135 / 165
第九章 VS相羽修行
16 *R
しおりを挟む
「これじゃ光の恋人失格だ。お前を護るどころか、傷つけてしまう……」
「……恋人って、相手を護ることが絶対条件なのか?」
勝行の愚痴に違和感を覚えた。
光は勝行の腕を無理やり引いてベッドに押し倒した。それから痛む腰をよいしょと引き上げ、ドスっと太腿の上で馬乗りになる。突然のことに驚いたのか、勝行は無抵抗だった。
「俺はお前の後ろに隠れてる、か弱いお姫様なんかじゃないぜ」
「……それは、わかってる」
思えば勝行はいつでも「してあげる」「守る」という言葉を自分に投げかけてきた。それをなんの違和感もなく受け止めていたけれど、今の光は違う。
「確かに病気のこととか、バンドのことも……俺弱っちいし、助けられてばっかだけどさ。俺もお前の役に立ちてえんだよ。前にも言っただろ」
「光……」
「それに、嫉妬して俺にエロいことしてくる分には別に構わねえよ。俺がそうしろって言ったんだから。相手を殺そうとしなかっただけ、お前も成長してんじゃん。最初は銃持って大暴れしてたんだぜ、あれを止められたのは俺しかいないって」
去年の勝行は暴力団をひとつ潰してまで光を助けに来た。芸能界の重鎮や桐吾を、あまつさえ自分すらも殺しかねない危うさがあった。そんな彼の暴走を止められるのは、桐吾に鍛えられた自分しかいないはず。そう思った途端、あれほど嫌だと思っていた自分の性癖すらも、武器になると閃いた。皮肉なもので、その発想はケイ相手に提案したことと何も違わない。
「言いたくなかったけど……聞いて怒んなよ」
「な、何……?」
「俺さ。セックス依存症なんだ」
「……依存症?」
「もう一人のお前と寝てたって知ってんだろ。ムカつくことがあったら、お互いセックスでストレス発散してたんだぜ。こうやって、俺から無理やり誘ってな」
そう言いながら勝行の股間を撫でさすり、シャツのボタンをひとつ外し、ひくひくと反応する腹筋に指を這わす。不能のノンケ、と散々保に言われていたが、ちゃんと光の一挙一動に反応してくる。積極的に攻撃するのも楽しそう。光は唇をひと舐めした。
「こんな身体にした親を恨んだ時もあったけど、もう隠したり誰かのせいにする気ねえ。お前にドン引きされるのが嫌で黙ってたけど、ほんとは毎日したい。だからもっとやって」
「もっとやってってお前……今、痛いんだろ?」
「ああ。だってお前の意地悪、ねちっこいし長い。疲れる」
「うっ……」
「潤滑剤もロクにつけてくれねえし、俺はこっちが欲しいって言ってんのにさ。親父を引き合いにして文句言うんなら、俺も言ってやる。お前、親父より下手くそ」
「……なんだと」
「でも……親父のより、デカいし、すんげー気持ちいい。俺、コレが好き。キスとおんなじくらい」
光の愛撫で勝行の一物はズボン越しでも分かるほど、硬く盛り上がってくる。はち切れそうな形に膨れ上がったそれが見たくて、文句を言う勝行を無視してベルトもファスナーも取っ払うと、立派な武器が勢いよくそそり立った。思わず生唾をごくりと呑み込む。
「凶悪なサイズにサディスティックな性格。これが相羽家の遺伝子か……確かにひ弱な女は逃げるわ」
「う……う、うるさい……っ」
「でも俺は、逃げない。いくらでも付き合うから……セックスもいっぱい練習しようぜ」
「れ、練習って」
「だってお前、いつも努力の積み重ねが大事とかいうじゃん。歌も、ギターも」
「まさか……セッションと同じ感覚でセックスしようって言ってんのかお前」
「ああそうだよ。悪いか? だって俺たち、まだ恋人同士のセックスはやったことないんだぜ。最初っからうまくいくわけないじゃん」
「……っ」
そう、これからしたいと思っていることはお互い未経験のゾーンなのだ。経験豊富な光でさえ、知らない世界。
「で、でも……俺は、お前を抱くのは高校卒業してからって決めてるんだっ」
「へえ、なんで」
「道徳的な問題!」
「変なの、人のケツ弄って散々虐めてくるくせに」
光は馬乗りになったままぬちぬちと勝行の一物を触って可愛がる。まだ昨夜の負い目があるのか、勝行は文句を言いつつも顔を覆うだけで抵抗はしない。代わりに手の甲を噛んで喘ぎ声を必死に我慢しているようだ。珍しい勝行の涙目にぐっとそそられる。
(やべえなこの姿勢……コイツいっつもこんな顔してる俺を見てんのか)
我慢できず自分の分身も下着から引き抜いて扱き出した。それから耳まで真っ赤な勝行に顔を近づけ、「今ココでする?」と囁く。
さっきまで痛いと思っていた後孔も、この巨大な武器で最奥を突かれた妄想に耽った途端、じんじん疼き出した。
「……こ……擦り合い、だけなら……」
視線を泳がせながら、勝行が妥協案を出してきた。光は思わず「おっマジで?」と笑顔を零す。
「……あれだったらお前の負担にならないはずだし。……その……俺も、気持ちいい、し」
「それでいい、それやろう。俺、お前のちんこでイキたい」
「ダイレクトに言うなっ」
どうやら真面目モードの時の勝行は、そういう行為が嫌いなのではなく、恥ずかしいことだと思っているだけのようだ。そのうちブチ切れて鬼畜なブラックモードになるかもしれないが、それはそれで自分が手綱を握ってしまえばいい。
向かい合って座り直し、何度もキスを繰り返しながら、光と勝行は互いの滾る劣情を擦り合った。
「んっ……気持ちい……ん、んぁっ」
「光……ひかる……かわいい……光……っ」
いざ開き直るとスイッチの入った勝行が、うわ言のように光の名を呼び続ける。止まらない自分の腰とサイズ感が違う己の武器を何度もゴリゴリと押し付けながら。
「キスして……もっと、もっと……っ」
最初は遠慮がちに。だんだんと激しく、吸いつきながら。最後は立派な歯形をつけて。勝行は光の首に何度もマーキングを施し、きつく抱きしめながら勢いよく精を解き放った。先に絶頂を迎えたせいで力尽き、俯き加減だった光の顔にも大量の白濁液が飛び散る。
「はあ……はあっ……」
「はは……やるじゃん……顔射かよ……」
「あっ、ご、ごめん……って舐めるなよ、汚いのに」
口の近くに飛んだそれをぺろりと舐めとり、光は「勝行の味、好き」と妖艶に微笑んだ。
「なんか楽しくなってきた。卒業するまでの間に、俺が毎日調教してやる」
「そういう言い方すんなよ。……なんか、セフレみたいで嫌だ。俺はもっと普通の恋人っぽくなりたいのに……」
「普通ってどんな?」
「……わからない。だって俺、お前以外好きになったりしたことない」
「じゃああのエロい玩具とか知識、どこで手に入れたんだよ」
「ネット」
「現代っ子かよ!」
ドS優等生の意外な情報源を知り、笑い転げすぎた光は再び腰を痛めた。
「……恋人って、相手を護ることが絶対条件なのか?」
勝行の愚痴に違和感を覚えた。
光は勝行の腕を無理やり引いてベッドに押し倒した。それから痛む腰をよいしょと引き上げ、ドスっと太腿の上で馬乗りになる。突然のことに驚いたのか、勝行は無抵抗だった。
「俺はお前の後ろに隠れてる、か弱いお姫様なんかじゃないぜ」
「……それは、わかってる」
思えば勝行はいつでも「してあげる」「守る」という言葉を自分に投げかけてきた。それをなんの違和感もなく受け止めていたけれど、今の光は違う。
「確かに病気のこととか、バンドのことも……俺弱っちいし、助けられてばっかだけどさ。俺もお前の役に立ちてえんだよ。前にも言っただろ」
「光……」
「それに、嫉妬して俺にエロいことしてくる分には別に構わねえよ。俺がそうしろって言ったんだから。相手を殺そうとしなかっただけ、お前も成長してんじゃん。最初は銃持って大暴れしてたんだぜ、あれを止められたのは俺しかいないって」
去年の勝行は暴力団をひとつ潰してまで光を助けに来た。芸能界の重鎮や桐吾を、あまつさえ自分すらも殺しかねない危うさがあった。そんな彼の暴走を止められるのは、桐吾に鍛えられた自分しかいないはず。そう思った途端、あれほど嫌だと思っていた自分の性癖すらも、武器になると閃いた。皮肉なもので、その発想はケイ相手に提案したことと何も違わない。
「言いたくなかったけど……聞いて怒んなよ」
「な、何……?」
「俺さ。セックス依存症なんだ」
「……依存症?」
「もう一人のお前と寝てたって知ってんだろ。ムカつくことがあったら、お互いセックスでストレス発散してたんだぜ。こうやって、俺から無理やり誘ってな」
そう言いながら勝行の股間を撫でさすり、シャツのボタンをひとつ外し、ひくひくと反応する腹筋に指を這わす。不能のノンケ、と散々保に言われていたが、ちゃんと光の一挙一動に反応してくる。積極的に攻撃するのも楽しそう。光は唇をひと舐めした。
「こんな身体にした親を恨んだ時もあったけど、もう隠したり誰かのせいにする気ねえ。お前にドン引きされるのが嫌で黙ってたけど、ほんとは毎日したい。だからもっとやって」
「もっとやってってお前……今、痛いんだろ?」
「ああ。だってお前の意地悪、ねちっこいし長い。疲れる」
「うっ……」
「潤滑剤もロクにつけてくれねえし、俺はこっちが欲しいって言ってんのにさ。親父を引き合いにして文句言うんなら、俺も言ってやる。お前、親父より下手くそ」
「……なんだと」
「でも……親父のより、デカいし、すんげー気持ちいい。俺、コレが好き。キスとおんなじくらい」
光の愛撫で勝行の一物はズボン越しでも分かるほど、硬く盛り上がってくる。はち切れそうな形に膨れ上がったそれが見たくて、文句を言う勝行を無視してベルトもファスナーも取っ払うと、立派な武器が勢いよくそそり立った。思わず生唾をごくりと呑み込む。
「凶悪なサイズにサディスティックな性格。これが相羽家の遺伝子か……確かにひ弱な女は逃げるわ」
「う……う、うるさい……っ」
「でも俺は、逃げない。いくらでも付き合うから……セックスもいっぱい練習しようぜ」
「れ、練習って」
「だってお前、いつも努力の積み重ねが大事とかいうじゃん。歌も、ギターも」
「まさか……セッションと同じ感覚でセックスしようって言ってんのかお前」
「ああそうだよ。悪いか? だって俺たち、まだ恋人同士のセックスはやったことないんだぜ。最初っからうまくいくわけないじゃん」
「……っ」
そう、これからしたいと思っていることはお互い未経験のゾーンなのだ。経験豊富な光でさえ、知らない世界。
「で、でも……俺は、お前を抱くのは高校卒業してからって決めてるんだっ」
「へえ、なんで」
「道徳的な問題!」
「変なの、人のケツ弄って散々虐めてくるくせに」
光は馬乗りになったままぬちぬちと勝行の一物を触って可愛がる。まだ昨夜の負い目があるのか、勝行は文句を言いつつも顔を覆うだけで抵抗はしない。代わりに手の甲を噛んで喘ぎ声を必死に我慢しているようだ。珍しい勝行の涙目にぐっとそそられる。
(やべえなこの姿勢……コイツいっつもこんな顔してる俺を見てんのか)
我慢できず自分の分身も下着から引き抜いて扱き出した。それから耳まで真っ赤な勝行に顔を近づけ、「今ココでする?」と囁く。
さっきまで痛いと思っていた後孔も、この巨大な武器で最奥を突かれた妄想に耽った途端、じんじん疼き出した。
「……こ……擦り合い、だけなら……」
視線を泳がせながら、勝行が妥協案を出してきた。光は思わず「おっマジで?」と笑顔を零す。
「……あれだったらお前の負担にならないはずだし。……その……俺も、気持ちいい、し」
「それでいい、それやろう。俺、お前のちんこでイキたい」
「ダイレクトに言うなっ」
どうやら真面目モードの時の勝行は、そういう行為が嫌いなのではなく、恥ずかしいことだと思っているだけのようだ。そのうちブチ切れて鬼畜なブラックモードになるかもしれないが、それはそれで自分が手綱を握ってしまえばいい。
向かい合って座り直し、何度もキスを繰り返しながら、光と勝行は互いの滾る劣情を擦り合った。
「んっ……気持ちい……ん、んぁっ」
「光……ひかる……かわいい……光……っ」
いざ開き直るとスイッチの入った勝行が、うわ言のように光の名を呼び続ける。止まらない自分の腰とサイズ感が違う己の武器を何度もゴリゴリと押し付けながら。
「キスして……もっと、もっと……っ」
最初は遠慮がちに。だんだんと激しく、吸いつきながら。最後は立派な歯形をつけて。勝行は光の首に何度もマーキングを施し、きつく抱きしめながら勢いよく精を解き放った。先に絶頂を迎えたせいで力尽き、俯き加減だった光の顔にも大量の白濁液が飛び散る。
「はあ……はあっ……」
「はは……やるじゃん……顔射かよ……」
「あっ、ご、ごめん……って舐めるなよ、汚いのに」
口の近くに飛んだそれをぺろりと舐めとり、光は「勝行の味、好き」と妖艶に微笑んだ。
「なんか楽しくなってきた。卒業するまでの間に、俺が毎日調教してやる」
「そういう言い方すんなよ。……なんか、セフレみたいで嫌だ。俺はもっと普通の恋人っぽくなりたいのに……」
「普通ってどんな?」
「……わからない。だって俺、お前以外好きになったりしたことない」
「じゃああのエロい玩具とか知識、どこで手に入れたんだよ」
「ネット」
「現代っ子かよ!」
ドS優等生の意外な情報源を知り、笑い転げすぎた光は再び腰を痛めた。
0
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ある日、人気俳優の弟になりました。
樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
【完結】TL小説の悪役令息は死にたくないので不憫系当て馬の義兄を今日もヨイショします
七夜かなた
BL
前世はブラック企業に過労死するまで働かされていた一宮沙織は、読んでいたTL小説「放蕩貴族は月の乙女を愛して止まない」の悪役令息ギャレット=モヒナートに転生してしまった。
よりによってヒロインでもなく、ヒロインを虐め、彼女に惚れているギャレットの義兄ジュストに殺されてしまう悪役令息に転生するなんて。
お金持ちの息子に生まれ変わったのはいいけど、モブでもいいから長生きしたい
最後にはギャレットを殺した罪に問われ、牢獄で死んでしまう。
小説の中では当て馬で不憫だったジュスト。
当て馬はどうしようもなくても、不憫さは何とか出来ないか。
小説を読んでいて、ハッピーエンドの主人公たちの影で不幸になった彼のことが気になっていた。
それならヒロインを虐めず、義兄を褒め称え、悪意がないことを証明すればいいのでは?
そして義兄を慕う義弟を演じるうちに、彼の自分に向ける視線が何だか熱っぽくなってきた。
ゆるっとした世界観です。
身体的接触はありますが、濡れ場は濃厚にはならない筈…
タイトルもしかしたら途中で変更するかも
イラストは紺田様に有償で依頼しました。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
両翼少年協奏曲~WINGS Concerto~【腐女子のためのうすい本】
さくら/黒桜
BL
優等生ヤンデレS×俺様強気わんこ【音楽×青春ラブコメディ】
//高校生Jロックバンド「WINGS」の勝行と光は、義兄弟であり、親友であり、お互い大切なパートナー。
仲良すぎる過多なスキンシップのせいで腐女子ファンが絶えない。
恋愛感情と家族愛と友情、そして音楽活動で次々生まれる「夢」と「壁」
時にすれ違いつつ、なんだかんだで終始いちゃつく平和モードなの両片思いラブコメ。
『ていうかこの二人、いつくっつくの?え?付き合ってる?付き合ってないの?はよ結婚しろ』
短編ばっかり集めたオムニバス形式ですが、時系列に並べています。
攻めがヘタレの残念王子だが性格が豹変するタイプ。
受けはおばかビッチわんこ。ヤンデレ要素は後半戦。えちシーンは♡表記
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる