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【1】過保護すぎませんかね、この女神様

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「はじめまして、カナデ様。わたくし、女神のカナディアと申します」

 ……私の名前はあおい かなで。アラサーまっさかりの冴えないOL。

「ご気分はいかがですか? 何か、痛いところはありませんか?」

 ……最近仕事がデスマーチ気味で、ろくに睡眠も食事も化粧もこなせていない。ボサボサ頭の陰キャ女子。女子? むしろ喪女?

「お腹、すいていませんか? 不安なこと、辛いこと、ありませんか? わたくしでよければ、お話だけでも聞くことができます」

 ……あまりに不摂生だったためか、自宅でシャワーを浴びてるうちに急に気分が悪くなって、倒れて、動けなくなって。ああ、こりゃ死んだわと思ったんだっけ。

「そうだ。歌を歌いましょうか。わたくし、これでも歌うのは得意なのですよ。ゆっくり横になって、心を落ち着かせてください。さあ、どうぞこちらへ。わたくしの膝の上に横になってくださいな。遠慮せずに」

 ……まったく、冴えない人生だったなあ。彼氏もいない、仕事にも恵まれない、人付き合いは苦手、そんで最後は孤独死……死んだよね、私? さすがにあの状況で生きてるとは思えないよ?
 その証拠に、やたら綺麗でキラキラした、翼まで生やした女神様が見えるし。

 それにしても、女神様の太もも柔らかー。肌すべすべ。どうやったらこんな生き物になれるんだ? 女神だから当然なのか?

「いーこ、いーこ」

 ……っていうか。
 いい加減、過保護すぎませんかね、この女神様。神か。神だよ。

 何、どうなってんの。この状況。
 え、何。え、え?

 私……どうなったの?


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