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交差し始める想い

気づきたくない想い

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約束当日

食材と飲み物を買いカゲの教えられた住所を頼りにカゲの家へと向かった。

迷うことなくたどり着いて、チャイムを鳴らすと少し疲れた様な表情のカゲが出迎えてくれて俺を部屋へと招き入れ防犯の為かすぐに鍵をかけて、課題の続きをし始めた。

俺はキッチンを借りると一言告げて、返信ないけど事前に作るって事に許可されていたからキッチンへと向かった。


邪魔にならない様に事前にキッチン内の調理器具は好きに使っていいと許可を取っていた。

簡単な物しか作れないから、オムライス作る為のフライパンとスープを作る為の鍋を取り出して、他にも必要な調理器具等を先に用意をして、温め直しがしやすいスープから作る事にした。

スープは簡単なベーコンと玉ねぎの中華スープにした。
玉ねぎはオムライスにも使うため、半分スープに使う事にして、手慣れていないため慎重に玉ねぎをスライスして失敗しないように確認しながらゆっくりと作った。

手際の悪さもあって昼過ぎに完成した。
温かいうちに食べて欲しくて、課題を真剣にしているカゲに声をかけると、パソコンで調べながらしていたからなのか、眼鏡をかけたカゲが振り向いた。

眼鏡のカゲがいつもよりも知的で落ち着いた雰囲気で思わず無言で見ていたら、カゲは眼鏡を机に置いて立ち上がった。

「どうした?飯出来たんだろ?」

パソコン用の眼鏡だったのか、外された事に机に置かれた眼鏡を見ていて慌てて頷いた。

「……眼鏡が気になるのか?」

食事並べているテーブルを前に座り尋ねられ、素直に頷いた。

「眼鏡かけてるの初めて見たから…その、似合ってて、カッコイイなって思ったから」

「そうか、ありがとう。冷める前に食おう?いただきます」


俺も慌てて手を合わせてから「いただきます」と食べながらも美味しいかな?と不安に思いながら時々見ていた。

俺の視線に気づいて、微笑してから
「美味いよ。伝えなくて悪かったな」

見ていた事がバレてたのも恥ずかしかったけど、なんて言うか…カゲとのこういう時間って好きなんだよな。
癒されるというか安心出来るんだよな。


考え事をしながら完食をして、カゲには課題の続きをして貰うように伝えて、俺は後片付けの為、動き始めた。

後片付け後も終えて、手持ち無沙汰にしていたら魔王からの連絡が来ていて。

魔王には今日カゲと会う約束していたって伝えていたのに……。

何で、カゲといる間に連絡来るんだよ……。

やっぱり、魔王はカゲが好きなのかな……。

…………嫌だな。


…えっ?何だ、嫌だって??


「どうした?」

声に気づくとカゲが隣にいて、心配そうに見ていた。

「課題は?」

「終わった。何かあったのか?」

俺が答えられないでいると
俺がスマホの画面見て、不安そうになっていて慌てた様子を見ていたカゲはスマホに視線やり。

「何か連絡があったのか?」



カゲは魔王からの連絡だって気づいて聞いてきた…。

カゲも魔王の事を……。

そんな事を考えて、俺はカゲからの問に答えずに、嫌だと言う思いから首を横に激しく振っていた。

「何もないならいいんだが?ほら、課題も終わったから。ゆっくり出来るが…もう夕方なんだな?夕飯でも食いに出るか?」

カゲは追求する事もなく俺の頭を撫でてくれた。

カゲに頭撫でられるのって心地よくて好きなんだよな。
カゲって優しい先輩だよな。

俺はカゲに擦り寄る様に頭を撫で貰った。

「そんなに待たせたか?食いに出るのはやめて、出前にでもするか?…あり合わせで何か作るには面倒だから」

俺はカゲの手料理も食いたいとは思ったけど、課題終えて疲れてるカゲに言える訳もなく出前とる事に頷いた。

「今度は俺が飯作ってやるから。今日は出前にするか。近場で速いのは……」

頼りになって優しいなんて、魔王が好意抱くのはしかたないよな……。

カゲは魔王の事をどう思ってるんだろうな?



俺がそんな事を考えていた間に話も聞かずに頷いた俺も悪いけど、いつの間にか出前をし終えたカゲに俺は頬を摘まれた。

「おい、何考えてた?待たせすぎて疲れたか?今日は悪かったな」

優しく言いながらも頬をムニムニと摘まれた。

カゲの表情が優しくて俺は表情緩ませ嬉しさに笑みこぼれていた。
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