122 / 122
第4章
122. 最終話
しおりを挟む
しばらく抱きしめ合った僕達だったがモリオンがゴソゴソと動き出したことでそれは終わりを告げた。
「んっ…モリオン…抜いて。」
彼が動く度にナカが擦れて恥ずかしい音が鳴る。
「ああ…そうだな。そろそろ抜くか…。」
そう言って彼が僕のナカからズルリ抜く。
彼は僕の隣にどさりと寝転ぶと再び僕を抱き締めながら首筋に顔を埋めた。そして震える声で「俺のことを嫌いになるか…?」と弱々しく聞いてくる。珍しい彼の態度に僕は「ううん、そんなことないよ。」と笑顔で返した。
次の日、城に勤める魔族達を全員集めたモリオンは僕の紹介しながら周りを威嚇する様にマジマジと見渡す。
「いいか、皆の者よく聞け。今後、妃となるショウを見下す態度、発言をした者は魔王である俺に意見したも同じ。それによって自分を危険に晒す勇気がない者は不用意にその言葉を発するでないぞ。」
堂々と発したモリオンはその発言後、僕を殆ど表舞台には出さなくなった。それは挙式が行われる数ヶ月後まで続き、やっと今日挙式を迎えることが出来た僕はモリオンのお披露目の儀の様な盛大さに懐かしさを覚える。
「どうした、疲れたのか?」
モリオンに凭れかかる僕を力強く抱き留めた彼は愛しげに僕を見つめた。
「ううん、昔を思い出しただけ。まさか自分が妃としてモリオンの横に立つなんてあの時の僕には想像もしていなかったなぁ。」
「フッ…そうか。だが必然だ。」
ニヤリと笑う彼に釣られ僕も微笑むと彼の頰にキスをする。
「モリオン、こんな頼りない僕だけどずっと一緒に居てね?」
「ああ、勿論だ。嫌だと言ってもその時はお前を監禁してまで側にいてもらうからな。」
「フフッ、熱烈だね。」
「お前だけだ。」
そしてお互いどちらともなく口付ける。
「「一生貴方だけだと誓う。」」
数年後ー。
モリオンのヤンデレ化に拍車がかかり、僕はなかなか部屋から出られなくなった。なのでここ数年、僕はよくモリオンやネフライトの目を盗んでは外出するようになった。なんだか鬼ごっこをしているようで楽しくて仕方ない。今日も後方からネフライトの怒声が聞こえる。
「ショウ様ー!走らないで下さい!身重の身体なんですからー!」
きっと僕はまた今夜モリオンに怒られるだろう…しかし本気で僕を監禁しない彼は僕のこの行動も予想済みによるもの。
実はモリオンのいないところで僕が妃になったのを気に入らない魔族に決闘を申し込まれたり、グロッシュラーがまたしても求婚して来たり、結婚を祝いにインカさんとアクアが訪ねて来たりといった話はまた今度。
僕は今、ネフライトから逃げるのに必死だからね!
「んっ…モリオン…抜いて。」
彼が動く度にナカが擦れて恥ずかしい音が鳴る。
「ああ…そうだな。そろそろ抜くか…。」
そう言って彼が僕のナカからズルリ抜く。
彼は僕の隣にどさりと寝転ぶと再び僕を抱き締めながら首筋に顔を埋めた。そして震える声で「俺のことを嫌いになるか…?」と弱々しく聞いてくる。珍しい彼の態度に僕は「ううん、そんなことないよ。」と笑顔で返した。
次の日、城に勤める魔族達を全員集めたモリオンは僕の紹介しながら周りを威嚇する様にマジマジと見渡す。
「いいか、皆の者よく聞け。今後、妃となるショウを見下す態度、発言をした者は魔王である俺に意見したも同じ。それによって自分を危険に晒す勇気がない者は不用意にその言葉を発するでないぞ。」
堂々と発したモリオンはその発言後、僕を殆ど表舞台には出さなくなった。それは挙式が行われる数ヶ月後まで続き、やっと今日挙式を迎えることが出来た僕はモリオンのお披露目の儀の様な盛大さに懐かしさを覚える。
「どうした、疲れたのか?」
モリオンに凭れかかる僕を力強く抱き留めた彼は愛しげに僕を見つめた。
「ううん、昔を思い出しただけ。まさか自分が妃としてモリオンの横に立つなんてあの時の僕には想像もしていなかったなぁ。」
「フッ…そうか。だが必然だ。」
ニヤリと笑う彼に釣られ僕も微笑むと彼の頰にキスをする。
「モリオン、こんな頼りない僕だけどずっと一緒に居てね?」
「ああ、勿論だ。嫌だと言ってもその時はお前を監禁してまで側にいてもらうからな。」
「フフッ、熱烈だね。」
「お前だけだ。」
そしてお互いどちらともなく口付ける。
「「一生貴方だけだと誓う。」」
数年後ー。
モリオンのヤンデレ化に拍車がかかり、僕はなかなか部屋から出られなくなった。なのでここ数年、僕はよくモリオンやネフライトの目を盗んでは外出するようになった。なんだか鬼ごっこをしているようで楽しくて仕方ない。今日も後方からネフライトの怒声が聞こえる。
「ショウ様ー!走らないで下さい!身重の身体なんですからー!」
きっと僕はまた今夜モリオンに怒られるだろう…しかし本気で僕を監禁しない彼は僕のこの行動も予想済みによるもの。
実はモリオンのいないところで僕が妃になったのを気に入らない魔族に決闘を申し込まれたり、グロッシュラーがまたしても求婚して来たり、結婚を祝いにインカさんとアクアが訪ねて来たりといった話はまた今度。
僕は今、ネフライトから逃げるのに必死だからね!
24
お気に入りに追加
1,518
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(115件)
あなたにおすすめの小説
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ヨミ様
コメントありがとうございます(^ ^)
ヨミ様はグロッシュラー推し?のようですね!
グロッシュラー×ショウでもストーリーは出来そうですが、残念ながらモリオン×ショウで落ち着いてしまいました。笑
サイドストーリーで展開させてもよさそうですね!
わざわざご感想ありがとうございました!
とても面白かったです...!
でも真名は伝えないんですか?
赤ずきん様
コメントありがとうございます!
そして面白かったと言って頂けて本当に嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡
確かに肝心な真名を教えてないですね⁉︎
前魔王様は知ってたのにモリオンが知らないのは可哀想…。
番外編でそのお話を書いてみたいと思います!
ありがとうございました!(^^)