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第五章 兄妹の絆

第二十六話 ジャンヌ必殺の

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 アルデバランとアダマイオスは幾重の拳を交えた後、力比べを始める。体重差で圧倒的に不利と思われたアルデバランだったんだけどなんと押し返してる。

「私は負けない!マスタージーニの為に!!」

 アルデバランが燃えてる。比喩じゃなくてまんま炎に包まれてる。

 アルデバランは青い炎に包まれてアダマイオスに力で勝っていく。アダマイオスはエビぞりになっていきそのまま腰が折れて上半身と下半身に分かれていく。

「勝った!」
「まだまだ、ここからだよ」

 私がアルデバランに油断をしないようにと言い聞かせていると案の定アダマイオスが二体の魔物になっていった。

 上半身はちぎれた胴体から目玉を出しギョロギョロと獲物を探してる。下半身も千切れた部位から大きな目玉が出てきて立ち上がった。

「バブブ!」
「え?」

 レイが何か叫んでる。どうやら結界が使えないみたい。というより魔法の類いが使えないようだ。

「早速対策してきたのね。ライ、今はお願い。私も何とかするから」
「バブ!!」

 レイと私で魔法の使える距離を調べる。その間アルデバランとライにアダマイオスから分離した二体の魔物の相手をしてもらう。

 ライが下半身の魔物を切りつけると両断した先から魔物になっていき。数が増えていくばかりだ。だがライも考えなしに行動しているわけではない。

「バブブ!!」

 ライの[スラッシュストーム]が炸裂すると小さい魔物が木っ端みじんになっていきライはそれを更に剣による風圧で宙に浮かせると[スパイラルブリット]を放ち塵に変えた。

 流石にここまで細かくすると再生は出来ないようだ。ライは手ごたえを感じて天雷の剣を見つめる。

「(我が主の弟、ライ様。あなた様は誰よりも剣に愛されています。どうかわたしを信じてオークキングの元へ向かってください)」
「バブ?」

 ライに天雷の剣が話しかけている。どうやらオークキングの元に行ってほしいみたいだ。だがまだアダマイオスの下半身は半分以上残ってる。

「(それはまやかしのような物です。いくら壊しても再生を繰り返すだけ。どうかわたしを信じてください)」
「バブ!」

 ライは天雷の剣に親指を立てる。ライは一時戦線を離脱していく。だがその行く先を見ていたオークレが焦りを見せて追いかけようとアダマイオスから顔をだした。

「あの子、何故あんな方角へ?、....ってあっちにはあれがあるじゃないの!!。こうしちゃいられないわ。早く追いかけなくちゃ!!」
「何でそんなに焦っているの?」
 
 オークレはギョっとして反応が遅れた。オークレの顔に蹴りが加えられてアルデバランと戦っていた上半身から抜け出る。転げまわった先でジャンヌはオークレの前で光と闇の剣を構えた。

「なんてことするのよ。私の顔に蹴りを入れるなんて」
「あんたは私が倒す。食らいなさい![マイクロ波ヒートアップ]」

 オークレの肌はただれていくが前回とは違い苦しんでいないようだ。オークレは不敵に笑い話す。

「言っているでしょう。私は不死身よ」
「ふ~んだ!お父様に聞いちゃったもん。死霊術士は真の臓を別に持つんだって。前はアダマイオスの体の中に置いていたんでしょ?」

「ふふふ、よくわかったわね。確かにそうよ。私の核はアダマイオスにあった。あの時は焦ったわ。だって半分以上も焼けこげていたんですもの。だけど今回はそんな馬鹿な事はしていないわよ」
「なるほど~って事はライのいった方角にあるんだね」

 オークレは私の言葉にギョッとした。どうやら図星みたいだけど行かせないよ。

「あなたをここから行かせないわ。ライがその核を壊すまでね」
「うううう・・・・仕方ないわね。相手してあげるわよ。地獄でね!!」

 オークレがそう言うと一瞬で周囲が暗くなっていく。まるで時空間移動したかのように当たりの風景が一変した。

「ここは私のホーム、闇の空間アビスアビティア。この空間は生きる者が死んだ時に来る空間なのよ」

 オークレの顔が骸骨の様相になっていき周りからレイスのようなゴーストたちが寄ってきた。

「精霊達、私に力を!!」

「うっ何?、眩しい」

 光と闇の剣に全属性の精霊を纏わせる。その光は虹のような光で辺りを照らしだす。オークレはこっちを見ていられずに手で顔を隠し、レイスは光に切り裂かれ消えていった。

「これで終わりだよ。[エターナルシャイン]!!」

 伝説上でしか語られる事のなかった聖なる聖剣。それから放たれる光が大きな剣になりオークレの包んでいく。

 オークレは優しい笑みをうかべて光に包まれると空間は元に戻る。

 あのオークレがこんな簡単に死ぬはずないこれはただの時間稼ぎだと思う。私はすぐにライを追いかける。


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