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第2章
106. 友達の指摘
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それから暫くしてローザの家に到着した。
ローザの家はお屋敷って感じの佇まいでは無く、日本の3階建てという出立だった。
普通に考えると立派な家だが、この世界では平均的なお家である。
ローザが「入って!入って!」と家に招き入れる。
すると小さな子供達がお出迎えしてくれた。
「「いらっしゃいませ!」」
僕とアニスが目を丸くしているとローザが「僕の弟と妹達だよ。」と教えてくれた。
前からローザには弟と妹がいることは知っていたがこんなにいるとは思わなかった。
「ほら皆、お兄ちゃんの友達だよ。自己紹介して。」
「初めまして、サラです。」
「こんにちは、ローレルです。」
「ラディです。」
「ディベスです。」
「スミティです。」
僕達の驚いた様子に
「アハハッ!二人共、驚いた?兎ってね、1回の出産で何人も同時に産むから沢山、弟妹とが出来るんだ。僕は長男でたまたま同時に生まれてきた兄弟がいなかったんだけど、弟と妹達は皆同い年だよ。来年、魔法学院に入学するんだ。きっと、すぐには覚えきれないだろうからゆっくり覚えてあげて。ちなみにこの中だとサラが長女でスミティが末っ子だよ。」
と説明された。
まだ僕もアニスも整理しきれないところはあったが、とりあえず自己紹介をし、家の中を案内してもらった。
「今、親は仕事に行ってるからもう少ししたら帰ってくると思うよ。その時また紹介するね。」
と言われ、今日泊まる部屋に案内された。アニスと相部屋だ。
「移動も疲れたでしょ?少し休んでて。軽く食べれる物、用意しとくから。弟も妹も二人に会えること、凄く楽しみにしてたんだ。」
と言うとローザは部屋を出て行った。
アニスと部屋に二人きりになると、僕はおもむろにアニスに謝った。
「アニス…サックルさんのこと、ゴメンね。」
とアニスの顔を伺うと、
「…いや、大丈夫だ。叔父上も初めて現れた番いに理性が抑えれなかったんだろう。さっきのこともあって、もしフェルが嫌じゃなければまた叔父上に会いに行ってあげてくれ。俺としてもフェルと出会ったことで叔父上の考え方も少しは変わってくれると信じたい…。」
と言った。
しかし、僕は馬車の中で既に心が折れかけていた。
「…僕、サックルさんに会うのは嫌じゃないよ。でも僕の気持ちが中途半端なのにサックルさんに会うのは失礼だと思うんだ…。こう言ったら自分のことを傲ってるように聞こえると思うけどサックルさんは僕のことを伴侶にしたいくらい好きってことでしょう?そしたら、僕が会いに行く度に期待をさせちゃうってことだよね…。だったら僕の気持ちが決まるまで会いに行かない方がいいと思うんだ。」
と伝えた。
アニスも考え込む様に
「結果的にはそうなってしまうだろうな。しかし、それまで叔父上が耐えれるかどうか…。叔父上のことだ、痺れを切らして自ら会いに行くかもしれないぞ?」
とアニスは笑った。
「えぇ!?脅かさないでよ。
でも、その時はその時で覚悟しとかないとね…。」
「まぁ、無理矢理連れていかれることはないだろうが…上手く対応してくれ。」
と頼まれた。
僕はそれに「頑張るよ。」と答え、ローザが来るまで暫く休んでいた。
それからローザとサラが迎えに来たので案内された部屋へと移動した。
そこには綺麗に整えられたティーセットとカラフルなデザートが並んでおり、思わず「うわぁ…。」と声を上げ、キラキラとした目で見つめてしまった。
するとローザが
「気に入った?
弟と妹達が朝から張り切って作ったみたいだよ。初めて来る学院の友達に喜んでもらいたかったんだって。」
僕とアニスは恥ずかしそうに目線を逸らしたり笑ったりしている5人にありがとうとお礼を言い、早速席に着いた。
「(携帯かカメラがあったら絶対写真撮るのに~!まだこの時代はカメラがないから、こういうのも残しておけないよ…残念だなぁ…。)」
と思いながら、淹れてもらった紅茶とクッキーを堪能した。
その後はローザの両親が帰ってきたのでご挨拶をし、ローザの弟や妹達とお絵描きやオモチャで遊んだりした。
そして晩には僕がアニスの家で出来なかった恋バナをすることができた。
アニスもローザも学院で1度告白をされたことがあるらしい。
知らなかった…!
しかし、やはり獣人の性なのか全然魅力的に思えなかったので断ったという。
それから僕に話を振られ、素直に何人か告白をされ未だにアピールをされていることを告げた。
すると二人は僕が進路相談をした時の様に「やっぱり。」という顔をした。
「フェル様は優しすぎるから、そこに漬け込まれるんじゃないの?フェル様のことだから断ったり蔑ろにすると相手を傷付けると思ったんでしょ?そしたら相手は自分にもチャンスがあると思ってドンドンアピールしてくるよ。中途半端な態度を取ってたら相手にも悪いし、自分もしんどいと思うけど。」
「まぁフェルのいいところではあるが、やり過ぎると弄ばれたと思って逆恨みされるぞ。」
と的確な指摘を受けた。
「たっ…確かに…。」
僕は少しも弁解出来なかった。
ローザの家はお屋敷って感じの佇まいでは無く、日本の3階建てという出立だった。
普通に考えると立派な家だが、この世界では平均的なお家である。
ローザが「入って!入って!」と家に招き入れる。
すると小さな子供達がお出迎えしてくれた。
「「いらっしゃいませ!」」
僕とアニスが目を丸くしているとローザが「僕の弟と妹達だよ。」と教えてくれた。
前からローザには弟と妹がいることは知っていたがこんなにいるとは思わなかった。
「ほら皆、お兄ちゃんの友達だよ。自己紹介して。」
「初めまして、サラです。」
「こんにちは、ローレルです。」
「ラディです。」
「ディベスです。」
「スミティです。」
僕達の驚いた様子に
「アハハッ!二人共、驚いた?兎ってね、1回の出産で何人も同時に産むから沢山、弟妹とが出来るんだ。僕は長男でたまたま同時に生まれてきた兄弟がいなかったんだけど、弟と妹達は皆同い年だよ。来年、魔法学院に入学するんだ。きっと、すぐには覚えきれないだろうからゆっくり覚えてあげて。ちなみにこの中だとサラが長女でスミティが末っ子だよ。」
と説明された。
まだ僕もアニスも整理しきれないところはあったが、とりあえず自己紹介をし、家の中を案内してもらった。
「今、親は仕事に行ってるからもう少ししたら帰ってくると思うよ。その時また紹介するね。」
と言われ、今日泊まる部屋に案内された。アニスと相部屋だ。
「移動も疲れたでしょ?少し休んでて。軽く食べれる物、用意しとくから。弟も妹も二人に会えること、凄く楽しみにしてたんだ。」
と言うとローザは部屋を出て行った。
アニスと部屋に二人きりになると、僕はおもむろにアニスに謝った。
「アニス…サックルさんのこと、ゴメンね。」
とアニスの顔を伺うと、
「…いや、大丈夫だ。叔父上も初めて現れた番いに理性が抑えれなかったんだろう。さっきのこともあって、もしフェルが嫌じゃなければまた叔父上に会いに行ってあげてくれ。俺としてもフェルと出会ったことで叔父上の考え方も少しは変わってくれると信じたい…。」
と言った。
しかし、僕は馬車の中で既に心が折れかけていた。
「…僕、サックルさんに会うのは嫌じゃないよ。でも僕の気持ちが中途半端なのにサックルさんに会うのは失礼だと思うんだ…。こう言ったら自分のことを傲ってるように聞こえると思うけどサックルさんは僕のことを伴侶にしたいくらい好きってことでしょう?そしたら、僕が会いに行く度に期待をさせちゃうってことだよね…。だったら僕の気持ちが決まるまで会いに行かない方がいいと思うんだ。」
と伝えた。
アニスも考え込む様に
「結果的にはそうなってしまうだろうな。しかし、それまで叔父上が耐えれるかどうか…。叔父上のことだ、痺れを切らして自ら会いに行くかもしれないぞ?」
とアニスは笑った。
「えぇ!?脅かさないでよ。
でも、その時はその時で覚悟しとかないとね…。」
「まぁ、無理矢理連れていかれることはないだろうが…上手く対応してくれ。」
と頼まれた。
僕はそれに「頑張るよ。」と答え、ローザが来るまで暫く休んでいた。
それからローザとサラが迎えに来たので案内された部屋へと移動した。
そこには綺麗に整えられたティーセットとカラフルなデザートが並んでおり、思わず「うわぁ…。」と声を上げ、キラキラとした目で見つめてしまった。
するとローザが
「気に入った?
弟と妹達が朝から張り切って作ったみたいだよ。初めて来る学院の友達に喜んでもらいたかったんだって。」
僕とアニスは恥ずかしそうに目線を逸らしたり笑ったりしている5人にありがとうとお礼を言い、早速席に着いた。
「(携帯かカメラがあったら絶対写真撮るのに~!まだこの時代はカメラがないから、こういうのも残しておけないよ…残念だなぁ…。)」
と思いながら、淹れてもらった紅茶とクッキーを堪能した。
その後はローザの両親が帰ってきたのでご挨拶をし、ローザの弟や妹達とお絵描きやオモチャで遊んだりした。
そして晩には僕がアニスの家で出来なかった恋バナをすることができた。
アニスもローザも学院で1度告白をされたことがあるらしい。
知らなかった…!
しかし、やはり獣人の性なのか全然魅力的に思えなかったので断ったという。
それから僕に話を振られ、素直に何人か告白をされ未だにアピールをされていることを告げた。
すると二人は僕が進路相談をした時の様に「やっぱり。」という顔をした。
「フェル様は優しすぎるから、そこに漬け込まれるんじゃないの?フェル様のことだから断ったり蔑ろにすると相手を傷付けると思ったんでしょ?そしたら相手は自分にもチャンスがあると思ってドンドンアピールしてくるよ。中途半端な態度を取ってたら相手にも悪いし、自分もしんどいと思うけど。」
「まぁフェルのいいところではあるが、やり過ぎると弄ばれたと思って逆恨みされるぞ。」
と的確な指摘を受けた。
「たっ…確かに…。」
僕は少しも弁解出来なかった。
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