死んじゃう何てやだよ。だけど死んでしまったんだから……」
僕は俯いて涙を零す。胎児は僕に近づいて涙を掬った、掬った涙を胎児は口に運ぶ。
「ダ~ア~」
「しょっぱいね。そうだよ涙はしょっぱいんだ。何だか君を知っているような気がするけど知り合いなのかな」
すると胎児は微笑んで僕に抱きついた。
(お兄ちゃん、まだ会えなかったけど必ず会えるから待っていてね)
「え! 君は誰なの!」
(私の名前はまだないんだ。生まれて来るまでに可愛い名前を考えておいてね。お兄ちゃん!)
真っ白な空間が遠ざかっていき僕は目を瞑った。
そして、僕の頬に暖かくて柔らかい感触が……
「ジーニ様。ジーニ様~~!!」
「ん、やっぱり生き返った私はわかってたんだから....ジーニ様~」
目を開けるとシリカさんがキスをしていた。すぐに僕の目が覚めた事に気が付いてシリカさんとララさんが僕を抱きしめてくれた。
僕は自分の胸を確認する。痛々しい傷跡があるけど塞がっている。どうやら僕は生き返れたみたい。
「うう、うわ~ん! シリカさんララさん僕は生き返れたんだね!」
僕は号泣する。二人に抱きついてなおも僕は泣きだした。こんなに泣いたのは生まれた時以来だ。
「ジーニ様は生まれた時に泣くんですね」
「ん、ジーニ様は特別だから」
優しく僕の頭を撫でる二人、二人から特別暖かい感情が流れてきて僕は安心しちゃった。そのまま泣き疲れて眠っちゃったんだ。
「ふふ、世界の平和を守って疲れちゃったのね。シャイン!」
「わかっている。この位は干渉していいだろう」
シャインとアステラは三人をアステリアの屋敷へ送った。体現した二人は自分達の周りをマナで抑え込んでいる。これも長く続かないのですぐに戻る予定だ。
「ではシリカ、ララ、お幸せに。ジーニにはあとでお礼を言うけどありがとうって言っておいて」
「私からもありがとうといっておいてくれ。あとシリカ、アステラを守ろうとしてくれてありがとう。君は地上の女神だ」
アステラとシャインはそう言って空へと帰っていった。
「ん、結構シャイン様はナンパ」
「こら、ララ、神様にそんな事言っちゃいけません。それにあれはアステラ様を助けたお礼を言っただけよ」
「ん、シリカは鈍感」
ララにからかわれて頬を赤くするシリカ、シャインは本当に女神と思って話したのだがシリカはそれをお世辞と取ったようだ。
「ん、戦場はどうなったのかな?」
「あなた達いつの間に帰ってきたの? それにジーニ!」
メリアが騒がしくなったリビングに降りてきた。ジーニが眠っているのを見て驚いている。
「メリア様ジーニ様は生き返ったばかりで...ってメリア様お腹が小さく...まさか」
「ん? ふふ、違うわよ。流れてしまったわけではないわ。理由はわからないけどまだ生まれてこれない見たいなの。でもまたすぐに大きくなるわ、ってこの子が言っていたから」
メリア様は微笑んでお腹を擦った。ジーニを助けた、あの胎児はメリアのお腹の子供だったのだ。ジーニの妹になる予定だったあの子はスキルによってジーニを救った。一度だけ誰かの命を助けることができるという蘇生スキル。胎児は無理してスキルを発動させた為また小さくなってしまった。生まれるのは一年以上かかるだろう。
「それよりもジーニを寝室へ」
「そうですね。ジーニ様も疲れているようですし」
「ん、私も疲れた」
「ふふ、二人共そのまま一緒に寝ちゃいなさい。あとは私とみんなでやっておくから」
「すみません。今回はお言葉に甘えさせていただきます」
ジーニを抱き上げて二階のジーニの自室に向かう。そのままシリカとララは一緒に眠りにつく。ジーニは泣き疲れた体を二人に癒されて生き返っていく。
(ジーニお兄ちゃんお帰りなさい)
そんな小さな言葉が聞こえたような気がした。
神界のように真っ白な空間。でもそこには僕しかいない、前世の時に死んでニーブガウスに転生した時はアステラ様がいたはずなんだけど。
「これはこれはジーニ様、来ましたね」
「ダインズ!」
ダインズがいるという事は...やっぱり。
「僕は死んでしまったんだね」
「そのようですね。でも寂しくないでしょ、私もいるしそれにニーブガウスも滅びるのですから、皆さんもすぐに来ますよ」
ダインズは自慢気に話す。それを聞いて僕はニヤッとして自慢げに話し返した。
「大丈夫だもんね。核の衰退は僕のマナで賄ったからね。残念でした!!」
「ええ! そんな馬鹿な!」
ダインズは面白いほど狼狽えた。こんな姿見られるのも最後かな。
「でも、ダインズも頑張ったんじゃないかな? 生まれ変わったら幸せになるんだよ」
「いわれなくてもそうしますが……ですが残念です。私は生まれ変われないようですね」
真っ白だった空間に黒い穴が現れてダインズへと手が伸びた。ダインズは観念したようにされるがままになっている。
「ではジーニ様。生まれ変わっても私の事は忘れないでくださいね。あなたとの戦いは私の一番の宝物でした」
「ダインズ!」
ダインズは微笑んで消えていく。あれは死神のようなものなのだろうか。僕も人を殺めている。もしかしたら僕も...。
「ダ~ダ~!」
幼児の声が聞こえてきた。とうとう迎えが来たんだと思って声の聞こえた天を見た。そこにはまだお腹の中にいるような胎児が浮いていた。
「君は誰?」
「ダ~ダ~!」
「え?」
胎児は言葉を話せないけどなんとなく言葉が伝わってくる。念話とは違う対話を胎児は求めてきた。
「ダダダ?」
「え? 生きたいかって?。そりゃ折角世界を救ったのに死んじゃう何てやだよ。だけど死んでしまったんだから……」
僕は俯いて涙を零す。胎児は僕に近づいて涙を掬った、掬った涙を胎児は口に運ぶ。
「ダ~ア~」
「しょっぱいね。そうだよ涙はしょっぱいんだ。何だか君を知っているような気がするけど知り合いなのかな」
すると胎児は微笑んで僕に抱きついた。
(お兄ちゃん、まだ会えなかったけど必ず会えるから待っていてね)
「え! 君は誰なの!」
(私の名前はまだないんだ。生まれて来るまでに可愛い名前を考えておいてね。お兄ちゃん!)
真っ白な空間が遠ざかっていき僕は目を瞑った。
そして、僕の頬に暖かくて柔らかい感触が……
「ジーニ様。ジーニ様~~!!」
「ん、やっぱり生き返った私はわかってたんだから....ジーニ様~」
目を開けるとシリカさんがキスをしていた。すぐに僕の目が覚めた事に気が付いてシリカさんとララさんが僕を抱きしめてくれた。
僕は自分の胸を確認する。痛々しい傷跡があるけど塞がっている。どうやら僕は生き返れたみたい。
「うう、うわ~ん! シリカさんララさん僕は生き返れたんだね!」
僕は号泣する。二人に抱きついてなおも僕は泣きだした。こんなに泣いたのは生まれた時以来だ。
「ジーニ様は生まれた時に泣くんですね」
「ん、ジーニ様は特別だから」
優しく僕の頭を撫でる二人、二人から特別暖かい感情が流れてきて僕は安心しちゃった。そのまま泣き疲れて眠っちゃったんだ。
「ふふ、世界の平和を守って疲れちゃったのね。シャイン!」
「わかっている。この位は干渉していいだろう」
シャインとアステラは三人をアステリアの屋敷へ送った。体現した二人は自分達の周りをマナで抑え込んでいる。これも長く続かないのですぐに戻る予定だ。
「ではシリカ、ララ、お幸せに。ジーニにはあとでお礼を言うけどありがとうって言っておいて」
「私からもありがとうといっておいてくれ。あとシリカ、アステラを守ろうとしてくれてありがとう。君は地上の女神だ」
アステラとシャインはそう言って空へと帰っていった。
「ん、結構シャイン様はナンパ」
「こら、ララ、神様にそんな事言っちゃいけません。それにあれはアステラ様を助けたお礼を言っただけよ」
「ん、シリカは鈍感」
ララにからかわれて頬を赤くするシリカ、シャインは本当に女神と思って話したのだがシリカはそれをお世辞と取ったようだ。
「ん、戦場はどうなったのかな?」
「あなた達いつの間に帰ってきたの? それにジーニ!」
メリアが騒がしくなったリビングに降りてきた。ジーニが眠っているのを見て驚いている。
「メリア様ジーニ様は生き返ったばかりで...ってメリア様お腹が小さく...まさか」
「ん? ふふ、違うわよ。流れてしまったわけではないわ。理由はわからないけどまだ生まれてこれない見たいなの。でもまたすぐに大きくなるわ、ってこの子が言っていたから」
メリア様は微笑んでお腹を擦った。ジーニを助けた、あの胎児はメリアのお腹の子供だったのだ。ジーニの妹になる予定だったあの子はスキルによってジーニを救った。一度だけ誰かの命を助けることができるという蘇生スキル。胎児は無理してスキルを発動させた為また小さくなってしまった。生まれるのは一年以上かかるだろう。
「それよりもジーニを寝室へ」
「そうですね。ジーニ様も疲れているようですし」
「ん、私も疲れた」
「ふふ、二人共そのまま一緒に寝ちゃいなさい。あとは私とみんなでやっておくから」
「すみません。今回はお言葉に甘えさせていただきます」
ジーニを抱き上げて二階のジーニの自室に向かう。そのままシリカとララは一緒に眠りにつく。ジーニは泣き疲れた体を二人に癒されて生き返っていく。
(ジーニお兄ちゃんお帰りなさい)
そんな小さな言葉が聞こえたような気がした。
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