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第六章 学園都市ブラウディア

第十八話 初授業

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 お姉さんが襲撃に来て次の日、僕は朝起きてすぐに学園へと登校。

 学校何て久しぶりだから何だかウキウキ~。

「ジーニちゃん嬉しそう~」
「そりゃ、みんなと友達になれるんだもん楽しみで楽しみで少し眠れなかったけどウキウキだよ」

 僕はフローラちゃんと手をつなぐながら学園へと歩いて行く。その姿をすれ違いに見ていた人達はみんな頬を緩ませてる。可愛いって罪だよね。

 僕らが歩いて通っていると大半の子供達は馬車で通っているのが分かった。でも僕は馬車は使わないよ。この景色が馬車の内装になっちゃうのは勿体ないもん。

 ブラウディアはとっても景観を大切にしてるみたい。建物の高さは決められてるみたいで全部2階までと決められてる。

 中央の学園だけ背が高いから際立つね。

 朝日を浴びる学園はとても煌びやかでとっても綺麗。

 僕らはそんな事を思いながら学園へと到着。学園の門の前に着くとみんな僕たちを見てヒソヒソと内緒話を始めた。

「あれ?何だか警戒されてる?」
「え~そうなの?。そんなの良いから早くSの部屋に行こうよ~」

 そんなことを気にしないフローラちゃんに引っ張られてSランクの部屋へと駆けていった。







 Sランクの部屋に着くとすでにルクス君がいて、僕はルクス君に駆け寄る。

「ルクス君おはよ~。あの後大丈夫だった?」

 僕は元気よくルクス君に挨拶するとルクス君は不機嫌な顔で手をあげたのみ。だけど何だか頬が赤くなってる。

「ちょっと元気ないね。本当に大丈夫?」
「うるさい、嫌味なのか?。お前の攻撃なんか全然きいてなかったんだからな」

 え~急に怒り出した~。何々、反抗期なのかな?。お父さんとお話しできないから僕に反抗してるのかな?。っていうか攻撃はしてないんだよね。避けてルクス君の顔をお腹にうずめただけなんだけどな~。

 改めて僕の[ヒーリングプニプニ]の素晴らしさがわかるよね。

「ジーニちゃん!そんな人の事は良いからあっちに座ろうよ」
「あう~、じゃあまたね。ルクスく~ん」
「チィ!」

 あ~ルクス君が不貞腐れちゃった。結構いい子だと思うから仲良くしたいんだけどな~。

 教室はテストで使われた部屋と同じで先生を見下ろす形に扇に広がっている。僕とフローラちゃんは一番後ろの端の席に座った。ちなみに自由席みたいで何だか大学みたい。

「よ~し、みんな来たな~。俺はこのSランクを担当する。ヘラクレスだ。よろしくな」

 どっかで見たことある人だと思ったら先生は何とアリーナで子供達を守ってた先生だった。名前はヘラクレスって言うんだね。何だか強そう。

「では授業を始める。俺は見ての通りだからまずは体の仕組みについてだ。おっと嫌そうな顔をするなよ。魔法も大事だがどこを強化すれば一番戦闘に有利かを理解する事も大切だぞ。体全部を強化するのもいいがMP消費は激しい。部分的に強化すれば全体を強化するよりだいぶMP消費を抑えられる。そう言う事もあるという事を理解する事は大切だぞ。特に君達Sランクの戦闘とは長期戦になりやすいしな」

 ヘラクレス先生はそう言って筋肉の標本を魔法の黒板に魔法で書いて行く。何とこの黒板魔法で書くことが出来るみたい。どんな仕組み何だろう、本当に学園に来てから不思議空間がいっぱいでとっても楽しい。

 ヘラクレス先生は知っていて損はないって言ってたけどあれはただ先生が言いたいだけだ。

「どうだこの腹直筋は~ガ~ッハッハッハッハ」

 上半身裸で笑ってる先生は嬉しそうにポーズを決めていく。確かにシュワシュワネッガーのような筋肉だけど現役時代のシュワシュワネッガーよりは劣る、流石シュワシュワネッガー、改めてあの人の素晴らしさがわかった。

 終始筋肉の話をしていた先生は次の先生が来るまでポーズを決めていて。何とも実のない話だった。前世の知識がある僕にはとても退屈だった。

 次に入ってきた女の先生は魔法のテストの時の先生だった。

「は~、ヘラクレス先生はまた筋肉についてですか。飽きませんね。皆さん私はビシャスと言います。これから皆さんの魔法の授業を担当しますのでよろしくお願いいたします」

 やっとまともな授業が出来ると思いましたがそれは間違いでした。

「ふっふっふ、どうですかーこの匂い最高でしょ~」

 ビシャス先生はメガネを曇らせて不敵な笑顔で語る。僕らは子供なので恐怖しかなかった。まともに魔法を語ってくれるのだろうか?。

「皆さん、これは魔法の授業です。ただのお料理ではありません。ですのでこれをジーニ君!飲んでください」
「ええ~~!!」

 ビシャス先生に急に指名された僕は驚き立ち上がる。僕は他のクラスメイトを見やるがみんな目を合わせてくれない。僕は生贄に決まったようだ。

「ほらほら、早くこっちにきなさい。あ、壁は壊さないでね」

 先生にそんな事言われて僕は照れて頬を赤く染めた。先生に褒めてないって言われた、恥ずかしい。

「じゃあこれよ。ささ!飲んで飲んで」

 そんな飲み屋みたいな掛け声かけられてもこんな真っ黒な飲み物も見たくないよ~。

 ビシャス先生から受け取ったコップを覗くとそこには漆黒の液体が。こんなに黒い物って墨汁しか想像できないよ。

「大丈夫よ味は美味しいんだから」
「嘘だよ。絶対美味しくないよ」
「先生が嘘言うわけないじゃないの。騙されたと思ってほらっグビって」
「あう。そんな無理やり~あう~」

 ビシャス先生にコップを持たれて無理やり押し付けてきた。僕は抵抗虚しく口の漆黒の液体が。

 口の中を液体が蠢いて行く。生き物だったのかなと思わせるほど動いてる~。だけど味は確かに美味しい。

 メロンになったりソーダになったり、色々な味が入れかわる。何だか懐かしい味に僕は頬を緩ませる。

「美味しいでしょー。これは私が作ったポーションなのよ。色は悪いけど効果もとっても凄いの。何とハイパワーポーションの実に二倍の効果なのよ」

 ビシャス先生はテンション高く自分の作った物の宣伝を話す。なるほど貴族様の子供に売り込んで広めようとしているのか。姿に似合わず腹黒い先生だ。

「せんせ~、マナポーションはないんですか?」
「ふっふっふ。そう言われると思ってそっちも持ってきたわ。はい、ジーニ君」
「ええ~また飲むんですか?」

 何で僕が実験に付き合わないといけないのん。でも先生の血走った目が怖いので飲みます。

「ゴクゴク.....美味しい」
「でしょでしょ~...ってジーニ君、頭」

 先生が僕の頭を指さすと何とそこには。

「狐の耳だ~。ジーニちゃん可愛い~~」
「ええ~」

 何とも不思議な事に僕の頭に獣人さん達のような耳が、獣人さんは好きだけどなりたいと思ったわけじゃなくてモフモフしたいんだよ~、されたいわけじゃないんだよ~...でもされてもいいかも。

 そんな心の声を知ってか知らずかフローラちゃんに耳をモフモフされてます。感覚も敏感みたいでこそばゆい。

「これは売れるわ。娼婦とか貴族に売れるわ」

 先生が黒い顔になって呟いてる。まともな先生がいないよ~。
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