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使者帰還
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「殿、先ほど槇清光が戻りました。ただいま着替えをしておりますゆえ、まもなくこちらへ参るでしょう」
「おう、ようやく戻ったか。して、どうであった。上手く行ったか」
「お待ちくだされ。この六郎左衛門がそれを殿より先に聞くと御思いですか」
「確かに」
「いくら私が差し出がましい家老とはいえ、殿が直々に織田信長公に遣わした使者の報告を、殿を差し置いて先に聞く訳にはいきません。例え清光の口が軽かったとしてもそれはあり得ません。何はともあれ殿が真っ先にお聞きになられるべきもの。この度のことは白鳥にとってそれほどに大事なこと。違いますかな」
「其方の言葉とは思えないのう」
「これは異なことを。この六郎左衛門が言うことが間違っておりますか」
「わしより先に話を聞けとは言っていない。戻った清光の様子から察してどう思ったかを聞いておる。機微に聡い其方が何も感じないほど鈍感になった訳ではないであろう」
「それこそ殿のお言葉とは思えません」
「ほう。何故だ」
「先ほどからの私の表情から何もお感じにはなられないのですか。羽州の名門にして出羽国の領主ともなろうとされる白鳥十郎長久とはその程度の御仁ですか」
長久がジッと六郎左衛門を見てニヤリとした。
「なるほど。さすが白鳥を仕切る策士。今日も容赦の無い斬り口が鋭い。つまりは、良き結果であることは間違いないか」
六郎左衛門が大きく頷いた。
「清光とてさすがに長旅ゆえに疲れは隠せないものの、使命を果たした達成感と、何より良き知らせを急ぎ殿に報告したいという高揚した気持ちが表情に満ちています。それに、答礼品と思われる多数の品々が運び込まれました。これだけでも朗報の証。あとは、信長公よりの書状があれば言うことなしでしょう」
長久が上体を起こして笑みを浮かべた。
「信長に白雲雀を贈ったことは正解だったな」
「御意。あれほどの名馬、広く諸国を見渡しても二頭とおりますまい。いくら天下を取ろうとされている信長公とはいえ簡単に手に入る代物ではありません。喜ぶことは必至」
「とはいえ、気難しく心が読めないという信長だ。喜んで素直に受け取るかどうかさえ危ういと思ったのも確か。下手を打っては元も子もない。今信長を敵にしてしまったら、それこそ白鳥の明日が無い」
六郎左衛門がジッと長久を見た。
「だからこそ使者には清光を選びました。機を見るに長けて機転が効く。何があっても動じない冷静さも持っております。調子に乗るとやや暴走気味になるところは不安でしたが。奴でなければ、あとはこの六郎左衛門ぐらいしかいないと思っておりました」
「其方は誰彼なく理詰めでやり込める。容赦無く手加減もしない。信長の怒りを買ってしまっては困る。いずれにしろ清光を使者にしたことも正解だったな」
急ぎ足で近付く足音が響いた。
「槇清光でございます」
長久の前に座っていた六郎左衛門が横にずれながら太い声で叫んだ。
「入れ」
襖が開いて清光が長久の前に進み出て座り頭を下げた。
「ただいま戻りましてございます」
「ご苦労であった。其方の帰りを待ち兼ねたぞ。して、いかがであった」
長久が前のめりに上体を傾けて顔を清光に近付けた。
「はい。まずはこれを」
清光が懐から書状を取り出して長久に差し出した。
「信長公よりお預かりしたものです」
長久がゆっくりとそれを受け取り、更にゆっくりと封を開けて読み出した。その表情を六郎左衛門と清光が食い入るように見つめている。
長久が顔を上げた。
「信長は更に鷹を所望している」
六郎左衛門と清光が困惑したように顔を見合わせた。長久が二人の顔を交互に見て書面に目を落とした。
「白雲雀は殊の外優れた馬で大変に嬉しく思う。出羽は名馬の産地であると同時に優れた鷹も多いと聞く。出羽国の領主ともなればさぞや多くの鷹を持っているであろう、献上してもらえば幸い、とある」
六郎左衛門が目をむいて身を乗り出した。
「信長公が殿を、白鳥十郎長久を、この最上出羽の領主と認めた訳ですな」
長久が頷いた。
「そう受け取った。これは期待した以上の出来だ。よくやった清光」
清光が顔を紅潮させて体を震わせ深々と頭を下げた。
「身に余るお褒めの言葉、恐悦至極にございます」
長久が大きく息を吐いて軽く二度頷いた。
「清光、信長は既に諸国の大名が一目置く存在となっている。目通りも容易ではなかったのではないか。どのような策を講じたのだ」
「はい。確かに到着後しばらく止置かれました。実際人の出入りも激しく、目通りを願う者も毎日のように訪れておりました。無論一人や二人ではありません」
「然もありなん。それが天下人たる所以」
「お陰でその間、織田と織田を取り巻く周囲の実情もじっくり観察することが出来ました」
「ほう、どのように見た」
「諸国から人と物が集まって来る様子に勢いがあります。何かに吸い寄せられるように。日本人だけではなく異人までも信長詣でをしている状況です。最も、ほとんどが勢いのある信長公に取り入って己の地位を高めようとする者ばかり。これは世の常、我らも同じですが」
長久がニヤリとした。
「信長公の家臣団にも目を向けていましたが面白い男を見つけました。木下藤吉郎という男です。何度か酒も酌み交わして懇意になりました。知識が豊富で織田の内情も聞くことが出来ました。この男、何と百姓の出とか」
「百姓だと」
「はい。しかし、名だたる織田の家臣団の中でも特に切れ者との評判。何より信長公の信頼が厚い。現に、藤吉郎に頼んで目通りが叶った次第」
「そうか。しかし、酒を飲ませただけで取り成してくれた訳でもないであろう」
清光が頷いた。
「はい。現下の諸国大名の動きを踏まえた同盟の重要性と、織田にとっての東への備えについて話をしました。東国には織田と親交を持つ武将はおりません。むしろ敵ばかりの状況。白鳥に最上出羽を任せてくれるなら織田をしっかりと支えても良いと」
「藤吉郎は何と」
「二つ返事で承諾して上機嫌になり、天下の情勢を立て板に水の如く語り尽くしました。あの様子からすれば既に天下平定後の情勢を見据えているのは確か。翌日には信長公への目通りが許されました」
「信長は何と言った」
「白鳥十郎長久とはどういう人物であるかを聞かれました。驚くほど詳細な問いで、根掘り葉掘りといったほどの細かさ。取り繕うのに困ったほどです。信頼できる相手かどうかを知りたかったのではと推察されます。そして翌日書状が届けられました」
「そうか。この上は、何としても見事な鷹を献上して、信長との関係を強固にせねばならない。六郎左衛門、頼んだぞ」
「はっ。早速手を打ちましょう。清光、疲れているところ悪いが、何人かの鷹匠に聞いて回れ。白雲雀という名馬を献上したからには、鷹とて相応のものでなければならない」
「承知致しました」
清光が礼をして出て行った。それを見送って六郎左衛門が振り返った。
「殿、この事、奥方様には今しばらく控えていただきます」
「何故じゃ、もう良いであろう。ここまで来たからには隠すことがむしろ不自然ではないか」
「この時期に、最上に知られてはなりません」
「布はそのような女ではない。もう心は白鳥のもの」
「それを疑ってはおりません。念には念を、味方をも欺く細心さが求められます。最上のこの出羽における覇権を目指す執念を甘く見てはいけません」
長久が上体を起こして火鉢に手をかざした。
「確かに、義光公はこれまでの白鳥と最上の関係を考えるとそう易々と心を許せる相手ではない。亡き父上からもそう遺言があった」
長久が火鉢の上で両手を擦った。
「だが、その義光公が実の娘を嫁にと申し出たときに、あるいは最上と今後は違う関係を築けるのではとも思ったのも事実。いくら義光公とて人の子、親の情けを持っているとも思った」
「布姫様の白鳥への輿入れはあくまで最上の安泰を考えてのこと。その為だけです。己の都合のみの理由。この出羽の覇権を争うことには何ら役には立ちません。今しばらくの辛抱です。信長公を完全に味方に付けた暁には、堂々と公言なさるがよろしいでしょう」
「白鳥の動きを知ったら最上がどう出るか」
「出羽守としての地位を諦めることは無いでしょう。我らとしても相応の覚悟が必要です」
「おう、ようやく戻ったか。して、どうであった。上手く行ったか」
「お待ちくだされ。この六郎左衛門がそれを殿より先に聞くと御思いですか」
「確かに」
「いくら私が差し出がましい家老とはいえ、殿が直々に織田信長公に遣わした使者の報告を、殿を差し置いて先に聞く訳にはいきません。例え清光の口が軽かったとしてもそれはあり得ません。何はともあれ殿が真っ先にお聞きになられるべきもの。この度のことは白鳥にとってそれほどに大事なこと。違いますかな」
「其方の言葉とは思えないのう」
「これは異なことを。この六郎左衛門が言うことが間違っておりますか」
「わしより先に話を聞けとは言っていない。戻った清光の様子から察してどう思ったかを聞いておる。機微に聡い其方が何も感じないほど鈍感になった訳ではないであろう」
「それこそ殿のお言葉とは思えません」
「ほう。何故だ」
「先ほどからの私の表情から何もお感じにはなられないのですか。羽州の名門にして出羽国の領主ともなろうとされる白鳥十郎長久とはその程度の御仁ですか」
長久がジッと六郎左衛門を見てニヤリとした。
「なるほど。さすが白鳥を仕切る策士。今日も容赦の無い斬り口が鋭い。つまりは、良き結果であることは間違いないか」
六郎左衛門が大きく頷いた。
「清光とてさすがに長旅ゆえに疲れは隠せないものの、使命を果たした達成感と、何より良き知らせを急ぎ殿に報告したいという高揚した気持ちが表情に満ちています。それに、答礼品と思われる多数の品々が運び込まれました。これだけでも朗報の証。あとは、信長公よりの書状があれば言うことなしでしょう」
長久が上体を起こして笑みを浮かべた。
「信長に白雲雀を贈ったことは正解だったな」
「御意。あれほどの名馬、広く諸国を見渡しても二頭とおりますまい。いくら天下を取ろうとされている信長公とはいえ簡単に手に入る代物ではありません。喜ぶことは必至」
「とはいえ、気難しく心が読めないという信長だ。喜んで素直に受け取るかどうかさえ危ういと思ったのも確か。下手を打っては元も子もない。今信長を敵にしてしまったら、それこそ白鳥の明日が無い」
六郎左衛門がジッと長久を見た。
「だからこそ使者には清光を選びました。機を見るに長けて機転が効く。何があっても動じない冷静さも持っております。調子に乗るとやや暴走気味になるところは不安でしたが。奴でなければ、あとはこの六郎左衛門ぐらいしかいないと思っておりました」
「其方は誰彼なく理詰めでやり込める。容赦無く手加減もしない。信長の怒りを買ってしまっては困る。いずれにしろ清光を使者にしたことも正解だったな」
急ぎ足で近付く足音が響いた。
「槇清光でございます」
長久の前に座っていた六郎左衛門が横にずれながら太い声で叫んだ。
「入れ」
襖が開いて清光が長久の前に進み出て座り頭を下げた。
「ただいま戻りましてございます」
「ご苦労であった。其方の帰りを待ち兼ねたぞ。して、いかがであった」
長久が前のめりに上体を傾けて顔を清光に近付けた。
「はい。まずはこれを」
清光が懐から書状を取り出して長久に差し出した。
「信長公よりお預かりしたものです」
長久がゆっくりとそれを受け取り、更にゆっくりと封を開けて読み出した。その表情を六郎左衛門と清光が食い入るように見つめている。
長久が顔を上げた。
「信長は更に鷹を所望している」
六郎左衛門と清光が困惑したように顔を見合わせた。長久が二人の顔を交互に見て書面に目を落とした。
「白雲雀は殊の外優れた馬で大変に嬉しく思う。出羽は名馬の産地であると同時に優れた鷹も多いと聞く。出羽国の領主ともなればさぞや多くの鷹を持っているであろう、献上してもらえば幸い、とある」
六郎左衛門が目をむいて身を乗り出した。
「信長公が殿を、白鳥十郎長久を、この最上出羽の領主と認めた訳ですな」
長久が頷いた。
「そう受け取った。これは期待した以上の出来だ。よくやった清光」
清光が顔を紅潮させて体を震わせ深々と頭を下げた。
「身に余るお褒めの言葉、恐悦至極にございます」
長久が大きく息を吐いて軽く二度頷いた。
「清光、信長は既に諸国の大名が一目置く存在となっている。目通りも容易ではなかったのではないか。どのような策を講じたのだ」
「はい。確かに到着後しばらく止置かれました。実際人の出入りも激しく、目通りを願う者も毎日のように訪れておりました。無論一人や二人ではありません」
「然もありなん。それが天下人たる所以」
「お陰でその間、織田と織田を取り巻く周囲の実情もじっくり観察することが出来ました」
「ほう、どのように見た」
「諸国から人と物が集まって来る様子に勢いがあります。何かに吸い寄せられるように。日本人だけではなく異人までも信長詣でをしている状況です。最も、ほとんどが勢いのある信長公に取り入って己の地位を高めようとする者ばかり。これは世の常、我らも同じですが」
長久がニヤリとした。
「信長公の家臣団にも目を向けていましたが面白い男を見つけました。木下藤吉郎という男です。何度か酒も酌み交わして懇意になりました。知識が豊富で織田の内情も聞くことが出来ました。この男、何と百姓の出とか」
「百姓だと」
「はい。しかし、名だたる織田の家臣団の中でも特に切れ者との評判。何より信長公の信頼が厚い。現に、藤吉郎に頼んで目通りが叶った次第」
「そうか。しかし、酒を飲ませただけで取り成してくれた訳でもないであろう」
清光が頷いた。
「はい。現下の諸国大名の動きを踏まえた同盟の重要性と、織田にとっての東への備えについて話をしました。東国には織田と親交を持つ武将はおりません。むしろ敵ばかりの状況。白鳥に最上出羽を任せてくれるなら織田をしっかりと支えても良いと」
「藤吉郎は何と」
「二つ返事で承諾して上機嫌になり、天下の情勢を立て板に水の如く語り尽くしました。あの様子からすれば既に天下平定後の情勢を見据えているのは確か。翌日には信長公への目通りが許されました」
「信長は何と言った」
「白鳥十郎長久とはどういう人物であるかを聞かれました。驚くほど詳細な問いで、根掘り葉掘りといったほどの細かさ。取り繕うのに困ったほどです。信頼できる相手かどうかを知りたかったのではと推察されます。そして翌日書状が届けられました」
「そうか。この上は、何としても見事な鷹を献上して、信長との関係を強固にせねばならない。六郎左衛門、頼んだぞ」
「はっ。早速手を打ちましょう。清光、疲れているところ悪いが、何人かの鷹匠に聞いて回れ。白雲雀という名馬を献上したからには、鷹とて相応のものでなければならない」
「承知致しました」
清光が礼をして出て行った。それを見送って六郎左衛門が振り返った。
「殿、この事、奥方様には今しばらく控えていただきます」
「何故じゃ、もう良いであろう。ここまで来たからには隠すことがむしろ不自然ではないか」
「この時期に、最上に知られてはなりません」
「布はそのような女ではない。もう心は白鳥のもの」
「それを疑ってはおりません。念には念を、味方をも欺く細心さが求められます。最上のこの出羽における覇権を目指す執念を甘く見てはいけません」
長久が上体を起こして火鉢に手をかざした。
「確かに、義光公はこれまでの白鳥と最上の関係を考えるとそう易々と心を許せる相手ではない。亡き父上からもそう遺言があった」
長久が火鉢の上で両手を擦った。
「だが、その義光公が実の娘を嫁にと申し出たときに、あるいは最上と今後は違う関係を築けるのではとも思ったのも事実。いくら義光公とて人の子、親の情けを持っているとも思った」
「布姫様の白鳥への輿入れはあくまで最上の安泰を考えてのこと。その為だけです。己の都合のみの理由。この出羽の覇権を争うことには何ら役には立ちません。今しばらくの辛抱です。信長公を完全に味方に付けた暁には、堂々と公言なさるがよろしいでしょう」
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