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第二章 蹉跌の涙と君の体温

第37話 君の体温を感じて

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「うわぁお!? チミたち何してるんですか!? 不法侵入ですよぉ!?」

 ナナセ達がいきなり現れたことに驚いているであろうそいつ上体を仰け反るようにしてリアクションしてみせた。

「お、お前は……!!」

「変な男……!!」

「なんですかそのネーミングセンスぅ!! シンプルぅ、そして逆に斬新!!」

 変な男は相変わらずのようだ。なんかもうテンションについていける気がしない。そう、こいつはナナセ達がこの世界、ファラノイアに目覚めて初めて出くわしたこの世界に生きる人間だ。

「というかあなたたちどこから入って来たの? ぱなくない?」

 変な男は口ではそう言いつつも、今はあまり驚いてはいない様子だ。

「どこからでもいいだろ。なぁ、ここから出る方法何かないのか?」

 ノウトが変な男に問う。周りを見渡しても目覚めたその時と同じようにどこにも出口らしきところは見当たらない。

「ここから出る方法ねぇ。教えてあげなくもないけど、どうしようかなぁ。この人たち不法侵入してきたしなぁ」

「アイナ、《空断フギト》で無理矢理出ようぜ」

「おっけ」アイナが壁に視線を向ける。

「ちょちょちょ!! 何やろうとしてんのクガっち!!」

「気安く呼ばないでよ」

「あれ、怒っちゃった? ごめんちゃーい」

 変な男は右手を頭の上において、びよーんと擬音がつきそうなポーズをとってみせた。非常にむかつく。すっげえむかつく。

「俺ら急いでるんだ。この場所を壊されるのが嫌なら早くここから出せ」

 ノウトが睨みつけると変な男は引き下がることなく、口角を上げた。

「まぁまぁ、俺と話してたら何か得られるかもしれないっすよぅ? あ───ノウト」

「あ?」

「いやこっちの話ですなんでもないんで」

 ナナセが繰り返すと変な男はとんでもない早口でそう言った。

「じゃあ、お前は遠隔的に人を焼くことが出来るやつを知ってんのか?」

「ええ、もちろん」

 変な男はにやりと悪魔のような笑みを見せた。

「勇者の中に犯人はいますよ」

「それ、ほんと?」リアが怪訝な目で見張った。

「はい。私、嘘ついたことないんでこれマジで」

「なんでお前はそれを知ってるんだ?」

「そりゃ俺がきみたちを召喚したからに決まってるじゃないですか、ぷふー」

 変な男は口許に手をやって、嘲笑──というか吹き出して笑ってみせた。

「そもそも、召喚したってなんなの?」

「質問尽くしすね。でもぉ、その質問には答えられませんね。女神様に怒られちゃうので」

「女神様……?」

 アザレアのこと、じゃないよな……? 勇者には一人一人女神がついてる、ってアザレアは言ってたからその中のだれかの事か? ……というかやばいだろ、これ。時間稼ぎされてるんじゃないかって疑うくらいだ。こいつと話してたら話の終点が見えない。

「──犯人は、勇者の中の誰なんだよ、教えてくれ」

「嫌っすよ」

「なっ──」

「だってそんなのつまらないでしょーが。自分達で道を切り拓く。それが勇者なんじゃないですか?」

「お前が答えることで道が切り拓かれるんだよ」

「はっ。面白いですね。しかししかしぃ、そうは問屋が卸しませんよ」

 変な男はくるりとその場で回りながらそう言った。いちいち行動がむかつくやつだ、本当に。

「そうだ。ひとつだけ、ヒントをあげましょうか」人差し指をぴんと立ててみせた。

「〈熱〉の勇者が犯人です」

 熱の、勇者。そいつが今までアイナを殺してきたやつか。絶対に止めてやる。もうアイナを傷付けさせはしない。

「さぁ、ゲームスタートですよ。誰なのか、誰なのでしょうか。止められるのでしょうか。くくくっ。笑える。面白れぇ。くっくっくっくックックックッくっくっくっく」

 変な男はタガが外れたように不気味に笑った。ナナセ達はその突拍子もない様子にあっけに取られてしまう。

「それではさようなら。ソウルメイト達よ」

 変な男が頭の上にあげた指をパチンと鳴らすと、既にそいつはその場からいなくなっていた。

「消え……た……」

「……相変わらず何も読めないやつだね」

 口々に言ったところで、背後から音がした。部屋の壁のひとつがゴゴゴ、と音を立てながら動き出し、その先に出口らしき光が見えた。あの時と同じだ。

「とりあえず、出よっか」

 リアの提案に皆が頷いて、その光に導かれるように外に出る。
 なんか、懐かしいよな。あれからあまり日にちは経ってないはずなのにもうだいぶ前のような気がする。ここ最近、ずっと忙しかった。これが解決したらゆっくりしたいな。これが終わったらどうしよう、なんて考えるだけで少し胸が踊る。アイナと一緒に居られれば、あとはなんでもいい。
 久しい日の光に視界が覆われて、一瞬だけホワイトアウトのように白く襲われる。
 光に目が慣れて、見渡すといつかと同じような風景がそこには広がっていた。大きな城に緑の芝生。城壁で城下町は見えないけど、あの場所に来れたのは確かだ。

「〈熱〉の勇者、ねぇ」

 ノウトが手で庇をつくりながら呟く。

「なんか、思い当たることある?」

 アイナがリアに訊く。

「うーん。どうだろ。わたしの知ってる限りでは特にないかな。ノウトくんは?」

「悪い、俺も特にないな」

 ノウトが顎を手で触りながら答えた。

「ロークラントに着く前に一回情報を整理してみない?」

 ナナセが皆の顔を見渡して言った。ノウトがポケットから懐中時計を取り出して、

「10時前。うん、まだ焦る時じゃないな。よし、じゃあそうしようか」

 そして頷いた。

「〈熱〉の勇者に思い当たる節がないから、今分かってるやつらは最初に除いた方がいいよな」

「そうだね。まずレティのパーティとかシャルちゃん、フウカちゃんを除いて、それ以外でわたし達が知ってるのは、刃を作り出すダーシュくん、〈雷〉の勇者カンナちゃん、〈氷〉の勇者ニコちゃん、あとは〈幻〉のマシロちゃん……だけかな」

「あ、リア……そのことなんだけど……」

 リアの言葉を聞いたアイナが遠慮がちに口を開いた。リアはアイナに耳を傾ける。

「カンナとマシロは、………死んじゃったんだ」

「…………ぇ……」

「う、そ………」

 ノウトとリアの顔が蒼白に染まっていくのが傍から見ても分かった。そうだ。ノウト達は誰がフェイによって殺されたのか確認する前にあの場を飛び去った。つまり、この情報を知るのは今が初めてということになる。

「マシロと……カンナが……」

「………そんな、いや………」

 ノウトとリアは消え入りそうな声で呟く。

「フェイ、………くそ、お前……。ああ、俺がもっと早く止められたら………」

 ノウトは悔やむように唇を噛んだ。

「……だめだ、どんなことを知っても大丈夫だと思ったんだけど、……これは、耐えられないかもしれない、かも」

 リアは震えた声で言葉を絞り出す。

「もっと話したいこととか、いっぱいあったのに……」

 そう言ってからノウトはかぶりを振った。

「……ごめん、今は違うよな。取り乱して悪い」

「いや何も謝る必要なんてないって。それ普通だから、さ。うん」

 ナナセは自分の心の傷口が開いてしまう前に声を出した。彼らの様子を見ていたら、ふいにテオの死の間際が脳裏にチラついたのだ。

「わたしたちは代わりに生きないとだもんね。よし、頑張るぞ~。見ててねカンナちゃん、マシロちゃん」

 リアは両手を胸の前に上げて、微笑んでみせた。でもその笑顔はどう見たって取り繕ったもので、強がっているとしか思えなかった。
 今は強がるしか、ないんだよな。人の死を簡単に受け入れられる人間はいない。つらい。つらいんだよ。一緒に過ごしたやつらがいなくなるのって。でも、つらいならつらいなりにやるべきことがあって、それを今はやらなくちゃいけないんだ。

「なぁ、他に誰か、……その、命を落としたやつって知ってるか? もしいたら、選択肢から外さなくちゃいけない」

 ノウトが毅然とした瞳でナナセ達に問う。いろんな意味で正直に言いたくはないけど、言うしか、ない。

「知ってると思うけど、俺のパーティのテオと、それにフェイ。あとはパトリツィア、だね」

「パトリツィア………いないと思ったけど、やっぱりか……。くそ、フェイお前、………罪深過ぎるだろ……」

 ノウトは、そこにはフェイなんていないのにその場にいるフェイに文句を垂れるように言った。

「じゃあ、犯人候補……なんて言い方したくないけど、残りは───」

「ミカエル、スクード、エヴァ、ジル、カミルの五人だね」

 アイナがその答えを口にした。

「ミカエルは多分、……いや絶対違うと思う。俺はミカエルの〈神技スキル〉を知ってるからさ。分かるんだ」

「なるほど。ってことはあとは四人、なのかな」

「まだ全然検討もつかないね……」

 アイナが俯くように呟くと、ノウトは眉根を寄せて、口を開いた。

「俺は、ジルが怪しいと思う」

「どうして?」ナナセが問う。

「あいつ、何か索敵能力を持ってるんだ。それが何かは分からないけど、的確に俺を追いかけてたから」ノウトは思い出すように言葉を紡いだ。

「〈熱〉の勇者が犯人って聞いて、もしかしたらって思ったんだ」

「可能性は、あるかもね。体温を感知した、みたいな感じかもしれない」

 リアは考えこみながらも頷いてみせた。
 答えは分からない。でも、リアの言う通り可能性は少なくともあるはずだ。

「あれ、そういえば……」ナナセは何かを思い出したかのように声を出した。

「俺自身は攻撃の標的になってなかったな……」

「──俺もだ」

 ノウトが予言という嘘がバレてしまうようなことを口に出した。しかし、リアもアイナも不思議には思ってないらしい。

「ナナセ、他のやつらが襲われてるところは見たか?」

「うん。いや、でもごめん。目を逸らしちゃってはっきりとは見てなかったんだ。だけど、さっきノウトが言ってたジルが犯人ってのは違うと思う。彼女もたしか攻撃を受けていた」

 あの時ナナセは目の前の衝撃的な光景に思わず目を背けてしまった。たぶん、あの場にいるナナセを除いた全員が襲われていた。でもそれはあくまでたぶんだ。ナナセの目には人の体温を察知出来る機能は搭載していない。
 それならば、そう。犯人も同じように攻撃を受けていたふりをしていたのかもしれない。それも有り得る。

「それに、スクードとエヴァに関しても同じで、そいつらも攻撃を受けていたのを俺は見たよ」

「ってことは、………ナナセとノウト以外は全員攻撃を受けるってこと?」

 アイナが腰に手を当てて言う。

「そういうこと、だと思う」

「でもその理屈だと、ナナセとノウトのどちらかが犯人ってことになるケド」アイナは目を細めた。

「多分、その犯人はかなり慎重でバレないことに必死なんだ。俺たちに気付かれることなく作戦を進めてきたんだろう。多分、念には念を、みたいな感じで攻撃を受けたふりをしたんじゃないかな」

「俺も、そんな気がするよ」ナナセが頷く。

「んー、まぁ、そう考えるのが普通か~。でもそしたらあんたらが襲われない理由って何なの?」

「ふたりになにか、共通点があるのかな」

「共通点……」ナナセはただその言葉を繰り返した。

「共通点っていったらこの翼くらいしかないよな……」ノウトが自らの背中に生えた黒い翼に触れてみせた。

「そうだね。でも、なんか、引っかかるんだよね……。なんだろ。その翼は今は関係ない気がする。もっと答えは単純なところにあって────」

 リアが思考を巡らすように言葉を絞り出す。

「………例えば、ノウトくんとナナセくんは犯人に触れられてなかった、っていうのはどう?」

「触れられてない……?」

「そう。ノウトくんさ、ここに来る前、レティが言ってたこと覚えてる?」

 ノウトはその言葉を聞いて、小さく息を飲んだ。

「対象が極端に離れてたら触れたことがあるものしか燃やせない、って言ってたあれか?」

「そう、それ。考えてみて欲しいんだけどさ。わたしたちの〈神技スキル〉は触れたものに作用することがほとんどだと思うんだよね。わたしの《軌跡イデア》も対象に触れないと回復できないし、ノウトくんのもそうでしょ?」

「確かに……。俺の〈神技スキル〉は全部触れたものにしか発動できない」

「考えてみれば俺の《永劫アイオーン》もそうだ」

「私の〈神技スキル〉はちょっと勝手が違うけど、でも《瞬空メメント》は触れたものとしか一緒に飛べない……」

「でしょ? 〈神技スキル〉は『触れること』で作用するのがほとんどなの。つまり、今回のナナセくんが見た予言の犯人は、ノウトくんとナナセくん以外には触れたことがある……ってのはどうかな」

 リアはあどけなく、そしていつになく真面目な顔でそう言って見せた。

「なんか、うん。すごくそれっぽい。そうじゃなかったら俺とノウトが攻撃されない理由が分からないしね。リア、すごいよ」ナナセが感心するようにリアを褒めた。

「まだ分かんないけどね」リアは頬を緩めて微笑んでみせる。

「俺は基本ほかのパーティのやつらと関わってなかったからなぁ。触れられてなかったってのも頷けるかも」

「ナナセ、影薄いしね」

「うっせ」

 ナナセ自身、自分の影が薄いことは自覚していた。実際、フェイがフリュードを崩壊させる前はほかのパーティのやつらとは一言か二言くらいしか喋ったことがなかった。

「ノウトくんもほかのパーティの人に触れられるのを警戒してたときあったよね?」

「ああ。俺は、そのヴェロアの仲間ってのもあって変に警戒してたからさ。なるべく誰にも触れられないようにしてたんだ」

「それが幸を成したカンジね」

「まぁ、犯人を止めればいいだけどの話だけどさ」ナナセが肩をすくめてみせる。

「で、その犯人だけど、結局誰だと思う?」

「今の話の流れだと、そうだな。俺はエヴァが怪しいと思うかな」ノウトが反応を確かめるように言った。

「エヴァちゃん、か……」リアが考え込むように顎を手で触る。

「俺の記憶上、俺はエヴァには触れられてなかった気がするんだ。それに俺らは全員彼女の〈神技スキル〉を知らないだろ?」

「俺も触れられたことはない気がする」ナナセが腕を組んで記憶の束を辿る。

「というかナナセ、うちのパーティ以外の誰にも触れられたことないんじゃない?」

「た、確かに」

 というのも、ナナセはアルバートのいた世界のことを少しづつ思い出していく中で、ほかの勇者へのどうしようもない不信感を徐々に高めていたのだ。
 自分が話したこともないやつが夢の中で出てきたりして、ほかのやつらが本当に記憶を失くしているのか懐疑的になってしまっていた、みたいな感じだ。結局、あれは夢なんかじゃなくてナナセの記憶だったわけなんだけど。

「っていうかそれ言ったらアイナもじゃない? 俺たちのパーティ基本単独行動してたし」

「それも、そうかも。海で一緒に遊んだ時くらいかな。ほかのパーティと一緒にいたのって」

 アイナのその台詞に少し、───いやかなり引っかかる所があった。

「ってことは犯人は、女の子ってことになるのかな?」

 リアが言う。ナナセも同様のことを考えついた。

「うん。その可能性はかなり高いと思う。何しろアイナって、男嫌いなところちょっとあるし、アイナに触れられる男なんていないだろうな」

「ちょっと。私のこと分かったみたいに言わないでくれる?」

「じゃあ違うの?」ナナセが反射的に聞き返す。

「いや、……まぁ、苦手っていうか、そういうところはあるかもだけど」

「じゃあ、尚更確定だ。犯人は女性。それにさりげなく触れてくるような友好的なやつ。だいぶ絞れてきたな」

「そうだね」

 ノウトの意見にリアが肯定する。

「でもそれでいったらエヴァは、どうなんだろ。あんまりアクティブなイメージないけど」

「アイナちゃん、触れられたことないか覚えてない?」

「う~~ん……」

 アイナは腕を組んで記憶からそれを引っ張りだそうとする。

「あったとしたら海にいた時だよねぇ」

 少しの静寂が場を支配したのち、アイナが急に顔をぐっと上げて、

「あ………」

「あっ?」

「ある。あるよ、触れられたこと。思い出した。私、ヴェティとエヴァと海で遊んでたんだ、あの時」

「それが本当なら、エヴァちゃんはかなり犯人に近い人物ってことになるね」

「聞くまでもないけど、リアはどう? エヴァに触れられたことあったか?」

「あったよ。うん。初日にミカくんが刺されちゃった時かな。エヴァちゃんを宥めるためにわたし、背中さすったかも」

「確定、かもしれないな」ノウトは静かに頷いた。

「フョードルのパーティと俺達のパーティのフウカとシャルロット、それに俺らを除いた中で『〈神技スキル〉が明かされてない』『俺とナナセ以外の勇者に触れたことがある』っていう条件を満たしてるのはエヴァくらいかもしれない」

「ジルもなくはないけど、多分私触れられたことないと思うし。ないかな」

「じゃあ、エヴァって考えていいのか?」

「ひとまずは、それでいいと思う」ノウトが頷く。

「でも、もしそうだったとして、どう止めるかだよね」

「動機が分かればいいんだけどなぁ」ナナセが頭の後ろに手をやって空を仰ぐように言う。

「動機、な……」

 ノウトが考え込むように俯いて首の後ろに手を置いた。何か、思うところがあるのだろう。

「ノウト、どうかした?」

「いや、……なんでもない」

 ノウトは歯切れ悪くそう言った。気になる。そんな言われたらめちゃくちゃ気になるじゃんか。

「ノウトくんはちょっと心に傷を負ってるからね」

「否定はできないけど、リアが言うのかよ……」

「出来心でわたしを殺しちゃったし」

「リアを、殺した?」

 何かの暗喩だろうか。
 だってリアは現にここにいて、生きてるじゃないか。

「こっちの話だよ。ほんと、マジで気にしないでいいから」

 ノウトがナナセとリアの間に割って入るようにそう言った。これ以上追求するのはなんか、ダメな気がする。やめておこう。聞きたくないこと聞いちゃいそうだし。ノウトがポケットからハンターケースの懐中時計を取り出して、

「30分くらい話してたのか。そろそろ向かった方がよさそうだな。あとのことは現地で考えよう」

「そうだね。えっとじゃあアイナちゃんに頼めばいいのかな」

「えっ、ああ、うん。任せてよ」

 アイナは何か違うことを考えていたのか変な反応をしながら頷いてみせた。
 とりあえず、目処は立ったけど、どうなんだろうか。正解を導き出せたわけじゃない。ここからが本番だ。絶対に犯人を止めなくちゃいけないんだ。
 もう二度と、アイナを傷付けさせはしない。
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