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第2章
100. 僕の作戦
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部屋にトボトボと戻ってきた僕はそのままベッドに突っ伏した。
「(はぁ~…どうしよう…元々、騎士団でBLウォッチングがしたいが為にここまで頑張ってきたのに僕の容姿がここまで邪魔するなんて…!BL=美形はつきものだから、そこは嬉しい限りだけど当事者になってみるとここまで不便だとは気付かなかった…。小説じゃあ昔、族の総長をしてた主人公が変装して男子校に入るとか平凡でも特殊スキルのせいで目立ちたくないから変装するとかあったけど、僕、変装する気なかったからな~…。
あっ!じゃあこの際、変装でどうにかなるんじゃないの!?兄様の弟ってこともバラさずに程々に変装して入学する!前、ライム君に会った時も大丈夫だったし、凄い良いアイディアなんじゃ…?なんでこんな単純なこと気付かなかったんだ!あれだけ小説を読み込んでた腐男子のくせにー!よ~し!明日、このアイディアを2人に言ってみよう!それでOKが出たら兄様に相談だ!」
僕は先程、落ち込んでたのが嘘のようにベッドに入り込み眠りについた。
フェルがいなくなり残された2人はというと…
「フェル様、悩んでたね…。」
とローザは心配していた。
「ああ…なんせフェルの立ち位置は相当危ういからな。只でさえ高位の貴族だ、それだけで取り入ろうとするものがいる中にあの容姿だぞ?周りが放っておかないだろう。それに本人も自分の容姿が少なからず優れていることはわかっているが、その度合いがわかってない。今だって俺達やランタナが牽制したりタジェット様の存在があるからどうにかなっているものの、あいつはしっかりしているようで抜けているからな、目が離せない…。」
とアニスは溜息をついた。
「そうだね…ねぇアニス、前から思ってたんだけど、その世話焼きなところって単純に友情からのもの?それとも愛情からのもの?」
と愛情が入っていたら大変だと思いながら聞いてみた。
「いや、友人としての愛情はあるがフェルと付き合いたいとかそういう感情はない。フェルには失礼だが、俺には歳の離れた兄弟がいてな、だから弟みたいに感じているだけだ。」
とアニスはハッキリと答えた。
「ふ~ん。」とローザは何処か納得していないように答えたが、流石に愛情があるとわかると後々、ややこしくなりそうなのでそれ以上聞くのはやめておいた。
するとアニスがこう続けた。
「それに万が一、そこに愛情があったとしてもタジェット様に勝てる自信がないから、その時点で無理だ。」と溜息をつくと「たしかに!」とローザはそこで納得した。
次の日、朝食を食べる為に集まった部屋で僕は昨日考えた変装作戦を2人に提案した。
するとローザからは「ん~…なんとかイケるかな…?」という反応でアニスは「難しいとは思うが、とりあえずタジェット様に相談してみろ。」と言われた。
「(えっ?無理そう?凄い良いアイディアだと思ったんだけど…。)」
僕は2人の反応に腑に落ちなかったが、とりあえず帰ったら兄様に相談することに決めた。
そして今日はお昼頃からローザの家でお泊まり会だ。
それまでの2時間、自由時間にしたのでそれぞれ思い思いに過ごすことにした。
ローザは今日のことを絵日記にしたりアニスは窓辺で本を読んだりしている。
僕はというとアニスにOKが出た敷地内で植物と動物の観察をすることにした。
手にはスケッチブックと手作りサンドイッチ。もしまたサックルさんに会ったら渡そうと思い今朝作ったものだ。
少し歩いてみたがいい場所がなかったので「(いい風景場所はないかな~?もうちょっと高台の方にいけば全体を見渡せるのかも。)」と思い、どんどん奥に入っていった。
しかし、夢中で歩いていたせいか気付いた時にはアニスに言われていた範囲を大きく超え、自分でも何処にいるか分からないところまで来てしまった。
「(えっ…ここ何処?マズイ…迷っちゃった…!とりあえず引き返さなくっちゃ!)」
僕は急いで元来た道を振り返り、脚を出そうとした瞬間、足元にリスが座っているのが見えた。慌ててリスを避けようと脚をズラすと大きく身体のバランスを崩し、横に倒れてしまった。
「うわっ!ちょっ…!」
と声をあげなから、そのまま高さ5m程の所から下に落ちていく。
「えぇーっ!!!」
「いたたた…。漫画みたいな展開だ…。」
幸い生い茂っていた草木のおかげで大きな怪我はなかったが背中とお尻を強打した。
僕は自分に治癒魔法をかけなんとか痛みを取ったが、この壁をどうやって登ろうか途方にくれていた。
「(はぁ~…。僕何やってんだろ、鈍臭すぎ…。)」と思いながら壁をよじ登ってみる。
しかし、岩壁は思ったよりも取っ掛かりがなく早々に登るのを断念してしまった。
「(これはもうアニス達に見つけてもらうしかないな…。)」
と諦め、その場で動かないことにした。
「(こういうのって無闇矢鱈に動かない方がいいって言うもんね。)」と無理矢理、納得させ、その場に留まることにした。
「(はぁ…ローザの失踪事件の次は僕の失踪か…。ホントごめん…このお泊まり会、散々だな…。)」
と思いながら岩壁にもたれていた。
「(はぁ~…どうしよう…元々、騎士団でBLウォッチングがしたいが為にここまで頑張ってきたのに僕の容姿がここまで邪魔するなんて…!BL=美形はつきものだから、そこは嬉しい限りだけど当事者になってみるとここまで不便だとは気付かなかった…。小説じゃあ昔、族の総長をしてた主人公が変装して男子校に入るとか平凡でも特殊スキルのせいで目立ちたくないから変装するとかあったけど、僕、変装する気なかったからな~…。
あっ!じゃあこの際、変装でどうにかなるんじゃないの!?兄様の弟ってこともバラさずに程々に変装して入学する!前、ライム君に会った時も大丈夫だったし、凄い良いアイディアなんじゃ…?なんでこんな単純なこと気付かなかったんだ!あれだけ小説を読み込んでた腐男子のくせにー!よ~し!明日、このアイディアを2人に言ってみよう!それでOKが出たら兄様に相談だ!」
僕は先程、落ち込んでたのが嘘のようにベッドに入り込み眠りについた。
フェルがいなくなり残された2人はというと…
「フェル様、悩んでたね…。」
とローザは心配していた。
「ああ…なんせフェルの立ち位置は相当危ういからな。只でさえ高位の貴族だ、それだけで取り入ろうとするものがいる中にあの容姿だぞ?周りが放っておかないだろう。それに本人も自分の容姿が少なからず優れていることはわかっているが、その度合いがわかってない。今だって俺達やランタナが牽制したりタジェット様の存在があるからどうにかなっているものの、あいつはしっかりしているようで抜けているからな、目が離せない…。」
とアニスは溜息をついた。
「そうだね…ねぇアニス、前から思ってたんだけど、その世話焼きなところって単純に友情からのもの?それとも愛情からのもの?」
と愛情が入っていたら大変だと思いながら聞いてみた。
「いや、友人としての愛情はあるがフェルと付き合いたいとかそういう感情はない。フェルには失礼だが、俺には歳の離れた兄弟がいてな、だから弟みたいに感じているだけだ。」
とアニスはハッキリと答えた。
「ふ~ん。」とローザは何処か納得していないように答えたが、流石に愛情があるとわかると後々、ややこしくなりそうなのでそれ以上聞くのはやめておいた。
するとアニスがこう続けた。
「それに万が一、そこに愛情があったとしてもタジェット様に勝てる自信がないから、その時点で無理だ。」と溜息をつくと「たしかに!」とローザはそこで納得した。
次の日、朝食を食べる為に集まった部屋で僕は昨日考えた変装作戦を2人に提案した。
するとローザからは「ん~…なんとかイケるかな…?」という反応でアニスは「難しいとは思うが、とりあえずタジェット様に相談してみろ。」と言われた。
「(えっ?無理そう?凄い良いアイディアだと思ったんだけど…。)」
僕は2人の反応に腑に落ちなかったが、とりあえず帰ったら兄様に相談することに決めた。
そして今日はお昼頃からローザの家でお泊まり会だ。
それまでの2時間、自由時間にしたのでそれぞれ思い思いに過ごすことにした。
ローザは今日のことを絵日記にしたりアニスは窓辺で本を読んだりしている。
僕はというとアニスにOKが出た敷地内で植物と動物の観察をすることにした。
手にはスケッチブックと手作りサンドイッチ。もしまたサックルさんに会ったら渡そうと思い今朝作ったものだ。
少し歩いてみたがいい場所がなかったので「(いい風景場所はないかな~?もうちょっと高台の方にいけば全体を見渡せるのかも。)」と思い、どんどん奥に入っていった。
しかし、夢中で歩いていたせいか気付いた時にはアニスに言われていた範囲を大きく超え、自分でも何処にいるか分からないところまで来てしまった。
「(えっ…ここ何処?マズイ…迷っちゃった…!とりあえず引き返さなくっちゃ!)」
僕は急いで元来た道を振り返り、脚を出そうとした瞬間、足元にリスが座っているのが見えた。慌ててリスを避けようと脚をズラすと大きく身体のバランスを崩し、横に倒れてしまった。
「うわっ!ちょっ…!」
と声をあげなから、そのまま高さ5m程の所から下に落ちていく。
「えぇーっ!!!」
「いたたた…。漫画みたいな展開だ…。」
幸い生い茂っていた草木のおかげで大きな怪我はなかったが背中とお尻を強打した。
僕は自分に治癒魔法をかけなんとか痛みを取ったが、この壁をどうやって登ろうか途方にくれていた。
「(はぁ~…。僕何やってんだろ、鈍臭すぎ…。)」と思いながら壁をよじ登ってみる。
しかし、岩壁は思ったよりも取っ掛かりがなく早々に登るのを断念してしまった。
「(これはもうアニス達に見つけてもらうしかないな…。)」
と諦め、その場で動かないことにした。
「(こういうのって無闇矢鱈に動かない方がいいって言うもんね。)」と無理矢理、納得させ、その場に留まることにした。
「(はぁ…ローザの失踪事件の次は僕の失踪か…。ホントごめん…このお泊まり会、散々だな…。)」
と思いながら岩壁にもたれていた。
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