33 / 81
33. ルート
しおりを挟む
それから1週間が経ち、ルート様のお相手をする日がやって来た。
ナックスさんは僕がルート様が来るまで、一切お客様を取らないよう配慮してくれ、僕はその間雑用だけの仕事をすれば良かった。
表上は僕の身体は小さいので、いくら魔法で治癒しても他の人より負担が大きいから、となっているが、きっとキーワ様が嫉妬からナックスさんを脅したんだと思う。
しかし、僕としても凄くありがたい提案だったので素直に甘えておいた。実際、僕は気持ちいいことやセックスも大好きだが、身体に負荷がかかっているのも事実だ。魔法でなんとか保っているものの、本来ならあれだけやれば僕のアソコや股関節は凄いことになっているはず。僕はその点ではキーワ様に感謝しなければならない。
そして、キーワ様からは僕がルート様が訪れるまでの間、毎日の様にバラに似た花束とメッセージカードが送られてくる。内容は僕の身体を心配している内容や愛しているなどの愛の言葉、私の元に来て欲しいという見受け話。表現がストレート過ぎて少し笑ってしまったが、日本ではなかったことなので素直に嬉しかった。
僕は今まで一晩だけの相手はいても恋人が出来たことがない。日本にいる時も何度かそういう話になったが、いつもはぐらかすかお断りしていた。自分でもよく分からないが、いつも素敵だな、と思う人は既婚者だったり只のセフレとしか考えてなかったり…自分が好きになる人と付き合えたことがない。相思相愛で付き合えるなら理想だが、僕は自分の好きになった人と付き合ってみたいと考えていた。
そして、僕は約束の時間となり部屋でドキドキしながらルート様を待っていた。手を握り締め「(どうか鬼畜攻めじゃありませんように…!)」と祈り続ける。その時、ノックと共にルート様らしき人が入ってきた。僕はまだ顔を上げれないのでルート様の足首から靴辺りを見つめている。
「顔を上げてもいいぞ。」
その声は今までの2人と違った軽いものだった。
「ありがとうございます。」と言いながら見上げる。初めて目が合い、僕は目を丸くした。
「(…デカい…!)」
デカイといっても身長だけではない、横にもデカイ。決して太っているというわけではなく、ラグビーとかアメフトとかやってそうな体型だ。タヌキという種族らしいといえばらしいのだが、もっと可愛らしいのを思っていたので動揺してしまった。
しかし、なるべく平穏を装い、ここでも定形的な自己紹介をし、ルート様を椅子へと促す。ルート様はこちらをジッと見つめ「お前がヨウか…。」と呟く。
「はい。」と返事をするとルート様はニヤッと笑い「お前がキーワ様のお気に入りなんだろ。俺のところにもキーワ様が来たぞ。」と言う。
「(やっぱり…。)
…ご迷惑お掛けしました。」
本来は僕が悪いわけではないが、とりあえず謝っておく。
ルート様はハハッと笑うと、
「ヨウが悪いわけじゃないだろ?キーワ様がそんだけハマる奴がどんなのか俺も気になっただけだ。だから、向こうの言ったことも受け入れなかったし。」
と動じたこともなく言ってのける。
そう言われると、僕の印象がどうだったか気になってきた。
「あの…期待外れでしたら申し訳ございません。私は特別美しいわけでもありませんし、こんなに身体も小さいです…。キーワ様はああやって言って下さってますが、私としては何処が良かったのかサッパリ…。」
(まぁ…身体は褒められたけど…。)」
「いや…あのキーワ様のお眼鏡に叶ったんだから自信を持ったらいいんじゃないか?それにヨウは美しい部類じゃなくて可愛い系だ。可愛い種族はこの世界で珍しいんだからそれも武器にすれば…あれ?…そういえばヨウの種族はサルか?耳が丸いな。」
そう言って耳を撫でられる。
「んっ…はい。サルはサルでも少し特殊なので獣っぽさが薄いのですが…。」
と僕が説明するもルート様からは返事はない。不思議に思い「ルート様?」と声を掛けると「…ああ。」と返事がある。
「…そうか、可愛い容姿に獣っぽさが薄いとなると余計モテるだろう…はぁ~…それにしてもヨウの色香は凄い…すぐ反応する。」
そう言うルート様の目線を辿ると既にルート様のモノがズボン越しに窮屈そうにしていた。
「(あっ…勃ってる…。)」
僕はおもむろにルート様の足元へ膝立ちになると「ルート様、こちらを慰めても宜しいですか?」と伺う。
「ああ…頼む。」
その言葉を聞き、僕はルート様のベルトに手を掛けた。
ナックスさんは僕がルート様が来るまで、一切お客様を取らないよう配慮してくれ、僕はその間雑用だけの仕事をすれば良かった。
表上は僕の身体は小さいので、いくら魔法で治癒しても他の人より負担が大きいから、となっているが、きっとキーワ様が嫉妬からナックスさんを脅したんだと思う。
しかし、僕としても凄くありがたい提案だったので素直に甘えておいた。実際、僕は気持ちいいことやセックスも大好きだが、身体に負荷がかかっているのも事実だ。魔法でなんとか保っているものの、本来ならあれだけやれば僕のアソコや股関節は凄いことになっているはず。僕はその点ではキーワ様に感謝しなければならない。
そして、キーワ様からは僕がルート様が訪れるまでの間、毎日の様にバラに似た花束とメッセージカードが送られてくる。内容は僕の身体を心配している内容や愛しているなどの愛の言葉、私の元に来て欲しいという見受け話。表現がストレート過ぎて少し笑ってしまったが、日本ではなかったことなので素直に嬉しかった。
僕は今まで一晩だけの相手はいても恋人が出来たことがない。日本にいる時も何度かそういう話になったが、いつもはぐらかすかお断りしていた。自分でもよく分からないが、いつも素敵だな、と思う人は既婚者だったり只のセフレとしか考えてなかったり…自分が好きになる人と付き合えたことがない。相思相愛で付き合えるなら理想だが、僕は自分の好きになった人と付き合ってみたいと考えていた。
そして、僕は約束の時間となり部屋でドキドキしながらルート様を待っていた。手を握り締め「(どうか鬼畜攻めじゃありませんように…!)」と祈り続ける。その時、ノックと共にルート様らしき人が入ってきた。僕はまだ顔を上げれないのでルート様の足首から靴辺りを見つめている。
「顔を上げてもいいぞ。」
その声は今までの2人と違った軽いものだった。
「ありがとうございます。」と言いながら見上げる。初めて目が合い、僕は目を丸くした。
「(…デカい…!)」
デカイといっても身長だけではない、横にもデカイ。決して太っているというわけではなく、ラグビーとかアメフトとかやってそうな体型だ。タヌキという種族らしいといえばらしいのだが、もっと可愛らしいのを思っていたので動揺してしまった。
しかし、なるべく平穏を装い、ここでも定形的な自己紹介をし、ルート様を椅子へと促す。ルート様はこちらをジッと見つめ「お前がヨウか…。」と呟く。
「はい。」と返事をするとルート様はニヤッと笑い「お前がキーワ様のお気に入りなんだろ。俺のところにもキーワ様が来たぞ。」と言う。
「(やっぱり…。)
…ご迷惑お掛けしました。」
本来は僕が悪いわけではないが、とりあえず謝っておく。
ルート様はハハッと笑うと、
「ヨウが悪いわけじゃないだろ?キーワ様がそんだけハマる奴がどんなのか俺も気になっただけだ。だから、向こうの言ったことも受け入れなかったし。」
と動じたこともなく言ってのける。
そう言われると、僕の印象がどうだったか気になってきた。
「あの…期待外れでしたら申し訳ございません。私は特別美しいわけでもありませんし、こんなに身体も小さいです…。キーワ様はああやって言って下さってますが、私としては何処が良かったのかサッパリ…。」
(まぁ…身体は褒められたけど…。)」
「いや…あのキーワ様のお眼鏡に叶ったんだから自信を持ったらいいんじゃないか?それにヨウは美しい部類じゃなくて可愛い系だ。可愛い種族はこの世界で珍しいんだからそれも武器にすれば…あれ?…そういえばヨウの種族はサルか?耳が丸いな。」
そう言って耳を撫でられる。
「んっ…はい。サルはサルでも少し特殊なので獣っぽさが薄いのですが…。」
と僕が説明するもルート様からは返事はない。不思議に思い「ルート様?」と声を掛けると「…ああ。」と返事がある。
「…そうか、可愛い容姿に獣っぽさが薄いとなると余計モテるだろう…はぁ~…それにしてもヨウの色香は凄い…すぐ反応する。」
そう言うルート様の目線を辿ると既にルート様のモノがズボン越しに窮屈そうにしていた。
「(あっ…勃ってる…。)」
僕はおもむろにルート様の足元へ膝立ちになると「ルート様、こちらを慰めても宜しいですか?」と伺う。
「ああ…頼む。」
その言葉を聞き、僕はルート様のベルトに手を掛けた。
26
お気に入りに追加
2,132
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
目覚めたそこはBLゲームの中だった。
慎
BL
ーーパッパー!!
キキーッ! …ドンッ!!
鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥
身体が曲線を描いて宙に浮く…
全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥
『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』
異世界だった。
否、
腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる