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ご懐妊
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「何だと。喋っただと」
「も、申し訳ございません・・」
「このわしには言うなと言っておきながら、お前は布にベラベラと喋ったのか、六郎左衛門。ことと次第によっては許さんぞ」
「殿、面目もありません」
六郎左衛門が頭を床に擦り付けている。
しばらく前
「家老、奥方様がお呼びです」
「わしをか。わかった、すぐに行く」
六郎左衛門が奥に急いだ。
「奥方様、お呼びでございますか」
「おう、六郎左衛門、ささ、こちらに来てたまう」
「いかが致しました」
六郎左衛門が座ると布姫がジリっと近づき、口に手を当てて声を潜めた。
「私にやや子が出来たようじゃ」
六郎左衛門が飛び上がった。
「な、何と、こ、これはおめでとうございます」
「よく聞く子が出来たときの女の体の変わり様に、このところの私が同じと気づいた」
「早速医者を呼びましょう。あるいは既に誰かに命じておりますか」
「いえ、まだ誰にも話してはいない。其方が最初だ」
「というと、つまり、拙者が最初に聞いている訳ですか」
布姫がゆっくりと頷いた。
「ほう、何故でございますか」
「其方を信頼しての事」
「信頼、拙者を・・」
布姫がまたジリっと六郎左衛門に近づいた。
「私が最上から輿入れした故に、白鳥の世継ぎを生んだ時のことを心配しているであろう。私の父はあらゆる策略を用いると天下に知れ渡っている最上義光」
「はあ・・」
「白鳥の世継ぎが、最上義光の血もひいているという事になるのです」
「確かに・・」
「対立する国の世継ぎが自分の孫ともなれば、父はあらゆる手段を駆使して謀略を仕掛けて来るでしょう。それが最上義光です。これは、白鳥としても対応を練らねばならないと思ったのじゃ。違うか」
六郎左衛門が腕を組んだ。
「ご推察の通り、このことは口外してはいないものの重臣の間では幾度となく話題に上っております。さすがに殿には話してはおりませんが、奥方様がご懐妊されたからには殿を交えて協議致します」
六郎左衛門が腕をといて頭を下げた。
「お心遣いありがとうございます。早速に対応いたします」
六郎左衛門が立ち上がろうとすると、その袖を布姫がギュッと握った。
「お待ち」
「まだ何か」
「私が秘密を打ち明けたのじゃ」
「はい・・」
「其方も打ち明けて欲しい」
六郎左衛門が困惑した様に座り直した。
「拙者が打ち明けるとは、つまり、何を・・」
「何か殿に口止めしていることは無いか。この私に話すなと」
「あ、いや、その・・」
「昨晩殿に今何が起きているのかを聞いたのですが、何でも無いとか、たいしたことでは無いとか誤魔化すだけ。言葉とは裏腹に顔には重大な事態を招いていると書いてあるでは無いですか。ほんとうに芝居が下手な方。問い詰めるのもかわいそうになり聞くのをやめました」
「はあ・・」
「これは、其方に口止めされているに違いないと思った次第。違いますか」
「・・・」
「先日槇清光が旅から戻ってからの動きは何かあると誰でも思う。槇は数ヶ月前に白雲雀を連れ出しているが連れて帰ってはいない。つまり誰かに差し上げたに違いない。しかも、今は大慌てで多くの鷹匠に何かを聞き回っているというではないか」
六郎左衛門がゴクンと唾を飲み込んだ。
「正直に言ってくれるでしょうねぇ、六郎左衛門」
布姫がグイッと顔を近づけた。
六郎左衛門が力なく頷いた。
「という訳でございます」
長久が力なく肩を落とした。
「なるほど、それで喋ったという訳か」
「左様でございます」
「わしは芝居が下手か」
「はい。あ、いや、その、最上義光公の娘である奥方様から見ればとうことではないでしょうか。何と言いますか血は争えないというか、この親にしてこの娘というか。悪い意味ではございません。良い意味でもないですが」
「正直な気持ち、布に本気で問い詰められたら逃げきれないと思う。情けないことだ」
「今日、拙者もつくづくそう思いました。まあしかし、それは、敵にしたら手強いですが味方にしたら心強いということ。奥方様は既に味方です。そう割り切れば良いでしょう」
「なるほど」
六郎左衛門が姿勢を正して座り直し頭を下げた。
「この六郎左衛門が間違っておりました。今後は、白鳥の大事については常に奥方様にもご相談差し上げます。特に最上に対しての事柄は」
「それは賢明な考えだ。其方にしては珍しく柔軟な対応でもある」
「お褒めに預かり恐悦至極。いずれにしても奥方様がご懐妊された訳です。男子か否かは分かりませんが、早急に対応を協議せねばなりません」
「わしに男子は二人いる」
「しかし、太郎丸様も次郎丸様も側室の御子、この度は正室の御子でありますからそこは分けて考えねばなりません」
「最上の血を引く子でもあるからな」
「しかも、義光公の孫でございます」
即座に側近が集められた。
「これはめでたい。白鳥も安泰でござる。早速、安産を祈願した行事を行いましょう」
「めでたいのは確かではあるが、そのために皆に集まってもらった訳ではない」
「如何にして無事元服するまでお守りするか、という事ですかな」
「左様、この時代対立する他国の干渉を排除して白鳥家を存続させることが何よりも優先される。特に、最上は何を仕掛けて来るかわからん」
「義光公は最上家の家督争いでの父上義守公との戦いでは、劣勢の状況を奇策と奇襲を駆使してあれよあれよという間に有利に和議を結んでいます。恐ろしい方だ」
「いくら警戒しても警戒しすぎる相手ではありません」
「その最上とこの出羽の覇権を争うからには、何としてでもお世継ぎを無事に育てねばならん」
「太郎丸様と次郎丸様は表向き病弱としております。次の御子も病弱としてはいかがか。世継ぎが皆病弱となればさすがに最上も警戒を怠りましょう」
「三人の御子が病弱とは、如何にも取って付けた様な言い訳ですなあ。逆に疑われはしませんか。白鳥は何か企んでいると」
「元気な子でも病気にならない訳ではない。逆に病弱な子であっても立派に元服した例はよく聞きます。病弱と表向き公言する策自体が果たして効果があるのやらも危ういですぞ」
「確かに、良い策とは思えませんな」
場が沈黙した。六郎左衛門が長久を見た。
「殿はどの様に思われますか」
長久が集まった家臣を見回した。
「そもそも、生まれてくる子が男子と決まった訳ではない」
六郎左衛門が怪訝な顔をした。
「無論です。ですから、男子であった場合の対策を協議している訳です」
「姫ならばなんら問題が無い訳だ。姫であるかも知れない」
「はい。かも知れません」
長久がニヤリとして布姫を見た。
「布、どうじゃ」
布姫が頷いた。
「私が姫を産んだことにすれば良いことでしょう」
「も、申し訳ございません・・」
「このわしには言うなと言っておきながら、お前は布にベラベラと喋ったのか、六郎左衛門。ことと次第によっては許さんぞ」
「殿、面目もありません」
六郎左衛門が頭を床に擦り付けている。
しばらく前
「家老、奥方様がお呼びです」
「わしをか。わかった、すぐに行く」
六郎左衛門が奥に急いだ。
「奥方様、お呼びでございますか」
「おう、六郎左衛門、ささ、こちらに来てたまう」
「いかが致しました」
六郎左衛門が座ると布姫がジリっと近づき、口に手を当てて声を潜めた。
「私にやや子が出来たようじゃ」
六郎左衛門が飛び上がった。
「な、何と、こ、これはおめでとうございます」
「よく聞く子が出来たときの女の体の変わり様に、このところの私が同じと気づいた」
「早速医者を呼びましょう。あるいは既に誰かに命じておりますか」
「いえ、まだ誰にも話してはいない。其方が最初だ」
「というと、つまり、拙者が最初に聞いている訳ですか」
布姫がゆっくりと頷いた。
「ほう、何故でございますか」
「其方を信頼しての事」
「信頼、拙者を・・」
布姫がまたジリっと六郎左衛門に近づいた。
「私が最上から輿入れした故に、白鳥の世継ぎを生んだ時のことを心配しているであろう。私の父はあらゆる策略を用いると天下に知れ渡っている最上義光」
「はあ・・」
「白鳥の世継ぎが、最上義光の血もひいているという事になるのです」
「確かに・・」
「対立する国の世継ぎが自分の孫ともなれば、父はあらゆる手段を駆使して謀略を仕掛けて来るでしょう。それが最上義光です。これは、白鳥としても対応を練らねばならないと思ったのじゃ。違うか」
六郎左衛門が腕を組んだ。
「ご推察の通り、このことは口外してはいないものの重臣の間では幾度となく話題に上っております。さすがに殿には話してはおりませんが、奥方様がご懐妊されたからには殿を交えて協議致します」
六郎左衛門が腕をといて頭を下げた。
「お心遣いありがとうございます。早速に対応いたします」
六郎左衛門が立ち上がろうとすると、その袖を布姫がギュッと握った。
「お待ち」
「まだ何か」
「私が秘密を打ち明けたのじゃ」
「はい・・」
「其方も打ち明けて欲しい」
六郎左衛門が困惑した様に座り直した。
「拙者が打ち明けるとは、つまり、何を・・」
「何か殿に口止めしていることは無いか。この私に話すなと」
「あ、いや、その・・」
「昨晩殿に今何が起きているのかを聞いたのですが、何でも無いとか、たいしたことでは無いとか誤魔化すだけ。言葉とは裏腹に顔には重大な事態を招いていると書いてあるでは無いですか。ほんとうに芝居が下手な方。問い詰めるのもかわいそうになり聞くのをやめました」
「はあ・・」
「これは、其方に口止めされているに違いないと思った次第。違いますか」
「・・・」
「先日槇清光が旅から戻ってからの動きは何かあると誰でも思う。槇は数ヶ月前に白雲雀を連れ出しているが連れて帰ってはいない。つまり誰かに差し上げたに違いない。しかも、今は大慌てで多くの鷹匠に何かを聞き回っているというではないか」
六郎左衛門がゴクンと唾を飲み込んだ。
「正直に言ってくれるでしょうねぇ、六郎左衛門」
布姫がグイッと顔を近づけた。
六郎左衛門が力なく頷いた。
「という訳でございます」
長久が力なく肩を落とした。
「なるほど、それで喋ったという訳か」
「左様でございます」
「わしは芝居が下手か」
「はい。あ、いや、その、最上義光公の娘である奥方様から見ればとうことではないでしょうか。何と言いますか血は争えないというか、この親にしてこの娘というか。悪い意味ではございません。良い意味でもないですが」
「正直な気持ち、布に本気で問い詰められたら逃げきれないと思う。情けないことだ」
「今日、拙者もつくづくそう思いました。まあしかし、それは、敵にしたら手強いですが味方にしたら心強いということ。奥方様は既に味方です。そう割り切れば良いでしょう」
「なるほど」
六郎左衛門が姿勢を正して座り直し頭を下げた。
「この六郎左衛門が間違っておりました。今後は、白鳥の大事については常に奥方様にもご相談差し上げます。特に最上に対しての事柄は」
「それは賢明な考えだ。其方にしては珍しく柔軟な対応でもある」
「お褒めに預かり恐悦至極。いずれにしても奥方様がご懐妊された訳です。男子か否かは分かりませんが、早急に対応を協議せねばなりません」
「わしに男子は二人いる」
「しかし、太郎丸様も次郎丸様も側室の御子、この度は正室の御子でありますからそこは分けて考えねばなりません」
「最上の血を引く子でもあるからな」
「しかも、義光公の孫でございます」
即座に側近が集められた。
「これはめでたい。白鳥も安泰でござる。早速、安産を祈願した行事を行いましょう」
「めでたいのは確かではあるが、そのために皆に集まってもらった訳ではない」
「如何にして無事元服するまでお守りするか、という事ですかな」
「左様、この時代対立する他国の干渉を排除して白鳥家を存続させることが何よりも優先される。特に、最上は何を仕掛けて来るかわからん」
「義光公は最上家の家督争いでの父上義守公との戦いでは、劣勢の状況を奇策と奇襲を駆使してあれよあれよという間に有利に和議を結んでいます。恐ろしい方だ」
「いくら警戒しても警戒しすぎる相手ではありません」
「その最上とこの出羽の覇権を争うからには、何としてでもお世継ぎを無事に育てねばならん」
「太郎丸様と次郎丸様は表向き病弱としております。次の御子も病弱としてはいかがか。世継ぎが皆病弱となればさすがに最上も警戒を怠りましょう」
「三人の御子が病弱とは、如何にも取って付けた様な言い訳ですなあ。逆に疑われはしませんか。白鳥は何か企んでいると」
「元気な子でも病気にならない訳ではない。逆に病弱な子であっても立派に元服した例はよく聞きます。病弱と表向き公言する策自体が果たして効果があるのやらも危ういですぞ」
「確かに、良い策とは思えませんな」
場が沈黙した。六郎左衛門が長久を見た。
「殿はどの様に思われますか」
長久が集まった家臣を見回した。
「そもそも、生まれてくる子が男子と決まった訳ではない」
六郎左衛門が怪訝な顔をした。
「無論です。ですから、男子であった場合の対策を協議している訳です」
「姫ならばなんら問題が無い訳だ。姫であるかも知れない」
「はい。かも知れません」
長久がニヤリとして布姫を見た。
「布、どうじゃ」
布姫が頷いた。
「私が姫を産んだことにすれば良いことでしょう」
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