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LOVE
3-5 continue the relationship
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「結局どーすんだ、あの話」
事務所のアルミ扉を四五度だけ引き開けながら、良二は半身を振り返って若菜へ問う。
「いやあ、手を引こうかなって」
けろりと答える若菜を、細くした白銀の右目が物言いたげに刺す。
「あ、『自分のせいで』とかなんとか思ってるでしょ」
「べっ! いや、だァら」
「そういうとこだけ自意識過剰なの、どうなってんですか」
意地悪くキヒヒと笑う若菜。ひとつ、静かな舌打ちで切る良二。
「柳田さんが心配してくれたように、確かに私の許容範囲オーバーかなぁって思わなくもなかったんです。話貰って、正直戸惑ってたので」
A3の薄茶色の封筒を眺めながら、若菜は告げる。
「私が端から縫製職に進まなかったのは、『顔も見たことがない人のためには全力で頑張れない』って、きっとどこかで思ってたからだと思うんですよね」
『春己の孫へ』という明確な対象がいたからこそ、あのベビードレス作成には没頭できたのかもしれない。そう考え至った若菜は、春己ならばきっと理解を示してくれるだろうと覚る。
「オマエよ。投げやりになったワケじゃねーよな?」
「やだな、違いますよ。その証拠に、預かった企画書は一応読んでみるつもりです」
「まだ、読んでなかったのか」
「はい。だから全部をまだ把握してないんですよ、私。それに、読まずに返すのは、ちょっとね。ヤギじゃあないんだし」
「ヤギは食ったんだろーが」
「あはは、よくご存じで」
「読んで、オマエにすんげー都合よくても、やっぱ受けねぇのか」
「はい。ごめんなさいって言うつもりです」
出かかる「春己さんにはすんごく悪いけど」は、喉の奥へ押し込み、無理矢理飲み下す。若菜はハの字眉に俯いた。
「ちょ、見せてみろ、それ」
「え」
おもむろにアルミ扉から手を離す良二は、パタンとそれが閉まった音を背後で聴き、若菜へ二歩近付く。A3大の薄茶色の封筒を受け取り、中の書類に目を通していく。
「フーン? あふぁ……」
時折あくびを挟み、眠気を噛み殺す良二。若菜は申し訳なさそうに顎を引いて、それを眺めていた。
「まぁ。なんとなく、わかったような気もしなくもねぇっつーか」
良二の読み進める速度は決して速くはない。束ねてあったその書類をやんわりと三周し、封筒へ戻し、顔を上げる。
「あのよ」
「はい」
「オマエのことだから、どーせ『スパッと断わっちまうのは申し訳がどーとか』って思ってンだろ」
ドキリな若菜。顔に出さないよう細心の注意を払っていたのにもかかわらず、あっさりと気付かれてしまった。良二に考えが見透かされることは、普段ならばほぼ無い。
フ、と目尻を三ミリ狭めた良二は、封筒を若菜へ向けた。
「『完全に手を引く』とか『どっぷり関わる』より丁度よさそうな案を一個思い付いたけど、聞いとくか」
「え?」
♧
間もなく自宅に戻った若菜は、すぐに春己へ電話をかけた。三コール以内で電話に出た春己は、『昼休みが終わるギリギリ前で良かった』と、電話口で明るく笑んだ。
「ごめんなさい!」
全身鏡へ向かって九〇度を越す角度で、ガバッと上半身を下げる若菜。その背中が、どこか虚しく逆さに映る。
『いやいや、いいのいいの!』
会っていたときと変わらない、明るい春己の声色。若菜はそろりそろりと頭を上げていく。
『むしろ謝んのはこっち。ケンカさせちゃっただろ、ごめんね』
「あ、いや、それは日常茶飯事なので全然」
『いいからいいから。悪者になるのは馴れてるから。必要ならいつでも悪者にしてくれて構わないよ』
なんてね、と冗談を含ませて明るく努めるので、若菜は口をへの字に曲げた。
「せっかく環境を整えてもらってたのに、ホントに申し訳ないです」
『ううん、俺が無茶振りしたんだから。それにまだ企画段階だから、ここからどうにでもなるしさ。断ったからってそんな気負わないで。もともと秘書業務とは関係ないし、断わられても仕方ない思ってたんだ』
若菜の声色に配慮しているらしい春己の優しさが、骨身に沁みる。
『柳田探偵は、きっとキミを雑用に使われたくなかったんだよね?』
「あっいえ、そういうことじゃなく! 柳田さん、いろいろ早とちりしてて。あの人頭に血が上ったら、全然話聞かないから、それで」
そうなんだ、とクスクス返ってくる電話口。
「で、落ち着いて説明したら、柳田さんが提案があるんだけどって言うもんで、それをお伝えしたくてですね」
『提案?』
「はい」
生唾ごくりの若菜。深呼吸を挟み、全身鏡に向かって『気をつけ』の姿勢。
「私が早急に、型紙とアドバイスノートを作成して、急場を凌ぎます。その間に、ベールリメイクを担当してくれる縫製師を募集する、ってのはいかがでしょう」
『ほう、『募集』?』
「縫製師に関しては、春己さんのご迷惑じゃなければ、是非とも私の母校を紹介したいと思うんです」
『母校』
「はい。てんちょからお聞きしてるかもですが、私の出身高校、縫製やら調理やらの専門高校なんです」
『ああ、聞いてる。家政科だったって。もしかして、南区の家政科高校?』
「はい。ご存じでしたか」
『存在だけだけどね』
「あの学校、卒業後はそれを活かせるような専門職系に就職する人が半分以上なんです。でも私みたいに拗らせたりして、燻ってる人もいるんですよね」
相槌が返ってくる耳もと。
「そういう子たちの選択肢のひとつに、この企画を提案してもいいかもな、という、柳田さんの案なんですが」
「出過ぎたことかもですけど」と、若菜は口をすぼめてゴニョゴニョ。
『あーなるほどなぁ、考えもしなかった。学生かぁ。就職先かぁ!』
ふんふん、と声色をそのままに頷いているらしい春己。
『せっかくだから聞いておいてもいいかなぁ! 俺一人じゃ決められないから、あとで会議に廻してみるよ』
「ほ、ホントですか!」
『うんうん! だって若菜ちゃんレベルの子が沢山居るってことだろ? それだけでもいい話なのに、心の折れそうな若い子の救いの網目になれることは、俺も救われる話だしね』
若い頃に何かあったんだろうな、と覚る若菜。
「私が直接お役に立てなくて、ホントごめんなさい」
『ううん! アドバイスノートと型紙くれるんでしょ? 充分助かるよ、ありがとう』
じんわり、と罪悪感が溶けていく。
『それに、そもそもキミがウチの孫に丁寧に作ってくれたから、思ってた以上に沢山の人の要望に応えられそうな企画になりつつあるんだ』
「え、あ、いや」
『自ら率先してやることも大事だけどさ、キミが母校の後輩を信じることで、キミと似たような人を何人か救うんだと思う』
「似たような人を、救う?」
『そ。救われた人が、また新たに依頼してきた人たちを笑顔にする。ほら、これは全部、起源である若菜ちゃんの功績にもなるだろ?』
♧
私、YOSSYさんの『人を簡単に笑顔にしてしまうところ』に憧れてるんです。私も前、笑顔にしてもらったことがあって。
私みたいに、自然に笑顔になれない子どもたちを世界から無くしたいと思って! 『みんな笑顔の世界になれば』っていうYOSSYさんに、私もついていきたいんです。
♧
かつて、YOSSY the CLOWNにそう演説した若菜。回り回って、叶えたかったことが唐突に形を変え、その手中にて輝きを放ち出す。
「いい、んでしょうか」
『若菜ちゃんが居なきゃ、始まらなかったことだよ』
涙が滲むほど嬉しい言葉を貰った若菜。震える声色で、やがて幾度も「ありがとうございます」を繰り返し、鼻を啜った。
『柳田探偵に、俺が申し訳なかったって言ってたこと伝えてくれる? 多分この先しばらく、アポを取ってお会いできそうにないから』
「あ、はい、もちろんです。でもそういうこと気にするタイプじゃないし、気にしなくて大丈夫ですよ」
『フフ、いいパートナーなんだな』
「んふふ、そうなんです」
滲んだ涙を拭い、若菜は全身鏡へにんまりと笑む。
「私、柳田さんの唯一無二の秘書なんで」
事務所のアルミ扉を四五度だけ引き開けながら、良二は半身を振り返って若菜へ問う。
「いやあ、手を引こうかなって」
けろりと答える若菜を、細くした白銀の右目が物言いたげに刺す。
「あ、『自分のせいで』とかなんとか思ってるでしょ」
「べっ! いや、だァら」
「そういうとこだけ自意識過剰なの、どうなってんですか」
意地悪くキヒヒと笑う若菜。ひとつ、静かな舌打ちで切る良二。
「柳田さんが心配してくれたように、確かに私の許容範囲オーバーかなぁって思わなくもなかったんです。話貰って、正直戸惑ってたので」
A3の薄茶色の封筒を眺めながら、若菜は告げる。
「私が端から縫製職に進まなかったのは、『顔も見たことがない人のためには全力で頑張れない』って、きっとどこかで思ってたからだと思うんですよね」
『春己の孫へ』という明確な対象がいたからこそ、あのベビードレス作成には没頭できたのかもしれない。そう考え至った若菜は、春己ならばきっと理解を示してくれるだろうと覚る。
「オマエよ。投げやりになったワケじゃねーよな?」
「やだな、違いますよ。その証拠に、預かった企画書は一応読んでみるつもりです」
「まだ、読んでなかったのか」
「はい。だから全部をまだ把握してないんですよ、私。それに、読まずに返すのは、ちょっとね。ヤギじゃあないんだし」
「ヤギは食ったんだろーが」
「あはは、よくご存じで」
「読んで、オマエにすんげー都合よくても、やっぱ受けねぇのか」
「はい。ごめんなさいって言うつもりです」
出かかる「春己さんにはすんごく悪いけど」は、喉の奥へ押し込み、無理矢理飲み下す。若菜はハの字眉に俯いた。
「ちょ、見せてみろ、それ」
「え」
おもむろにアルミ扉から手を離す良二は、パタンとそれが閉まった音を背後で聴き、若菜へ二歩近付く。A3大の薄茶色の封筒を受け取り、中の書類に目を通していく。
「フーン? あふぁ……」
時折あくびを挟み、眠気を噛み殺す良二。若菜は申し訳なさそうに顎を引いて、それを眺めていた。
「まぁ。なんとなく、わかったような気もしなくもねぇっつーか」
良二の読み進める速度は決して速くはない。束ねてあったその書類をやんわりと三周し、封筒へ戻し、顔を上げる。
「あのよ」
「はい」
「オマエのことだから、どーせ『スパッと断わっちまうのは申し訳がどーとか』って思ってンだろ」
ドキリな若菜。顔に出さないよう細心の注意を払っていたのにもかかわらず、あっさりと気付かれてしまった。良二に考えが見透かされることは、普段ならばほぼ無い。
フ、と目尻を三ミリ狭めた良二は、封筒を若菜へ向けた。
「『完全に手を引く』とか『どっぷり関わる』より丁度よさそうな案を一個思い付いたけど、聞いとくか」
「え?」
♧
間もなく自宅に戻った若菜は、すぐに春己へ電話をかけた。三コール以内で電話に出た春己は、『昼休みが終わるギリギリ前で良かった』と、電話口で明るく笑んだ。
「ごめんなさい!」
全身鏡へ向かって九〇度を越す角度で、ガバッと上半身を下げる若菜。その背中が、どこか虚しく逆さに映る。
『いやいや、いいのいいの!』
会っていたときと変わらない、明るい春己の声色。若菜はそろりそろりと頭を上げていく。
『むしろ謝んのはこっち。ケンカさせちゃっただろ、ごめんね』
「あ、いや、それは日常茶飯事なので全然」
『いいからいいから。悪者になるのは馴れてるから。必要ならいつでも悪者にしてくれて構わないよ』
なんてね、と冗談を含ませて明るく努めるので、若菜は口をへの字に曲げた。
「せっかく環境を整えてもらってたのに、ホントに申し訳ないです」
『ううん、俺が無茶振りしたんだから。それにまだ企画段階だから、ここからどうにでもなるしさ。断ったからってそんな気負わないで。もともと秘書業務とは関係ないし、断わられても仕方ない思ってたんだ』
若菜の声色に配慮しているらしい春己の優しさが、骨身に沁みる。
『柳田探偵は、きっとキミを雑用に使われたくなかったんだよね?』
「あっいえ、そういうことじゃなく! 柳田さん、いろいろ早とちりしてて。あの人頭に血が上ったら、全然話聞かないから、それで」
そうなんだ、とクスクス返ってくる電話口。
「で、落ち着いて説明したら、柳田さんが提案があるんだけどって言うもんで、それをお伝えしたくてですね」
『提案?』
「はい」
生唾ごくりの若菜。深呼吸を挟み、全身鏡に向かって『気をつけ』の姿勢。
「私が早急に、型紙とアドバイスノートを作成して、急場を凌ぎます。その間に、ベールリメイクを担当してくれる縫製師を募集する、ってのはいかがでしょう」
『ほう、『募集』?』
「縫製師に関しては、春己さんのご迷惑じゃなければ、是非とも私の母校を紹介したいと思うんです」
『母校』
「はい。てんちょからお聞きしてるかもですが、私の出身高校、縫製やら調理やらの専門高校なんです」
『ああ、聞いてる。家政科だったって。もしかして、南区の家政科高校?』
「はい。ご存じでしたか」
『存在だけだけどね』
「あの学校、卒業後はそれを活かせるような専門職系に就職する人が半分以上なんです。でも私みたいに拗らせたりして、燻ってる人もいるんですよね」
相槌が返ってくる耳もと。
「そういう子たちの選択肢のひとつに、この企画を提案してもいいかもな、という、柳田さんの案なんですが」
「出過ぎたことかもですけど」と、若菜は口をすぼめてゴニョゴニョ。
『あーなるほどなぁ、考えもしなかった。学生かぁ。就職先かぁ!』
ふんふん、と声色をそのままに頷いているらしい春己。
『せっかくだから聞いておいてもいいかなぁ! 俺一人じゃ決められないから、あとで会議に廻してみるよ』
「ほ、ホントですか!」
『うんうん! だって若菜ちゃんレベルの子が沢山居るってことだろ? それだけでもいい話なのに、心の折れそうな若い子の救いの網目になれることは、俺も救われる話だしね』
若い頃に何かあったんだろうな、と覚る若菜。
「私が直接お役に立てなくて、ホントごめんなさい」
『ううん! アドバイスノートと型紙くれるんでしょ? 充分助かるよ、ありがとう』
じんわり、と罪悪感が溶けていく。
『それに、そもそもキミがウチの孫に丁寧に作ってくれたから、思ってた以上に沢山の人の要望に応えられそうな企画になりつつあるんだ』
「え、あ、いや」
『自ら率先してやることも大事だけどさ、キミが母校の後輩を信じることで、キミと似たような人を何人か救うんだと思う』
「似たような人を、救う?」
『そ。救われた人が、また新たに依頼してきた人たちを笑顔にする。ほら、これは全部、起源である若菜ちゃんの功績にもなるだろ?』
♧
私、YOSSYさんの『人を簡単に笑顔にしてしまうところ』に憧れてるんです。私も前、笑顔にしてもらったことがあって。
私みたいに、自然に笑顔になれない子どもたちを世界から無くしたいと思って! 『みんな笑顔の世界になれば』っていうYOSSYさんに、私もついていきたいんです。
♧
かつて、YOSSY the CLOWNにそう演説した若菜。回り回って、叶えたかったことが唐突に形を変え、その手中にて輝きを放ち出す。
「いい、んでしょうか」
『若菜ちゃんが居なきゃ、始まらなかったことだよ』
涙が滲むほど嬉しい言葉を貰った若菜。震える声色で、やがて幾度も「ありがとうございます」を繰り返し、鼻を啜った。
『柳田探偵に、俺が申し訳なかったって言ってたこと伝えてくれる? 多分この先しばらく、アポを取ってお会いできそうにないから』
「あ、はい、もちろんです。でもそういうこと気にするタイプじゃないし、気にしなくて大丈夫ですよ」
『フフ、いいパートナーなんだな』
「んふふ、そうなんです」
滲んだ涙を拭い、若菜は全身鏡へにんまりと笑む。
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