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第4章
109. 見知った人物
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地下からなんとか登り切り見知った廊下に出る。
えっとコッチがモリオンの部屋だから…いや、モリオンの部屋の前には見張りが何人もいたはず…!やっぱりネフライトの部屋に…!
僕はネフライトの部屋に向かって走り出した。所々で巡回の兵に見つかりそうになったが、死角になりそうな場所を見つけて必死に近付いていく。
「はぁ…はぁ…!」
あともうちょっと…!
そう思い走り出そうとした時、背後からポンッと肩を叩かれた。ビクッと肩が上がり恐る恐る振り返るとそこには見知った顔があった。
「ッ!インペリアルさん!!!」
思わず彼に抱き着いた。以前なら絶対にしない彼の逞しい身体に額を擦り付け「あ~会いたかったぁ~!」と告げる。彼は「えっ…あっ…。」と戸惑っている様子だったが僕を無理に引き剥がそうとはしない。暫くしてやっと落ち着いた僕は彼を見上げ口を開く。
「僕、戻ってきたんだ!だからモリオンとネフライトに会わせて欲しい…!」
彼をジッと見つめ懸命に頼む。しかし彼は困った顔のまま「悪いが二人は今この地にいない。」と告げる。
「…えっ?」
彼の言葉の意味が分からず聞き返す。
「えっえっ⁉︎なんで?」
「お前を捜しているからだ。」
「えっ…?」
先程からエッとしか言っていない。
「お前が居なくなってこの100年、モリオン様やネフライト様はお前を捜して人間界に何度も足を運んでいる。モリオン様は政務がある為、定期的に帰っては来ているがネフライト様は殆ど帰ってはおられない…それだけ必死に捜しているということだ。」
「そんな…。」
二人がそこまで…。じゃあ暫くは会えない…?どうしたら会えるんだろう…彼らが帰ってくるまで待ってればいいのかな…?
僕がどうすればいいか考えているとインペリアルは眉間に皺を寄せ「…おい、まさかここで待つとか言うんじゃないだろうな?」と告げる。
「でもそれしか方法が…。」
「通信機があるだろう。」
「あっ…。」
すっかり忘れていた。1度通信を行うと半永久的に使えるとネフライトが言っていた。僕が慌てて通信をしようとすると「まぁ待て。俺がネフライト様に繋いでやる、それからお前がやればいい。俺から先にやった方が信憑性が高いだろう。」と言って止められた。
それから彼はネフライトに通信を行い僕は期待と不安が入り混じる中、その光景を見つめ続けた。
えっとコッチがモリオンの部屋だから…いや、モリオンの部屋の前には見張りが何人もいたはず…!やっぱりネフライトの部屋に…!
僕はネフライトの部屋に向かって走り出した。所々で巡回の兵に見つかりそうになったが、死角になりそうな場所を見つけて必死に近付いていく。
「はぁ…はぁ…!」
あともうちょっと…!
そう思い走り出そうとした時、背後からポンッと肩を叩かれた。ビクッと肩が上がり恐る恐る振り返るとそこには見知った顔があった。
「ッ!インペリアルさん!!!」
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「僕、戻ってきたんだ!だからモリオンとネフライトに会わせて欲しい…!」
彼をジッと見つめ懸命に頼む。しかし彼は困った顔のまま「悪いが二人は今この地にいない。」と告げる。
「…えっ?」
彼の言葉の意味が分からず聞き返す。
「えっえっ⁉︎なんで?」
「お前を捜しているからだ。」
「えっ…?」
先程からエッとしか言っていない。
「お前が居なくなってこの100年、モリオン様やネフライト様はお前を捜して人間界に何度も足を運んでいる。モリオン様は政務がある為、定期的に帰っては来ているがネフライト様は殆ど帰ってはおられない…それだけ必死に捜しているということだ。」
「そんな…。」
二人がそこまで…。じゃあ暫くは会えない…?どうしたら会えるんだろう…彼らが帰ってくるまで待ってればいいのかな…?
僕がどうすればいいか考えているとインペリアルは眉間に皺を寄せ「…おい、まさかここで待つとか言うんじゃないだろうな?」と告げる。
「でもそれしか方法が…。」
「通信機があるだろう。」
「あっ…。」
すっかり忘れていた。1度通信を行うと半永久的に使えるとネフライトが言っていた。僕が慌てて通信をしようとすると「まぁ待て。俺がネフライト様に繋いでやる、それからお前がやればいい。俺から先にやった方が信憑性が高いだろう。」と言って止められた。
それから彼はネフライトに通信を行い僕は期待と不安が入り混じる中、その光景を見つめ続けた。
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