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異世界再び

魔王と四天王(四天王side)

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魔王の元に四天王が呼ばれ、他は人払いされていた。

「聞きたい事がある。銀髪、紫目の隠密に優れた奴を知っているか?……どこで知ったのかは知らないが、ジュニアの真名を知っていたんだ」

魔王は人払いもしていたので、魔王としての口調ではなく親しみやすく話してもらいたい為に前世よりの口調で尋ねた。

四天王達は返答に困り黙秘した。

ヒカルとゴウキはイチ=勇者橋本と知っていたから、真名を知るのは当然だと思い。
レオとカゲはイチに当てはまるとは思いつつも真名を知っている事でイチに不利益になるかと黙秘していた。

「その顔は知っているんだな?真名の意味は知っているだろ。どういう経緯で知ったのかも気にはなるが、真名を知っているならジュニアとの仲を深めて欲しいんだが……」

魔王の知っているなら、連れてきて欲しいと続く言葉をレオとカゲが遮った。


「ダメよ!渡さない!!」

「俺のだ!会わせねぇ!!」

レオとカゲの剣幕に魔王は驚き、ヒカルとゴウキはイチの正体が魔王にバレないかと思いながらも表情に出さずにいた。


「ヒカルとゴウキは何かないのか?ジュニアの真名だけではなく、我を舞桜と呼んでいた気がするんだが?」

ヒカルはイチの軽率な発言に答えに困っていた。

「知ってる奴だな。勇者の護衛任務を手伝ってくれていたから……それ以上は本人の許可なくは話せない」

ゴウキは四天王共有の事だけ答え、それ以上は口を噤んだ。

「……なるほど。その者も転生しているんだな?だが、何故ジュニアの真名を知っている?理由が知りたい連れてきて欲しい」

「イヤよ!真名を互いに教え合わせるつもりなの?」

「渡さねぇって言ったよな?」

レオとカゲは拒絶した。

「……あのさ。隠密で今は俺ら四天王の前にも姿見せないから連れて来るのは無理だよ」

ヒカルはイチが隠れているなら四天王では見つける事は出来ない事を告げた。

「では、我が探し位置を教えるから問題はない。真名を知っていた理由を聞きたい」

「渡さないわ!…転生していたとしても、関係ないわ。見つけてもワタシかカゲのよ!」

「俺のだ。渡さねぇ、会わせねぇ!」

魔王はレオとカゲの譲らない態度に溜息をついた。

「ジュニアの真名を知っている理由が知りたいだけだ、ジュニアとの仲を取り持つ訳じゃない。……後は、レオとカゲがそこまで執着している子には会ってみたいという好奇心だ。それに、転生しているなら我らと話も合うかもしれないだろ?」

レオとカゲは不満気に頷いた。

「なぁ、転生してるって問うつもりなのか?己の転生も明かさないで?……俺とゴウキが転生してるって明かしてるし明かされてる、秘密を知るなら秘密を教えるのが礼儀だよな?」

「そうだな。レオとカゲも明かしていないのだろう?共に明かし話さないか?その者の位置を探し教えたら我にも会わせて欲しい」

レオとカゲは不服げに頷いた。
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