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番外編
番外編8ー1 アエラボ商会の実力(1)ー1
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私は4人と一緒に通用口から家に入り、先に貸す予定の部屋を見てもらった。
ユリーカは、2人部屋だと思っていたのに個室だったので喜び、ミシュリーは、共同風呂とミニキッチンがあることに感動していた。
タニアは、ベッドなどの備品もあり中心地だから、小金貨5枚は必要だと冷静に評価し、レフィルは、この家を買ったお兄ちゃんに興味を持ったようで、仕事や年齢や学歴を訊いてきた。
「お、お兄ちゃんは、商人とか薬師とかいろいろやってて……王立高学院の医学コースに在学する17歳?」
レフィルの質問に、ついしどろもどろになってしまった。
「ええっ! 17歳?」「医学コースの学生?」って、全員が驚いて声を上げた。
ここまで来て、自分の軽率な行動を後悔し始めた。
なんで母さんが買った家だって言わなかったんだろう・・・
自分が覇王の妹だと知られたくないと思っていたのに、これじゃあ絶対に秘密にできないわ。
……やっちゃった・・・
「おかえりメイリ。お客さんかな? 編入試験はどうだった?」
いつもの優しい笑顔で迎えてくれるアコルお兄ちゃん、ごめんなさい。
「もちろん合格したわよ、お兄ちゃん。
あの、お願いがあるんだけど・・・編入試験で友達になった4人が、安い学生アパートが満室で困ってるの。
学園で斡旋できる所は小金貨3枚で高いから、1階の小部屋を貸してもいい?
ここは一等地だから、夕食付きで小金貨2枚だと、安すぎてダメかなぁ?」
王都だって、上級地区は高位貴族専用で、中級地区だって平民が住むのは難しかったのに、学園都市に来たばかりの私は、浮かれて簡単に考えてしまった。
「此処の立地を考えると、夕食付きだと最低でも小金貨4枚だな。
夕食抜きでも、小金貨4枚で借りたいと希望する者は多いだろう。
なにせうちは温水魔術具が、風呂・キッチン・洗面所に設置してある。
リビングには温風魔術具もあるから、魔石の充填代だけでも月に金貨8枚は必要だ。まあ、条件次第だな」
お兄ちゃんは、我が家の設備も考慮すべきだぞと、不出来な妹に苦笑しながら教えてくれる。
「ごめんなさいメイリちゃん。こんな凄いお屋敷だって思ってなかったから、迷惑掛けちゃったわ」
お兄ちゃんの話を聞きながら、どんどん顔色が悪くなっていく皆を代表して、ユリーカが諦めた作り笑顔で謝罪する。
「では、一人ずつ順に面接し、条件を考えよう」
お兄ちゃんは笑いながらそう言って、全員ソファーに座るよう指示を出した。
「条件?」って、私を含め5人の戸惑う声が揃った。
そこからお兄ちゃんは全員を面接して、冒険者ランク・出身領地・学歴・成績・家族構成・身分・卒業後の進路希望などを訊いた。
「勇者学園上級魔法コースは、来月から講義時間が短縮される。
魔力切れで倒れることを防ぐため、講義は午後3時で終了する。
また金銭的に余裕のない学生が多いため、成績優秀者に限り、学園が指定する公共機関や各ギルド、商会や商店などで、公休以外に月6日学校を休んで仕事することが認められる」
「ええぇーっ!」と、またまた全員の声が揃った。
「そこで私は君たちに、1日銀貨1枚の仕事先を斡旋し、月6日働いてもらう。
私は雇い主から毎月小金貨3枚を受け取り、家賃として充当する。
それにプラスして、この家の掃除、食事の準備、メイリの高学院受験の教師等を交代で行うと約束すれば、部屋を貸してもいい」
お兄ちゃんは驚きの新情報を伝え、働いた賃金で家賃を払う方法を提案する。
レフィルは、覇王学園の創薬学部研究棟の警備。
ユリーカは、ミレーヌ様がいらっしゃる中央執行棟の貴族管理部で雑務。
タニアは、商学部を卒業しているので、アエラボ商会の建設部門で事務。
ミシュリーは、明るく愛想もいいので、アエラボ商会の公共事業部で受付。
「私が覇王学園で働けるんですか?」と、レフィルは瞳を輝かせる。
「ミ、ミレーヌ様と同じ貴族管理部で働ける?」と、ユリーカは放心状態に。
「私が大商会で事務の仕事? えっ?」って、タニアは自分の頬をつねる。
「受付の仕事で銀貨1枚? アエラボ商会って大商会なの?」って、ミシュリーは何が何だか分からないって顔でキョロキョロする。
……ああ、人手が足らないって、お兄ちゃんが困っていた部署ばかりだ。
ユリーカは、2人部屋だと思っていたのに個室だったので喜び、ミシュリーは、共同風呂とミニキッチンがあることに感動していた。
タニアは、ベッドなどの備品もあり中心地だから、小金貨5枚は必要だと冷静に評価し、レフィルは、この家を買ったお兄ちゃんに興味を持ったようで、仕事や年齢や学歴を訊いてきた。
「お、お兄ちゃんは、商人とか薬師とかいろいろやってて……王立高学院の医学コースに在学する17歳?」
レフィルの質問に、ついしどろもどろになってしまった。
「ええっ! 17歳?」「医学コースの学生?」って、全員が驚いて声を上げた。
ここまで来て、自分の軽率な行動を後悔し始めた。
なんで母さんが買った家だって言わなかったんだろう・・・
自分が覇王の妹だと知られたくないと思っていたのに、これじゃあ絶対に秘密にできないわ。
……やっちゃった・・・
「おかえりメイリ。お客さんかな? 編入試験はどうだった?」
いつもの優しい笑顔で迎えてくれるアコルお兄ちゃん、ごめんなさい。
「もちろん合格したわよ、お兄ちゃん。
あの、お願いがあるんだけど・・・編入試験で友達になった4人が、安い学生アパートが満室で困ってるの。
学園で斡旋できる所は小金貨3枚で高いから、1階の小部屋を貸してもいい?
ここは一等地だから、夕食付きで小金貨2枚だと、安すぎてダメかなぁ?」
王都だって、上級地区は高位貴族専用で、中級地区だって平民が住むのは難しかったのに、学園都市に来たばかりの私は、浮かれて簡単に考えてしまった。
「此処の立地を考えると、夕食付きだと最低でも小金貨4枚だな。
夕食抜きでも、小金貨4枚で借りたいと希望する者は多いだろう。
なにせうちは温水魔術具が、風呂・キッチン・洗面所に設置してある。
リビングには温風魔術具もあるから、魔石の充填代だけでも月に金貨8枚は必要だ。まあ、条件次第だな」
お兄ちゃんは、我が家の設備も考慮すべきだぞと、不出来な妹に苦笑しながら教えてくれる。
「ごめんなさいメイリちゃん。こんな凄いお屋敷だって思ってなかったから、迷惑掛けちゃったわ」
お兄ちゃんの話を聞きながら、どんどん顔色が悪くなっていく皆を代表して、ユリーカが諦めた作り笑顔で謝罪する。
「では、一人ずつ順に面接し、条件を考えよう」
お兄ちゃんは笑いながらそう言って、全員ソファーに座るよう指示を出した。
「条件?」って、私を含め5人の戸惑う声が揃った。
そこからお兄ちゃんは全員を面接して、冒険者ランク・出身領地・学歴・成績・家族構成・身分・卒業後の進路希望などを訊いた。
「勇者学園上級魔法コースは、来月から講義時間が短縮される。
魔力切れで倒れることを防ぐため、講義は午後3時で終了する。
また金銭的に余裕のない学生が多いため、成績優秀者に限り、学園が指定する公共機関や各ギルド、商会や商店などで、公休以外に月6日学校を休んで仕事することが認められる」
「ええぇーっ!」と、またまた全員の声が揃った。
「そこで私は君たちに、1日銀貨1枚の仕事先を斡旋し、月6日働いてもらう。
私は雇い主から毎月小金貨3枚を受け取り、家賃として充当する。
それにプラスして、この家の掃除、食事の準備、メイリの高学院受験の教師等を交代で行うと約束すれば、部屋を貸してもいい」
お兄ちゃんは驚きの新情報を伝え、働いた賃金で家賃を払う方法を提案する。
レフィルは、覇王学園の創薬学部研究棟の警備。
ユリーカは、ミレーヌ様がいらっしゃる中央執行棟の貴族管理部で雑務。
タニアは、商学部を卒業しているので、アエラボ商会の建設部門で事務。
ミシュリーは、明るく愛想もいいので、アエラボ商会の公共事業部で受付。
「私が覇王学園で働けるんですか?」と、レフィルは瞳を輝かせる。
「ミ、ミレーヌ様と同じ貴族管理部で働ける?」と、ユリーカは放心状態に。
「私が大商会で事務の仕事? えっ?」って、タニアは自分の頬をつねる。
「受付の仕事で銀貨1枚? アエラボ商会って大商会なの?」って、ミシュリーは何が何だか分からないって顔でキョロキョロする。
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