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第五章 兄妹の絆
第六話 平和なアステリアの日常
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アステリアはとても平和だ。農場や畑も獣人達や人族の笑顔が溢れている。
「は~のどかだな~」
「ああ、平和だ」
農作業をしながらブーンとカインが話し合っている。確かに最近魔物の群れもアステリアを攻めてくる気配もなく力を持て余しているアステリアの者達には物足りなくなってきている。
「よ~し、じゃあ今日もやるか?」
「ああ、そうだな」
ドン!ドン!
アステリアの中央にて机を持ってきたブーンとカインがその机を大きく叩いていく。まるで和太鼓を叩くように放たれる音がアステリアに響き多くの人達を集め出した。
「今日もやるぞ!、準備はいいか?」
「「「「「お~~」」」」」
腕相撲大会のスタートである。とてものどかなアステリアでは暇になってくるとこうして腕相撲や素手による試合がなされるのだ。そして今日は腕相撲だ。力自慢が集まってくる。
「いっちょもんでやるか!」
「あなた、頑張って~」
その中にはツヴァイもいる。メリアは宴の様相になった広場にて椅子に座って応援している。
「ツヴァイ様、大会は無礼講ですよ。大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫だ。遠慮せずに本気を出してくれ」
ツヴァイが無礼講を了承するとガルドが上着を脱ぎ筋肉をもりあがらせる。その筋肉は現役時代のシュワシュワネッガーを彷彿とさせるものである。だれもがその筋肉を見て生唾をのみ、冷や汗をかく中ツヴァイは引きつった笑いを見せた。
「決勝で待っているぞ」
「....ああ、その前に負けるなよ」
熱いライバルとの会話。そしてツヴァイは苦しい中決勝へと進んでいく。5回戦まであるトーナメントを何とか突破していったのだ。対戦相手はどれも力自慢の者達、本気を出さなければどれも勝てないような試合になってしまっていた。ツヴァイは満身創痍でガルドと当たる事となった。
ちなみにツヴァイはキーファ、イートン、ブーン、フッティアを下して登ってきた。特にフッティアのパワーは本当に女かと思わざる負えないほどであった。
「ツヴァイ様お疲れのようですね」
「....ああ、お前んところのお嬢さんが少々強くてね」
ガルドはまだ全力を出し切っていない様子である。ガルドの方も中々の選手達だったのだがツヴァイの組ほどではない。何せ[薔薇]のメンバー随一のフッティアがいたのだから。
ガルドはカインを下し、マリーを倒し、キーファの母ルー、そしてセバスを倒した。ガルド曰くキーファの母ルーが一番強かったそうだ....母は強し。
「では始めましょう」
「ああ、俺も本気で行かせてもらう」
ツヴァイとガルドを闘気の炎が包み込む。その炎は大会を最高潮まで盛り上げていく。
「「ハ~!!!」」
「ガルド隊長がんばれ!」
「ツヴァイ様もがんばれ~」
各々応援している中、腕が中央に寄った状態で5分ほどが過ぎた。傍から見ると両者が力を込めていないようにも見えるがそれは両者に失礼だろう。顔から汗が噴き出て机や地面に水たまりをつくりだしている両者にそんなことを言える者はいない。
そしてガルドがとうとうツヴァイを押し込んでいく。
「グッ...ハハハ、やはり私の勝ちのようですね」
「グッ!」
ガルドの笑みを受けてツヴァイは歯噛みする。ガルドの前の訓練の時の負けを結構引きずっていた。負けず嫌いではないにしろ自分の力を否定されたように感じたからだ。そしてこのチャンスを前にガルドは更に力を込めていく。
しかしその時、
バキャ!ゴン!
なんと鉄でできた机がひん曲がり地面まで落下してしまう。当初腕相撲大会の机は木であったのだがあまりにも壊れるので鉄に変わっていったのだが鉄でさえも壊れしてしまう彼らはもう人間ではないのだろう。
そして勝敗が付いた。手の甲が地面についていたものは....
「今日は俺の負けだな」
「ええ、いい勝負でした。思わぬハプニングでしたけどね」
ツヴァイは潔く負けを認めた。そしてツヴァイとガルドは握手を交わす。腕相撲をしていた方の手はプルプルしているので左手で握手を交わす。その光景はある者達によって薄い本になっていくのだった。
「は~、しかしこの一位二位も俺の子供達が成長するまでの話だな」
「確かに、ジーニ様なんかあと数年ですよ」
勝者である二人は子供達の成長を考えため息をつく。今は手が届かないという言い訳で彼らを腕相撲で参加させていない大人げない人達だが、いつかはその言い訳も通じないと嘆くのだった。
普通の素手による試合の方は良い言い訳がないので参加を認めてしまって凄い事になってしまったのは言うまでもないだろう。
大人を軽々と片手で持ち上げるジーニ、そしてハイハイで突撃してくるジャンヌ。恐ろしい兄妹である。
更にライとレイも加わるとは思ってもいないツヴァイは更に驚くものを見ることになるだろう。
アステリアは今日も平和だ。
カンカンカンカン!
「お、まさか魔物の群れか?」
「よっしゃ、このうっぷんを晴らせてくれよう」
とても平和な街アステリアであった。
「は~のどかだな~」
「ああ、平和だ」
農作業をしながらブーンとカインが話し合っている。確かに最近魔物の群れもアステリアを攻めてくる気配もなく力を持て余しているアステリアの者達には物足りなくなってきている。
「よ~し、じゃあ今日もやるか?」
「ああ、そうだな」
ドン!ドン!
アステリアの中央にて机を持ってきたブーンとカインがその机を大きく叩いていく。まるで和太鼓を叩くように放たれる音がアステリアに響き多くの人達を集め出した。
「今日もやるぞ!、準備はいいか?」
「「「「「お~~」」」」」
腕相撲大会のスタートである。とてものどかなアステリアでは暇になってくるとこうして腕相撲や素手による試合がなされるのだ。そして今日は腕相撲だ。力自慢が集まってくる。
「いっちょもんでやるか!」
「あなた、頑張って~」
その中にはツヴァイもいる。メリアは宴の様相になった広場にて椅子に座って応援している。
「ツヴァイ様、大会は無礼講ですよ。大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫だ。遠慮せずに本気を出してくれ」
ツヴァイが無礼講を了承するとガルドが上着を脱ぎ筋肉をもりあがらせる。その筋肉は現役時代のシュワシュワネッガーを彷彿とさせるものである。だれもがその筋肉を見て生唾をのみ、冷や汗をかく中ツヴァイは引きつった笑いを見せた。
「決勝で待っているぞ」
「....ああ、その前に負けるなよ」
熱いライバルとの会話。そしてツヴァイは苦しい中決勝へと進んでいく。5回戦まであるトーナメントを何とか突破していったのだ。対戦相手はどれも力自慢の者達、本気を出さなければどれも勝てないような試合になってしまっていた。ツヴァイは満身創痍でガルドと当たる事となった。
ちなみにツヴァイはキーファ、イートン、ブーン、フッティアを下して登ってきた。特にフッティアのパワーは本当に女かと思わざる負えないほどであった。
「ツヴァイ様お疲れのようですね」
「....ああ、お前んところのお嬢さんが少々強くてね」
ガルドはまだ全力を出し切っていない様子である。ガルドの方も中々の選手達だったのだがツヴァイの組ほどではない。何せ[薔薇]のメンバー随一のフッティアがいたのだから。
ガルドはカインを下し、マリーを倒し、キーファの母ルー、そしてセバスを倒した。ガルド曰くキーファの母ルーが一番強かったそうだ....母は強し。
「では始めましょう」
「ああ、俺も本気で行かせてもらう」
ツヴァイとガルドを闘気の炎が包み込む。その炎は大会を最高潮まで盛り上げていく。
「「ハ~!!!」」
「ガルド隊長がんばれ!」
「ツヴァイ様もがんばれ~」
各々応援している中、腕が中央に寄った状態で5分ほどが過ぎた。傍から見ると両者が力を込めていないようにも見えるがそれは両者に失礼だろう。顔から汗が噴き出て机や地面に水たまりをつくりだしている両者にそんなことを言える者はいない。
そしてガルドがとうとうツヴァイを押し込んでいく。
「グッ...ハハハ、やはり私の勝ちのようですね」
「グッ!」
ガルドの笑みを受けてツヴァイは歯噛みする。ガルドの前の訓練の時の負けを結構引きずっていた。負けず嫌いではないにしろ自分の力を否定されたように感じたからだ。そしてこのチャンスを前にガルドは更に力を込めていく。
しかしその時、
バキャ!ゴン!
なんと鉄でできた机がひん曲がり地面まで落下してしまう。当初腕相撲大会の机は木であったのだがあまりにも壊れるので鉄に変わっていったのだが鉄でさえも壊れしてしまう彼らはもう人間ではないのだろう。
そして勝敗が付いた。手の甲が地面についていたものは....
「今日は俺の負けだな」
「ええ、いい勝負でした。思わぬハプニングでしたけどね」
ツヴァイは潔く負けを認めた。そしてツヴァイとガルドは握手を交わす。腕相撲をしていた方の手はプルプルしているので左手で握手を交わす。その光景はある者達によって薄い本になっていくのだった。
「は~、しかしこの一位二位も俺の子供達が成長するまでの話だな」
「確かに、ジーニ様なんかあと数年ですよ」
勝者である二人は子供達の成長を考えため息をつく。今は手が届かないという言い訳で彼らを腕相撲で参加させていない大人げない人達だが、いつかはその言い訳も通じないと嘆くのだった。
普通の素手による試合の方は良い言い訳がないので参加を認めてしまって凄い事になってしまったのは言うまでもないだろう。
大人を軽々と片手で持ち上げるジーニ、そしてハイハイで突撃してくるジャンヌ。恐ろしい兄妹である。
更にライとレイも加わるとは思ってもいないツヴァイは更に驚くものを見ることになるだろう。
アステリアは今日も平和だ。
カンカンカンカン!
「お、まさか魔物の群れか?」
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