体質が変わったので

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ともだち(3)ウワサの神社

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 翌日、僕と直は餅つきをしたという『ふるさと館』へ行ってみた。餅つきの他、黒豆入りのパン作り、そば打ち体験、焼き栗作りなど、地域の特産品をアピールする体験型施設だ。
「ここ自体にはおかしなものはないな」
「そうだねえ」
 グルリと回って歩き、隣にある神社へ行ってみる。
 宮司などは常駐していない小さな神社で、雑木林がうっそうと生い茂り、静かだ。
 先に入って行った女子大生くらいの2人組が、
「ここ、カップルで来たら別れるんやて」
「ホンマに?」
「絶対にやって。強烈な縁切り神社やで。
 友達の彼氏が束縛タイプのDV男で、どうやっても別れてくれへんかって、もう殺すしかないとまでその子は思いつめとったらしいんやけどな、ここに来たら、嘘みたいに別れてくれたんやって」
「ホンマ?凄いなぁ」
「ギャンブル癖と縁切ったちゅう人もおるし」
「私、何と縁切ろ。あ、ダイエット失敗にしよ」
「私は、お祈りメールや。就職できますように」
などと言いながら、お賽銭をあげて、手を合わせて行く。
 それを見送って、考える。
「聞いたか、直」
「うん。ここに神様はいないのにねえ」
「たまたま?」
「ううん。どうだろうかねえ」
 首を捻っていると、近所のおばあさんらしき人が花を持って現れ、雑木林の中の1本の木の根元に置いた。そして、軽く手を合わせてから本殿に参り、帰って行く。
「何かあったらしいな」
 僕と直は、警察署に行ってみた。

 どこにいるのか確認し、合流する。
 3人は岩滝の方におり、お土産の海産物やお菓子、ワインを、これでもかと買っていた。
 ついでに僕も買って、家宛てに送っておいた。兄ちゃんの好きなノドグロの一夜干しとか、イカとか、アジの開きとか、冴子姉の好きな生ハムとか、ワインも何本かとお菓子類。
 ついでに、ワインの苗のオーナーになって会費を払うと年に2本ワインを送って来てくれるというクラブがあったので、入会してきた。
 目的を忘れてはいない。ついでだ、ついで。
「もう終わりかあ。早いわねえ」
 美里が漏らすのに、エリカがすぐに言う。
「でも楽しかったわ。またどこか行こうよ!」
「いいわねえ。次はどこがいいかしら。何食べたい?」
「フグ!フグがいいです」
「じゃあ、山口か福岡ね」
 食べたいもので決めるのか?別にいいけど。
「でも、フグなら冬がいいわよ。これから温かくなっていくから、そうね」
「パイナップルとかパパイア、マンゴーはどうかしら」
「おーきーなーわー!」
「きゃああ、賛成!」
 勝手にしてくれ。
 その為にも、この霊を何とかしないとな。
「というわけだから、坂井友子さかいともこさん。相談しましょう」
 三人の背後に、霊が現れた。





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