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四冊目 りんごあめと白雪王子 ~絶対恋愛関係にならない二人の最後の夏休み
一緒に入る?露天風呂……② ♡
しおりを挟む大浴場などではなく、ここには部屋付きの専用貸切風呂があったはずだ。続き間がいくつもある広い室内をうろうろ歩きながら探検していくうちに場所を特定し、扉をあけると、広めの脱衣所がすぐ目の前に見えていた。
「あった、ここだ」
中に入り、奥のすりガラスの引き戸をカラリと解放した途端、暗闇から夏虫の大合唱がより近くから聴こえてきた。
「たしか露天風呂だったな」
「ろ て ん、ぶ、ろ……って、何?」
「え? 外にあるお風呂だよ」
「そとぉ!? なにそれ面白そう、やっぱ入ろう、今すぐっ」
「えっ、ちょっ」
外にあると聞くや否や、嬉々として目を輝かせた光は、勝行の手を引っ張り、強引に脱衣所へと入り込んだ。
秒でガバッと浴衣を脱ぎ捨てると、まごついている勝行の腰紐にも手をかける。
「なにやってんだ、はやくしろって」
「ちょ、脱がすなっ、こらっ」
「他に誰もいねえのに、今更何恥ずかしがってんだよ」
「と、トイレ! トイレいってからっ」
「脱いでから行けばいいじゃん」
半ば無理やり白の浴衣を剥ぎ取られ、いやだやめろと揉み合っているうちに、光の手がついに勝行の下腹部へと到達した。
……が。
「あ?」
「う、わああああああっ」
さっきからずっと我慢できなかった勝行のムスコは、いい感じに固く膨れ上がり、天井を向いてがっちり勃起していた。
**
――え?
かなり巨大なものが眼前にずんぐりそびえ立つ。光は一瞬びっくりしたものの、そういや勝行だって男なんだし、と思い起こす。自分と同じものがついていて当然だ、トイレだって一緒に行ったことぐらいあるし、一緒に風呂に入るのもこれが初めてじゃない。別に今更どうってことはない。
だがしかし、いつもと微妙にサイズと形が……違う気が。
「なに……あ、たまってんのか、お前」
何の気なしに軽口を叩くと、真っ赤な顔を伏せてそれを隠していた勝行が、「うるさい馬鹿!」と怒声で反論した。
完全に本気のお怒りモードである。
「ちょっとくらい人のこと考えろよ!」
「あ、あー。わる……かった?」
「なんでそこで疑問形なんだよっ」
「お、おう……そう……だな……」
そうは言われても、めちゃくちゃに怒っている勝行の気持ちが分からない光には、なんと答えていいか分からないようだ。ただ、怒らせてしまったことは少し反省しているようで、「やべえ……」と言いたそうな、困った顔をしながらしばし考え込む。
だが唐突にとんでもないことを言いだした。
「じゃあ、お詫びに抜いてやる」
「――は?」
「だって、コレこのままじゃ風呂入れねえんだろ」
「な、なに、言って」
「俺に任せとけって」
「えっ」
言うが早いか、完全に下着を脱ぎきっていない勝行を強引に押し倒すと、光の手が剥き出しになったそれを指でなぞった。
「ぅ、あ」
思わず声を殺す勝行の腰がびくんと揺れ動く。
慣れた手つきで上下緩やかに扱きながら先端を剥くと、光はためらいもなくその先端をぺろりと舐めた。
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