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33. ルート

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それから1週間が経ち、ルート様のお相手をする日がやって来た。

ナックスさんは僕がルート様が来るまで、一切お客様を取らないよう配慮してくれ、僕はその間雑用だけの仕事をすれば良かった。

表上は僕の身体は小さいので、いくら魔法で治癒しても他の人より負担が大きいから、となっているが、きっとキーワ様が嫉妬からナックスさんを脅したんだと思う。

しかし、僕としても凄くありがたい提案だったので素直に甘えておいた。実際、僕は気持ちいいことやセックスも大好きだが、身体に負荷がかかっているのも事実だ。魔法でなんとか保っているものの、本来ならあれだけやれば僕のアソコや股関節は凄いことになっているはず。僕はその点ではキーワ様に感謝しなければならない。

そして、キーワ様からは僕がルート様が訪れるまでの間、毎日の様にバラに似た花束とメッセージカードが送られてくる。内容は僕の身体を心配している内容や愛しているなどの愛の言葉、私の元に来て欲しいという見受け話。表現がストレート過ぎて少し笑ってしまったが、日本ではなかったことなので素直に嬉しかった。

僕は今まで一晩だけの相手はいても恋人が出来たことがない。日本にいる時も何度かそういう話になったが、いつもはぐらかすかお断りしていた。自分でもよく分からないが、いつも素敵だな、と思う人は既婚者だったり只のセフレとしか考えてなかったり…自分が好きになる人と付き合えたことがない。相思相愛で付き合えるなら理想だが、僕は自分の好きになった人と付き合ってみたいと考えていた。








そして、僕は約束の時間となり部屋でドキドキしながらルート様を待っていた。手を握り締め「(どうか鬼畜攻めじゃありませんように…!)」と祈り続ける。その時、ノックと共にルート様らしき人が入ってきた。僕はまだ顔を上げれないのでルート様の足首から靴辺りを見つめている。

「顔を上げてもいいぞ。」

その声は今までの2人と違った軽いものだった。

「ありがとうございます。」と言いながら見上げる。初めて目が合い、僕は目を丸くした。

「(…デカい…!)」

デカイといっても身長だけではない、横にもデカイ。決して太っているというわけではなく、ラグビーとかアメフトとかやってそうな体型だ。タヌキという種族らしいといえばらしいのだが、もっと可愛らしいのを思っていたので動揺してしまった。

しかし、なるべく平穏を装い、ここでも定形的な自己紹介をし、ルート様を椅子へと促す。ルート様はこちらをジッと見つめ「お前がヨウか…。」と呟く。

「はい。」と返事をするとルート様はニヤッと笑い「お前がキーワ様のお気に入りなんだろ。俺のところにもキーワ様が来たぞ。」と言う。

「(やっぱり…。)
…ご迷惑お掛けしました。」

本来は僕が悪いわけではないが、とりあえず謝っておく。

ルート様はハハッと笑うと、

「ヨウが悪いわけじゃないだろ?キーワ様がそんだけハマる奴がどんなのか俺も気になっただけだ。だから、向こうの言ったことも受け入れなかったし。」

と動じたこともなく言ってのける。

そう言われると、僕の印象がどうだったか気になってきた。

「あの…期待外れでしたら申し訳ございません。私は特別美しいわけでもありませんし、こんなに身体も小さいです…。キーワ様はああやって言って下さってますが、私としては何処が良かったのかサッパリ…。」
(まぁ…身体は褒められたけど…。)」

「いや…あのキーワ様のお眼鏡に叶ったんだから自信を持ったらいいんじゃないか?それにヨウは美しい部類じゃなくて可愛い系だ。可愛い種族はこの世界で珍しいんだからそれも武器にすれば…あれ?…そういえばヨウの種族はサルか?耳が丸いな。」

そう言って耳を撫でられる。

「んっ…はい。サルはサルでも少し特殊なので獣っぽさが薄いのですが…。」

と僕が説明するもルート様からは返事はない。不思議に思い「ルート様?」と声を掛けると「…ああ。」と返事がある。

「…そうか、可愛い容姿に獣っぽさが薄いとなると余計モテるだろう…はぁ~…それにしてもヨウの色香は凄い…すぐ反応する。」

そう言うルート様の目線を辿ると既にルート様のモノがズボン越しに窮屈そうにしていた。

「(あっ…勃ってる…。)」

僕はおもむろにルート様の足元へ膝立ちになると「ルート様、こちらを慰めても宜しいですか?」と伺う。

「ああ…頼む。」

その言葉を聞き、僕はルート様のベルトに手を掛けた。
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