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序章 きみが灰になったとしても
第6話 さて、話をしようか
しおりを挟む見上げれば見える二つの月が、ノウトと魔皇を照らしている。
ここは魔皇のみが開くことが出来る専用のバルコニーだ。
魔皇城の本丸の部屋にはそれぞれ魔法が施されていて、同じ扉を通っても同じ場所に行けるとは限らない。これは魔皇が奇襲を受けない為に設えた魔法で、人はその管理者を稀代の魔法使いメフィス・フラウトスと呼ぶ。
魔人族と小足族のハーフである彼女は幼い頃から何十という神機を組み立てたり、新たな魔法を生み出したりしている。いわゆる天才というやつなのだ。ノウトはまだ一度も会ったことはないが、きっと凄い人なのだろう。
現に、魔皇が許可しなければ魔皇の部屋には絶対に入ることは出来ない。魔法配列が複雑なのか両手で数える程の部屋しか対応していないようだが、魔皇の寝室にこのような措置をするだけでかなり話は変わってくるだろう。
さて、ノウトと魔皇は金属製の丸テーブルを挟んで、対面になるように座っていた。昨晩もこうして話し合い、この世界の事情を軽くだが教えて貰ったのだ。
紅茶の入ったカップを片手に、魔皇が口を開いた。
「今日はよく頑張ったな」
「魔皇様こそ」
ノウトが言うと、魔皇が小さく笑った。いつの間にかノウトの魔皇に対する呼称が変わっていた。自分自身でも気付いていなかったが、おそらく魔皇に対する敬意の表れなのだろう。これに対して魔皇は特に言及はしなかった。
「初陣だったわけだが、手応えはどうだ」
「やろうと思ったことは、おそらく出来た。救える人は救えたし。でも、ラウラにも言われた通り、足を引っ張ることが多かったかな。ラウラがいなければ俺はあの時死んでいた」
ノウトが怪我をした少年を背負っていた時に、オークに襲われて、その時にラウラに助けられなければ、今ここにノウトはいないだろう。
「それが仲間ってものさ。ラウラとはいつか背中を預けられるようになるよ」
魔皇が冗談でもなんでもなくそう言って見せるものだから、本当にそうなるような気がしてきて、ノウトは何だか自分が誇らしくなった。
「そうなれるように頑張るよ」
「うむ」
魔皇がにっと、笑ってみせた。
「それで、聞きたいことがあるんだけど」
「ああ、なんでも聞いてくれ」
「あのゴーレム……とか言われていた敵の兵士は何者なんだ?」
「灰森族の操ってた鉄塊兵のことか」
「シンダール?」
「ああ、まずそこから話そうか。灰森族というのは大陸南東にある灰の森に住む種族だな。俗に灰エルフとも呼ばれる」
「エルフとは何が違うんだ?」
「端的に言えば、その昔にエルフが世界を治めていた時代にその代のエルフの国王を弑逆をした輩がいてな。それによってエルフが二つに別れて北のハリトノヴァと南のハリトに分裂としたと伝えられている」
「なるほど……」
それで、弑逆した方が灰色エルフになったというわけか。
「それで、話を戻すが鉄塊兵は連邦の東にある鍛人族が作り出す神機の派生系みたいなものだな。大方、彼らに作らせたものを戦場に投与したのだろう」
「鍛人族達を帝国側が引き入れることは出来ないのか?」
「あまり、現実的とは言えないな。何分、鍛人族の住むロウパ、ドイーズ、ストックロームはここから遠過ぎる。それに帝国の統治領とそことの間に連邦の要塞も構えている」
「そうか……。鉄塊兵の所持権は今のところ連邦側にしかないんだな。いや、壊さずに持って帰れば可能性はあるのか……?」
「一度やったことはあるのだが、どうやら向こう側にある神機と駆動部分が連動しているみたいでな。それに、あの灰森族の操作する端末にのみ反応するようだ」
「なるほど」ノウトが紅茶の入ったカップを傾けた。「そもそもあの鉄塊兵ってどういう原理で動いてるんだ?」
「私の管轄ではないのだが、メフィに聞いた話、凶魔が埋め込まれているとか何とか」
「ロゴス……?」
「あ、ああ。それも話すべきか。ふぅむ。長くなるかもしれないがいいか?」
「もちろん」
ノウトが頷くと、魔皇が遠くを見るように目を細めて語り始めた。
曰く、この世界には地下迷宮と呼ばれるものがあるらしい。帝国の西にその地下世界への入口があり、神機やら魔法の類はここから出土したものだと言われている。
地下迷宮の中では凶魔という不定形の怪物が絶え間なく生まれている。
凶魔は通称、魔物とも呼ばれ、生物を喰らう為だけに存在する。その姿は多種多様で体内にある核を壊されると動かなくなり、死滅する。繁殖行為も行わずにただ地下迷宮の中から生まれる生命体だ。
中で発掘される神機も取り尽くされ、凶魔が生まれるのみとなった地下迷宮は1600年程前に蓋が施されて、それ以来誰も訪れていない、との事だった。
「……その、アンダーグラウンドを封じるほどの蓋ってどれだけ大きいんだ?」
「いや、最初の疑問そこか。確かに気になる点ではあるかもしれないが」
魔皇は話し終えて、そしてくすりと小さく笑った。
「当時の魔皇が封じたと伝えられているが、そうだな、直径100メートル近くはあるやもしれない」
「よく封印出来たな……」
「私よりも強大な力を持った魔皇だったのだろうな」
魔皇は他人事のように宣った。実際他人事だから別におかしくはないが、ノウトの中で何か引っかかった。その何かが分からずに結局ノウトはその引っかかりを頭の奥にしまい込んだ。
「連邦はその凶魔を飼育してるってことか?」
「可能かどうかははっきりとは分かりかねるが、おそらくそういうことだろう」
連邦はある意味で帝国より相当先に行っているらしい。
連邦はここ最近で帝国の攻撃を受けて神機をいくつか奪われてしまったようだ。それがかなり痛かったらしく、戦況にも影響が生まれているとのことだ。
「……どうしたら、戦争を止められるんだろう」
ノウトは思わず、そんな言葉を漏らしていた。魔皇はノウトの方を見て、考えを廻らすように腕を組んだ。
「そうだな。ならば、どうして戦争が起きるかを考えようか」
「それは、神機と領土を奪い合うから……かな」
「ならば、どうしてそれらを奪おうと欲するのだろうな」
「そんなの……神機は圧倒的な力を得られるし、領土もあれば、それだけ国民が暮らせる土地、また肥やせる大地が増えるからだろ」
「うむ。四割方は正解だな」
「人の欲に正解があるのか?」
「この世界においてはな」
魔皇が腕を机の上に乗せた。
「そも、魔人が北と南に別れたのは何が原因なのか。覚えているか?」
「それは、魔皇派と反魔皇派に別れたからだろう。勇者による被害を恐れた連邦の魔人と勇者を迎え撃つことを決めた帝国の魔人」
「そうだ。つまり連邦が力を得ようとするのは、魔皇と、ひいては勇者と対抗するための戦力を手にする為なんだよ」
魔皇は話を続ける。
「畢竟するに、この世界に魔皇がいなければ、魔人はひとつに纏まれるんだ」
そう、はっきりと告げた。魔皇の瞳は揺るがずにその虹彩に銀河を宿している。魔皇が片目を瞑り、冗談めかすように続ける。
「しかし、魔皇は死んだとしても次の代に魔皇としての紋章である魔痕が浮かび上がるだけだからな。私が死んでも何も解決しないわけさ」
「そういう問題じゃ、ないだろう」
ノウトは魔皇の眼を見据えて、言葉を紡ぐ。
「魔人がひとつに纏まれないのは魔皇のせいじゃない。勇者のせいだ。勇者が自らの記憶欲しさに魔皇を殺そうとするから。それが種族同士の仲を引き裂いているんだ」
ノウトが言うと、魔皇は控えめに微笑んでみせた。
「魔人は呪われた種族なんだ。魔皇は魔人族の中で無作為に選ばれる。誰が選んでいるのか。主であるマギア様だと私たちは教えられるが………──時々、私が魔皇に選ばれなかったらどんな生活をしていたのか、と考えることがあるんだ」
魔皇が遠くを見るように目を薄めた。
「普通の家庭に生まれて、普通に生きて、普通に暮らして、普通に笑って……」
魔皇は少女のように頬を緩めて、ノウトの目を見た。
「ただな、そんなこと、もうどうでもいいんだ。強がりなんかじゃないぞ。だって、現に私が魔皇にならなかったら、メフィにも、ラウラにもシファナにも、エスカにも、そしてきみにも会えていなかった。私は幸せ者だとしみじみ思うんだ」
魔皇がふっと笑う。
「奇跡の連続さ。きみが勇者に反逆したから。きみがミファナを助けたから。私がミファナから君の話を聞いたから。だから、今ここに私ときみが同じ卓を囲んで、同じハーブティーを口にしている。これを奇跡と呼ばずになんと呼ぶんだろうか」
魔皇の言葉が、ノウトの中をすっと透き通るように通っていく。
「勇者の紋章を持つきみと、魔皇の紋章を持つ私。どこかで引かれ合っているのか、それとも……」
魔皇の瞳に浮かび上がる魔痕が妖しく煌めく。思わず見とれてしまう。
「これが必然だったら、運命だとしたら。こんなに嬉しいことは無いな」
魔皇がそっと笑った。
「さて、すまないな。湿っぽい話になってしまった。今夜のお茶会はここまでにしようか」
ノウトは頷いて、その場を立った。
魔皇の言葉には力がある。紡がれる言葉を一つ一つに説得力があるというか。そりゃ、ノウトの何倍も経験豊富で、してきた決意の数も違うだろう。
その言葉を前にすると、自分の言葉がひどく薄っぺらに感じてしまう。
心のどこかで魔皇と対等になりたいんだと思う。
「そう言えば」魔皇が何かを思い出したかのように口を開いた。「ノウトが今日起きたあの部屋、あれはきみの部屋なわけだが」
「えっ、俺の?」
「気に入って貰えたか?」
「う、うん。ありがとう。いつまでも魔皇様の部屋に住まわせて貰うわけにも行かないしね」
「寂しくなるな」
魔皇はいたずらっぽい顔で笑った。それから、ノウトが魔皇の部屋の外へ出るまで見送ってくれて。
「自分の部屋がどこか分かるか? メフィの管理下にはない部屋だから場所は固定何だが」
「うん、大丈夫」ノウトは頷いて、そして魔皇の顔を見た。「それじゃ、おやすみなさい、魔皇様」
「ああ、おやすみ。ノウト」
それから、ノウトは真っ直ぐに与えられた自分の部屋へと向かい、ベッドに吸い込まれるように横になった。
目を瞑ると、今日あった戦闘のことが瞼に浮かんだ。
血濡れの姫隊のメンバーは皆が皆かなりの手練だった。ダーシュとシャーファの戦い方には思わず目を奪われた。ラウラの目にも止まらぬ剣技も凄まじかった。
彼らと肩を並べて戦う。そう宣言したはいいもののそんなビジョンが全く浮かばない。剣術を鍛えれば同じ舞台に立てるのか。答えは分からない。頭の中でイメージする。イメージを繰り返す。想像を真意に変える。
救けるイメージ。倒すイメージ。勝つイメージ。
──ああ。でもやっぱり、目を瞑るとどうしても彼女のことを思い出してしまう。彼女の笑顔が瞼に浮かぶ。
会いたい。会いたいよ。
でも、もう、会えない。彼女は死んでしまったから。彼女は灰になってしまったから。
この悲しみを断ち切ることは、多分できない。
だからこそ、哀悼を背負ってノウトは生きていかなければいけない。
彼女に『生きて』と言われたから。
俺が、彼女を殺してしまったのだから。
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