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聖女覚醒
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アーチーとユリウスは目覚めない婚約者を気にしつつも、別行動時の話をしていた。
アーチーはアマリアの治癒能力の覚醒を目の辺りにし、ユリウスは意識はなかったが清浄になった室内から浄化能力の覚醒だろうと予測をつけて話していた。
「そうか。2人の聖女候補が2人も覚醒したという事になるんだね。僕は2人を争いさせたくはないんだ…目撃者多数のアマリアの覚醒隠蔽は難しいとは思うから、アマリアを聖女と確定してからしばらくしてからアレクサンドリア嬢の覚醒を公表するのはどうだろうか?」
アーチーの提案にユリウスは考え込んだ。
「…アマリア嬢は王族の婚約者だから守るのは容易だな。私の立場を考えるとアリアを別のトラブルに巻き込みそうだから、その提案でいいよ。私だけでアリアを守れない時には手を貸して貰うからな?」
アーチーはもちろんだと頷いた。
「未だに、ユリウスの周りはうるさかったりするのか?」
ユリウスは表情を崩さずに頷いた。
「そうか。僕はユリウスなら優秀だから王位は譲る事には抵抗はないんだよ?」
「譲られても困るから譲るなよ」
アーチーは珍しく嫌そうに語るユリウスに思わず笑っていた。
「そんなに嫌なんだね?そういえばアルフの婚約者はユリウスの婚約者候補だったんだよね?」
「………継承権嫌だから王族の血筋を濃く継ぐ侯爵令嬢なんて断るに決まってる。私が伯爵令嬢のアリアと婚約を決めたから、アルフが候補令嬢との婚約が決まったんだよ」
王位継承を嫌がるユリウスに、アーチーは宥めるように話題を変えることにした。
「アレクサンドリア嬢が幼少期に男装していたのはユリウスが女装していて婚約者になったからなのか?…今もたまに男装していたのには驚いたけどな」
「ああ、それか。私も最初はそう思ったよ。でも違うと最近伝えられたよ」
2人が話していると扉がノックされ、入室を許可するとアマリアとアレクサンドリアが目覚めたと伝えられた。
アマリアとアレクサンドリアを部屋へと通し、聖女についての話を伝え、2人にも了承を得た。
アマリアとアレクサンドリアは先程話していた、アマリアを聖女覚醒したと公表後にしばらくしてから、アレクサンドリアの公表をすると説明をした。
アマリアとアレクサンドリアは頷いた。
「……隣国へ行かれたミア様はどうなっているか、聞いてもよろしいでしょうか?」
アマリアは聖女候補として召喚されたミアが、今はどうなってるのか気になり問いかけた。
「……ミア嬢か。王弟殿下と側近の総騎士団長が…色々として魅了を使いこなせるようにはなっていると聞いているよ。帰国させてもいいが……ラビット夫人がアレクサンドリア嬢の転生の事を言ってしまったようで、王弟殿下が側近の転生前の知り合いなら会いたいから迎えに来たら返すとも言っていてね。どこまで魅了を使いこなせているのかもわからないから帰国してもらうか検討中かな」
アーチーに説明をされて、アマリアはアレクサンドリアを見た後にユリウスに視線を向けた。
「もちろん、アリアが行くなら私も行く。執務はアーチーに任せるつもりだから」
「私は行くのは構いませんが、ユーリは忙しいのではないですか?」
ユリウスはアレクサンドリアを抱き寄せた。
「あれにアリアが遠くで魅了されるかもしれないと思うよりは、近くで安心したいんだよ」
アレクサンドリアが頷くとアーチーも仕方ないなと、執務押しつけられる事を渋々承諾をした。
迎え行く日程は隣国相談の元決めることになった。
アーチーはアマリアの治癒能力の覚醒を目の辺りにし、ユリウスは意識はなかったが清浄になった室内から浄化能力の覚醒だろうと予測をつけて話していた。
「そうか。2人の聖女候補が2人も覚醒したという事になるんだね。僕は2人を争いさせたくはないんだ…目撃者多数のアマリアの覚醒隠蔽は難しいとは思うから、アマリアを聖女と確定してからしばらくしてからアレクサンドリア嬢の覚醒を公表するのはどうだろうか?」
アーチーの提案にユリウスは考え込んだ。
「…アマリア嬢は王族の婚約者だから守るのは容易だな。私の立場を考えるとアリアを別のトラブルに巻き込みそうだから、その提案でいいよ。私だけでアリアを守れない時には手を貸して貰うからな?」
アーチーはもちろんだと頷いた。
「未だに、ユリウスの周りはうるさかったりするのか?」
ユリウスは表情を崩さずに頷いた。
「そうか。僕はユリウスなら優秀だから王位は譲る事には抵抗はないんだよ?」
「譲られても困るから譲るなよ」
アーチーは珍しく嫌そうに語るユリウスに思わず笑っていた。
「そんなに嫌なんだね?そういえばアルフの婚約者はユリウスの婚約者候補だったんだよね?」
「………継承権嫌だから王族の血筋を濃く継ぐ侯爵令嬢なんて断るに決まってる。私が伯爵令嬢のアリアと婚約を決めたから、アルフが候補令嬢との婚約が決まったんだよ」
王位継承を嫌がるユリウスに、アーチーは宥めるように話題を変えることにした。
「アレクサンドリア嬢が幼少期に男装していたのはユリウスが女装していて婚約者になったからなのか?…今もたまに男装していたのには驚いたけどな」
「ああ、それか。私も最初はそう思ったよ。でも違うと最近伝えられたよ」
2人が話していると扉がノックされ、入室を許可するとアマリアとアレクサンドリアが目覚めたと伝えられた。
アマリアとアレクサンドリアを部屋へと通し、聖女についての話を伝え、2人にも了承を得た。
アマリアとアレクサンドリアは先程話していた、アマリアを聖女覚醒したと公表後にしばらくしてから、アレクサンドリアの公表をすると説明をした。
アマリアとアレクサンドリアは頷いた。
「……隣国へ行かれたミア様はどうなっているか、聞いてもよろしいでしょうか?」
アマリアは聖女候補として召喚されたミアが、今はどうなってるのか気になり問いかけた。
「……ミア嬢か。王弟殿下と側近の総騎士団長が…色々として魅了を使いこなせるようにはなっていると聞いているよ。帰国させてもいいが……ラビット夫人がアレクサンドリア嬢の転生の事を言ってしまったようで、王弟殿下が側近の転生前の知り合いなら会いたいから迎えに来たら返すとも言っていてね。どこまで魅了を使いこなせているのかもわからないから帰国してもらうか検討中かな」
アーチーに説明をされて、アマリアはアレクサンドリアを見た後にユリウスに視線を向けた。
「もちろん、アリアが行くなら私も行く。執務はアーチーに任せるつもりだから」
「私は行くのは構いませんが、ユーリは忙しいのではないですか?」
ユリウスはアレクサンドリアを抱き寄せた。
「あれにアリアが遠くで魅了されるかもしれないと思うよりは、近くで安心したいんだよ」
アレクサンドリアが頷くとアーチーも仕方ないなと、執務押しつけられる事を渋々承諾をした。
迎え行く日程は隣国相談の元決めることになった。
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