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第六章 学園都市ブラウディア

第四十六話 ナイトフォレスト

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「お前はあの時の小さき人間か・・・」

 一番大きなトレント、エルダートレントの前についた僕は大きなトレントの体を見上げて話しかけた。

「大丈夫だった?空にドラゴンがいたよ」
「ああ、急にドラゴンどもが森を燃やしだしたのだ。奴らは森に降りずに攻撃してきてな。儂の事を恐れたのだろう」

 あ~そう言えばドラゴンにも勝つとか言ってたっけ。でもトレントは飛べないから空から炎を放ってたんだね。ドラゴンってもっと堂々としたものだと思ってたけどがっかりです。

「ドラゴンさん達とお話ししたんだけどトレントがドラゴンの子供を攫ったって言ってるんだ。何かわからないかな?」
「そんな事を言っておるのか・・・ドラゴンの子供を儂らが攫って何になるんじゃ!」

 エルダートレントはとてもご立腹、地面を枝で打ちつけて憤りをあらわにしてる。

「さっきの雨もジーニがやってくれたのだろう。すまないな。何度も同胞を救ってくれてありがとう」

 エルダートレントは初めて僕の名前を呼んでくれた。何だか嬉しくなって頬を緩めるとエルダートレントも枝で顔を掻いてる、たぶん照れてるんだね。

「子供はここにいるのかな?」
「うむ、ドラゴン達も馬鹿ではないはず、奴らは匂いに敏感だ。たぶん子供かそういう匂いのするものがあるのかもしれん」

 う~んこんな暗いんじゃ神眼でも見にくいしな~。ドラゴンの一人に協力してもらおうかな。

「じゃあドラゴンさん達に協力を求めてくるよ」
「同胞たちには手を出さないように言っておくが気をつけてくれ。中には傷ついたものもおる」
「うん、大丈夫だよ。ドラゴン達も自分達が利用された事に感づいたみたいだから。じゃあ行ってくるね」

 僕はそう言ってすぐに上昇していく。





 上昇した僕はすぐにドラゴン達に囲まれる。たぶんさっきの報復をしようとしているのかも。

「人間、さっきは油断した同胞を傷つけてくれたな。覚悟しろ」
「無駄に傷つきたいんだね。いいよ。気がすむまで相手してあげるよ」

 5匹程のドラゴンが僕の殺気に反応して炎を吐いてきた。もうそこに僕はいないので炎同士がぶつかり合って相殺しあってた。

「[マナランス]」

 僕は半透明なランスを5本生成、あの口が悪いんだと思ったので全員の口を串刺しにしてやります。

「気をつけろ。何か出したぞ」

 ドラゴン達は警戒してるけどもう遅いよ。

 僕は手で合図をすると[マナランス]がドラゴンの口を上や下から串刺しにした。ドラゴン達は抜こうともがくんだけど全然抜けません。

「すまん、人間。我は止めたのだが」
「君は話が分かりそうだね。ちょっと聞いてくれる?」

 最初に僕に話しかけてきたドラゴンに子供の匂いか子供自体の捜索を手伝うように言うと快く承諾してくれた。なので牙を全部抜いたドラゴンや串刺しにしたドラゴン達の傷を癒してあげると全員僕から距離を取って怯えてる。

「折角ドラゴンの背に乗れると思ったのにこれじゃダメそうだな~」
「すまんな。俺もまだお前を信じたわけじゃない。背は任せられん今はな。では行こうか」

 僕は聞き分けのいい、このドラゴンさんと降りていく。

 今はって言ったけど期待しちゃうな~。

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