50 / 60
異世界再び
報告(四天王&魔王side)
しおりを挟む
四天王は魔王に人払いをして貰い、5人だけで再び話をした。
「……そうか。わかった、ジュニアの真名の事は気にはなるが他言しないなら対面するその時までは何もしない事にするよ」
四天王は黙って頷いた。
魔王がどこまで把握したのかはわからないが、イチの希望通りに勇者のいる城に呼ばないと約束してくれた。
「それで、カゲは任務はするが勇者の前には姿は今後一切見せたくないんだな?理由はその女か?それほど束縛も許せる程なら何も言わないよ。レオは?変わらずの任務遂行でかまわないんだな?」
「ああ。俺はアイツが望む事は全て叶えてやりたい。二度と離したくねぇから……」
「そうね。ワタシは変わらずね…あの子が望むならワタシも姿見せない事も望むけど、望まない事なら任務は変わらずするわ」
カゲとレオの言葉に魔王は了承し、カゲは勇者関連の任務は行っても勇者に姿を見せる事はなかった。レオは変わらず任務遂行する事に決まった。
「なぁ、1つだけ質問いいか?魔王様は勇者は人族だろ?人族の寿命は短いけどさ、勇者が寿命全う後はどうするつもりだ?基本的に魔族は真名を教えた伴侶を生涯ただ1人の伴侶にするよな?人族相手だと辛くないか…もしもなんだけどさ、勇者が魔族として転生してたらソイツを隣にって望むのか?」
ヒカルは四天王が転生しているとあんなに喜んでくれて、カゲの側にいたいと望んでるのにレオとカゲだけじゃなく魔王までイチ争奪戦になるのかと不安を抱いて尋ねた。
「……考えたくはないな。勇者がいなくなるのは、あの消失感を2度も味わうのか…。だが、我は勇者が橋本だから好ましく思う勇者ではない転生したとしても我には勇者だけだ。それが真名を伝えると言う生涯の伴侶であると我は思う。……人族を魔族の様に寿命を伸ばせるのならするが、出来ないなら望まない。勇者も己が年老いて我が変わらぬ姿なのを気に病んでいるから、我が残される事を悔やむのは勇者も気にするからな」
「……そっか。真名を明かす覚悟があったんだな」
ヒカルが悲しそうに呟いた。
「ヒカルが悲しむ事ではないだろう?お前はゴウキと真名を教えあってるのだろう。我はお前達の幸せを見届けるだけだ」
「それじゃあ、俺は勇者には姿見せねぇから。魔王様は隠密で俺が近くにいても勇者には伝えるなよ?勇者にバレない様に隠密スキルは磨くだけだから、護衛任務中に気づかれていたのは流石に悔しかったからな!」
カゲはそう言って、その場を後にした。
「わかったよ。カゲも過去を振り払う程に想える人が出来て我も安心した」
魔王はカゲの去った後を見送り呟いた。
「……そうか。わかった、ジュニアの真名の事は気にはなるが他言しないなら対面するその時までは何もしない事にするよ」
四天王は黙って頷いた。
魔王がどこまで把握したのかはわからないが、イチの希望通りに勇者のいる城に呼ばないと約束してくれた。
「それで、カゲは任務はするが勇者の前には姿は今後一切見せたくないんだな?理由はその女か?それほど束縛も許せる程なら何も言わないよ。レオは?変わらずの任務遂行でかまわないんだな?」
「ああ。俺はアイツが望む事は全て叶えてやりたい。二度と離したくねぇから……」
「そうね。ワタシは変わらずね…あの子が望むならワタシも姿見せない事も望むけど、望まない事なら任務は変わらずするわ」
カゲとレオの言葉に魔王は了承し、カゲは勇者関連の任務は行っても勇者に姿を見せる事はなかった。レオは変わらず任務遂行する事に決まった。
「なぁ、1つだけ質問いいか?魔王様は勇者は人族だろ?人族の寿命は短いけどさ、勇者が寿命全う後はどうするつもりだ?基本的に魔族は真名を教えた伴侶を生涯ただ1人の伴侶にするよな?人族相手だと辛くないか…もしもなんだけどさ、勇者が魔族として転生してたらソイツを隣にって望むのか?」
ヒカルは四天王が転生しているとあんなに喜んでくれて、カゲの側にいたいと望んでるのにレオとカゲだけじゃなく魔王までイチ争奪戦になるのかと不安を抱いて尋ねた。
「……考えたくはないな。勇者がいなくなるのは、あの消失感を2度も味わうのか…。だが、我は勇者が橋本だから好ましく思う勇者ではない転生したとしても我には勇者だけだ。それが真名を伝えると言う生涯の伴侶であると我は思う。……人族を魔族の様に寿命を伸ばせるのならするが、出来ないなら望まない。勇者も己が年老いて我が変わらぬ姿なのを気に病んでいるから、我が残される事を悔やむのは勇者も気にするからな」
「……そっか。真名を明かす覚悟があったんだな」
ヒカルが悲しそうに呟いた。
「ヒカルが悲しむ事ではないだろう?お前はゴウキと真名を教えあってるのだろう。我はお前達の幸せを見届けるだけだ」
「それじゃあ、俺は勇者には姿見せねぇから。魔王様は隠密で俺が近くにいても勇者には伝えるなよ?勇者にバレない様に隠密スキルは磨くだけだから、護衛任務中に気づかれていたのは流石に悔しかったからな!」
カゲはそう言って、その場を後にした。
「わかったよ。カゲも過去を振り払う程に想える人が出来て我も安心した」
魔王はカゲの去った後を見送り呟いた。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
孤独な王子は道化師と眠る
河合青
BL
平民として生まれ育ったユリウスは、ある日死んだと聞かされていた父親が実はこの国の国王であったことを知らされ、王城で暮らすこととなる。
慣れない王子としての暮らしの中、隣国との戦でユリウスは隣国の王に関われていた少年ウルを救出する。
人懐っこく明るいウルに心を開いていくユリウス。しかし、男娼として扱われていたウルはユリウスへ抱いて欲しいと迫り、ユリウスはそれを頑なに断っていた。
肌を重ねることなく、何度も夜を過ごす2人の関係は少しずつ変化していく。
道化師×王子の身分差BL
【攻め】ウル 16歳
明るく人懐っこい道化師の少年。芸人としても多才だが、今まで男娼として扱われることのほうが多かった。
自分を助けてくれたユリウスに感謝しており、恩返ししたいと思っている。
【受け】ユリウス 19歳
平民として生まれ育った王子。未だに王子としての実感は薄い。
おおらかでさっぱりとした性格。ウルのことを守ってやりたいと思っている。
学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺
ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。
その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。
呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!?
果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……!
男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?)
~~~~
主人公総攻めのBLです。
一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。
※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる