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第七章 異変

第八話 亀?

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「ジーニ本当にいいのか?」

 僕らは5階の魔物を倒して作りが前の階と一緒の穴を降りてる。

 タスク君は5階の魔物、グリードを倒してドロップした剣について話てる。

 ガリアさんが言うには魔剣グリードって言うらしいんだけど相当な業物みたい、だけど僕は使う予定ないし、ライは天雷の剣がある。いらないよね。

「これをベントスに持ち帰ると間違いなくベントスで一番の剣になりますよ」

 ガリアさんは若干呆れて僕に言ってきた。それなら黙って持っていけばいいのに、とか思ってるとタスク君が魔剣グリードを僕に押し付けてきた。

「やっぱりもらえねえよ。返す!!」
「ええ~」

 タスク君は怖くなったのか僕に返したいみたいだけど僕はうなだれた。だって僕が使うと剣が持たないんだもん。折角の業物が粉々になる姿は見たくないでしょ~。

「ジーニなら何とかなるだろ!」
「天然なのですから!」

 ちょっと二人共、僕を何だと思ってるの?何でも出来るわけじゃないよ...たぶん。ってかガリアさん天然を何だと思ってるの、って僕は天然じゃないよ!。

 仕方なく僕は魔剣グリードを受け取ってアイテムバックへ、天雷の剣が無くなってるからだいぶ空きがあるんだよね。まあビシャス先生のポーションがいくらか入ってるけどね、ムフフ。

「仕方ないな....剣の使い方、工夫しないとな~」
「ジーニなら大丈夫だよ」

 タスク君が自信満々に言うけど僕は壊す自信しかありません。

「それにしてもまだ部屋につきませんね」

 僕たちは話しながら下ってきてるんだけど一向に部屋につかない。

「5階で終わりのはずなのですが...」
「5階で終わりじゃないと何かある?」

 ガリアさんは凄く心配そうにしてる。僕は疑問に思った事をガリアさんに問いかけるとガリアさんは首を傾げる。

「私もわかりません。ですが伝承や物語では1階から5階までの魔窟しか話されていません」

 ガリアさんがそう話すとタスク君も頷いてる。

 どうやら初めての事かもしれない。

「やはり噴水の部屋ですね...」

 6階が存在したみたいです。上の階と同じように扉一つの噴水のある部屋。

 僕らは慣れたように鍵を探す。

「上と同じように鍵はないようですね」
「このシステムは何なんだろ?」

 仕方なく僕は扉を破る。

 5階と同じような広い部屋になってる。5階の魔物が+Sランクとするとここは++Sランクになるはずなので二人にはここでじっとしてもらおう。

「二人共今度は何があっても入って来ないでね」

 僕の言葉に二人は頷いた。上の階では怖い思いをしたから素直になってる。だけどガリアさんは大人なんだから僕みたいな子供に任せちゃダメな気がする。

「ジーニは子供じゃない子供じゃない」

 なんか聞こえてくるけど気のせいだよね。

 ガリアさんは子供に任せるのも気が引けてついて来てるわけだけど何だか諦めてるみたい。僕は大人だから聞こえないふりします、偉いでしょ?。

 僕が部屋に入り奥に進んでいくともっと奥の天井から亀のような魔物が現れた。

「あれは...やはりレジー、ジーニ、あれはレジーです。グリードと同じSランクの魔物です。こちらは物語で伝えられている魔物です」

 解説ありがとうございますガリアさん。

 亀型の魔物、レジーは天井から降りた位置から動かない。

「早速魔剣グリードを使ってみようかな」

 魔剣というだけあって真っ黒な波動をまき散らしてるグリード。

「ちょっと試し切り」

 ヒュ!

 壁をちょっとなぞると手ごたえがない。僕は切れているのかわからなかったので壁を触る。

「...わからない」

 壁なので触っても凹凸がついているわけではないので分からない。なのでもう一度同じところを今度はクリンッと掬うように切ってみる。

「わ~プリンみたいに抵抗なく切れてる」

 掬うように切った事で壁が円筒状にえぐれました。断面はとても滑らかでメタリックカラーみたいに光沢がある。これなら切ったばかりの大根みたいに張り付きそうです。

「ってまさかね....って元に戻った!!」

 居合の達人みたいなことやれて僕は感激してしまいました。

「ジーニ!レジーがこっちに気付いたみたいだぞ!」

 そんなことやってたら亀さんに気付かれました。亀って遅いイメージあったけど四足で器用に走ってきてる。グリードほどの速度はないものの自重があるのか地面をいちいちへこませて走ってきてる。

「ちょっと試しに、[エアー]」

 初級風魔法の[エアー]を放つ。僕の[エアー]は竜巻のような威力になってレジーに衝突した。

 レジーは微動だにせず僕に直進してくる。

「流石、伝説の魔物だね。じゃあ切っちゃうよ~」

 魔剣グリードを構えながら[マナソード]を左右に二本召喚、牽制で[マナソード]をレジーの二本の前足へと突き刺す。

 レジーは獣の鳴き声を響かせる。咆哮と思われるそれはガリアさんとタスク君を麻痺らせたけど僕には効かなかった。

「魔剣グリードにマナを纏わせてっと。[ダークスラッシュ]!」

 元々黒いマナを纏っていた魔剣が僕のマナを受けて禍々しさをました、そのマナは僕の一振りで斬撃となりレジーの甲羅を粉砕した。


 
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