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61. 2人へ報告
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僕達がリビングへ足を踏み入れるとクラリさんとサイさんが「おめでと~!」と出迎えてくれる。
僕とクローブさんは「えっ?」となりながらも照れながらそれを受け入れる。
「クローブ!やったわね!これで晴れてヨースケ君と恋人よ!」
「本当にでかした!こんな可愛い恋人が出来るとは…私は嬉しいよ!」
2人はとても喜びながらクローブさんに声を掛けている。
「(あれ…?でもなんで僕達が恋人になったこと知ってるんだろ…?えっ…嘘…まさか…!)
あの…もしかして聞こえてましたか…?」
と僕が恐る恐る窺うと「いや…まぁ…ちょっとね?」とサイさんが笑う。
僕は真っ赤になり「えぇー!ごめんなさい!聞きたくないもの聞かせちゃって…!」と謝った。
するとサイさんが「違う、違う!」と言う。
「ヨースケ君のお昼がまだだったからクローブがヨースケ君の部屋に入った後に持って行ったんだ、そしたら、ちょっと聞こえちゃって…すぐ引き返したから殆ど聞いてないよ!大丈夫!」
と必死に言われてしまった。
「それに…ヨースケ君には悪いと思ったけど、ヨースケ君のこと、クラリには話させてもらったよ。このままヨースケ君がクローブと何も無く過ごしていくなら言うつもりは無かったけど、2人が恋人同士になったのなら私達も関係してくると思って…。」
「そうなんじゃよ、悪かったね、勝手に聞いてしまって…それにしてもヨースケがヒトだったとは…驚きじゃ。しかし、言われてみれば獣感が少ないのも頷ける…では…しっぽもないんじゃな?」
「はい、そういったものは何も。それに今まで黙っていてごめんなさい…。僕、ヒトだってバレたら王家に引き渡されるんじゃないかと怖くて黙ってました…。」
「いいんじゃよ、サイからある程度、話は聞いておる。大変じゃったみたいじゃな…。それにこの家にはいつまでも居てくれて構わんからな、気を遣わんでくれ。」
「そうだよ、ヨースケ君。もしかしたら、いつか本当にここに嫁いでくるかもしれないんだし。」
「…それなんだが…父さん、母さん。」とクローブさんが静かに口を開く。
「ヨースケに結婚を申し込んだ。」
「「えぇ!?」」
と2人は急展開に驚きを隠せないでいた。
「それで良い返事を貰えたから近々、教会に行ってくる。」
「えっ!?そうなの、ヨースケ君!?」とサイさんが僕に聞いてくる。
「はい…。」と僕が照れながら伝えると突然抱き締められた。
「良かった!本当に良かった!ヨースケ君、おめでとう!クローブのこと宜しくね!」
と僕はその温かさに手を回すと「ありがとうございます。」とお礼を言った。
その日の夕食後、クローブさんに部屋へと招かれる。さっきまであれほど抱き合っていたのに、突然言われると恥ずかしくなる。
僕はいそいそとクローブさんの後について部屋に入っていった。
クローブさんの部屋は僕の部屋と同様、無駄な物は一切なく、ベッドなどの必要なものとパンに関する本が何冊かあるだけだった。
僕が部屋をキョロキョロと見渡していると「特に面白い物があるわけではないんだが…。」とクローブさんが頰を掻く。
「あっ…いや、そんなっ…!」と僕は自分がエロいことしか考えていなかったことを悟られないように必死だ。
そしてクローブさんはベッドに入ると当たり前の様に僕のスペースを空ける。
「悪いな…俺しか寝ないからこの大きさだが、今度大きなベッドを作ってやる。」
「ううん…この大きさでいいです。その方がクローブさんとくっ付いていられるから…。」
と僕が言うとクローブさんは僕を抱き締め口付ける。
「…ちゅっ…ヨースケ…俺を煽るのが上手いな。」
「んっ…クローブさん…好き…。」
と僕は恍惚とした表情で答え、この日も濃厚な夜を過ごすのであった。
次の日、僕はクローブさんが動く物音で目が覚めた。
「んっ…クローブさん…お仕事…ですか?」とまだ半分寝ている状態で窺う。
「ああ…ヨースケ、まだ朝早いから寝ていろ、身体も疲れているだろ…?」
と腰を撫でながらクローブさんは僕の身体を気遣ってくれる。
「んっ…でも…クローブさんをお見送りしたい…。」
僕は目をこすりながらクローブさんを見上げる。クローブさんは僕にチュッと口付けると「わかった…着替えて出る時にまた起こす…だからまだ寝ていろ。」と頭を撫でた。
僕は大人しくベッドに横たわると着替えているクローブさんを眺める。
「(はぁ~…やっぱり凄いイイ身体してる…無駄な肉がなくて引き締まってるし、筋肉も程よく付いてる…。)」
クローブさんは着替え終わると、こちらを見「なんだ、寝てなかったのか。」と僕の頰を撫でた。
僕は起き上がり「いってらっしゃい。」と腕を伸ばす。クローブさんは僕の意図をわかってくれたらしく「行ってきます。」と言って朝には不向きな深い口付けをして出て行った。
僕とクローブさんは「えっ?」となりながらも照れながらそれを受け入れる。
「クローブ!やったわね!これで晴れてヨースケ君と恋人よ!」
「本当にでかした!こんな可愛い恋人が出来るとは…私は嬉しいよ!」
2人はとても喜びながらクローブさんに声を掛けている。
「(あれ…?でもなんで僕達が恋人になったこと知ってるんだろ…?えっ…嘘…まさか…!)
あの…もしかして聞こえてましたか…?」
と僕が恐る恐る窺うと「いや…まぁ…ちょっとね?」とサイさんが笑う。
僕は真っ赤になり「えぇー!ごめんなさい!聞きたくないもの聞かせちゃって…!」と謝った。
するとサイさんが「違う、違う!」と言う。
「ヨースケ君のお昼がまだだったからクローブがヨースケ君の部屋に入った後に持って行ったんだ、そしたら、ちょっと聞こえちゃって…すぐ引き返したから殆ど聞いてないよ!大丈夫!」
と必死に言われてしまった。
「それに…ヨースケ君には悪いと思ったけど、ヨースケ君のこと、クラリには話させてもらったよ。このままヨースケ君がクローブと何も無く過ごしていくなら言うつもりは無かったけど、2人が恋人同士になったのなら私達も関係してくると思って…。」
「そうなんじゃよ、悪かったね、勝手に聞いてしまって…それにしてもヨースケがヒトだったとは…驚きじゃ。しかし、言われてみれば獣感が少ないのも頷ける…では…しっぽもないんじゃな?」
「はい、そういったものは何も。それに今まで黙っていてごめんなさい…。僕、ヒトだってバレたら王家に引き渡されるんじゃないかと怖くて黙ってました…。」
「いいんじゃよ、サイからある程度、話は聞いておる。大変じゃったみたいじゃな…。それにこの家にはいつまでも居てくれて構わんからな、気を遣わんでくれ。」
「そうだよ、ヨースケ君。もしかしたら、いつか本当にここに嫁いでくるかもしれないんだし。」
「…それなんだが…父さん、母さん。」とクローブさんが静かに口を開く。
「ヨースケに結婚を申し込んだ。」
「「えぇ!?」」
と2人は急展開に驚きを隠せないでいた。
「それで良い返事を貰えたから近々、教会に行ってくる。」
「えっ!?そうなの、ヨースケ君!?」とサイさんが僕に聞いてくる。
「はい…。」と僕が照れながら伝えると突然抱き締められた。
「良かった!本当に良かった!ヨースケ君、おめでとう!クローブのこと宜しくね!」
と僕はその温かさに手を回すと「ありがとうございます。」とお礼を言った。
その日の夕食後、クローブさんに部屋へと招かれる。さっきまであれほど抱き合っていたのに、突然言われると恥ずかしくなる。
僕はいそいそとクローブさんの後について部屋に入っていった。
クローブさんの部屋は僕の部屋と同様、無駄な物は一切なく、ベッドなどの必要なものとパンに関する本が何冊かあるだけだった。
僕が部屋をキョロキョロと見渡していると「特に面白い物があるわけではないんだが…。」とクローブさんが頰を掻く。
「あっ…いや、そんなっ…!」と僕は自分がエロいことしか考えていなかったことを悟られないように必死だ。
そしてクローブさんはベッドに入ると当たり前の様に僕のスペースを空ける。
「悪いな…俺しか寝ないからこの大きさだが、今度大きなベッドを作ってやる。」
「ううん…この大きさでいいです。その方がクローブさんとくっ付いていられるから…。」
と僕が言うとクローブさんは僕を抱き締め口付ける。
「…ちゅっ…ヨースケ…俺を煽るのが上手いな。」
「んっ…クローブさん…好き…。」
と僕は恍惚とした表情で答え、この日も濃厚な夜を過ごすのであった。
次の日、僕はクローブさんが動く物音で目が覚めた。
「んっ…クローブさん…お仕事…ですか?」とまだ半分寝ている状態で窺う。
「ああ…ヨースケ、まだ朝早いから寝ていろ、身体も疲れているだろ…?」
と腰を撫でながらクローブさんは僕の身体を気遣ってくれる。
「んっ…でも…クローブさんをお見送りしたい…。」
僕は目をこすりながらクローブさんを見上げる。クローブさんは僕にチュッと口付けると「わかった…着替えて出る時にまた起こす…だからまだ寝ていろ。」と頭を撫でた。
僕は大人しくベッドに横たわると着替えているクローブさんを眺める。
「(はぁ~…やっぱり凄いイイ身体してる…無駄な肉がなくて引き締まってるし、筋肉も程よく付いてる…。)」
クローブさんは着替え終わると、こちらを見「なんだ、寝てなかったのか。」と僕の頰を撫でた。
僕は起き上がり「いってらっしゃい。」と腕を伸ばす。クローブさんは僕の意図をわかってくれたらしく「行ってきます。」と言って朝には不向きな深い口付けをして出て行った。
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