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第四節 ひと夏の陽炎とファンタジア
#55 片翼天使の序奏曲
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誰もいないはずの部屋で、暴れる心臓の痛みと闘っていた。その間、誰かがずっと手を握ってくれていた。
それは遠い昔。まだろくに言葉も話せなかった幼児期から何度も願ったわがままな望み。もう二度と叶うことのない、今西光がただひとつ――欲しかったもの、だった。
ゆっくり雨が上がり、夏の夜らしく虫の音が聴こえ始めた。
(……殺風景な家)
何度か今西家に上がったことはあったけれど、特に違和感を感じなかった。それはあの明るい性格の弟がいたり、生活感のあるリビングにしか入らなかったからかもしれない。
ベッドとタンス以外何もないがらんどうの部屋。そこにある六十鍵の電子キーボードは、勝行の目に酷く不自然に映った。
玄関の鍵は開いたまま。一階はどこもかしこも無人で電気すらついていない。家主は二階の寝室で、錠剤を手に持ったまま倒れていた。
咄嗟に無断で入ったけれど、同時に無断で上がり込んだ医者と青年もいたので便乗したともいう。
医者は光のかかりつけ医だった。ひとしきり彼の容態を確認して薬を服用させ、名刺片手に病院の住所を勝行に伝えると先にバイクで帰っていった。彼を呼んだと思しき付き添いの青年も。
一人部屋に残った勝行は、光の頬に零れ落ちる雫を優しく拭き取りながらため息をついた。
「さようならがうまくできない関係なんて、君が初めてだ」
じっとり濡れたままの茶髪をかきあげ、タオルで拭いてやる。まるで手のかかる弟か、言葉の通じないペットでもあやしているような気分だ。
長く心臓をキーボードに押し付けたまま苦し気に呻いていた光だが、薬が効いて多少マシになったようだ。鳴らない鍵盤にゆるゆると指を這わせ、掠れた声で「さわんな……」と独り言ちた。だが顔色は青ざめたまま、目も開かない。
勝行はベッドサイドに立ったまま、ごめんね、と呟いた。
「俺、親の都合でいきなり引っ越したりするからさ。――今まで友だちなんて作らなくて。うわべだけの、同級生としてしか付き合わないようにわざとしてた」
「…………」
「こうやって、仲良くなった子と別れる時、傷つくのが怖くて。俺もずっと、一人ぼっちで生きてた」
その言葉に驚いたのか、光はもぞもぞと起き上がってきた。無理するなよと慌てて支えるも、案の定よろめいて二人同時にひっくり返りそうになった。ひとまずキーボードを避けてベッドの上に座らせる。
「……お前……」
「なに……」
「その声……かつゆき?」
「……?」
開いているはずのその目は全く焦点が合っていない。見えないだろうか。不安になりつつも、「そうだよ」と答えてさっきまで繋いでいた手をもう一度握りしめた。
名前を呼んでくれたのは、これが二度目だ。
その手を不思議そうに捕まえ、触って何度も確認しながら、光は再び目を閉じる。
「なんで……いんの……」
「追いかけてきた」
「なんで……おま、東京……いくんだろ」
「……行かなきゃいけないけれど」
「……」
「光が泣いてる気がして……探しに来たんだ」
光の頬には、雨とも汗とも言い訳つかないタイミングで、透明の雫が零れ落ちる。なぜか彼の涙は驚くほど綺麗で儚く感じた。自分が泣かせたかもしれないと思うと心が痛む。
「光は、一人がつらいって。さっきうなされながら言ってたね。俺も、変わらないよ」
「……」
「俺の家は恵まれてる。でもお金しかなくて、誰も俺の気持ちには寄り添ってくれない。俺の傍にずっといるのは、俺が生み出した音楽だけ」
「……おんがく……」
「うん。本当は俺も友だちもいないし、親が傍にいないのは寂しい。俺たち、ちょっと似てるよな」
勝行は力なく笑うと、隣に座っていいか尋ねた。返事は待たず、ぽすんとベッドに座り込む。まだその手は光を握り締めたまま。
「こんな家でも、今までずっと我慢してきたんだ。親の言う通り、流されるままに適当に過ごして。好きな吹奏楽部も、学校生活も、何度も諦めてきた。でも……本当は、諦めたくない夢があって。それを叶えるためにも、君とはこれからもずっと友だちでいたいんだ。どんなに遠く離れたとしても」
「……どうして」
「わかんない? 結構バレバレだったと思うんだけどな」
つい理屈っぽくなってしまう自分の言葉を、なるべく完結に伝えたいが意外と難しい。勝行は困り顔で笑いながら、まだ脂汗の滲む光の頬をタオルで撫でた。
「俺さ。光とバンドやりたいんだ」
「……バンド?」
「うん。光の作った曲を俺が歌にして、一緒に演奏して。世界中に聴かせたい。そんな夢」
「……俺の……曲?」
「音楽室で初めてお前のピアノを聴いた時からずっと。もしかしたら光のこの音楽は、俺のつまんない日常を変えてくれるんじゃないかなーって、変な期待してたんだ。前も言っただろ? お前のピアノが好きだから、友だちになりたいって。あの時からずっと思ってたよ」
光はまだ息苦しそうにか細い呼吸を繰り返しながら、こちらを見て懐疑的な表情を浮かべている。
「バンドって……なに」
「え、そこから説明いるのか」
修学旅行も知らない奴だから、しょうがないか。
くつくつと肩を震わせ、勝行は「一緒に音楽を作って演奏する仲間だよ。音楽の……そうだなあ、家族みたいな」と説明してみる。
光はその言葉をゆっくり噛みしめるように聴いていた。
「音楽の、家族……」
「うちで家政夫してくれるようになってから、毎日俺の部屋で一緒にセッションしてただろ。ああいうことをもっと本格的に始めて、いつか二人で曲を完成させてさ。コンサート開いたり、CD作ったり……」
語りだしたら止まらない。ああ、こんなこともしたいし、あんなこともしてみたい。
今までまっしろのキャンパスに何も描けなかった将来の夢が、堰を切ったようにいくらでも飛び出してくる。それは夢を持つことに憧れていた勝行にとって、初めての衝動でもあった。
「……でも……俺は、この家から出られないし。お前んち……なくなるんだろ」
「うん、だから光を説得しにきたんだ」
「……説得……?」
「俺の夢、お前が付き合ってくれないと叶わないから。だからまずは俺のことを信じて、夢の『パートナー』になってくれないかな?」
勝行はそう告げると、握ったままの手を持ち上げ細くて長い指を見つめた。
「光が俺と一緒にバンド組んでくれたら。俺はいつでもお前の傍にいて、手を握ってほしい時はこうやって握ってあげる。呼ばれたら超高速で飛んでくるよ。これでも足は速い方」
「はっ……ほんとかよ」
「もちろん」
「嘘つけ。東京行くくせに」
「まあ確かに、お前にフラれちゃったら大人しく東京行くかな。でも俺を選んでくれたら、絶対にこの手を離さないよ。俺けっこうしつこいタイプだから」
「……しつこいのは知ってる」
笑顔を零しながら饒舌に語る勝行の押しに負けたか、光はついに口角を上げて笑みを零した。
「俺の事は、便利でお得な財布だと思ってくれていいよ。どう?」
「だからさあ、友だちってのは金でどうこうするもんじゃねえだろ。俺を見くびるな、そこまで人間腐ってねえ」
「でもお得セールじゃないと、光は買ってくれないから」
「はあ? もう……わかった、わかったよ。俺の負け。なんか知らねーけど、バンドの話は面白そうだから乗ってやってもいい」
その言葉を待っていた。勝行はにやり、含み笑いを浮かべて「よぅし、決まりだな」と指を鳴らした。
パチン。
その音が鳴るや否や、ドドドド、と沢山の人だかりが押し寄せてきた。台風が抜けた直後の夜だというのに、家の前には引っ越し用トラックが何台もやってくる。
「よし、来たな」
「……え……なに……するんだ」
「ずっとお前の傍にいてあげるって言ったろ? で、ここの部屋、空いてるみたいから借りるね」
「……は?」
「相羽様、こちらの荷物はどちらに運びましょうか」
「あ、隣の部屋に入れて。ベッドと楽器も」
いつもの黒服の護衛たちが、わっせわっせと階段下から段ボールや家具を運び入れていく。その荷物はどう見ても勝行が自室で使っていたものばかりだ。
「お……おい、何やってんだ」
「何って。引っ越しだよ、引っ越し。家さえあれば父さんの説得はできるし、ちゃんと家賃と食費は入れるから。よろしくね、大家さん」
「は……はああああああ!?」
素っ頓狂な声をあげる光の隣で、勝行はいつもの腹黒な笑顔を輝かせた。
「ね、言っただろう? 24時間365日、ずーっとお前の傍にいてやるよ」
誰もいないはずの部屋で、暴れる心臓の痛みと闘っていた。その間、誰かがずっと手を握ってくれていた。
それは遠い昔。まだろくに言葉も話せなかった幼児期から何度も願ったわがままな望み。もう二度と叶うことのない、今西光がただひとつ――欲しかったもの、だった。
ゆっくり雨が上がり、夏の夜らしく虫の音が聴こえ始めた。
(……殺風景な家)
何度か今西家に上がったことはあったけれど、特に違和感を感じなかった。それはあの明るい性格の弟がいたり、生活感のあるリビングにしか入らなかったからかもしれない。
ベッドとタンス以外何もないがらんどうの部屋。そこにある六十鍵の電子キーボードは、勝行の目に酷く不自然に映った。
玄関の鍵は開いたまま。一階はどこもかしこも無人で電気すらついていない。家主は二階の寝室で、錠剤を手に持ったまま倒れていた。
咄嗟に無断で入ったけれど、同時に無断で上がり込んだ医者と青年もいたので便乗したともいう。
医者は光のかかりつけ医だった。ひとしきり彼の容態を確認して薬を服用させ、名刺片手に病院の住所を勝行に伝えると先にバイクで帰っていった。彼を呼んだと思しき付き添いの青年も。
一人部屋に残った勝行は、光の頬に零れ落ちる雫を優しく拭き取りながらため息をついた。
「さようならがうまくできない関係なんて、君が初めてだ」
じっとり濡れたままの茶髪をかきあげ、タオルで拭いてやる。まるで手のかかる弟か、言葉の通じないペットでもあやしているような気分だ。
長く心臓をキーボードに押し付けたまま苦し気に呻いていた光だが、薬が効いて多少マシになったようだ。鳴らない鍵盤にゆるゆると指を這わせ、掠れた声で「さわんな……」と独り言ちた。だが顔色は青ざめたまま、目も開かない。
勝行はベッドサイドに立ったまま、ごめんね、と呟いた。
「俺、親の都合でいきなり引っ越したりするからさ。――今まで友だちなんて作らなくて。うわべだけの、同級生としてしか付き合わないようにわざとしてた」
「…………」
「こうやって、仲良くなった子と別れる時、傷つくのが怖くて。俺もずっと、一人ぼっちで生きてた」
その言葉に驚いたのか、光はもぞもぞと起き上がってきた。無理するなよと慌てて支えるも、案の定よろめいて二人同時にひっくり返りそうになった。ひとまずキーボードを避けてベッドの上に座らせる。
「……お前……」
「なに……」
「その声……かつゆき?」
「……?」
開いているはずのその目は全く焦点が合っていない。見えないだろうか。不安になりつつも、「そうだよ」と答えてさっきまで繋いでいた手をもう一度握りしめた。
名前を呼んでくれたのは、これが二度目だ。
その手を不思議そうに捕まえ、触って何度も確認しながら、光は再び目を閉じる。
「なんで……いんの……」
「追いかけてきた」
「なんで……おま、東京……いくんだろ」
「……行かなきゃいけないけれど」
「……」
「光が泣いてる気がして……探しに来たんだ」
光の頬には、雨とも汗とも言い訳つかないタイミングで、透明の雫が零れ落ちる。なぜか彼の涙は驚くほど綺麗で儚く感じた。自分が泣かせたかもしれないと思うと心が痛む。
「光は、一人がつらいって。さっきうなされながら言ってたね。俺も、変わらないよ」
「……」
「俺の家は恵まれてる。でもお金しかなくて、誰も俺の気持ちには寄り添ってくれない。俺の傍にずっといるのは、俺が生み出した音楽だけ」
「……おんがく……」
「うん。本当は俺も友だちもいないし、親が傍にいないのは寂しい。俺たち、ちょっと似てるよな」
勝行は力なく笑うと、隣に座っていいか尋ねた。返事は待たず、ぽすんとベッドに座り込む。まだその手は光を握り締めたまま。
「こんな家でも、今までずっと我慢してきたんだ。親の言う通り、流されるままに適当に過ごして。好きな吹奏楽部も、学校生活も、何度も諦めてきた。でも……本当は、諦めたくない夢があって。それを叶えるためにも、君とはこれからもずっと友だちでいたいんだ。どんなに遠く離れたとしても」
「……どうして」
「わかんない? 結構バレバレだったと思うんだけどな」
つい理屈っぽくなってしまう自分の言葉を、なるべく完結に伝えたいが意外と難しい。勝行は困り顔で笑いながら、まだ脂汗の滲む光の頬をタオルで撫でた。
「俺さ。光とバンドやりたいんだ」
「……バンド?」
「うん。光の作った曲を俺が歌にして、一緒に演奏して。世界中に聴かせたい。そんな夢」
「……俺の……曲?」
「音楽室で初めてお前のピアノを聴いた時からずっと。もしかしたら光のこの音楽は、俺のつまんない日常を変えてくれるんじゃないかなーって、変な期待してたんだ。前も言っただろ? お前のピアノが好きだから、友だちになりたいって。あの時からずっと思ってたよ」
光はまだ息苦しそうにか細い呼吸を繰り返しながら、こちらを見て懐疑的な表情を浮かべている。
「バンドって……なに」
「え、そこから説明いるのか」
修学旅行も知らない奴だから、しょうがないか。
くつくつと肩を震わせ、勝行は「一緒に音楽を作って演奏する仲間だよ。音楽の……そうだなあ、家族みたいな」と説明してみる。
光はその言葉をゆっくり噛みしめるように聴いていた。
「音楽の、家族……」
「うちで家政夫してくれるようになってから、毎日俺の部屋で一緒にセッションしてただろ。ああいうことをもっと本格的に始めて、いつか二人で曲を完成させてさ。コンサート開いたり、CD作ったり……」
語りだしたら止まらない。ああ、こんなこともしたいし、あんなこともしてみたい。
今までまっしろのキャンパスに何も描けなかった将来の夢が、堰を切ったようにいくらでも飛び出してくる。それは夢を持つことに憧れていた勝行にとって、初めての衝動でもあった。
「……でも……俺は、この家から出られないし。お前んち……なくなるんだろ」
「うん、だから光を説得しにきたんだ」
「……説得……?」
「俺の夢、お前が付き合ってくれないと叶わないから。だからまずは俺のことを信じて、夢の『パートナー』になってくれないかな?」
勝行はそう告げると、握ったままの手を持ち上げ細くて長い指を見つめた。
「光が俺と一緒にバンド組んでくれたら。俺はいつでもお前の傍にいて、手を握ってほしい時はこうやって握ってあげる。呼ばれたら超高速で飛んでくるよ。これでも足は速い方」
「はっ……ほんとかよ」
「もちろん」
「嘘つけ。東京行くくせに」
「まあ確かに、お前にフラれちゃったら大人しく東京行くかな。でも俺を選んでくれたら、絶対にこの手を離さないよ。俺けっこうしつこいタイプだから」
「……しつこいのは知ってる」
笑顔を零しながら饒舌に語る勝行の押しに負けたか、光はついに口角を上げて笑みを零した。
「俺の事は、便利でお得な財布だと思ってくれていいよ。どう?」
「だからさあ、友だちってのは金でどうこうするもんじゃねえだろ。俺を見くびるな、そこまで人間腐ってねえ」
「でもお得セールじゃないと、光は買ってくれないから」
「はあ? もう……わかった、わかったよ。俺の負け。なんか知らねーけど、バンドの話は面白そうだから乗ってやってもいい」
その言葉を待っていた。勝行はにやり、含み笑いを浮かべて「よぅし、決まりだな」と指を鳴らした。
パチン。
その音が鳴るや否や、ドドドド、と沢山の人だかりが押し寄せてきた。台風が抜けた直後の夜だというのに、家の前には引っ越し用トラックが何台もやってくる。
「よし、来たな」
「……え……なに……するんだ」
「ずっとお前の傍にいてあげるって言ったろ? で、ここの部屋、空いてるみたいから借りるね」
「……は?」
「相羽様、こちらの荷物はどちらに運びましょうか」
「あ、隣の部屋に入れて。ベッドと楽器も」
いつもの黒服の護衛たちが、わっせわっせと階段下から段ボールや家具を運び入れていく。その荷物はどう見ても勝行が自室で使っていたものばかりだ。
「お……おい、何やってんだ」
「何って。引っ越しだよ、引っ越し。家さえあれば父さんの説得はできるし、ちゃんと家賃と食費は入れるから。よろしくね、大家さん」
「は……はああああああ!?」
素っ頓狂な声をあげる光の隣で、勝行はいつもの腹黒な笑顔を輝かせた。
「ね、言っただろう? 24時間365日、ずーっとお前の傍にいてやるよ」
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