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第1章
38. 宿屋?
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「ここだよ。」
そう言って彼が案内した場所は割と立派な建物で一見宿屋には見えない。ここに辿り着くまで何軒か宿屋の前を通り過ぎたが、こんなに立派な作りではなかった。不安を拭えない僕は堂々と指差す彼に恐る恐る尋ねる。
「あの、ここですか…?かなりお高いところでは…?」
今後のことを考えると宿泊費は最低限に抑えたい。初日からこんな高級なところに泊まってしまえば後々困ることは目に見えている。
「大丈夫、私に任せて。」
彼は僕に軽く返事をすると扉をノックした。
しばらくして中から出てきたのは壮年の男性で執事の様な格好をしている。その男性はノア様を見て驚いた顔をするとすぐに「中へどうぞ。」と告げた。よく分からないまま僕も続くと入り口近くのソファーへ促された。
「こちらで暫くお待ち下さい。」
そう言って執事は奥へと消えていく。
「…ノア様、大丈夫なのですか?」
「ああ、心配いらないよ。ここは安全だからね。」
にっこりと笑う彼を信じて待っていると先程の人とは違う男性がこちらにやって来た。後ろにはさっきの執事も控えている。
「ノア!久しぶりだな、よく来た!」
男性はノア様を抱擁しながら嬉しそうに声を上げる。
「こんな夜遅くに突然訪ねて申し訳ありません、少しご相談したいことがあるのですが宜しいですか?」
「ああ、いいとも!さぁさ中に入りなさい、お連れの方も。」
「あっありがとうございます、失礼します。」
そう促されるまま客室に案内された。
「オリバー、不安にさせてゴメンね。こちらの方は私の叔父であるアーサー・アボット公爵だよ。叔父様、こちらはオリバー・シェフィールド。私の友人です。」
えっ公爵家⁉︎挨拶しなくちゃ!
僕は急いで立ち上がり「お初にお目にかかります、オリバー・シェフィールドと申します。突然の訪問をお許し下さい。」とお辞儀をした。
「ハハハ、構わないよ。驚きはしたがノアも君も歓迎する、座りなさい。」
そう笑うアーサー様の心の広い言葉に安心しながら再び椅子に座る。
それからノア様はアーサー様に今晩1泊させてほしい旨と2人で旅に出る事になったこと、僕の探し人について話をしていた。
「オリバー、そういえば探している人について名前を教えてもらってなかったね?なんて言う人なんだい。」
ノア様の問いかけに本当の父親だと言えない僕はそのことについては伏せ名前だけを伝える。
「…フレディー・オークランドです。」
そう言って彼が案内した場所は割と立派な建物で一見宿屋には見えない。ここに辿り着くまで何軒か宿屋の前を通り過ぎたが、こんなに立派な作りではなかった。不安を拭えない僕は堂々と指差す彼に恐る恐る尋ねる。
「あの、ここですか…?かなりお高いところでは…?」
今後のことを考えると宿泊費は最低限に抑えたい。初日からこんな高級なところに泊まってしまえば後々困ることは目に見えている。
「大丈夫、私に任せて。」
彼は僕に軽く返事をすると扉をノックした。
しばらくして中から出てきたのは壮年の男性で執事の様な格好をしている。その男性はノア様を見て驚いた顔をするとすぐに「中へどうぞ。」と告げた。よく分からないまま僕も続くと入り口近くのソファーへ促された。
「こちらで暫くお待ち下さい。」
そう言って執事は奥へと消えていく。
「…ノア様、大丈夫なのですか?」
「ああ、心配いらないよ。ここは安全だからね。」
にっこりと笑う彼を信じて待っていると先程の人とは違う男性がこちらにやって来た。後ろにはさっきの執事も控えている。
「ノア!久しぶりだな、よく来た!」
男性はノア様を抱擁しながら嬉しそうに声を上げる。
「こんな夜遅くに突然訪ねて申し訳ありません、少しご相談したいことがあるのですが宜しいですか?」
「ああ、いいとも!さぁさ中に入りなさい、お連れの方も。」
「あっありがとうございます、失礼します。」
そう促されるまま客室に案内された。
「オリバー、不安にさせてゴメンね。こちらの方は私の叔父であるアーサー・アボット公爵だよ。叔父様、こちらはオリバー・シェフィールド。私の友人です。」
えっ公爵家⁉︎挨拶しなくちゃ!
僕は急いで立ち上がり「お初にお目にかかります、オリバー・シェフィールドと申します。突然の訪問をお許し下さい。」とお辞儀をした。
「ハハハ、構わないよ。驚きはしたがノアも君も歓迎する、座りなさい。」
そう笑うアーサー様の心の広い言葉に安心しながら再び椅子に座る。
それからノア様はアーサー様に今晩1泊させてほしい旨と2人で旅に出る事になったこと、僕の探し人について話をしていた。
「オリバー、そういえば探している人について名前を教えてもらってなかったね?なんて言う人なんだい。」
ノア様の問いかけに本当の父親だと言えない僕はそのことについては伏せ名前だけを伝える。
「…フレディー・オークランドです。」
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