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第三章 建国
第二十三話 アステリア城壁戦①
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ギャギャギャ!!
ギャギャギャ!!
城壁の外が騒がしい。東側のプール堀の外にゴブリンの壁が出来上がっている。口からはよだれを垂らしこちらをうかがっているようだ。
「この数は想定外だけど、一方向だったら僕だけで行くかな」
僕はふと自分の言葉を考える。これはフラグだと、
「王様!北と南にも魔物が」
「何!」
ほらね。さてさてこれは困ったぞ。流石の僕も全部を倒すような魔法を使うとアステリアにも被害が出ちゃいそうだよ。
[マナバレット]を幾百打っても全然足りないだろう。だがまだ堀の外なのでいくらか放っておこう。東側のゴブリンはあたふたとして鉛筆サイズの[マナバレット]を怖がるが簡単に当たる。目を瞑っていても当たりそうな的の多さなのでそこはしょうがない。
「指揮をしている者がどこにいるか分かれば僕だけでも行けると思うんだけどな」
「おいおい、俺も行くぞ。息子にばかりいい格好させてたまるか」
ツヴァイお父様がイキイキとしながらツインディアを手首で回して準備運動を始めた。しかし王自ら前線に出るなどあっていいものかと思った。あの双子に負けたのも人質やロクーデのせいじゃなくてお父様のせいじゃないのかな?と思ってしまう。
「ジーニは東を。俺は南を指揮する」
「わかりました。怪我したら行ってくださいね。僕が治します」
「はは、オークやゴブリン程度じゃ俺は捉えられねえよ」
ツヴァイお父様はそういって残像を残して消えた。
天翔けるツヴァイとはよく言ったものだ。僕みたいな浮遊術ではなくて空を走るといったその姿はすっごくカッコいいね。少しお父様を見直しました。
「このまま倒し続けてればいけそうだね。みんなは北をお願い」
「了解しました。王子!」
アステリアの住人や獣人達が僕の号令に応えて北門へと走っていく。獣人達よりも俊敏に動くアステリアの人達。僕はとても誇らしく見送る。
「さて」
僕は東門の上から敵を見据える。堀には入らないで綺麗に横列に並んでいる。正に的と言った感じだ。僕はこの考察中にも[マナバレット]を放っているんだけど10発づつうっているにも関わらず一向に底が見えない。
「何だかなめられてる?。少し脅すか、[フレイムタワー]」
中級魔法である[フレイムタワー]を門から対角線上のゴブリンの壁へと放った。ゴブリン達は驚き戸惑っているがその場からは一切動こうとしていない。僕だったら絶対に逃げるけどな。
僕は首を傾げて考えているとコクエンに跨ってフローラちゃんがやってきた。
「ジーニちゃん、どんな感じなの?」
「ああ、フローラちゃん。あんまり強い個体はいないけど数が数だからね。北と西が心配だから城壁の上を北から西へ廻ってきてもらえるとありがたいかな」
僕はこっちは大丈夫だから残りの西と北門の心配をフローラちゃんに告げるとフローラちゃんは頷いて城壁を北へと渡っていった。
「たぶんここは囮で門のない西から来ている可能性があるね」
ジーニの予想は当たっていた。だが西は城壁も堀も強化されている。深く高く作られているそれらはゴブリン程度ではとても攻略出来ないだろう。
「ジーニちゃんのいってたとうりだね」
コクエンから降りて西側を見渡すフローラちゃん。呟いて城壁の下も覗くとゴブリン達が木のこん棒のような物で城壁を傷つけている。壊すのに何年かかるのかわからないその作業をフローラちゃんは眺めてため息をつく。
「流石に見過ごせないよね~。コクエン行くよ~」
「ワウン!」
コクエンに再度跨りゴブリンの群れへと攻撃を開始している。
コクエンの放つ[ヘルフレイムブレス]がゴブリン達を灰にかえ。フローラから放たれた[ファイアボール]で複数のゴブリンが燃えていく。
コクエンのブレスの方が多数へのダメージは高く、扇状にゴブリンを屠っていった。
「も~、魔法ってめんどくさい。やっぱり殴りたい」
メラッとフローラちゃんは闘志を燃やして体へと魔力を纏っていく。戦場の雰囲気がフローラちゃんを刺激してしまったのだろうフローラちゃんは頬を高揚させていく。
そしてジーニはその魔力の波動を感じて一人で行かせたのを後悔していた。
「あ~、やっぱりフローラちゃんを一人で行かせるんじゃなかった。ボルケーノとやらせたときより早い段階で本気出しちゃいそう...」
俯きため息をつく。しかし人手がいないのでしょうがない。一対一ならばララさんとセバスの二人でも行けると思うんだけど乱戦になると絶対にやばいはず。
とゆう事で僕は、
「[マナソード]」
ゴブリンの壁を蹂躙していく。ギャアギャアうるさくなってくる来るけど僕の[マナソード]が切り刻んでいく。
僕の新魔法[マナソード]は僕の側面の上空に浮いて自動で攻撃してくれる、薄っすらと透けている剣を作り出す。防御はいらないので盾は今回は無しです。なので数で押されると魔力の膜にこん棒が届いちゃうんだけどゴブリンの腕がバイーンと弾むだけで僕は何ともない。一矢報いようとしたそのゴブリンも[マナソード]によって頭と胴体がお別れしちゃう。
中央からゴブリンの壁の一番端っこまで到達。そして僕は、
「[エアカッター]」
クラーケンを屠った。風魔法のエアカッターを放つ。恐怖で堀に降りなかったゴブリン達はエアカッターによって絶命していった。
堀へと滑っていったゴブリン達は生き残ったことにホッと胸を撫でおろしたが次の瞬間頭を撃ち抜かれて死んだ。
ジーニは堀へと逃げたゴブリンを逃しはしない。[マナバレット]によって全員を撃ち抜いたのだ。西門の前はゴブリンの死体が山となり戦場は静かになった。
ギャギャギャ!!
城壁の外が騒がしい。東側のプール堀の外にゴブリンの壁が出来上がっている。口からはよだれを垂らしこちらをうかがっているようだ。
「この数は想定外だけど、一方向だったら僕だけで行くかな」
僕はふと自分の言葉を考える。これはフラグだと、
「王様!北と南にも魔物が」
「何!」
ほらね。さてさてこれは困ったぞ。流石の僕も全部を倒すような魔法を使うとアステリアにも被害が出ちゃいそうだよ。
[マナバレット]を幾百打っても全然足りないだろう。だがまだ堀の外なのでいくらか放っておこう。東側のゴブリンはあたふたとして鉛筆サイズの[マナバレット]を怖がるが簡単に当たる。目を瞑っていても当たりそうな的の多さなのでそこはしょうがない。
「指揮をしている者がどこにいるか分かれば僕だけでも行けると思うんだけどな」
「おいおい、俺も行くぞ。息子にばかりいい格好させてたまるか」
ツヴァイお父様がイキイキとしながらツインディアを手首で回して準備運動を始めた。しかし王自ら前線に出るなどあっていいものかと思った。あの双子に負けたのも人質やロクーデのせいじゃなくてお父様のせいじゃないのかな?と思ってしまう。
「ジーニは東を。俺は南を指揮する」
「わかりました。怪我したら行ってくださいね。僕が治します」
「はは、オークやゴブリン程度じゃ俺は捉えられねえよ」
ツヴァイお父様はそういって残像を残して消えた。
天翔けるツヴァイとはよく言ったものだ。僕みたいな浮遊術ではなくて空を走るといったその姿はすっごくカッコいいね。少しお父様を見直しました。
「このまま倒し続けてればいけそうだね。みんなは北をお願い」
「了解しました。王子!」
アステリアの住人や獣人達が僕の号令に応えて北門へと走っていく。獣人達よりも俊敏に動くアステリアの人達。僕はとても誇らしく見送る。
「さて」
僕は東門の上から敵を見据える。堀には入らないで綺麗に横列に並んでいる。正に的と言った感じだ。僕はこの考察中にも[マナバレット]を放っているんだけど10発づつうっているにも関わらず一向に底が見えない。
「何だかなめられてる?。少し脅すか、[フレイムタワー]」
中級魔法である[フレイムタワー]を門から対角線上のゴブリンの壁へと放った。ゴブリン達は驚き戸惑っているがその場からは一切動こうとしていない。僕だったら絶対に逃げるけどな。
僕は首を傾げて考えているとコクエンに跨ってフローラちゃんがやってきた。
「ジーニちゃん、どんな感じなの?」
「ああ、フローラちゃん。あんまり強い個体はいないけど数が数だからね。北と西が心配だから城壁の上を北から西へ廻ってきてもらえるとありがたいかな」
僕はこっちは大丈夫だから残りの西と北門の心配をフローラちゃんに告げるとフローラちゃんは頷いて城壁を北へと渡っていった。
「たぶんここは囮で門のない西から来ている可能性があるね」
ジーニの予想は当たっていた。だが西は城壁も堀も強化されている。深く高く作られているそれらはゴブリン程度ではとても攻略出来ないだろう。
「ジーニちゃんのいってたとうりだね」
コクエンから降りて西側を見渡すフローラちゃん。呟いて城壁の下も覗くとゴブリン達が木のこん棒のような物で城壁を傷つけている。壊すのに何年かかるのかわからないその作業をフローラちゃんは眺めてため息をつく。
「流石に見過ごせないよね~。コクエン行くよ~」
「ワウン!」
コクエンに再度跨りゴブリンの群れへと攻撃を開始している。
コクエンの放つ[ヘルフレイムブレス]がゴブリン達を灰にかえ。フローラから放たれた[ファイアボール]で複数のゴブリンが燃えていく。
コクエンのブレスの方が多数へのダメージは高く、扇状にゴブリンを屠っていった。
「も~、魔法ってめんどくさい。やっぱり殴りたい」
メラッとフローラちゃんは闘志を燃やして体へと魔力を纏っていく。戦場の雰囲気がフローラちゃんを刺激してしまったのだろうフローラちゃんは頬を高揚させていく。
そしてジーニはその魔力の波動を感じて一人で行かせたのを後悔していた。
「あ~、やっぱりフローラちゃんを一人で行かせるんじゃなかった。ボルケーノとやらせたときより早い段階で本気出しちゃいそう...」
俯きため息をつく。しかし人手がいないのでしょうがない。一対一ならばララさんとセバスの二人でも行けると思うんだけど乱戦になると絶対にやばいはず。
とゆう事で僕は、
「[マナソード]」
ゴブリンの壁を蹂躙していく。ギャアギャアうるさくなってくる来るけど僕の[マナソード]が切り刻んでいく。
僕の新魔法[マナソード]は僕の側面の上空に浮いて自動で攻撃してくれる、薄っすらと透けている剣を作り出す。防御はいらないので盾は今回は無しです。なので数で押されると魔力の膜にこん棒が届いちゃうんだけどゴブリンの腕がバイーンと弾むだけで僕は何ともない。一矢報いようとしたそのゴブリンも[マナソード]によって頭と胴体がお別れしちゃう。
中央からゴブリンの壁の一番端っこまで到達。そして僕は、
「[エアカッター]」
クラーケンを屠った。風魔法のエアカッターを放つ。恐怖で堀に降りなかったゴブリン達はエアカッターによって絶命していった。
堀へと滑っていったゴブリン達は生き残ったことにホッと胸を撫でおろしたが次の瞬間頭を撃ち抜かれて死んだ。
ジーニは堀へと逃げたゴブリンを逃しはしない。[マナバレット]によって全員を撃ち抜いたのだ。西門の前はゴブリンの死体が山となり戦場は静かになった。
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