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第五章 兄妹の絆
第二十三話 援軍
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アステリアより北、アドスバーンへと続く道。
アドスバーンの将軍たちは騎乗してアステリアへ向かっている。
「アステリアがゾンビに襲われ始めてだいぶたつがまだ解決していないとはな」
「ジーニ様は学園に言っているはずですからね」
「え!、じゃあローズ様もいないんじゃ?」
「ああ、主戦力のジーニの嫁候補はみんなついて行ったみたいだぞ」
アドスバーンの全戦力を援軍として派遣するアドスバーン。どれだけアステリアを大切に思っているのかが伺える。
ローズファンのアイーラはガイアの情報を聞いてうなだれる。
「ジャンヌをもってしても瞬殺できないとはな。オークレはそんなに凄い死霊術士であったか?」
「ええ、死霊術士として右に出るものはいません。アウローラ様を襲った死霊術士もオークレの教えをうけたものです」
ギールに両断された死霊術士もオークレの関係者だったようだ。しかしオークレは気にも留めていないそう言う事に興味はないのだ。
「それよりもギールはどこに?」
「先に向かうって言ってたよ~」
アドスバーンの疑問にアイーラが間延びして応えた。
ギールは何とかアドスバーンにたどり着けることが出来た。そしてアドスバーンに捉えられて徴兵されたのだ。
今はアドスバーンの兵士になったギールは全身鎧に身を包んでアステリアへと駆けていく。
「アドスバーンに奴はいなかった。アステリアで手柄を立ててアドスバーンに借りを返してあいつの居場所を聞かねば」
ギールはアステリアを出て案の定迷子になっていた。アドスバーンは自身の能力でギールを見ていた事でそれに気付き助けに赴いたのだ。アドスバーンがギールの元に着いた時ギールは空腹で倒れていた。
アドスバーンはため息をついて手に持っていた水とパンを手渡すとギールは勢いよく食べていった。
アドスバーンは取引を持ち掛ける。ギールの探している人物に心辺りがあったのだ。それはジーニも知っている人物である。
ギールの強さを知っているアドスバーンはその恩と情報を使い徴兵させる事に成功して今に至る。
「どんなことをしてもあいつを探し出す!あいつの息の根を止めてエルフの世界を取り戻すんだ!」
ギールは握る剣に力がこもる。使命を全うせんとする決意がギールに力を宿すのだろう。
アドスバーンの軍はすぐにオークレのゾンビ達を背後から襲う。瞬く間に一掃されて行くゾンビ達。
そしてアステリアが見えてきてアドスバーンが声をもらした。
「第一門が突破されたのか!?」
門が砕かれその後ろにあった鉄板までも壊されている。ここからでは門の中は見えないが確かに門から中に入っていくゾンビ達が見える。
「急げ!アステリアを守るんだ!!」
多勢に無勢、アステリアの第一門が突破され畑を蹂躙されている。だが人的被害は二桁行かない程度の怪我人だけだ。
ゾンビ達が遠隔を持たない為その程度の被害ですんでいる。そのケガも回復魔法ですでに完治しているので実質被害はない。
「アドスバーンが援軍に到着しました。北門前に進軍してきています」
「おお、来てくれたか」
城壁上から報告する言葉に兵士達は安堵のため息を吐く。被害はないものの精神的に危険な状況であった。
何度もの爆発による恐怖の上昇、第一門を突破された時は生きた心地を失った。
「!?。アダマイオスが現れました!!」
「何!?」
アドスバーン軍のすぐ横から立ち上がるアダマイオスが見えた。すぐにアダマイオスの巨躯からアドスバーンへと腕が振り下ろされた。
「はははは、凄いな。容赦なしじゃないか!」
アドスバーン自らそれを受け止める。この体格差で受け止められるのはアドスバーンしかいなかった。
「こいつは任せろ。お前達はアステリアの援護をするのだ」
「「「「「ハッ!!」」」」」
アダマイオスの振り下ろした腕の衝撃でアドスバーンの軍隊は怖気づいてしまうのだがアドスバーンの強さをまじかで見て歓喜して気を取り直した。
「私達の出番だよ」
「「アイアイ!!」」
ジャンヌ達もその様子を見てすぐに飛び立つ。アダマイオスは前回と違い大暴れをしている。駄々っ子のように両手で地面を叩きつけるのだが地面からの砂埃は最小限のように見える。
「誰かがあれを受け止めているの?」
「バブ?」
通常ならばあんな大きな物の攻撃を真っ向から受けられる人などそうはいない、しいて言えばジーニとジャンヌくらいだろう。
すぐにジャンヌ達はアダマイオスのまじかに迫ると受け止めていた人物を見て驚愕した。
「お~ジーニの妹君か~大きくなったな~」
「アドスバーンおじさん...」
アドスバーンおじさんがこんなに強いなんて知らなかった。
アドスバーンは上半身裸になり盛り上がる筋肉でアダマイオスの腕を受け止めている。物理的にありえない現象に私は目をこする。
「ははは、アドスバーンは強さで位が決められると知っているだろう。私はそんな国を30年治めているんだ。この位余裕だぞ」
アドスバーンは高笑いをして驚愕している私達に言葉をかける。
「でもどうしてそんな?」
「そんなことは後にしないか?今はこいつを何とかしよう」
アドスバーンはアダマイオスの腕を掴み残った手に魔力を込める。
「[サテライトグラビティ]!」
アドスバーンが放った黒いマナがアダマイオスの全身を駆け巡り上空へと昇っていく、そして上空にあがった黒いマナは大きな塊になりアダマイオスに落下する。
片手を持たれているアダマイオスはもう片方の手でガードしようとしたのだが思ったよりも落下速度が速くまともに体に受けてしまう、アダマイオスの胴体は腕と足を残して綺麗に地面へと消えた。
「凄い....」
「はっはっは、こいつはな敵が大きければ大きいほど威力がますんだよ。前に山のように大きな龍と戦った時に編み出したのさ」
[サテライトグラビティ]敵の体重の実に3倍の重さを再現することができる。再現したものの大きさは使用者が決められる。
でもまだアダマイオスは生きてる、私達はすぐに残った肉片を結界で覆っていく。何とか間に合ったみたいでジタバタと腕や足が動き出した時には結界に阻まれて動けないでいた。
「これでひとまずは」
「ほ~こいつらは死なないのか。まあいいか、それじゃよっと。アステリアを案内してくれるか?」
アドスバーンおじさんが私を抱き上げてアステリアへ歩いて行く。だけどまだアステリアへの道はゾンビだらけのはず。
と、思ったら綺麗に道が出来てた。さすがアドスバーンの軍だね。
アドスバーンの将軍たちは騎乗してアステリアへ向かっている。
「アステリアがゾンビに襲われ始めてだいぶたつがまだ解決していないとはな」
「ジーニ様は学園に言っているはずですからね」
「え!、じゃあローズ様もいないんじゃ?」
「ああ、主戦力のジーニの嫁候補はみんなついて行ったみたいだぞ」
アドスバーンの全戦力を援軍として派遣するアドスバーン。どれだけアステリアを大切に思っているのかが伺える。
ローズファンのアイーラはガイアの情報を聞いてうなだれる。
「ジャンヌをもってしても瞬殺できないとはな。オークレはそんなに凄い死霊術士であったか?」
「ええ、死霊術士として右に出るものはいません。アウローラ様を襲った死霊術士もオークレの教えをうけたものです」
ギールに両断された死霊術士もオークレの関係者だったようだ。しかしオークレは気にも留めていないそう言う事に興味はないのだ。
「それよりもギールはどこに?」
「先に向かうって言ってたよ~」
アドスバーンの疑問にアイーラが間延びして応えた。
ギールは何とかアドスバーンにたどり着けることが出来た。そしてアドスバーンに捉えられて徴兵されたのだ。
今はアドスバーンの兵士になったギールは全身鎧に身を包んでアステリアへと駆けていく。
「アドスバーンに奴はいなかった。アステリアで手柄を立ててアドスバーンに借りを返してあいつの居場所を聞かねば」
ギールはアステリアを出て案の定迷子になっていた。アドスバーンは自身の能力でギールを見ていた事でそれに気付き助けに赴いたのだ。アドスバーンがギールの元に着いた時ギールは空腹で倒れていた。
アドスバーンはため息をついて手に持っていた水とパンを手渡すとギールは勢いよく食べていった。
アドスバーンは取引を持ち掛ける。ギールの探している人物に心辺りがあったのだ。それはジーニも知っている人物である。
ギールの強さを知っているアドスバーンはその恩と情報を使い徴兵させる事に成功して今に至る。
「どんなことをしてもあいつを探し出す!あいつの息の根を止めてエルフの世界を取り戻すんだ!」
ギールは握る剣に力がこもる。使命を全うせんとする決意がギールに力を宿すのだろう。
アドスバーンの軍はすぐにオークレのゾンビ達を背後から襲う。瞬く間に一掃されて行くゾンビ達。
そしてアステリアが見えてきてアドスバーンが声をもらした。
「第一門が突破されたのか!?」
門が砕かれその後ろにあった鉄板までも壊されている。ここからでは門の中は見えないが確かに門から中に入っていくゾンビ達が見える。
「急げ!アステリアを守るんだ!!」
多勢に無勢、アステリアの第一門が突破され畑を蹂躙されている。だが人的被害は二桁行かない程度の怪我人だけだ。
ゾンビ達が遠隔を持たない為その程度の被害ですんでいる。そのケガも回復魔法ですでに完治しているので実質被害はない。
「アドスバーンが援軍に到着しました。北門前に進軍してきています」
「おお、来てくれたか」
城壁上から報告する言葉に兵士達は安堵のため息を吐く。被害はないものの精神的に危険な状況であった。
何度もの爆発による恐怖の上昇、第一門を突破された時は生きた心地を失った。
「!?。アダマイオスが現れました!!」
「何!?」
アドスバーン軍のすぐ横から立ち上がるアダマイオスが見えた。すぐにアダマイオスの巨躯からアドスバーンへと腕が振り下ろされた。
「はははは、凄いな。容赦なしじゃないか!」
アドスバーン自らそれを受け止める。この体格差で受け止められるのはアドスバーンしかいなかった。
「こいつは任せろ。お前達はアステリアの援護をするのだ」
「「「「「ハッ!!」」」」」
アダマイオスの振り下ろした腕の衝撃でアドスバーンの軍隊は怖気づいてしまうのだがアドスバーンの強さをまじかで見て歓喜して気を取り直した。
「私達の出番だよ」
「「アイアイ!!」」
ジャンヌ達もその様子を見てすぐに飛び立つ。アダマイオスは前回と違い大暴れをしている。駄々っ子のように両手で地面を叩きつけるのだが地面からの砂埃は最小限のように見える。
「誰かがあれを受け止めているの?」
「バブ?」
通常ならばあんな大きな物の攻撃を真っ向から受けられる人などそうはいない、しいて言えばジーニとジャンヌくらいだろう。
すぐにジャンヌ達はアダマイオスのまじかに迫ると受け止めていた人物を見て驚愕した。
「お~ジーニの妹君か~大きくなったな~」
「アドスバーンおじさん...」
アドスバーンおじさんがこんなに強いなんて知らなかった。
アドスバーンは上半身裸になり盛り上がる筋肉でアダマイオスの腕を受け止めている。物理的にありえない現象に私は目をこする。
「ははは、アドスバーンは強さで位が決められると知っているだろう。私はそんな国を30年治めているんだ。この位余裕だぞ」
アドスバーンは高笑いをして驚愕している私達に言葉をかける。
「でもどうしてそんな?」
「そんなことは後にしないか?今はこいつを何とかしよう」
アドスバーンはアダマイオスの腕を掴み残った手に魔力を込める。
「[サテライトグラビティ]!」
アドスバーンが放った黒いマナがアダマイオスの全身を駆け巡り上空へと昇っていく、そして上空にあがった黒いマナは大きな塊になりアダマイオスに落下する。
片手を持たれているアダマイオスはもう片方の手でガードしようとしたのだが思ったよりも落下速度が速くまともに体に受けてしまう、アダマイオスの胴体は腕と足を残して綺麗に地面へと消えた。
「凄い....」
「はっはっは、こいつはな敵が大きければ大きいほど威力がますんだよ。前に山のように大きな龍と戦った時に編み出したのさ」
[サテライトグラビティ]敵の体重の実に3倍の重さを再現することができる。再現したものの大きさは使用者が決められる。
でもまだアダマイオスは生きてる、私達はすぐに残った肉片を結界で覆っていく。何とか間に合ったみたいでジタバタと腕や足が動き出した時には結界に阻まれて動けないでいた。
「これでひとまずは」
「ほ~こいつらは死なないのか。まあいいか、それじゃよっと。アステリアを案内してくれるか?」
アドスバーンおじさんが私を抱き上げてアステリアへ歩いて行く。だけどまだアステリアへの道はゾンビだらけのはず。
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