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第3章

179. 最終話

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僕の誕生パーティーそして婚約式から7年が経った。

僕は今、タジェット兄様の子供を身籠っている。

兄様とは近親者であった為、子供が出来にくいだろうと言われていたが兄様の努力?のかいあって僕は無事、妊娠することができた。妊娠が分かった当初、兄様の喜び様は半端なく、分かった途端に騎士団に休職届を出し、僕の側を片時も離れようとはしなかった。流石に僕でもそれには窮屈さを感じ、1ヶ月経つ頃、兄様に頼み込んで復職してもらった。しかし、子が生まれたら1年間育休を取るという約束をさせられ、その件に関しては仕方ないかと諦めている。



そして僕はというと10歳を過ぎてから前と変わらず光魔法の訓練や施療院での実践、魔獣討伐の医療班として駆り出されていた。魔獣討伐に関しては3人の旦那様達は良い顔はしなかったけど、僕が討伐に行く際は必ずタジェット兄様が前線を指揮し、医療班の近くはサックルさんが守備につくという形で治まった。



タジェット兄様はというと今も第一騎士団の副隊長として指揮する傍ら新卒者に教育指導もしている。そして、今でも頑なに隊長になるのを拒否してるそうだ。この前、ワートさんに「いい加減代わってくれ。」と言われた、という話を聞くと僕って愛されてるよね、とか思ってしまう。兄様も大概、嫁バカだが僕も負けず劣らず旦那バカかもしれない。それに最近はタジェット兄様の近寄りがたいオーラが無くなり気さくに話し掛けてくれる部下も増えたそうだ。



カラマス君は現在、街を治める領主としてリーフ様やアミリス義兄様に教わりながら何個かの街を治めている。最近は街の人達にも"親しみやすい領主様"として浸透しており本人もまんざらでもない顔をしていた。そして僕がタジェット兄様の子供を妊娠したのが分かった際は、おめでとうの後に次は俺だな!と宣言された。そうなると僕はサックルさんの子供を含め最低3人は産まないといけないのか…?と思っている。



そして最後にサックルさんだが、今は獣人の姿で前の様に仕事に打ち込んでいる。前の仕事が何だったかというと他国との貿易を行なっていたそうだ。現在は弟さん…アニスのお父さんと共に事業を拡大するために奮闘している。そしてサックルさんからも「私もいい歳だから早く子供を作りたい。」と言われている。獣人は人間より長生きなので40代に到達したサックルさんでもまだまだ見た目も若く精力も衰えていない。人間でいうとまだ20代くらいだ。僕が10歳になって初めてサックルさんの発情期を体験した時は身体を壊されるんじゃないかと思うくらい激しく、その後3日くらいはベッドの住人となった。




僕がこちらの世界に転生してから約15年。

あっという間と言われればそうかもしれない。しかし、僕にはかなり長く濃い年月だった。

初めはBLウォッチングのことしか頭になかった僕がこうやって恵まれた環境で過ごせるのも神様のおかげである。今はもう会えなくなってしまったけど、今も何処かで僕のことを見守ってくれている神様のことを裏切らない生き方をしようと心に決めた。

そして、未だに僕は夢のBLウォッチングが出来る日がくることを願い、日々過ごしている。
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